項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:63

キーボードの進化

パソコン用のキーボードの構造はその元となったタイプライターと類似した方式であるメカニカル方式からスタートして現在は4方式が使用されている。
メンブレン方式は電卓やそれに類似した小型のキーボードで多く使用された方式でありその特徴が受け継がれていると言える、メンブレン方式はキーの直ぐ下方にラバードームが設置され、このラバーゴムの反発力により押されたキーが反発されて元に戻る構造になっている。
電卓のイメージから判るように安価なものが多く、薄型で軽量でキーを押す音は小さい、材料開発が進みパソコン用の一般的なキーボードとしても採用されており、安価なものが多く特に好みがなければ最初に検討するタイプだ。
パンタグラフ式はキーの下にラバードームと接点シートに加えてパンタグラフ型と呼ぶひし形のスプリング(電車のパンタグラフの形だ)が設置されている、その結果としてキートップのどの位置でも垂直に押せるのが特徴だ。
メンブレン式の特徴も持つが、さらにキーストロークが浅めで打鍵感が軽く疲れにくい、音はメンブレンよりも更に小さいとされる、ゆえにノートパソコンでは多く使用されている、欠点としてはパンタグラフのX型パーツが壊れやすく乱暴な扱いは不可な事だ(キーボード全般が同様だが)。

キーボードの他の方式として「メカニカル方式」がある、昔からタイプライター用として使用された方式だが、コンピュータ用としても普及した、パソコン用としても多数の改良が行われてきた。
「メカニカル方式」キーボードの特徴には、個々のキー1つ1つが独立した構造になっている事がある、それ故に素早いタイピングが可能であり、しかも耐久性が高く丈夫な構造だとされている、キーノードの厚みは比較的厚くキーの押し下げ量も多い。
例として、ゲーミング用途では激しい使用方法を目的とするのでキーボードは丈夫なメカニカル方式が多い、ただし頑丈で複雑な構造になる事で価格も高価になりやすい。
「静電容量方式」キーボードでは、特徴はキーを押したときに物理的な接点がない事で、静電容量無接点のキーボードと言うことになる。
静電容量無接点のキーボードは、タイピング時の音が静かである事や、反発が少なくて疲れにくい特徴があり、接点の物理的な痛みがなく寿命の長い事も特徴だ、デメリットとしては価格が非常に高価な事がある。

コンピュータ用のキーボードは最初は入力端末として、有線ケーブル接続方法で使用されていた。
パソコンが登場してからは初期には本体とキーボードの一体型が登場した、同時に本体とディスプレイ一体型(キーボード分離)型も使用されて種類が増えた、これがデスクトップ型パソコンとして展開して行った。
次にノート型パソコンが登場したが、そこでは小型の本体にキーボードとポインティングデバイスが一体化しており、蝶番で繋がった(ケーブルで電気的にも繋がる)開閉式のディスプレイが一体化していた。
その次のスマートホンやタブレット端末も思想的にはノートパソコンタイプと言える。
現在ではデスクトップ型パソコンでは分離型キーボードが一般的だが、本体との接続方法が初期からの有線ケーブル式に、無線方式が加わっていてその利点は多数ある、標準が無線接続の機種も増えている。
有線接続キーボードも存続しているが、それにもメリットがある。
例えばパソコンとケーブルを直接接続する事でキーボード操作に遅延が起きにくい事があり、よりスムーズで快適な操作を有線タイプには期待できる、その例としてはゲーミング用のキーボードがあり、少しの遅延も許されない使用方法であり有線キーボードが向いている。

無線キーボードは、パソコンにケーブルを繋がずにワイヤレスで接続するキーボードだ。
無線接続キーボードのメリットは、ケーブルが無いのでパソコン周辺をスッキリと整理できることが大きい、デスクトップパソコンでは本体と周辺機器とを接続するケーブルが複数必要であり、背面はケーブルであふれる事も多い、その中で入力用のキーボードやマウス等が前面に必要でり、そのケーブルが必要になる、無線ではそれを無くせる。
無線接続キーボードのデメリットには遅延による操作の遅れがあり、有線に比較して無線は接続状況が悪いと反応が鈍くなることがある、他には無線はバッテリー式のキーボードになるので、バッテリーを充電する必要があり、充電の手間が必要だ、乾電池式では交換作業になる。
無線方式のマウスは絶えず動かす使用方法の故にメリットが大きく無線方式が一気に普及したが、一方のキーボードはそれ自体は動かして使用しないのでマウスほどにはケーブルレスの必要性は少なく、無線方式と有線方式とは併用状態だ。

無線キーボードは、パソコンにケーブルを繋がずにワイヤレスで接続するキーボードだが、無線(ワイヤレス)接続には「USBレシーバー接続タイプ」と「Bluetooth接続タイプ」の2種類がある。
・USBレシーバー接続タイプ
 USBレシーバーをUSB端子に差して接続する事で無線キーボードが使える方式だ、多くのOSとキーボードはプラグ・アンド・プレイに対応しているので、差し込むだけでソフトを見つけて準備して使えるようになる。
 USBレシーバーは必須であり紛失すると使用できなくなる。
 本体にUSB端子が必要であり、少ない機器では端子数の増設が必要になる、無線キーボードよりも無線LANや無線マウスを優先使用するケースが多いので端子不足は現実問題となり易い。
・Bluetooth接続タイプ
 Bluetooth機能が搭載されているパソコンや各種機器において、USBレシーバーのような接続用のハード機器が不要で接続できる。
 接続する時には接続設定が必要であり、場合によれば手間にもなる。
 デメリットとしては当然だが、Bluetoothに対応してない機器では使えない。
 スマートホーンやタブレット端末でキーボードを使う場合の多くではBluetooth接続タイプを使うことも多い。

無線機器には電源の供給が課題となるが先に無線化が進んだ無線マウスでは電池式と充電式が登場していた、無線キーボードでも同様であり電源としては電池式と充電式が使用されている。
低コストのモデルでは乾電池の使用が多い、単3・単4電池を使うが1回の交換での使用時間はキーボードの利用頻度や作業文字数で変わる、電池式ではオンオフ・スイッチが付属する場合が多くそれも交換時間に影響する。
高価格のモデルでは、バッテリー(蓄電池)を内蔵した充電式が一般的であり、USBケーブル等でパソコンに接続する事で充電できる、充電しながらでも同時にパソコンとキーボードを使える事が多い。
充電頻度はやはりキーボードの利用頻度や作業文字数よって変わる、バッテリーへの充電時間が急速に行わわれ短い方式であれば、オンオフスイッチは使用しない事が多い。
無線マウスは有線マウスと較べるとかなり作業性が高いが、無線キーボードはマウスほどには無線が有利とも言えないがそれでも普及してきた、無線マウスとの同時使用ならばレシーバー接続タイプでは端子不足になりがちなのでBluetooth接続タイプが選ばれやすい、それに対応してマウスとキーボードがセットになったタイプもある。


ゲームパソコン

各種の家庭用ゲーム機が人気で普及している、それに加えてスマートホンやタブレット端末が普及して、軽量でモバイル性の高いゲームアプリが多数存在している。
その一方では昨今はeスポーツの人気と注目が世界規模で広がっている、そこでは最高の環境でゲームを行うためにデスクトップタイプのゲーミングパソコン(ゲームパソコン)の需要が高まっている。
ゲームパソコンはゲームを行うことに特化したパソコンであり、一般向けのパソコンと比べるとゲームで使用する機能がハイスペックになってる、一般向けパソコンでもパソコンゲームは楽しむ事は出来るが、最新の3Dグラフィックを多く使用したゲームなど負荷の大きい場合では画面がスムーズに表示されなかったりフリーズしたりするなどが起きる事もある。
最高の性能を目指すデスクトップのゲームパソコンと同時に、一部の性能では劣るがモバイル性などの利点を持つノートタイプのゲームパソコンの需要も多い、加えて自作パソコン利用者も含めて、ゲームパソコン全体の利用は高い。

ゲーミングパソコンでは具体的な使用目的や使用者の好みや予算などで、パーツ等の組合わせを個別に選択する必要があり、そのことでゲームパソコンとしての性能を発揮できる。
その理由からゲームパソコンは大きく分けると「自作パソコン」と「BTO方式のパソコン」の2種類の選択肢になる。
「自作パソコン」は、利用者自身が自らひとつひとつのパーツを購入して組み立てるパソコンであり自由度が高い利点があるが、初心者には難しい。
「BTO」は「Build To Order」の略であり、パソコンメーカーやパソコンショップが受注生産するタイプのパソコンを呼ぶ、自作よりは自由度は少なくなるが、基本構成やメーカー推奨の標準構成が示されており、初心者でも対応が可能になっている。
現在では、BTOパソコンメーカーがそれぞれにオリジナルのゲーミングパソコンのシリーズを展開して販売している。
パソコンの性能が向上した事で、ゲーミングデスクトップパソコンだけでなく、ゲーミングノートパソコンのシリーズも多数あり、持ち運び用途として選択肢となっている。

ゲームパソコンの条件としては以下がある。
・ゲームパソコンとは3Dゲームができるグラフィックカードを搭載した高性能なものを指す、しかもそのグラフィックス機能はCPU内蔵タイプではなく、専用グラフィックスカードを搭載してそれが映像処理をして映像を映し出すものを指す。
・高性能なCPUを搭載するパソコンである、CPUの性能によって処理速度が変わのでゲームパソコンでは特に重要だ、現在のCPUのブランドは「Intel」と「AMD」が主流だ。
・高性能なグラフィックス機能を持つパソコンは、ゲーム稼働時にかなりの熱を発するので、その対策として冷却機構が大事になっている。
 例えば、冷却性能を高めるために冷却ファンを多数搭載する、あるいは通気性を高める目的でパソコンケース自体をメッシュ構造にする。
・ゲームセンターのゲーム機や、専用ゲーム機では独特の外観デザインが使用されている、ゲームパソコンでもそのイメージを受け継いで、ケースのデザインに工夫したり発光等で派手に見せる事も多い。
 BTO方式のゲームパソコンでも、デザイン性の高いオプションを設けたり、基本デザイン自体に独特なデザインを使用したものもある。

単にゲームを楽しむ場合は高価なグラフィックボードでは無くて、CPUに内蔵されているグラフィックチップだけの選択肢がある、だが3Dゲームなどを稼働させる場合などでは能力不足になる。
ゲームパソコンとは、グラフィックス機能はCPU内蔵タイプではなく、高性能の専用グラフィックスカードを搭載したものを指す、従ってゲームパソコンではグラフィックカードの選び方が重要となる。
VRAMはビデオメモリーの事で、画面に描画するデータを一時的に記憶できる容量なので容量が大きい程に、一度に処理できる量が増えて3Dゲームの描画がスムーズになる。
リファレンスと、オリファン
・リファレンスとは、グラフィックボードのチップメーカーがカードのデザインと製作を行って、各ベンダーに提供する製品を指す、そこではどのメーカー製品を使用しても性能に差が出ない。
・オリファンは、グラフィックチップメーカーが提供するリファレンスのカードを元にして、メーカーが独自に機能を追加した製品を指す、例えば空冷ファンやオーバークロック機能などの追加がある、同じチップでも、メーカー毎に性能に差が出る。

グラフィックボードはゲームパソコンでは重要だが、それが高性能でもCPUの性能が低いとグラフィックボードの性能を最大限に引き出せない、故に自作パソコンでもBTOパソコンでもCPUの選定は重要となる。
ゲームパソコンで使用されるCPUのブランドは主にインテル製「Coreプロセッサー」シリーズと、AMD製「Ryzen」シリーズの2種類がある、過去はインテル製のシェア率が圧倒的に大きかったが最近はAMDのシェア率が伸びている。
それぞれのCPU「Coreプロセッサー」、「Ryzen」シリーズの中では、性能に大きく影響する「動作周波数」「コア数」「スレッド数」に従って、型番が細く分類されている、利用対象のプレイしたいゲームで選択肢が変わる、CPUでは上記の周波数・コア数・スレッド数などの性能が高いほどに価格も高くなるので、選択は目的の合わせる事になる。
負荷のかからないゲームをプレイする用途の場合には、CPUとグラフィックボードを組み合わせたGPU統合型CPUがある、トータルでも高いグラフィック機能を持っており低価格のゲーミングパソコンで使用されている。

パソコンに於いては電子素子はフル稼働時に熱が発生するが、それは種類や色々な要素が絡む、一般には高速でアクセス頻度が高い程に放熱量は多くなり冷却を行う必要がある、ゲームパソコンではCPUとグラフィックカードは速度・能力優先で選ぶので、それの放熱処理が重要となる。
CPUを冷却するクーラーには空冷式と水冷式がある、空冷式はファンで直接に冷却する方法であり、価格的にも安くて特にメンテナンスも必要ではない、それ故に一般のパソコンでも使用されているが、特別に高い冷却性が必要な場合にはファンのサイズは大きくなり動作音も大きい。
水冷式は、CPUを水の流動で冷やすので冷却性が高くて静音性も高いとされて来た。
最近では空冷式では効率の良い針ネズミ上のヒートシンクが使用された事で差は少なくなった。ただそのヒートシンクが水冷式では不要なので、CPU付近は見栄えが良くなる。
また静音性も、水冷でのCPUを冷やす冷却液はラジエータを通してファンで冷やすので空冷式との差は少ないとされる。
排熱量の多いハイエンドのグラフィックカードを搭載する場合はCPUと事情は同じだ、ただし一方では双方の素子へのダブル水冷式は長時間のゲームでは熱の心配がないとも言われる。

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