項目別バックナンバー[5]:技術情報:32
フラットパネル
パナソニックのプラズディスプレイからの撤退は反響は大きいでした。
なにしろシェアが一番ですからです。
しかし、フラットパネルは部品でありそれを使用した製品でのシェアが部品の有効性を決めます。
フラットパネルは、プラズマ方式・液晶方式・EL方式・SED方式等複数にありますが、液晶方式に他は押されています。
この中で、全てのサイズに対応できるのがたぶん大きいのでしょう。
そもそも、フラットディスプレイという言葉はシャドウマスク方式のテレビに対してトリニトロン方式が言われた言葉です。
それの牙城は崩れませんでしたが、他の方式が取って変わりました。
フラットパネルは、ディスプレイとして望まれていた形状です。
ブラウン管時代もトリニトロンが好まれました。
初期のフラットパネルは高価でしたが、フラットという事と電子線を受けないという動作原理から徐々に使用が進みました。
この事情とノートパソコンという新デザインの登場で、用途が増えて相乗効果でコストダウンも進みました。
フラットパネルの、大型化可能性に注目が行くのはしばらく後でした。
何故、フラットパネルなのかの問いには複数の理由が存在する事が判ります。
同時に、その中でより利用が広まった方式も理解できる筈です。
フラットパネルが登場してからの種類争いは、いくつかの要求の実現の追求競争になりました。
・画面サイズの大型化または、サイズ比の価格
・パネルの厚みおよび重量・・・強度
・視野角・・・用途で狭い方が良い時もあります
・消費電力・・・バッテリー用途では特に重要
・高解像度化の可能性
・タッチパネル用途・3D用途
等です。
実に多くの種類が提案・開発されてきました。
ただ、現在は液晶方式が殆どを満たしています。
それ以外の方式は、見直しが必要な時期のようです。
プラズマパネルのトップシェア会社の大幅な撤退は、微妙な判断でした。
それに変わって登場しそうなのが、有機EL方式のフラットパネルです。
液晶パネルは、原理はシャッターでバックライトの透過の制御を液晶で行います、最低でも2層になります。
有機EL方式は、自発光(自らが電圧がかかると光る)ですので、原理的には1層ですから、より薄く出来る可能性があります。
強度と軽量化の面で有効な使い方があるかどうかです。
勿論、コスト的にも比較されます。
液晶方式が発達した大画面での、比較が大きいでしょう。
フラットパネルはしばらくは、大型化とコストダウンが注目されて、それに対応できる方式の争いでもありました。
それ事態は今後も続くでしょうし、一部で価格カルテルの問題も生じています。
併行して、機能面も動いています。
ちょっと先行しすぎたのか、元々需要が限定的なのか?3次元画面表示機能があります。
眼鏡の有無とか、ソフトの有無と言われていますが、今は需要をほり起こすものにはなっていません。
タッチパネル対応は、順調に見えますが、ただ市場の成長が急激ですので、先が見えにくいです。
そろそろ話題になりそうなのが、高解像度画素のフラットパネルかも知れません。
これは、大型化とは異なる技術力の競争になる可能性があります。
フラットパネルに関する話題は、毎週のように登場するでしょう。
それだけ注目の製品です。
その方向性は、暫定的で長期的には覆る可能性は高いです。
益々成長する分野であり、投資・参入したい分野です。
その時の戦略は、もはやコストでは無さそうです。
新しいブレークスルーになる何かが必要でしょう。
最近では、高解像度画素のフラットパネルが、ipad3・iphone5等に登場すると言う予測や、LEDバックライト液晶パネルの発表がありました。
また、大きな進展があれば取り上げたいテーマです。
バーコード
古くて新しい技術に、「バーコード」があります。
文字情報を、記号に変えて印刷等した情報と読み取りシステムです。
最初は、(2次元)バーコードと呼ばれていましたが、動作的には1次元的です。
スタート記号と、ストップ記号とに挟まれた情報を光学的に読み取り、テキスト情報に変換します。
左右どちらからスキャンしても、スタート側が最初に変換されます。
人間に読めない暗号的な面が強調された事もありますが、今では併行して内容を書いてあるものもあります。
キーボードから入力する時間よりも、秒単位のスキャンで複数文字情報を取り込める事が利用の最大の理由です。
バーコードの普及は、コードの制作の容易さと、読み取り機器の性能の向上が重なりました。
そして、関連情報の収集による情報競争の激化という側面が後押ししました。
優れたオンラインシステムが構築出来ても、現場の情報収集が劣っていては、機能しません。
その情報を個々の商品・作業に持たせるものとして、自由度の高いバーコードは非常に向いています。
現実に、製造工場・流通・小売り等の管理には、殆どで使用されています。
小さなラベルで可能ですから、使用しない時でも付属させておいても大きな邪魔とはなりません。
バーコードは読み取りの自由度が設計上にあります。
従って、コードに痛みが生じたり、印刷媒体が収縮したり等のトラブルにも、かなり対応出来ます。
エラー検出ビットも含みますので、読み取り間違いは少なく読み取り不可になる事が多いです。
濃淡を読むので、印刷媒体の色も自由度がありますが、コードとのコントラストがある事が前提です。
製造システムや、使用環境では、耐熱材料が使用されますし、印刷の上に透明なコーティングを施す事も多いです。
また読み取り方法は、読み取り機を動かす方法も、印刷媒体を動かす方法も、可能です。
点状のセンサーを、バーコードが一方向に横切るならば全て同じです。
センサーか、バーコードを動かす事も省く思想が3次元バーコードです。
QRコードとも言われています。
カメラ付き携帯電話の普及で一気に、広がりました。
正方形のQRコードを、カメラで読み込むだけでデータを取り込めます。
携帯電話用のサイトがあるときは、殆どの場合が案内にコードが付属しています。
それも、比率が一定ならば全体の大きさはカメラの視野に入るならば自由度があります。
データから、コードの画像を作るソフトもフリーソフトで多く存在しているので、もはや誰でも作れて使用出来るアイテムです。
携帯電話の写メール機能として付いたカメラ機能が、3次元バーコードを普及させましたが、パソコンにもウエブカメラが接続可能です。
一部機種では、標準実装され始めています。
ディスプレイをカメラで読む事はまだ普及していないと言えます。
まだ、パソコンベースでのバーコードの利用は携帯電話関係を除くと少ないです。
何か用途がありそうですが、まだこれからでしょうか、あるいは用途なしで過ぎてゆくのでしょうか。
バーコードで読み込んだ情報の利用面でパソコンは、欠かす事は出来ません。
それ以上は望む事ではないのでしょうか。
個体識別には、磁気記録やICチップが使用される事も多いです。
これらの長所は、情報量の多さと読むだけでなく書き込みもできる事です。
これらと比較しての、バーコードの利点は
・印刷ベースで安価な事
・媒体に制限が少なく、例えばセラミックの様な耐熱材料も使用可能な事
・画像認識読み取りは目視で破壊が確認しやすい事
・制作が個人ベースでもソフトと印刷機能があれば可能な事
・価格や名称等の他の印刷情報と共存して制作して、付属出来る事
等があります。
利用は多彩ですので個別にはもっとあると思います。
殆どが手軽な安価な事から派生する事で、一部に他の方法以上の機能も期待できます。
基本的な機能とシステムは、まだまだ利用されるでしょう。
軽量化
小型化に関しては、人間が操作可能または作業が容易な大きさが存在します。
小型化は、ヒューマンインターフェイスの部分では制約があります。
それ以外の部分にのみ進める事が出来ます。
そのトータルが、小型化して利便性が高くならないと評価されなくなります。
似たイメージから始まる事に、軽量化があります。
軽すぎて困る事もあるでしょうが、多くの場合は単独の比較では、軽量化は利点が多いです。
最小は、小型+軽量化で始まりますが、ある時点で軽量化に重点が移ります。
軽量機器は単体でも、あるいは複合的な発展の可能性も有ります。
当然ながら、費用対効果が存在します。
軽量化の壁のひとつが、強度です。
軽量化の単純な方法は、強度材料の減少ですが、用途に耐えられないのでは、意味がありません。
強度を保ったまま軽くするには、材質の変更がひとつの方法です。
もう一つは、強度材料以外の部分の軽量化です。
入れ物の中身が軽くなれば、入れ物の強度も弱く出来ます。
あとは、入れ物の形状があります。
強度と形状は、無関係ではありません。
もうひとつ、単純な強度ではありませんが、可動部を少なくする事で強度を高める事があります。結果的にこれも軽量化に繋がります。
強度材料は、コストと加工性から限られた金属が多かったです。
次に、コストにはやや眼をつむり軽量合金の使用が進みました。
合金の性質は、組成で変わりますが、多種類になると特性は複雑です。
マイナス面があり使用されていない場合は、それを何かで補う手段があれば、プラス面が生きます。
プラスチックは金属よりも強度は弱く、軽量なのが一般的です。
ただし、複合材料として使用すると性質は大きく変わります。
強化プラスチックは、ガラスファイバー等にプラスチックを含浸する方法で生産します。
ゴルフのカーボンシャフトから有名になりましたが、今は多様な使用方法に拡がっています。
セラミックも徐々に検討されていますが、種類が多く加工性が劣る為に、普及とまでは行かないです。
いずれにしても、複合材料の時代です。
製造側から見た軽量化は、2面あります。
材料費削減になる軽量化と、材料費増加になる可能性のある軽量化です。
利用者にメリットがあれば、どちらでも同じとも言えますが、いつかは差が生じます。
最初は、軽量化するのがせい一杯でコストまで考える余裕がない開発者もいますし、それを考えていては先に進めない面もあります。
しかし、製造に近い実用化の開発者は絶えず、コスト面を視野にいれておく必要があります。
軽量化にはいつも材料費削減の可能性があります。
特に材質変更ではなく、厚みやサイズ変更は技術力次第で材料費削減は原理的に可能です。
そして、多くの場合に材料費削減に繋がる軽量化が成功しています。
軽量化は、設計の大きな見直しによって成功する事が多いです。
入れ物にあたる部分を少なくする、バルクよりは薄膜が有利等形状の常識を変える事が多いです。
入れ物の部分を少なくするには、球状・円形状を念頭に考えます。
これに、薄膜的な材料設計を加えると、円盤とかボタン状になりやすいです。
また、別の考え方として入れ物を無くす事があります。
機能部を露出させる設計、樹脂等のコーティングで使用する設計です。
しかし、それを何に載せるかという問題があります。
そこからは、シャッシーに載せるとか、集積化する等が考えだされます。
技術的な面に目が行きがちですが、実用的な軽量化方法もあります。
それは機能の分割です。
機器を複数に分割して、入出力部を軽量化して本体は重量が大きく影響しない使い方です。
例えば、本体は鞄等に入れて置いて操作と出力等の部分のみを直接持ち歩く等です。接続は少ないケーブルか、無線になります。
家電ではリモコン機器が該当しますがそれは軽量とは異なる遠隔操作が目的でしょう。
オプション機器の着脱もそれに入る場合もあります。
アイデア的なウエラブルコンピュータは、機能を分けて体の各所に着けて、接続する考えでした。イヤホーンや腕時計が入出力の思想でした。