項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:23

ポインター

ポインター=マウスの時代もありましたが、モバイル機器の普及でポインター の種類も増えました。
ポインターには、デジタイザのように製図用の高精度のものから、マウス系の 中精度のもの、タッチパネルのような低精度まで種々あります。
用途が多様化した事と、パソコンの種類の多様化で必然的に新しい方法が要求 された事が種類の増加に繋がっています。
コンピュータ入力がキーボードになった事もそれほど古くはないですが、画面 の作業場所を指定するポインターとしてマウスが登場する事で、パソコンの OSの標準化が行われたと言えるでしょう。

マウスの標準装備は、パソコンの操作性を変えました。
上下左右の移動キーの時代から、マウスの2次元移動の変化は操作性を広げま した。同時に対応ソフトの性格も変わりました。
最初の普及型のパソコンは、アップルです。特徴的な1ボタンのマウスです。 慣れない人はとまどいますが、ポインターの原点として充分な機能を持っています。
その後に、ウインドウズの2ボタンマウスが登場しました。標準使用は左ボタ ンで右ボタンはポインターではなくて、キー操作の替わりを持たせています。 右ボタンでパソコン操作の熟練度が分かるという人もいますし、初心者や緊 急時の誤動作の原因となると言う批判もあります。事実、右ボタンの機能を 殺す場合もあります。
ダブルクリック用のホイールボタンや、4-5ボタンも登場しています。
操作性よりも慣れと好みと思います。

マウスの標準装備は、おおむね殆どの利用者に有用です。
ただし、タッチタイピングが本職の技能者にはキーボード操作が一番早いです ので、マウスを使用する機能は基本的に全てキーボードにも割り当てられて います。マウスを使用しないで操作ができる訳です。
現在は、マウス使用に合わせたソフトの設計になっています。カット&ペース トやダイアログ操作等で殆どが可能です。この状態では、マウスは利き手側 に置いて使用する人が普通です。キーボードを操作する時はマウスを手から離します。
マウスが搭載された初期には、マウス対応のソフトが少なくてキーボード操作 が多かったので、マウス操作を利き手で行う人と、反対の手で行う人が混在 していました。マウス操作は遅くても、利き手でのキーボード操作を優先さ せる選択も有効でした。

マウスがパソコンの操作の中心になると、稼働時間が長くなりその操作性が重  要になります。
同時に寿命・メンテナンス性も重要です。
初期は、力学的摩擦マウスが主体でした。同時期にトラックボールという、類 似のポインターが存在していました。球形のボールを手で回してその回転を 読み取らせて電気信号に替えます。
トラックボールを上下にひっくり返して、ボールと床面的なものとの間の回転 を利用したのがマウスです。一時は共用品も使われていたようです。
トラックボールはその後廃れましたが、ノートパソコンの小型の固定タイプの ポインターとして復活しています。
この最近のトラックボールもマウスも、光学式が普及しています。理由は単純 です。非接触式なので、長期に安定して動作しますし、ボールの汚れやゴミ の巻き込みによる動作不良が起こり難いです。従って、メンテナンスが少なくなります。

個人用のパソコンではポインターはマウスが殆どでした。
しかし、モバイル機器が普及してノートパソコンが増えると、マウスとの相性 が悪くオプションになりました。
パソコンの操作部のみで可能なポインターが種々登場しました。
トラックボールは、キーボードの手前に配置して使用するのが一般的です。
ポインティング・スティックは、キーボードの中心に配置してより省スペース を可能にしました。操作性はかなり好みが偏るようです。配置位置や形状は 異なるものもあります。
タッチパッドは、数センチ角程度の面積上で指を移動させると画面のポインタが移動します。
元々は、キーボードでもマウスの動作は可能という事は、最初の回に書きまし た。従ってノートパソコンでもポインターなしでも動作は可能です。
ただマウスになれた人には、キー操作でないポインターが必要という事でしょう。

現在の所では、マウスが普及して、それが使用しにくい環境ではそれの動作の 代替を行う機器が使用されています。
パソコンではこの状態を変える動きはまだ無いようです。
しかし、携帯・モバイルやタッチパネル等の新しい電子機器ではマウスは使用 しない所から出発しています。
これらが、普及してポインティング機器を使用するようになった時はどのよう な思想の機器が登場するかが興味の中心です。
前提として、パソコン用のウエブサイトへのアクセスがあるのならば、マウス と同じ機能が要求されるでしょうし、異なるサイトに制限されるならば構造 的に異なる機器になるか使用しない方法になるかもしれません。
現在は、パソコンサイトへのアクセスの方向と考えられています。理由は携帯 サイトの様に携帯電話の種類によってアクセス制限があるのが普及し続ける とは予想しないからです。


グループウェア

グループウェアといえば「ロータス・ノーツ」のイメージの時代もありました が次第に種類は増えています。
企業等のグループ組織内で、コンピュータネットワークを作りそれを利用して 接続された端末パソコン間の情報を共有しようとするのシステムです。
ローカルネットワークに接続されたコンピュータ同士で情報の交換や共有がで きるシステムは業務の効率化を可能にします。
しかし外部からはアクセスできません。
外部からのアクセスを含める・アクセス権を制御するには、統合するシステム ソフトが必要となります。
その働きをするソフトを、グループウェアと呼びます。

最近では、グループ外のインターネット・グループ内のイントラネットの発達 により、これらを使用するシステムが主流になっています。
特に、末端のクライアント側が最低限のソフト以外は、従来のインターネット 用のソフトを使用する方法でシステムを構築する事が可能な面が普及に寄与 していると言えます。
専用ソフトはホストのみ開発して設置すれば良くコスト面でも優れ、そしてク ライアントのネット環境・パソコン環境の制約が少ないというメリットがあります。
個人的には、ロータス・ノーツのクライアント側での使用経験しかありません が、原理的には成り立つと思います。
実際は、グループ自体がネット環境・パソコン環境を統一する事のメリットが あるために、ネット環境・パソコン環境の制約が少ないというメリットが表 面的にはOSバージョン等ぐらいしか目立たないのですが・・・。

グループウェアソフト・システムは、インターネットの電子メール・掲示板と 類似した機能を持ちます。
そこに例えば個々のパソコンでもつ、スケジュール管理や情報管理等の複数の アプリケーションを一括で処理する機能を加えたものとして機能のイメージを持てます。
具体的には、個々のソフトで特徴を持たす努力をしますので決まった仕様・機 能はありませんが、目的が同じですのでかなりの部分に類似性があります。
LAN等に繋がった全体の管理能力を有するので、小・中規模のネットワークの 作製とは切り離せない有用なソフトになっています。

グループウェアソフト・システムは、規模は異なっても閉ざされたシステムと言えます。
しかしながら、一度構築されて運用されるとデータの蓄積・ノウハウの蓄積等 が直ぐに出来る性質がありますので、新しいソフトが登場しても乗り換えが 行いにくい性質があります。
同じ機能ならば、乗り換えの変更の意味が少ない、機能が大きく変更になって いると蓄積されたデータの転用が難しい事になります。
多くのアプリケーションソフトの中でも、利用者の他のソフトへの乗り換えが 少ないという特徴があるといえます。


パスワード

パスワードは昔から広く使用されていますが、コンピュータの普及で急激に日常化しました。
コンピュータではパスワードは「認証」目的で使用されます。
利用者とサービス提供者のみが分かる数字や文字列が一致する事で、認証を行 います。正確には、該当人物とみなします。
一致の確認は精度が必要です。そのために、使用可能な文字種類は限定するのが普通です。
その結果、パスワードは有限数の組み合わせになります。
理論上は、総当たりでいつかは一致する事になります。

パスワードは当初は、組み合わせ数が多くて実用的な時間で解読出来なければ 有用という考えだった様に思います。
それが解読速度が速くなると、強度を上げる必要に迫られています。
単純には、組み合わせ数を多くします。
次に定期的に変更をします。ただしこれはあまり進んでいません。何故ならば 「憶えにくいパスワード」「メモを避ける」「短期間で変更する」を行うと 人間は記憶できないです。あえて行うと複数の用途のパスワードを統一する という対応になっている様です。
これは、非常に危険でひとつ解読されると、全てが解読になります。
最近では、「同じパスワードを異なる用途に使用しないで下さい」という注意 を見る事になります。
利用者にたてば、無理な要求になると感じます。

パスワードの変更を度々行う事が推奨されているとはいえ、それには旧パスワ ードを入力する必要があります。どこまで行っても利用者には便利とは言えません。
パスワードのセキュリティを向上する試みがいくつか進められています。
古くから登場したのは、ハッキング防止目的のソフトウエア・キーボードです。 パスワード入力場面でソフトウエア・キーボードを選ぶと乱数で、1対1対 応のキーボードが画面に出て来てマウス等で入力します。これはハッキング 防止になっています。
個人情報の乱数個人カードの使用との併用があります。これは記憶によるパス ワードと、個人乱数カードの保有者というふたつの方式の併用で認証します。

パスワードの利用は無くなる事はないでしょうが、これのみに頼る行き方は既 に壁に当たっているでしょう。
そのために、複数の認証方式の組み合わせ・重ね合わせが主流となっています。
ただし、例えば暗号カードの使用でもハッキング状態にあれば、繰り返しの使 用を読み取られるといつかは破られる可能性はあります。
従って、1回あるいは1日の利用回数・利用金額の制限を設ける事が普通にな っています。特にネット銀行等での利用金額の制限は常識化されています。
これは、被害の最小化と異常な取引のチェックを可能にします。
たぶん、不便と感じる人も多いと思いますが、事前にその人は変更を行う事が 出来ます。それによるリスクは、通常よりも強い自己責任となります。

最近利用されているのが、「ワンタイム・パスワード」です。
小型の時計機能のあるパスワード表示装置です。
個別に表示が異なり、それが所有者とパスワード管理システムで照合できれば パスワードとしての機能が働きます。
ワンタイムというのは、短い時間周期で表示内容が変化する事を意味します。
装置の所有者で、刻々と変化する内容を認識出来ることが認証条件になります。
これは、ネットでの盗用の防止に有効です。
勿論、通常のパスワードとの重ね合わせ利用されます。それ以外のハッキング 対策も同様に重ね使用されます。
欠点は、装置とその維持費用です。現在は利用者負担になっています。
ネット上での利用頻度が高く、利用可能な場合は、利用を選択する方が費用対 効果ははっきり分からないですが安全と思います。
ネット外の利用は別です。

最後にパスワードとは、異なるのですが、アクセス状況や更新状況を設定・登 録メールアドレス宛に送付するサービスが標準になっています。
送られて来た情報を確認する事で、再確認出来ます。
この場合は、メールアドレスが1つのパスワードの働きをします。
一部では、この情報送信に送信元確認後開封機能を付けています。
メールスパム対策として、普及を期待したいです。
勿論、送信確認をオプションにしている場合もあります。不正なアクセス管理 が目的ならば自身がアクセスした情報は不要だからです。
また、複数のパソコンでも利用可能なようにウエブメールを含む複数メールア ドレスへの通知機能もあります。
ただしメールアドレス自体が、不正取得されやすいので簡単な通知内容です。 詳細はウエブサイトにアクセスして確認になります。

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