項目別バックナンバー[5]:技術情報:37
コンピュータグラフィック
コンピュータグラフィックと言っても、設計図をコンピュータ上で書くものも
キャンバスに自由に絵を描くかわりに、コンピュータ上に書く物もあります。
また、2次元か3次元かの機能の選択もあります。
4次元と見れるかも知れませんが、静止画か動画かの違いもあります。
作るか、見るかという分け方もあります。
ローカルかネットかも分類にいれてもよいでしょう。
原則は人間の入力から描画が始まります。
等間隔のドット(入力点)を繋いで行く、ワイヤーフレーム法がよく使用されますがこれは閉じた図形を幅のない線で描く事が正確に出来るからです。
設計図を書く感覚で描いてゆきます。
図形が閉じていると、中(外)の片方を塗り潰す事が可能です。
ドロー系の図形ソフトでは、幅のあるペン状のもので描いてゆきます。
幅の広さを複数準備する事で多彩な入力が可能になります。
消しゴムとかブラシとか、実際の絵をかく間隔に近いソフト設計が多いです。
勿論、色を変えたり混ぜて作ったりも可能です。
方眼紙に細い鉛筆で描くか、画用紙に筆等で描くのどちらかですので、コンピュータは道具となります。
ただし曲線の交点の計算を勝手に行ってくれるとか、簡単に消して書き直すとか複数枚の絵を重ねて、それぞれの書く内容を分けて書いて行く等が可能です。
ドロー系でも同じで、筆の幅や形を作ったり、間違うと消したり、色の混合を試行錯誤で行う事が殆ど材料の無駄なく行えます。
道具であるのは確かですが、作業性と精度を向上するのに非常に適しています。
これは、新たな可能性に繋がります。
一つの作業を複数の人または装置で同時に行う事は、条件によれば可能です。
データの共有・更新という別の問題も生じますが・・。
コピー時代ですが、データの媒体が電子化されているとより完全なコピーが可能です。
従って、電子化データの同時並行作業は実質同じデータを使用する事になります。
コンピュータグラフィックの最大の利点と言えるかも知れません。
また、途中及び完成後の保管という面でも電子データは有利です。
数値加工技術が進歩しています。
コンピュータグラフィックを商品開発に利用すると、デザインデータが試作品加工に使えます。
勿論、量産品も同様です。
生産全体の電子化・数値化を行うと、設計・デザインも自然と電子化が要求されます。
コンピュータグラフィックと生産全体の電子化・数値化とは、表裏一体とも言えるのです。
せいぜい仮想3次元の2次元表示か、射出成形データかといった時期もありましたが、3次元プリンタの登場で状況は変わって来ています。
模型材質に制約はありますが、3次元コンピュータグラフィックから3次元模型が制作出来る時代になりました。
しかも、情報産業特有の急激な価格ダウンが直ぐに期待できます。
3次元の形の模型でも、デザインのイメージと確認は大幅に向上します。
この分野の進歩も予想外に早く実用的になります。
DNA
遺伝子解析の研究と、個人識別方法の有効さで急激に研究が進歩したのがDNAの研究です。
全体像と主なメカニズムは判った段階と言えます。
研究的には、構造と構成物質とコピーメカニズム等です。
4種類の塩基の4組の組み合わせが単位で、それの複数の組み合わせで遺伝子が作られる。
構造はワトソン・クリックの二重螺旋構造である。
それぞれの塩基に対応した塩基が存在して、それを介してコピーされる等です。
昔、同じDNAを持つ人間はいないという神話がありました。
次ぎに、遺伝絡みで同じDNAを持つ人間の条件が出ました。
その次は、輸血や骨髄移植による血液型やDNA変化の可能性です。
そして、DNAと遺伝子数が判るとその組み合わせ数が有限と判りました。
人類の人口に近い確率であっても、100%ではなく限りなくそれに近いという事に変わりました。
無限でなく、有限の確率という事は重大な分野があります。
一致の証明と、不一致の証明は異なる事になります。
DNAの研究はコピー方法=RNAの研究と、配列分析から遺伝子解析とその他になります。
いずれも、DNAの構造と2つの塩基の選択結合が絡みました。
理論研究段階の世紀の間違いといわれた研究があやうくノーベル賞対象になりかけ、理論の検証に慎重になったと言われています。
実験結果は、同じ機能の重複組み合わせがあるという、単純かつ精密という理論予想を覆す結果になりました。
何はどうでもメカニズムが判ると、上記の研究が本格的に始まり、次々と成果が出ました。
DNAのコピー方法=RNAと、遺伝子情報から生体の成長を考察すると、動植物の遺伝サイクルや病気等の異常や、進化の問題がマクロ問題から、ミクロの問題に置き換える事が可能になりました。
進化論とか食物連鎖と、品種の繁栄と絶滅の問題にもミクロで関わる事が出来ます。
ただ、地域や宗教問題が絡み倫理的とかの問題と、動物実験や果ては臨床実験という名の人体実験にまで発展します。
人間が人間を研究する段階は、単純ではありません。
とかく、DNAが人間との関係で利用や研究される時は、技術問題だけで無くなりがちです。
DNAは個体で原則一定が基本概念です。
基本というのは、例外もあるという事です。
個体全体がはたして、同一DNAかという問題。
DNAは個体で変化しないかの問題。
DNA測定の問題。
細胞のがん化、生体間移植の影響、細胞レベルの突然変異の発生の影響・・。
DNAの研究が進むと同時に、医学等の他のジャンルも進歩して、移植や遺伝子制御が出て来ると、DNAの認識も複雑になります。
DNAは有用性もあり研究が進んでいますが、併行して検査時間と精度と費用の効率化が行われています。
利用が増える分析には必ずついてきます。
自動化装置や、標準化での普及と数的効果によるコストダウンは、用途を加速的に広げます。
測定数が増えると、例外事項を含めた統計が精度をまして、新しい知見を得る事もあります。
自然界は単純でなく、変異や確率の低い現象が隠されています。
それらを知る事で、ようやく利用の本格化といえ始めます。
彗星
アイソン彗星の太陽接近と崩壊が話題ですが、周期彗星とたぶん単発訪問彗星はあわせて、丁度適当な間隔で地球や太陽に接近しています。
その度に話題になります。
天体の軌道は、楕円軌道か放物線軌道が知られています。
楕円軌道は周期性があり、放物線軌道は一度しか近づかない軌道です。
ただ、楕円の長辺と短辺の要素の長辺が極端に大きいと、両端付近は放物線と区別がつきにくいです。
かなり精密な観測データと軌道計算で判別できるかどうかです。
長周期彗星かどうかの判断は難しいです。
多数の周期彗星が発見されていますが、大きさで話題になるのは非周期彗星が多いです。
大きく目立つ理由が太陽に非常に近づく時の、ほうき状の尾ですので、同時に燃えつきたり・破壊の可能性が高くなります。
繰り返し近づく、周期彗星は破壊されない程度に太陽に近づくと言っても良さそうです。
ただし、次第に小さくなり再訪時の重量が減少傾向とも言われます。
従って、周期型でも軌道計算は精度が出しにくいと言われます。
太陽に近づく大型周期彗星は少ないと予想されます。
代表は、ハレー彗星ですが、例外的に発見者の名前ではありません。
現在は紀元前のエジプトに記録が見つかっています。
周期彗星とか細長い楕円軌道が知られていない時代に、過去の大型彗星を調べその周期性に気づき、軌道計算をして「彗星軌道論」を書いて、次の接近を予想した、エドモンド・ハリーの名前が付いています。
ハリー自身は、ハレー彗星を観測していないのですが、予想の場所に周期的に接近し周期彗星と判明した事で名前が付いています。
彗星は発見者の名前がつけられます。
発見>連絡>確認>最初の発見者から命名となります。
コメットハンターがアマチュアにも多い理由かも知れません。
複数人の同時期発見では、複数人の名前がつきます。
コメットハンターには複数彗星発見者は存在します。
天文台とかの研究者がたまたま発見する事も多いですが、目的が違うので一人で多数発見は多くはありません。
新しい彗星が見つかると軌道計算となりますが、天体で太陽系内でも難しい作業になります。
ほとんどが、一度だけの接近で放物線軌道で、太陽に近づくと質量等の変化の可能性があります。
太陽系でも地球から遠い、特に外惑星やその外の事はまだまだ遠い存在で不明が多いです。
しばしば、外から太陽周辺に迷い込む彗星は、その遠い所の情報を運んで来ます。
宇宙観測には多くの準備期間が必要な事も多いですので、直接の観測は少ないです。
ただ地上や宇宙ステーションからの観測は、可能です。
なぜ彗星が話題になるかは、色々理由はあるでしょうが、宇宙研究の面からも主要天文台や機関が観測に積極的で、そこから出る情報がアマチュアやマスコミにも話題となっています。
彗星は宇宙からの情報の贈り物的なものです。
周期彗星が地球に近づく時期を目標に、観測体制を準備する事はあります。
現実には、広く報道されるのはハレー彗星だと思います。
直接接近して観測するのか、ある程度の距離で観測するのか、既に存在する人工衛星を利用するのか。
上記は、前回のハレー彗星接近時に行われた内容です。
欧州は、ジレットという観測衛星をハレー彗星に突入させて可能なまで観測しました、ハレー彗星は表面から物体を外に出していますからそれにぶつかると壊れるか通信が途絶えるかで観測は終わります。
日本は、発生電波をやや離れた宇宙空間で観測しました。
アメリカは、軌道に近い人工衛星の再利用を行いました。
彗星は宇宙からの情報の贈り物的なものという事は変わる事がありません。