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熱・温度

ある体積や圧力の温かさのある物体を二つ接触させると、体積や圧力が変化する、しかし十分に時間がたつと一定の状態になり、変化は進行しなくなる、その時に双方の物体が熱平衡にあるという。 熱力学では次の経験則が成り立つとする。
 「物体AとBが熱平衡にあり、AとCが熱平衡にあれば、BとCも熱平衡にある。」
これを熱力学第0法則と呼ぶ事もある、ただし熱力学第0法則としては別の内容を呼ぶこともあり他の法則よりは用語として使われていない。
上記の法則から、「BとCを直接に接触させなくとも、Aを仲介に使用して、確かめる事が出来る、Aの役目の物として温度計がある。
これらを基にして、経験温度や状態方程式を考える事が出来る。
温度計Aの物質には色々可能だが、再生が容易なものが良く、水銀やアルコールが使用される。

実験では気体の温度を一定に保てば、その圧力と体積を掛け合わせたものは一定である、これをボイルの法則と呼ぶ。
実際の気体はこの法則から外れるが、密度が小さいと近くなる。
「理想気体はボイルの法則を満足する」として理想気体を仮定する。
理想気体を使用して、理想気体の状態方程式を作り、理想気体温度計を考えて絶対温度を設定する。
実験的に、上記絶対温度は273.15であり、気体の種類にはよらない。
故に理想気体では、体膨張率は気体の種類にはよらない、それは固体や液体ではない特徴だ。

伝熱的な熱
・温度の高いAと、温度の低いBを接触させると、Aの温度が下がりBの温度があがる、この時に熱がAからBに移ったと言う。
・物体の温度を単位ド高めるのに必要な熱量を、熱容量と呼ぶ。
・物体の質量をMとして、単位質量当りにするときに、比熱と呼ぶ。

断熱壁
・容器の内部の体系に影響を及ぼすのが、壁を動かすか、外の遠隔作用をおよぼす物体を動かす以外には不可能な時に、容器の壁を断熱壁だと呼ぶ。

熱力学第1法則
「ある1体系で、これを1つの平衡状態から他の平衡状態に断熱過程によって移すときになされる外からの仕事の総量は、この移す断熱過程にはよらないで一定の値を持つ。」
・平衡状態間の移行を断熱的に行えば、仕事は平衡状態によって決まり、途中の道筋によらないので、これらの仕事の量が各々の状態のよって決まる量の差になっていると言える、この量をそれぞれの状態のエネルギーと呼ぶ。
・全体として持つ運動エネルギーや位置エネルギーを考えない時のエネルギーを内部エネルギーと呼ぶ。

二つの平衡状態とそれぞれの内部エネルギーを考えて、断熱過程で内部エネルギーを他の平衡状態に移せるとする、その時の内部エネルギーの差を仕事とする。
上記から断熱の条件を除くと、熱=(内部エネルギー差)ー仕事 と定義する。
熱は、物体が所有するいう性質のものでない、理由は過程で値が異なるからだ、だが自然界では仕事が小さくて省略できる場合が多い。
仕事が省ける場合は、熱は道筋によらなくなる。

熱力学第一法則の別の表現は下記だ
「体系に外からなされた仕事と外からの熱を加えると、その和は過程の道筋によらず一定である」
あるいは
「物体系への熱は全微分ではないが、これまた全微分ではないところの仕事を加え合わせると全微分になる」

熱力学に於いては、体系の状態変化がその熱平衡の状態に無限に近い状態の連続として行われ、しかも一つの方向への変化の道筋で通る次々の状態を逆の順序で辿る事が出来る時にこれを準静的過程と呼ぶ。
準静的過程は実現できない、自然界には存在しない極限の過程だ、これらの過程が実現するのに必要な時間は無限になる。
それでも、1:実際の過程では準静的過程と、あまり違わない場合がある、2:準静的過程を使い得た結論から、物理現象の連続性を考えて、準静的でない一般の現象について論じる事が出来る。
2:は熱力学理論を進める面からは重要だ。

内部エネルギーに(圧力と体積の積)を加えたものを「エンタルピー」と呼ぶ、これを内部エネルギーの代わりに使用する事が多い。

熱は温度の高い所から低い所に流れる傾向が有り、その逆には流れない、と考えるとおおよそは正しいと思われる。
分子論的には、多くの分子から成り立つ体系は秩序正しい状態から無秩序の状態に移ろうとする傾向を示す。
熱力学の立場では、物質の分子的構成を考えなくとも議論出来る事を研究するのであり、分子論の秩序、無秩序の考え方に相当して、ある状態量を考えると、それがエントロピーになる。
熱力学第1法則はエネルギーの理論だが、第2法則はエントロピーの理論になる。
熱力学的体系でのつりあいの条件は、力学的な考え方からはエネルギーが極小の状態になると安定なつりあいに達するのだが、エントロピーの考え方からはエントロピーがなるべく大きな量になろうとすることになる。
熱力学的平衡は、大雑把にはこの二つの傾向がどう折り合うかにとって決まる。


熱力学の法則

可逆過程
・ある体系がある状態から出発して他の状態に移った時に、何かの方法でこの体系とその状態の変化に関わった外界のすべてが元に戻り、その上にこの元に戻すために必要になるかも知れない他物体も元に戻る事が出来る時に、はじめの過程を可逆過程と呼ぶ。
不可逆過程
・可逆過程でない過程を不可逆過程と呼ぶ。

一般に純粋に力学的な運動は何かの装置により元と全く同じ状態に帰すことが出来て、他には変化も残さないように出来るから可逆になる。
熱力学的な変化では、準静的過程は可逆になる。
だが準静的過程は極限過程であり、現実には実現できない。

熱力学第2法則として、経験的な原理の1つとしてクラウシウスの原理がある、「一つの体系がサイクルを行って、低温の物体から熱を受け取り高温の物体にこれを与える以外に何の変化も残さないようにする事は出来ない」となる。
そこから定理「高温の物体から熱を受け取り、低温の物体にこれを出す以外に何の変化も伴わないサイクルは不可逆である。」になる。
高熱源から正の熱を受け取り、低熱源に正の熱を出すような可逆サイクルを行う時、これをカルノーのサイクルと呼ぶ、そこで定理「カルノーサイクルで外に対して正の仕事を行い、逆のカルノーサイクルでは外から正の仕事を受ける」が成立する。
熱力学第2法則として、経験的な原理の1つとしてケルビンの原理があり「ある一定の温度にある熱源から正の熱を取り出し、これに相当する正の仕事を外に向かって行うようなサイクルは存在しない」となる。

ケルビンの原理で否定されたサイクル、「一つの熱源から熱を取り、これを仕事に変えるサイクルを行う」ものを第2種の永久機関という。
上記は熱を力学的エネルギーに変えるものなので、第1種永久機関のようにエネルギー保存法則には反しない。
ただし第2種永久機関が存在すれば、大地・海・大気を熱源にすれば可能になるのだが熱力学第2法則はこれを否定する、故に「第2法則は、第2種永久機関は存在しない」と表現される、これをオストワルドの原理と呼ぶ。

熱力学第2法則の別の言い表し方である色々な原理から、現象の不可逆性が導かれる。
 ・摩擦による熱の発生は不可逆的である。
 ・理想気体の真空中での自由膨張は不可逆である。
 ・一つの過程の熱現象に属する部分が非静的に行なわれるような過程は不可逆過程である。
  準静的でない現象は必ず不可逆であるので、準静的な過程を可逆過程、準性的でない過程を不可逆と呼ぶ事が多い。

ケルビンの熱力学的温度目盛り
 高熱源(Q)と低熱源の比を、温度(T)の比と定義する。
 そこで2つの定点の温度差を与えればTの絶対値もきまる。
 標準状態の水の沸点と氷点の温度差を100と決める。
 これからT0の絶対値が出て来て、273.15となる。
 これによる温度をKを使い表示する。
理想気体による絶対温度目盛りは熱力学的温度目盛りと一致する。
理想気体・それに近い状態では、膨張率が共通で同じになる、これは気体だけの特異な性質だ。

エントロピー
 標準の状態から他の任意の平衡状態に達する時に可逆であれば道筋によらない時に、熱量の変化を温度で割った量の和(S)を、状態のエントロピーと呼ぶ。
 さらに、このようなSがあることをカルノーの定理と呼ぶ。
 体系が孤立している時や孤立していなくとも断熱であるときは、エントロピーは必ず増加する。

エントロピー
(承前)
カラソドリィの原理
 与えられた体系の一つの状態の任意の近傍に、その状態から断熱過程によっては達する事の出来ない状態がある。
カラソドリィの原理からエントロピーの法則を導くと「任意の体系が断熱的に変化を行う時には、エントロピーは増加し、極限の過程である所の準静的過程では一定に保たれる」となる。

自由エネルギー
内部エネルギー:U、熱力学的温度:T、エントロピー:S、エンタルピー:H
体積:V、圧力:P、
「A=U-TS」 は力学量:Uと、熱力学量:Sを組み合わせた量で、ヘルムホルツの自由エネルギーと呼ぶ。
「G=A+PV=H-TS=U+PV-TS」をギブスの自由エネルギーと呼ぶ。

気体についてのジュールの実験は内部エネルギーが一定であり、限られた量の気体についての実験でありその質量は小さいので、器の熱容量を無視できない、故に実験は非常に困難だ。
ジュールとトンプソンは気体を流しっぱなしにする実験を行った、そこではエンタルピーが一定に保たれる。

器の中に温度Tの物体があり、全ての波長の熱放射線を出し、熱放射線はどの波長でも多少は吸収するとする、実験では物体の温度Tを一定に保つと、器の内部の状態は平衡状態に達して単位体積についての性質はこの温度だけによる。
 物体の種類によらない、この状態を空洞輻射の状態という。
そこではエネルギー密度はTの4乗に比例する、それをステファン・ボルツマンの法則と呼ぶ。
空洞につけた小さな穴、または完全黒体の面からの放射を黒体放射と呼ぶ。

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