項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:50

マウス

パソコンがブラウン菅へのグラフィック表示対応が標準になりグラフィカルユーザインタフェース (GUI) 対応になると、画面へに対するポインティングデバイスの使用が始まった。
その代表のポイントデバイスがマウスであり今では広くパソコンと同様に知られているが、スマホとタブレット端末の普及でパソコンを使用しない世代が増えると、知名度が下がる可能性はある。
GUIの最初はスクリーンエディタだが(それ以前は1行単位で行うラインエディタだった)、日本ではX68Kというマウス標準装備パソコンが登場しそれに直ぐにベストセラーのPC8001シリーズが続き、その後のWindows OSの時代と共に標準的なツールとなった。
マウスの形状やボタンは機器とOSにより異なるが、アップル系パソコン以外はほぼWindows対応のマウス機器と動作として普及した、デスクトップタイプのパソコンでは現在もその形は継続する、ノートタイプのパソコンでは標準は本体組み込みの他のポイントデバイスだがオプションでマウスを使う事は同様に普及している。

マウスは関知機構とボタンを基本として装備し、用途別に他の装備が加わった、ボタンは使用するハードとOSで異なる展開を見せた。
関知機構の第1世代はボール式だった、1970年代に内蔵ボールの一部が底面側に露出するボール式が開発されてその後の主流となった。
その機構はボールのころがりを操作で直感出来るのが特徴だった、機械的な摩擦構造上の理由で滑りが生じる事は避けられなかった、操作環境や使用方法に慣れと機構の理解が必要だった、また接触式故にゴミを巻き込む事は避けられずに定期的に分解清掃するメンテナンスが必要だった。
機械的なボール式の欠点を改良した光学式が第2世代として1980年代に開発された、その方式はLEDなどの光源と光学センサで移動を検出するものだった、それは専用パッドを使用した為に高価であり業務用途等の限られた使用範囲に限られた、それはボール式と比較するとメンテナンスフリーと呼べるものだった。

光学式の普及を目指して、専用パッドの不要なタイプが1999年に登場した。
そこでは赤色LEDを使用して光を底面に照射してそれをカメラセンサーで検出してマウスの動きを認識する、このタイプが飛躍的に普及を続けている、その特徴は赤色の光であり一目で区別出来る。
上記で専用のマウスパッドは不要になったが、当然ながら床面が透明だったり白い材質や鏡面だったりして光の反射が不安定な時にはマウスの動作が検出できない事が多く、応答が不安定になる。
その為に改良した方式がいくつか登場している。 第3世代としてレーザー式が2004年に登場した、高精度マウス(レーザーマウス)と呼ばれ、高価であったが数年後には比較上は安価になってきている、普及度は今後の課題だ。
第4世代としてパソコン用の汎用の青色LED式が2008年に登場した、2014年のノーベル物理学賞受賞で有名になった青色LEDを使用する、色々な動作環境での動作検出性能が高いとされる。

第4世代以降のマウスとしては異なる光源を利用した方式が提案されている、それはマウスパッド等の動作環境を改善しているが需要がどれほど有るかは今後の課題だろう。
暗視野顕微鏡式は暗視野顕微鏡用のセンサを搭載したマウスであり、使用可能なマウスパッドの種類を拡げた、IR(赤外線)LED式は可視光よりも波長の長い赤外線LEDを使ったマウスであり、光自体は目で見えない。
マウスのボタンは機種とOSで異なる、Macintoshでは1つで、PC/AT互換機では2つで、UNIX機では3つのボタンが多い。
マウスの基本動作は、クリック=ボタンを押す、プレス=ボタンを押した状態を継続する、ドラッグ=プレスしながらマウスを移動する、ドロップ=ドッラグしたものをボタンを離す、があり、これらの複数の組み合わせもある。
基本動作は1ボタンで可能であり、2ボタン以上持つマウスはそれ以外の用途に他のボタンが使用される。

マウスは入出力用ハード機器であり、そこからの入力情報はソフトウェアで解釈される、それはOSが対応するが具体的には外部機器用のドライバとしてOSに組み込まれる。
マウスはハードとドライバソフトとセットで提供される事も多い、そしてそれが稼働可能なOS用として提供される。
Windows用のマウスの場合では、Windowsの標準としては2ボタンマウスの左ボタンはクリックやドラッグとしして、右ボタンはメニューの表示に使われる。
それ以外にも機能が追加されたマウスはある、マイクロソフトのIntelliMouse Explorerには2つのサイドボタンが側面に存在する、その後にはより多いボタンも使われた、追加のボタンはデフォルトではOSのWindows Explorerにある機能が割り当てられた。
そしてホイールやトラックボールを搭載したマウスも登場して機能の向上を図られている、これらも全てのボタンも機能をドライバ用のユーティリティを使って個別に変えて使い易く出来るが、反応速度や左利き用のカスタマイズ以外で有効だと実例は一般向け用としては聞かない。

マウスはパソコン本体又はキーボードと有線接続の機器から登場した、専用の外部接続端子を持つ事が多かったが、機器に依存しない接続方式が登場した、パソコンではOSの種類が限られていた事情からOS+ドライバソフトの組み合わせでサードパーティからも提供された。
接続端子としては他の外部接続方法と同様に次第にUSB方式が採用され、USBの端子形状と共にそれに対応した、そして独自端子は次第に廃れた。
無線通信がパソコンにも普及して来たが、マウスも本体との無線接続が登場して使用方法に自由度が高く普及している、ノートパソコンでは標準装備は多様なポイントデバイスだが、USB端子を使用するマウスの利用度は高く、本体側に受信端子を嵌める無線マウスが広く利用されている。
無線方式+光学方式のマウスは電池駆動でも動作時間は充分に長く、ゴミ等のメンテナンス面で有利でありマウスパッドや作業用面積等の制約が少ない為にモバイル用を中心に主力に成っている。


マルチディスプレイ

パソコンやスマホやタブレットや携帯電話では、機器構成の基本は本体1台にディスプレイも1台だ、しかし2台またはそれ以上の多数台のディスプレイを使用する事もある。
現在ではノートパソコンやスマホやタブレットや携帯電話ではディスプレイと本体は一体型であり、それはデザイン的な工夫により使用上の問題がなければ合計の形状や重さを小さく出来る事が理由だ。
デスクトップパソコンも一体型は存在する、かってのブラウン管ディスプレイの時はそれが最小形状の時もあった、シリーズとしての高機能や高級用途では個別の機能別に分けてオプションにするデザインは多かった、液晶等の薄型の平面ディスプレイに移行してかつ本体の体積が小型化可能になっても分離型は多い。
分離型のディスプレイは、一体型のディスプレイに加えるタイプやオプションを含めると継続的に色々なタイプで登場しており、そこではマルチディスプレイとして使用するケースもある。

パソコンの多くはディスプレイ用の外部出力端子を装備している、特にディスプレイを内蔵する一体型パソコンでは、外部ディスプレイを使用する場合は物理的な置き換えではなく、一体型付属ディスプレイを使用しない方法になる。
ノートパソコンはモバイル用途以外では、標準装備よりもサイズが大きいか解像度が高いディスプレイを使用する事がある、ノートパソコンの登場した初期には内蔵ディスプレイは小型で解像度が低く画質も劣る事情があった、省スペース目的でのデスク上での使用ではアップグレードした外付けディスプレイを使用する事が多かった。
高機能デスクトップパソコンでは、ビジネス用途や技術用途にも使用されるが、高い能力を利用したマルチウインドウでの使用や、各種キャドとしての使用では大型で高い解像度のディスプレイを接続した、キャドでは図形編集用のディスプレイと、コマンド用の小型ディスプレイの併用は一般的だった。

パソコンをデモンストレーション用やプレゼン用に使用する事は多いが、当初はプレゼン用資料作成ソフトで資料を製作して透明用紙にプリントしてプロジェクターに投影する方式から始まった。
それは次に透明用紙プリントから、一般紙へプリントして反射方式でプロジェクターに投影する方式に代わり拡がった。
ビデオやDVD等を大画面のプロジェクターに投影する事と、パソコンの出力をパソコン用や周辺機器であるディスプレイに出力する事とは基本的には同じだ、パソコンに外部出力用の端子があれば接続して使用出来る。
上記の使用時にはパソコンのディスプレイに表示される内容と同じものがプロジェクターにも表示される、パソコンのディスプレイを見ながら操作すればダブルディスプレイ状態となるが内容は同じとなる。
パソコンのワープロや表計算ソフトやプレゼン用資料作成ソフトの出力がそのままにプレゼン用プロジェクターに表示出来る事になる、意味的には拡大表示と遠隔リモート操作用途でのマルチディスプレイだと言える。

最近はノートPCでも高画素密度のディスプレイを持つ製品が登場している、ただし形状制限から13型や15型の画面サイズになりこれでは表示が細かすぎるので部分的な拡大表示を使用する事になる。
そこでは解像度向上が作業スペース拡大とはならなく、画面サイズにより作業効率が制限される、デスク上等で使用する時は外付けディスプレイを使用する事も増えている、そこでの主流は23-24型のフルHD(1920×1080ピクセル)やWUXGA(1920×1200ピクセル)のディスプレイだ。
その使用状態は使い慣れたノートPC内蔵のディスプレイをそのまま使用しつつ、追加された広い作業スペースを同時に使用出来るので作業は快適になる。
例えばWindowsシステムでは、Webブラウザで多数のウエブサイトやページを同時に開く事が可能であり、複数のオフィスソフトで同時に複数の資料を使用しての作業が可能になる、重ならなく並べた複数ページ・資料は作業性が良い。

パソコンのOSとして普及してきたWindowsシステムはデスクトップ型のユーザーインターフェースを採用してきた、そこではマルチタスクが採用されさらにマルチウィンドウ使用が前提となっている。
マルチウィンドウの標準は横に2つ並べる事だが最適かは微妙だ、自由度を持たせる事でユーザーに選択を委ねる発想がありそれには組み合わせを変えられるマルチディスプレイが有効になる、そしてOSにもその機能があった。
WindowsシステムはWindows 8で一度デスクトップ型から離れかけたがWindows 10で再度デスクトップ型のユーザーインターフェースに戻りそれと同時に、マルチタスクの作業性改善しての仮想デスクトップ機能を含めて、デスクトップユーザーインターフェースを進めている。
Windows 10でのマルチディスプレイ設定はプラグアンドプレイで設定するが複数の方法が組み込まれている
 1:PC画面のみ
 2:複製:2台目のディスプレイに1台目の画面を表示
 3:拡張:デスクトップUIを2台のディスプレイに拡張
 4:セカンドスクリーンのみ:2台目のディスプレイだけ表示

スマホは片手操作のポケットサイズを目指した事もあったが、その後に画面サイズが大きい機種が登場しユーザーがそれを望む事も増えた、それはタブレット端末でも同様で必ずしも小型画面には進んでいない。
スマホとタブレットは薄型が進み同時に解像度も高くなっていった、小さな画面サイズでも表示内容は確保出来ている筈だが、密度が増えても人間には見やすい画面サイズには下限がある、そして現在の指タッチ方式では指のサイズ以下のサイズは解像度が高くともポイント動作の分解能は高くはならない、その場合は画面の部分を拡大して使用する必要がある。
上記の状況でノートサイズの外部接続用のモバイルディスプレイが多数登場して使用されている、画面サイズと接続方法(USB接続・HDMI接続・VGA接続)と通電方法(AC電源・内蔵バッテリ・USB給電)と追加機能(タッチパネル・縦横回転)等が対応機器の種類(スマホ・タブレット・ノートパソコン)によって使い分けられている。
その使用方法も多様で、拡大用やマルチディスプレイ用も含まれる。


教育用パソコン

教育用と言う言葉はしばしば使用されるが意味は広く、専用の意味と、安価版の意味と、システム化した設備の意味とが混ざる。
ハード機器として見ると、教育用に合わせて設計する意味もあるそこでは通常はソフトウエアに比重を置くことが多い、簡単に言えば汎用のハード機器に専用のソフトウエアや設定を行ったトータルの機器を教育用パソコンとして扱う事が多い。
ハード機器としてはマンマシンのインターフェースを如何にするのかの問題が大きい、例えばノートタイプのパソコンだとか、デスクトップタイプの場合ではフルキーボードで液晶ディスプレイが標準だとか、操作性を学ぶと言う意味ではビジネスユースの標準仕様を使用する事にメリットは多い。
むしろ教育用>アカデミック仕様と言う場合は、手ごろな価格=安価の意味が強い、メーカーは低い価格に設定する目的としては1:生産数を増やして量産効果を目指す、2:その後のパーソナルまたはビジネスユースに使用する機種選定で馴染んだメーカーを選ぶ事を期待する、3:汎用機の在庫処理を含めて安価対応する、等がある。

教育用又はアカデミック仕様として、最新のパソコン機種以外を安価な価格設定で販売する事が行われた。
多くのメーカーが次々に(季節単位から年単位)モデルチェンジを行いシェア争いを行ったがそこでは旧仕様の在庫を抱える事になった、最新機種が登場するとそれ以前の機種は機能か性能かの何かが僅かでも劣る事になるためにメーカーは価格を下げて対応した。
パソコンの実用的な寿命は遙かに長いのでビジネス用では安定な実績がある機種が継続使用される事は多い、対して個人用途でも一部のマニア以外は最新機種の必要性はビジネス用途同様に特にないのだが、それでも2世代以前のモデルでは次第に機能・性能の不足が生じる、そしてハードの機能を食いつぶすOSやソフトウエアの最新バージョンを使用する場合では問題になる事もあった。
ハードウエアには上位品に簡単に交換可能な部品と、交換が難しい部品がある、交換可能な部品を入れ替えた機種を在庫処理を兼ねて安価に販売する考え事の一つにアカデミック仕様がある、一般のカタログ外の商品となる。

学生が教育目的でパソコンを購入した場合にどのような用途で如何に使用するかは個人の趣味用途よりは範囲は狭い、教育目的以外に用途を拡がるかで趣味としてのパソコンファンになるかどうかがに別れる。
スマホの急激な普及でパソコン利用者が減少したとされる事もあるが、趣味としてのパソコンファンの用途の多くがスマホでカバー出来る事も理由の一つだ。
クラス用コンピュータと呼ぶ、学校の普通教室か特別教室等に設置して生徒が1人1台かクラスに1台で使用するコンピュータ設備がある、これでの習熟・学習での不足を補う目的も教育用パソコンにはある、そこではハード的にもソフト的にも同じか類似性がある物が有利だ、この意味ではパソコンのWindowsOSの寡占状態はプラス要因だった。
教育目的でのパソコン使用方法には、ビジネス用途での需要が高いオフィスソフトの利用をはじめとするパソコン用のアプリケーションソフトの利用スキルの取得がある、プログラム用途はそれより専門スキルとなる為にオプション的となる事が多い。

教育用パソコンの用途として、「オフィスソフトの利用をはじめとするパソコン用のアプリケーションソフトの利用スキルの取得」は大きいが、コンピュータを利用した教育(CAS)への対応を求める事も多い。
学校では生徒が個別に端末を利用して個別に学習を行い、教師が生徒の端末をネットワークで繋ぎ監視してチェックして指導する教育方式がありかなり以前から語学教育を中心に採用されてきた、教師一人が対応する生徒数が多い場合にハード機器とソフトとで効率を上げる考え方だ。
パソコンのネットワークシステムを利用すると、一般的なネットワークシステムに例えばチャット用機器(カメラ・ヘッドホン)や専用のアプリケーションを加えると多様な学習課目に対応出来る可能性がある、設備的には個別のボックス席を設けて生徒は個別に学習する形態が開発されてきた。
個人向けの教育用パソコンとしては、学校での学習内容を持ち帰り自習する機能、インターネット上で通信教育を利用する機能、学校とは無関係の教育用アプリケーションを搭載する等が考えられる。

教育方法としてコンピュータを通じた学習(CAS)を行う考え方を中心にしたコンピュータ支援教育の検討は現在では研究段階を過ぎている、その中の一分野だった事が検討の中心になっている、具体的には「eラーニング」に関する事や、「デジタル教材・マルチメディア教材」に関する事などだ。
学校教育としての環境整備として見れば、ハード的には教材提示用のディスプレイや、教室内のクラス用コンピュータの活用方法や、学校における校務用コンピュータの活用方法(例えば電子メールの活用)などが検討される段階になっている。
「eラーニング」や「デジタル教材・マルチメディア教材」は、ハードウェアや高速通信網が進歩するとソフトウェアの課題が中心となってきている、個別販売する教育用パソコンにこれらのソフトウェアを搭載・提供する事は逆に難しくなって来ているが、通常のパソコン自体が例えばインターネット上で開発された教材を使用する環境になっている。

10年前頃に登場したスマホとタブレット端末は、それのみで稼働するハードとアプリソフトを持ち通信機能をも備えた事で、初期設定がパソコンと比べて簡単であり、同時に紙媒体のマニュアルも縮小・廃止方向の考え方が採用された事で操作自体も簡略化された。
それ以前の携帯電話やパソコンの機能を必要に応じて選択して引き継ぐと共に独自の機能も備えて登場した、そして急激に普及した。
教育目的のパソコンでは利用比率が高いインターネットの使用に関しても、パソコン用のウエブサイトの殆どがスマホ・タブレット等のモバイル通信に対応する事に変わった、その結果としてパソコンを使用する事の必然性は低下する事になった。
スマホとタブレットを教育用として販売する戦略も登場した、一般向けの機器に教育用アプリを提供する意味合いが強い、既にアプリショップでは教育カテゴリが存在しておりハード的にはコストの高い最先端部品を使用せず価格を抑える意味が強いが、教育用機と入門機・汎用機との差は大きくは無い。

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