項目別バックナンバー[5]:技術情報:15

レーザー加工

レーザー自体が量子論から生まれたもので、それの実製造への利用は最近です。
レーザー加工の可能性は、理論構築段階から述べられていましたが、当然なが ら装置の費用・性能面での進歩と、レーザー加工を必要とする新しい用途の 出現という2面が揃う必要がありました。
装置としては、小型化・効率化・加工能力・寿命・安全性等要求は多数ありま した。レーザーの種類の増加や発振波長の増加、パワーの増加等が進む事で 次第に要求をクリアしてゆきました。
レーザーも含めて、量子論から出発したものは理論効率と実際の効率に大きな 差が生じます。これが、しだいに狭まる事で実用段階に達します。

レーザー加工は基本は熱破壊です。レーザーは狭い波長幅の強度の非常に強い 光(電磁波)を発行します。これを吸収する物質があれば、選択的にその全 エネルギーを吸収します。
吸収エネルギーは通常は熱に変換されて、物質の破壊・昇華・蒸発が生じます。
レーザーの性格として狭い面積に集中する事ができます。
選択的な特定の波長の吸収・狭い面積・高い強度が重なると、瞬間的な加工が 可能となります。当然ながら加工面積は吸収面積となります。
現在は、連続発光のレーザーも多いですが、理解の上からは間欠発行が分かりやすいです。
レーザー強度を、パワー/単位時間であらわします。これが非常に大きく驚き ますが実際は短時間に集中しますので、全体のパワーはそれほど大きくはあ りません。ただし、短時間で加工は終わります。

パワーは波長と強度をグラフにした時に、山状になる図形の面積にあたります。
通常の光(電磁波)は広い波長範囲でばらつきはあっても、低いが全体に拡が った形状の曲線の形になります。
レーザーは、ある波長より短い(エネルギーが高い)光が集められて(光ポン ピングといいます。量子論で説明されます)蓄積されてあるタイミングで一 度に狭い波長(原理的には1波長)でエネルギーを放出する現象です。
従ってレーザー光は、波長幅が狭く強度が極端に高くしかも非常に短い時間で発生します。
例えばある程度の量の水を湯にする事は無理でも、レーザーが当たった部分の みを気体に変えて蒸発させる事は可能です。氷の場合は、液体を通り越して 気体に昇華させる事になりえます。

加工という言葉は、ものの形状を変えるという意味が強いです。
レーザー用途の別の部分は、情報の受け渡し・記録があります。特に記録は微細加工といっても良いでしょう。
CD-RW,DVD-RW等はレーザー・磁気の一方または双方を利用します。
レーザー加温・温度上昇による相転移・機械的破壊などの記録または、記録作 業の一部は特に加工と読んで良いものです。
現在は微細記録の時代です。従ってレーザー加工は微細部分に限るという制限はむしろ有用になっています。
日常使用する、映像・音声・データ等がレーザー加工技術と密接に関わっている事はもはや常識となっています。

一応最後に寿命について述べたいと思います。
全てのものには寿命があります。原理や広告では無限のように表現しても、現実の世界ではありえません。
寿命は、温度と状態変化(磁気・形状・相転移等)の頻度と環境などに左右さ れます。この場合の温度は絶対温度(摂氏0度が絶対温度273度)です。従って、全く使用しないでも寿命はあります。
レーザーを使用した読み書きは基本的に加工ですので、書き込み回数が多いと寿命は短くなります。
レーザー発振装置・部品も寿命があります。それは不純物を利用した量子論的 な状態変化を利用する事と、局部的な温度変化を伴う事が原因です。
従ってバックアップの必要性は言うまでもありませんが、単一のバックアップ (方式も含む)で充分かどうかは用途で判断が必要です。
バックアップの保存方法や、分散などはまた次の問題となります。


AD変換

アナログ>デジタル変換(AD変換)は、データをデジタル化する事です。概念 的には連続データであるアナログデータを、離散データであるデジタルデー タにかえる事は、ある幅のデータを代表値に置き換える事です。
例えば、1単位のデジタルデータを作るには、0.5以上1.5未満のアナロ グデータの代表値を1つきめる事になります。 結果として、1・2・3・・・と1ごとのデジタルデータが得られます。
デジタルデータは、1と0、またはオンとオフのような2つの状態の集まりで 表す事が出来ます。従って、区別が出来るならばデータの劣化が生じても問 題はなく必要に応じて元に戻せます。増幅・編集などの作業も行いやすいです。
問題は、連続値を代表値で置き換える作業でデータの品質が維持できるかどうかです。
ここには、設定された品質目標が存在する必要があります。そして、その設定が妥当かどうかの問題があります。

設定された品質目標が存在して、その設定が妥当かどうかの問題がありますが 簡単にはデジタル化するときに捨てる情報が本当に捨ててよかったかの問題です。
ここで登場するのが「ピクセル」という言葉で、代表値であらわすアナログデ ータの範囲(面積・周波数等)です。
もうひとつが、「領域のカット」です。アナログデータには強度は弱いが少量 のデータが広く少なく含まれています。デジタル化すると非常に効率が悪い ので人間にとって意味がないと考えられる部分は捨て去るのです。
問題は、人間にも色々あって標準より敏感な人もいます。例えば、通常の人の 聞き分けられる音の周波数領域からはずれた高音・低音が聞ける人がいます。 この人には、アナログとデジタルでは聞こえる音声が変わってしまいます。

ピクセルや周波数カットは、ある範囲のアナログデータを代表値に置き換える 変換です。標準的な人間にとっては同じように映像・音声が伝わるように設定します。
ここで、データの圧縮作業が同時に行われているとも解釈できます。従って、 一度圧縮したデータは、情報が間引きされていますので、再度拡大・アナロ グ化は情報不足で不完全になります。
画像のピクセルを例にすれば、4ピクセルの代表値を1ピクセルにしますと、 画像面積が同じ場合でも人間には同じに見える時はその時点では同じです。 しかし、同時に画像面積を1/4に小さくする動作が入っていると、1ピク セルのデータは元の4ピクセルに復元できませんので再度の拡大は不可です。 同様に、元のサイズの時に4ピクセルでも1ピクセルでも同じように見える ならば、4ピクセルの時は4倍に拡大しても同じ品質に見えます。しかし1 ピクセルの場合はそれは保証できません。

そもそも、代表的な人間を考えているので、特殊な能力を持つ人にはサンプリ ングによる情報の間引きが品質の低下として感じる可能性は絶えずあります。
ごく一部のマニアと呼ばれる人では、アナログデータが残っていますがそれは 単なるノスタルジーだけではなく、アナログをデジタル化する段階での変化が原因の場合もあります。
サンプリングには、情報の圧縮と人間が通常感じる事の出来ない部分のカット のふたつがあります。したがって、代表的人間には同じという前提が崩れる 確率はあらかじめわずかですが存在する状態で規格は決められています。

AD変換は、デジタルデータが優秀という考えとコンピュータで扱いやすい事で広まりました。
ただ広まると、あらたな問題が生じています。 著作権侵害の違法コピー問題、技術進歩に伴う規格変更(機能向上)による 関連製品寿命の低下、規格不統一問題等多数あります。
なかには、「寿命無限大」といった誇大広告まであります。データ保持媒体や 装置には当然ながら有限の(かなり短い)寿命があり、原理的な寿命は意味を持ちません。
媒体に寿命が存在する事、違法コピー規制方法の中に媒体寿命を考えて正当な 所有者が行うバックアップコピーまで拒否するものがあります。これで、デ ジタル記録は原理的に劣化しないとの宣伝は、誇大広告になります。法的・ 技術的にまだまだ多くの課題を抱えていると言えます。

デジタルへの移行は、実現の可否に疑問の声もありますがテレビ放送のデジタ ル化が決まっている事からますます進むと見られます。
デジタル技術は、AD変換を含めてまだまだ進歩する技術です。
互換性・統一規格が必要ながら、絶えず複数技術の競合となる実状は競争社会 であるかぎり避ける事はできません。なければ、進歩はしないし最終的にま とまらなければ大きな損出が発生します。
アナログをすべてデジタルに変換する事の是非という基本的な事も、まだ議論 対象です。デジタル化したものの保管する装置・媒体の容量が制限されてい た時代の規格ですので、後から見ればサンプリングで情報を捨てすぎと感じ る事は当然です。従って、AD変換もいつまでも規格として議論の対象から無 くならないでしょう。

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