項目別バックナンバー[5]:技術情報:34

省電力

大震災から原発事故以来、電力不足とその対策が問題になっています。
電気機器の、消費電力に注目が集まったのも大きいです。
それとは、別の内容でモバイル電子機器のバッテリー時間の長さがバッテリーのサイズと共に重要視されています。
この二つは、異なる面が多いので別々に扱います。
まずは、電力不足対策問題です。
産業に欠かせない電力ですから、問題は複雑です。
日本での電力生産・供給事情が問題点だらけだった事が、大震災と福島原発事故で急激に明らかになりました。
そして、その対応方法の議論の中で電力不足対策問題も大きくなったのです。

電力は貯蔵が難しいものです。
いくつかアイデアはあるものの、大規模な実用化はまだ不十分です。
また、送電時に多くが失われる事も問題です。
従って、電力不足対策は発電・送電・消費量・消費時間・貯蔵などに別れます。
福島原発事故以後は、発電についてが飛び抜けて多く問題となりました。
即日的には、やむを得ないですが、中期・長期には全ての要素の検討が必要で有効になります。

電力不足対策は、場所と時間の要素も大きいです。
長く問題になっている、東西の周波数の違いは日本全国の平準化から見て大きなネックのままです。
電力消費の多い時間帯が1日の中にあります。
貯蔵が問題になるのは、使用が少ない時間の電力を使用が多い時間に回せば、かなり解決するからです。
現行では、揚力発電で余った時の電力で水をモーターで上流へあげるのが中心です。
電力食いと言われた半導体・太陽電池の広がりも、似た様に考える事が出来ます、余っているときの電力で生産すると同じ事になります。
似た事は、電力を使用して作る異なる発電方法の全てに当てはまるでしょう。

発電コストは、寿命や公害対策や環境関係を含むと算出は難しいです。
そもそも、原発指向はコストに事故や廃棄物処理のコスト見込みが甘かった事もあります。
省電力は省エネルギーにも通常は繋がります。
炭酸ガス規制が、火力発電と密接な関係にあり、もし火力発電を長期電力対策に使用すれば、数値未達成以上に実質的な後退になります。
発電装置はほぼ全部、装置焼却が絡みます。
そして、技術進歩が大きく期待出来るものと出来ないものがあります。
省電力に、定期的な見直しを加え、省コストを加えた省電力が求められています。

日本は島国であり、電力そのものの輸出入は実現していません。
しかし、その材料の殆どは輸入していると言って良い状態です。
当然ながら、購入材料の価格は変動しますし、そもそも調達の保証はありません。
省電力は、不足資源の使用量の削減も意味します。
同時に、省電力の中長期計画には変動要素の価格や、材料の入手見込みも考慮が必要です。
それは、世界の将来予測に繋がり精度を上げる事は難しく、変動要素を加味した複数のシナリオになると思われます。

電力は、国策産業故にかなり通常の産業と異なります。
電力会社に供給責任があるが、倒産しないように価格設定が通常産業よりかなり自由になっています。
電力不足は多きな話題になっても、価格(値上げ)は国との間で決まります。
それだけ重要な産業であれば、装置の寿命や材料の調達やコスト等について、かなりのデータを持って対応していると思うのが普通です。
しかし、原発事故以降の対応からはそれらがないのではという、内外の指摘や疑問がかなりあります。
消費電力は項を変えて取上げます。


消費電力

省電力の1つとして、消費電力の低下を取り上げるつもりでしたが、消費電力は項を変えます。
電気機器は、電力を消費します。
電気機器によって、消費電力の大きさは多様です。
また、携帯機器の様に消費電力自体は少なくても、供給が電池・バッテリーの時は使用可能時間となって、消費電力が影響します。
これは、省電力とは密接はしていないですが、大きな開発対象です。
ただ、公衆電力でもバッテリーでも、消費電力がコストに影響する事は同じです。

まずは、エネルギーとしての電力です。
エネルギーと消費電力は比例する訳でありません。
必ず、変換効率がありますし、それが100%はまず期待出来ません。
目的外に変換される無駄な電力が存在します。
従って消費電力の低下は、必要エネルギーの低下技術と、エネルギー変換効率の向上の2つの要素が絡みます。
電力不足対策にも複数の取り組みがある事になります。

エネルギーとしての電力は稼働させる対象の軽量化や効率化で、消費電力を低下出来ます。
利用者によっては自家発電や、特別高圧配線等で対応しますがこれは送電ロスカットの目的が大きいです。
大電力消費機器では、駆動時に特別大きな消費電力になるので停止・再駆動を減らす事が考えられて計画稼働しています。
稼働時の消費電力は、稼働装置の改良による事になります。
その具体的内容には、またもやエネルギー変換効率の向上が入ります。
消費電力低下の技術開発は、平常は地味ですがつもりつもって、電力危機などで突然に注目されます。

家電機器を中心にした消費電力低下の要因のひとつに、CPU内蔵電子回路の進歩と普及があります。
センサー技術と電子回路との組み合わせで、低消費電力の最適化が図れます。
リモコン等の動作は、それ以前の機械的切り替えより効率的な消費電力の方向です。
最近話題の照明は、白熱電球>蛍光灯>LED照明と代わってきています。
直感的には、触っても熱くないほど、電力の光変換効率が高く、熱に使わないと言えるでしょう。
実は、光には色々な特性があり、単純な比較が出来ません。
互換の代替でないので、それは事前に知っておく必要があります。

照明はエネルギーを可視光線に変えて行います。
消費電力はエネルギーですから、やや複雑です。
エネルギー変換ではなく、照明は可視光(4000マイクロメートルから7000程度)への変換効率です。
白熱電球や蛍光灯では、可視光線以外が多いので消費電力が高くなります。
LEDは種類によって、発光波長が異なります。
1つで1色から少数に対応します。
光の3原色の法則で、基本の3色あれば原理的には白色は可能です。
ただ、方式が異なるので、白熱電球・蛍光灯・LED照明では発光色が変わります。

消費電力では冷暖房が大きいです。
電源オフ時の温度と、設定温度・体感温度との差が消費電力に影響します。
地域や環境で異なりますが、暖房の影響の方が大きいのが普通でしょう。
それ故に、暖房方法は電力以外が多く使用されています。
また、電力使用機器でも赤外線利用が増えています。
同時に直接に赤外線等を当てて体感温度を上げる方式が増えています。
不要な所につかわない局所暖房が、最高の消費電力対策との考えが増えています。


電子回路板

デジタル製品が増えていますが、その制御回路は基本はマイコン実装電子回路板です。
小さなパソコンとも言えます。
パソコンやタブレット端末やスマートフォンによる、家電製品等のコントロールが広告に現れ始めています。
大きさや機能は異なっても、電子回路板が必ず使用される時代です。
電子回路板は、電子部品を実装して描かれた電気回路で結線して機能します。
大量生産されて、製造時の誤配線を防ぎコンパクト化で小型化にも有効です。

電子回路板のメリットの最大は、誤配線防止と品質安定ですが、同時に一度制作したデザインの変更が厄介とも言えます。
コストを考慮すると多くの制約が出来ますが、一般には多様な材質(絶縁体・導電体・カバー材等)があります。
また、電子回路も片面から両面・多層まであります。
形状も色々に変える事が可能な材質もあります。
それらの組み合わせで、放熱・消費電力・重量・省スペースに対する性能が異なります。
CPUを含むデジタル回路では、電子回路板の使用は必然に近いですが具体的な選択枝は非常に多いです。

電子回路板に部品を実装するのは普通の設計になっています。
デジタル部品には、放熱量が多いものもあります。
またそれらは必然に、消費電力も高くなります。
小型で安価で、放熱性が良くて・・・多くの要求に応えるために色々な種類が提案されて来ました。
例えば、多層電子回路板・異形加工電子回路板・フレキシブル電子回路板・透明電子回路板・放熱性電子回路板・・・等多数あります。
電子回路板は、性能によってコストが変わりますので、機能との比較で使用の是非が変わります。
電子回路板の用途が変わる事で、従来はコストが理由で使用が限られていたものが、急に普及する事もあります。

異形加工電子回路板は小型製品に使用されます。
基板に合わせた入れ物ではなく、入れ物に合わせた形状の電子回路板という事です。
フレキシブル電子回路板は用途と程度によりますが、折り曲げ可能変形可能ですのでより用途は広いです。
一般にコストの問題はあります。
同様にハードディスクや光ドライブ等の可動部にも使用されます。
通常の電線・ケーブルと比べると桁違いに寿命は長いし、部品実装や電力量で設計を変えるなど自由度が大きいです。

電子回路の長さ・容量が稼働速度に影響する様になると、多層配線の利用が増えます。
一般に多層板は、層が増える程に高価になりますので必要性が無ければ使用しません。
短い配線と密度だけが単純に全てを決めませんが、現実の効果がありしかも必要です。
コストを考慮すると2層が妥当ですが、機能的に必要ならばそれ以上も使用されます。
高価なコンピュータでは、どこまで技術的に向上しているのかは判らない状態です、コストは製品の良品率によって変わるが公表はされないためです。

透明電子回路板は、タッチパネルの1方式としても存在出来ますし、フラットディスプレイの表示部の一部に駆動回路を設ける事も可能にします。
最近増えている、ディスプレイとキーボードだけが目立つパソコン等の設計思想です。
ただし、全面的な透明電子回路板使用はまだあるいは原理的に、無理があるでしょう。
可能な部分のオプションとして利用されるでしょう。
電子回路板は、技術から用途が生まれる場合と、ニーズから開発される場合があり、益々技術進歩が求められます。

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