項目別バックナンバー[5]:技術情報:39

実験計画

科学技術で、偶然に発見する事は数多くありますが、企業等で計画的に行う事としては結果が予測出来ずに、継続的な経営は出来ません。
目標を立てて、それの実現の為に計画を立てて、予算や人員を初めに計画を作る事は現在では当然の事です。
その中で、技術部門では実験計画を立てます。
これは、目標とか期間だけでなく、細部の手順や効率のよい調査・実験を目指す内容で統計的手法を用いた重要なものです。

統計的手法は多数ありますが、そのものずばりの「実験計画法」があります。
これの考え方は、最小の実験で最大の結果を得ようとする事です。
一般的には、無駄な実験は避けられません。
ただ、適当に実験条件を決めていては、無駄が増えるばかりです。
実験前に、効率の良い、実験条件を決める事とその結果を分析する手法です。
特に、初期の広い範囲の条件を狭い範囲に絞って行く段階で力を発揮します。

「実験計画法」は手法ですから、利用法の学習が必要です。
独学から色々な学習法があります。
ただし、それを実際に利用するときは、手法のマスターだけでは無理で、計画実験の内容の把握が必要です。
従って、規模と人員にもよりますが、実験者が「実験計画法」をマスターするか、双方の共同作業のどちらかになります。
なお、「実験計画法」をコンピュータで利用するときのオペレーターは、どちらでもなくても可能です。

「実験計画法」は実験の内容の簡略化であり、結果の有効利用です。
それは、少ないデータの精度の重要性が増します。
実験の冗長性を少なくして、必要最小限にする事は、個々または部分的にデータの精度が悪いと全体への悪影響が大きい事になります。
機械的に結果を出しても意味不明とか、信頼性が劣る事が生じ易いです。
現実には、データの誤差を含めた解析手法もありますが、複雑で実験データ数を減らす意味が疑問になります。
実験計画は、手法に限らず広く全体を見る必要が判ります。

計算機実験が古くから存在しますが、パソコンレベルでも計算処理能力が高くなると分野が広がります。
試行錯誤を、パソコン等を使い容易に行える様になりました。
少なくとも、膨大な多変量解析なども事前テストに使用出来ます。
キャドは、コンピュータ・エイド・デザインで、全ての人間の思考行為をコンピュータの助けで行う事です。
一番発展しているのが、デザイン関係で、その目的をキャドと言う事もあります。
実験計画もコンピュータの助けで行う事が、普通になっています。

科学計算専用のソフトは一般に効果で、高性能です。
機能の一部のみ使用の場合は、費用対効果は注意が必要です。
むしろ、普及している表計算ソフト用のアドインやマクロとして販売されているものが注目です。
また、それらを制作する書籍も発売されています。
表計算はデータの入力や、結果の出力が容易でかつ多くの人が使い慣れていますので有力なのです。
膨大で時間がかかる事以外では、ここからスタートする事はお薦めです。


多様な物質には個々の特徴があり挙動が珍しいものも多いです。
その例として水を取りあげます。
水は、地球上に固体・液体・気体で存在し、普段の生活でも同様です。
その量の多さも含めて、人間・地球への影響は非常に大きいです。
水の挙動に慣れるので、他の物質が異様に見えるかも知れないくらい密接です。
空気の組成には、酸素より窒素が多いのに、水や有機物のメイン組成が酸素中心が多いのも偶然か、進化過程の1つでしょう。
その酸素と水素が結合した水の存在は、宇宙で見れば多数派でないとされています。

水は温度=摂氏基準になっていますが、一般生活で固体=氷、液体、気体=水蒸気のどれもが存在する物質です。
その性質は一般的なものと、やや特殊な物があります。
液体の密度が最大になるのが、固体への相転移温度でなくやや高い温度という事は特殊な性質です。
液体と固体が共存する相転移点では固体が密度が高くなりますので、それは固体=氷を液体=水に浮かせ、液体から固体への転移では液面から凍らせます。

生物の多くは有機物から出来ていますが、その構成元素からなる水も生物と密接ですし、生態環境と水は密接です。
水は、色々な分野で異なる形で関与します。
有機物の化学反応で、吸湿反応と放湿反応が存在するのも自然です。
高分子では、二重結合が切れて繋がる時に出たり必要だったりする物質の1つが水です。
一般に合成という作業が空気中で行える事は、空気と水の組成と関係が深いです。

科学的には、純度の高い水が必要な分野も多いです。
多くは、水をどの程度の純度あるいは混合物で利用するかの問題の方が多いです。
水分の量の調整で、保存性を上げた食品や商品が登場し、水と合わせる事で完成する商品・・・・お茶・ドリンク・乾燥保存食品等が増えています。
また、水自体がミネラルウォーターとして商品になっていますが、純水ではなくなにかの成分を含んでいます。
それは、地域や国で異なり、成分で硬水や軟水とよばれています。
同様に水道水施設や、海水等の塩分除去も技術が進み、コストとの兼ね合いの時代に入っています。

分子レベルでは、同位元素の組み合わせ物質が存在します。
水では、重水で主に水素同位体を指します。
元素が同位体に置き換わったもので、自然での存在は少ないですが、その性質はしばしば重要になることもあります。
ただ実用というより、研究等の利用が多いし、そもそも重水そのものの研究が水や同位元素を含む分子の研究対象になります。
また、似た性質の物質の生成技術や、分離精製技術も重要課題です。
水と重水は、研究対象として便利な物質とも言えます。

宇宙で見ると水は一般的な物質とも言えません。
しばしば、地球以外の星での水の存在発見がニュースになります。
太陽系惑星でも水の存在・酸素の存在は殆ど、未確認です。
水跡や、衛星に発見する事はあります。
宇宙生物探査では、地球と似た星・・・・水の存在を調べる事も多いです。
その考えには、生物の存在と水の存在を繋げる考え方があります。


ハイブリッド

複数の方式を合わせて使用して、ひとつの機能を作りだす時に、ハイブリッドという言葉を使っています。
今となっては、何故とか判り易いとか理由を探す段階を過ぎて、習慣的に使用しています。
何から使い始めたのかは、個人事に違うでしょう、私は半導体のハイブリッド・パラメータを思いだしますが電気・電子以外の人は異なるのが普通です。
たぶん、どこか適当とか実用的に便利という面があるのでしょう、数学や理論的なアプローチの人には判り難いでしょう。
次第に、どのような商品でも複数の方式で実用する事が多くなり、ハイブリッドという言葉を使用する事も増えました。

複雑な機能は分割する事が良いといわれます。
それの統一を考えると、統一した規格とか約束とか・・色々考えられます。
だが、方式を思い切って変えた方が有利な事もあります。
後者の統合は前者よりは複雑です。
そして、トータル=全体は・・・一般的な判断はありません。
後者が有利とみれば、ハイブリッドという考えが生まれます。
はじめから統合していなく、後で統合が必要になる事も後者に含まれます。
結果論とも言えるし、柔軟対応ともいえます。

ハイブリッド・複合には併行使用・運転と、状態による使い訳があります。
切り替えは、人力も可能ですが今はコンピュータ制御の時代です。
それなら、併行使用・運転と、状態による使い訳の選択自体もコンピュータ管理が普通の考えです。
複数の事を多数の条件から判断する技術は、コンピュータの進歩で拡がっていますし、それがハイブリッドという考えにも繋がります。
自動監視から自動運転へ、自動切り替えへとなります。
その条件は、プログラムで作られますが、時々の環境で変化すると考えられます。

自動制御の方式は、比例・微分・積分の3制御とその合成制御です。
動作方式に、コンピュータを導入すると自動制御の方法が使用される事が多いです。
複合方式だと、どの制御方式が向いているかそれぞれの比率と、制御方式の比率はどのような内容が良いかが影響します。
ハイブリッドや複合方式は人間や、オペレーターには複雑ですが、コンピュータ化されるとプログラム次第で大きな力を発揮します。
ハイブリッドや複合方式は良いとこ取りを狙った考えですが、コンピュータ制御と結び付いて有用になっています。

ハイブリッドは異なる2系統の動作があるので、安全性が高い見方があり特別に安全性や連続稼働が要求される場合に使用する思想はあります。
同時に、一般には無駄な費用が掛かると考えられていました。
従って個別に、ハイブリッドの方が優位さが出る事しか目が向けられなかったと言えるでしょう。
ハードのコストより、ランニングコストとの合算が有利な場合が有効と判りやすいです。
コストを超えた要請は民生では少ないですが、コストや要求は環境の変化で変わる事があります。
いつかは1方式で上回る方式が生まれると思っても、現実はそれがいつかわからないとそれまでは、現実性が優先になります。

例として話題になっているのが、排ガス規制対応の自動車です。
ガソリン車と電気車が中心で実用化が進んでいますが、研究はアルコールや燃料電池や太陽電池まで広がります。
起動しやすい方式・継続運転に向いている方式・排ガスのない方式・エネルギー補給が容易で長い方式・制御しやすい方式・・・長所と欠点があります。
相互に補えるならば・・という発想からハイブリッド方式が生まれます。
電力も発電方式で言えば、異なる原理のあつまりです。
現在は極限のハイブリッドになっています。

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