項目別バックナンバー[5]:技術情報:7

プレス加工

一口にプレスと言っても種類は多岐に渡ります。あえて大きく分類すれば、抜 き加工と、成形加工になると思います。いずれも、形状が関わりますので加 工したい形状の金型等が必要になります。
プレス加工は、スピードを含めたコスト・複雑な形状の一体加工・応用の特殊 形状加工など、沢山の優位点があり現在の製造業ではかかせない技術となっています。
昔は装置の安全対策が遅れていて、指を無くしたり事故が多かったが最近は安 全装置が発達したので、設計・使用方法で安全意識が充分にあれば特別に危 険な作業ではなくなりました。
基本はプレス機という外枠・駆動装置があり、そこに個別の製品用に作られた 金型をセットして、金型部に非加工材料を置く・挟む。この状態で、プレス 機を動作させると抜き・成型などの加工が行われる。成型の場合は実際はや や複雑になります。

抜き加工がプレス加工のイメージに近かったのですが、現在はそうでもなくな りました。しかしパワープレスによる金属等の抜き加工は、重要です。抜く という言葉を使用しますが、現実は引きちぎるというのが近いです。抜かれ る材料よりも堅い型(上、下)で挟みこんで型の形状に抜きます。
堅いもの程抜き難いと思われがちですが、引きちぎると表現すれば柔らかいも のや粘っこいものが抜きにくい事がわかります。
ものを切る場合には刃を使用します。抜き加工にも刃が多く使用されるように なりました。当然ながら鋏やナイフで切るのと同じですので、柔らかいもの を得意とします。そして、まさしく切ります。
刃を使用する方法を発展させたものが、ハーフカットです。例えば、ビデオテ ープとうのラベルで台紙は切れておらず(途中までは切れています)、その 上の紙と糊の部分のみ切れています。刃を台紙の途中で止める精度の加工で 可能になります。

プラスチックを中心に成形加工品が氾濫しています。 成形とは、型に溶融した材料を流し込み固めて取り出すことです。これだけで はなぜプレスが必要か分かりません。材料の性質で溶融時に気泡が入りこん で固まってしまう場合や、固体化時に気体が発生して気泡になる場合や、固 体になるときに体積が減少してすきまが出来る場合など不具合は多数考えられます。
プレスで圧力をかけながら、材料も過剰に供給すれば原理上は上記の不具合は 解消できます。
溶融液体では、圧力は均一にかかりますが、固体化するに従って均一では無く なります。従って、かなりの技術やノウハウが必要な分野です。
用途は多彩ですが、コンピュータ関係で一番関係が深いのは、メモリー等のプ ラスチックパッケージでしょう。


分光

物質から出る光(電磁波)、光(電磁波)をあてた時の反応、そしてそれば光 だった時の解析などを合わせて「分光」と呼びます。
光(電磁波)には波長が存在し、上記の反応は物質固有の波長として現れるか らです。当然、光を波長ごとに分ける解析が必要ですので分光という言葉が 生まれたものと思います。
電磁波は波長(または周波数)によって、広い性質をもっています。その中の 一部の可視光線を光という場合も多くあります。しかし、分光という場合は 可視光線だけでなく、広く電磁波全般を指します。
電磁波や分光を意識する事は、多くはありませんが現在では避けて通れない有 用な分野になっています。
可視光線をプリズムに通すと、虹の7色にわかれますが、波長に分けるという イメージから入ってゆきたいと思います。

物質には固有周波数が存在します。物質というよりももっと広く捉える方が正 しいです。そしてその周波数では共鳴が起こります。
有名なのは、タコマ橋の共鳴破壊です。映像でみた人も多いと思います。純粋 の設計ミスですが、そよ風と固有周波数が一致したのです。丁度、同じ周波 数の風(弱い)に共鳴して、自ら揺れが大きくなり最後に破壊しました。現 在では固有周波数を無視した設計はありえません。
電磁波(光)をあてると、固有周波数に一致すると吸収されます。また逆によ りエネルギーが高いものを与えると、固有周波数にあたる電磁波が出てきます。
この、吸収特性・発光特性を周波数を変えながら走査する作業を一般に分光と 言います。その結果を見ると、物質が何かどの様な組成や特性を持つかの知 識を得る事が出来ます。

単純な物質では分光も単純ですが(不純物の調査を除く)、通常は複合の複雑 な物質が相手です。この様な物質は、複数の構造の集まりですので、複数の 固有周波数を持っています。電磁波(光)を周波数を変えて走査すると言っ ても現実には全ては不可能に近いです。
実際は、研究が進んでおり色々な分光特性・チャートが作られています。調べ たい特性が見つかるであろう周波数領域も予想できますのでかなり効率よく 出来ます。
それでも大変な作業と思われがちですが、ルーチン的な分光特性は、専用装置 が販売されており、調べたい物質を準備すれば、後の電磁波の走査・分光特 性の検知・チャート化・データベースとの比較等の一部または全てをコンピ ュータ制御ですべて行ってくれます。
テレビ等では、警察の鑑識や科学捜査研でこのような風景がみる事ができます。

このページの先頭へ