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ネットサービス

ネットサービスとは、インターネットを通じて行われるサービスの総称だ。
インターネットはデジタル情報を通信手段で提供するので、内容は本メルマガの個別内容と一致する。
ここではその全体と歴史と変遷を概観する

その具体的な内容の例としては
・インターネット接続・デジタル通信サービス
・ポータルサイトサービス
 検索サービス等
 ウェブサイト・ブログ等のサービス
 SNSサービス
・コンテンツの提供サービス
 映像・音楽など各種コンテンツの提供サービス
 ネットショップ
 ネット銀行・決済サービス
・クラウドサービス
などがある。
技術開発により、新規登場もあれば、衰退して行くサービスもある。

ネットサービスとは、インターネットを通じて行われるサービスの総称だが、インターネットの登場以前にはパソコン通信時代があった、そこではアナログ電話回線を使用して通信を行う各種サービスが行われていた。
そこでのサービス内容は時代によっても変わるが、電子メールと電子掲示板が中心であり、そこにテキストでのチャットも行われた。
通信費用は電話代であり、料金の内容は市外通話料金と従量制料金であったので通信料金を少なくするにはデータ量を抑えて接続時間を短くする必要があった。
パソコン通信基地局運営事業者側は、利用者が多い市・地域に電話番号を設けて基地局とする事で電話代を少なくする事が大きなサービスだった、そして電話回線事業者では深夜の回線が空いている時間帯に安価な通信サービスを提供していた。
その時代のパソコン通信基地局事業者ろしては、ハード機器事業者とその中でのソフト提供部門が多かった(例えばIBM・日本電気・富士通等)、その後には次第に第三者的な事業者も徐々に参戦した、
その参入者の構図が、インターネット登場後も初期には引き継がれていった

アナログ電話回線を使用したパソコン通信が行われる中で、デジタル回線のインターネットが登場した、それは高速で高容量が特徴だ。
インターネットは世界中のネットワーク間を接続する仕組みであり、ネットワークのネットワークとなる。
個人利用者はインターネットに接続しているネット事業者に接続する事で、全体のインターネットに接続できる。
インターネットは高速デジタル通信を目指した仕組みだが、その末端の利用者での物理的な回線は定めておらず、銅線や光回線や無線回線も含まれている。
インターネットが登場した最初はパソコン通信時代と同様にアナログ電話回線を利用した、そこから基幹ネットワークでは専用回線での高速・高容量化が行われた。
インターネット接続を行うサービス事業者はプロバイダーと呼ばれて、個人利用者に基地局を介しての接続サービスを行った、個人利用者はアナログ電話回線で基地局に電話接続してそこからインターネットに入った。
ADSLと常時接続サービスが普及するまでは、プロバイダーとの接続はパソコン通信時代と似ているが、近くに基地局があるサービスを使いインターネットに接続すると、そこからは広大なインターネットにアクセスできる事が可能になった。
プロバーダーは利用者を増やす目的もあり、接続サービスに加えて電子メールや電子掲示板に対応し、加えてウエブサイト開設サービスや、ポータルサイト開設しての多様なサービスを競った。

インターネットは末端だけでもアナログ電話回線で接続した時代は、接続料金は高額になるので夜間の安価時刻の利用が多かった、かつ通信容量的にも制約は多かった。
インターネットが速度・通信容量的に一気に能力が上がったのはブロードバンド登場以降となった、ADSLはメタルの電線を利用してデジタル信号を流す方式でありその電線本来の用途以外で同時に併用できる技術だった。
ADSLは固定電話の基地局と個人利用者とを、それ以前に接続に使用していたアナログ電話回線の電線を使う、基地局との距離が長くなると信号が減衰するので住居位置には制約がある、さらには上り(利用者側からインターネットへ送る信号)の通信速度と、下り(インターネット側から利用者へ送る信号)の通信速度が異なる性質もある。
通信性能に加えて、ADSLは従量制の課金が不要の定額料金制であり常時接続方式である特徴がある、それ以前は接続時にその都度に電話を掛ける必要があったが、常時接続方式はインターネットとの繋がりが一気に近くなった、それによりネットサービスの比重が高くなり、さらにネットサービスがより発展する事になった。

インターネットの常時接続方式と、メタル電線回線を使用したADSLは急速に普及して行くが、導入しようとした人には「光収容」と「信号減衰問題」があり、さらには「上りと下りの通信速度差」「セキュリティ」も問題になる事もあった。
「信号減衰問題」とは固定電話基地局からの個人の家までの距離の制限問題で技術的に距離が長くなると接続が難しくなった、その結果で接続可能サービスエリアが存在した。
「光収容」とは、NTTがADSL登場時に既に固定電話回線を、メタル電線から光ファイバー回線に置き換えを進めていた事による、これによりメタル電線を使用するADSLが使用出来ないとされた、これについては後に光ファイバー敷設時に予備としてメタル電線を残していたのでそれを使用してのADSLが可能となった、ADSLは電話線の必然性はなく有線テレビケーブル等も使用された。
動画共有ネットサービスのYouTubeは2005年に開始されたが、高速に大量のデータを扱える常時接続インターネット環境が世界的に普及する事で急成長して、多数のネット動画が参入して、動画時代となった。
それを受けて、ADSLよりもデータ通信容量が高く通信速度が高い方式が望まれて開発された、それが光ファイバー回線を使用した光通信であった。
光ファーバー回線敷設環境を持つ、固定電話回線のNTTや、電柱と電気送電線を持つ電力会社がファイバー網を作った、それを利用しての光通信インターネットサービスが、敷設した事業者とその回線を借りる形での接続事業者が多数参入した。

携帯電話サービスが開始されたのは1987年で、その通信方式はアナログ方式で第一世代と呼ばれた。
世界各国ではデジタル通信が検討された、デジタルの方式として、ヨーロッパではGSMが、米国ではCDMAが、日本ではPDCが採用されて、1993年のイギリスでのGSMの開始以降に、第二世代としてデジタル方式が採用され始めた。
第二世代では、1999年にNTTが世界最初に携帯電話でのインターネットサービス「i-mode」を開始した。
さらに2001年にNTTが世界で初めて3Gサービスを開始し第三世代に入った、その通信速度は第二世代と比較して飛躍的に速くなった。
第四世代の4Gサービスは2009年以降に世界でサービスが開始され、日本でもNTTが2010年から開始した。
スマートホンは第三世代に登場したが、その後には全て4Gに対応した、NTTのサービスでは開始当初は通信速度が75Mbps程度だったが、その後に速度向上が繰り返されて1Gbpsを超えた速度になっている、さらにはそれを超える第五世代の5Gが開始され始めている。
携帯電話回線でのインターネット接続サービスは、当初は通信速度は遅く使用料金も高価で、携帯性・モバイル性さらには接続機器が不要でスマホ端末のみで通信が可能という特徴があるがモバイル用途中心で使用された、その後は技術進歩で短所が改善されてゆき無線での通信サービスは拡大して来た。


ポータルサイト

ネットサービスの普及は通信速度と通信コストの影響が大きい、客が利用したいデータ・コンテンツ等が実用的な通信速度で使用可能かと、それに対してリナーズブルな費用で可能かが課題となって来た。
アナログ電話通信時代は基地局に対する点と点の接続であった、インターネット時代に入ると点で基地局に接続してそこから広いウエブ世界に通じていた、ただし速度面・費用面で制限が大きかった。
ブロードバンドで常時接続時代に入り、漸く速度面が一気に向上してさらに劇的に費用面の制約が減った、ただしサービスを受けられる環境の有無は個人差があった、初期費用を掛ければ接続環境を得れるケースもあった。
パソコンハードとOSを中心としたソフトウェアは、新機種・新製品から最新のインターネット環境に対応して行った、その結果で特別な能力がない一般の利用者でも、初期設定と日常の接続が容易になって行った。
それ故にパソコン等のハードとOS等が一体になって、どのようなインターネット環境を提供できるかが課題で競争した時代があった、その時代はネット上に展開するウエブサービスも通信事業者・ハードウエア事業者・ソフトウェア事業者が中心で行い、パソコン等のハード購入者がプリインストールのソフトで契約した接続サービスからインターネットに接続すると、まずはそれらの事業者が提供するウエブページやサービスが使用可能だった。

インターネット事業者自身がネットに構築してユーザーに提供するサービスの1つに、ショッピングサイトがあり、さらにはそこでも必要となる代金決済サービスがある、後者の一つのネット銀行がある。
その時々の技術とニーズから、具体的な姿は変わるがいつもついてまわる。

ショッピングサイト
 インターネット上で商品を販売するウェブサイトで、言葉としてはオンラインショップ、ECサイトなどもほぼ同じだ。
 さらにはショッピングモールと呼ばれるショッピングサイト群もある、そこではその管理会社がサイト構築に必要なウエブサーバやデータベースサーバを準備してショッピングサイトの仕組みを提供する、それを利用する事で個人や小さな商店でも簡単にショッピングサイトを開設できる。
インターネットバンキング
 インターネットを使用して残高照会や振込などの銀行のサービスが利用できるシステムだ、銀行の窓口やATMではその場所に行く必要があり、さらに利用できる時間が限られる、一方のネットバンキングでは自宅で利用できて休日や夜間早朝でも利用できるメリットがある。

インターネットサービスとして開始当時には、動画サービスとショッピングサイトとネットバンキング等の利用が多かったが、これら以外で利用者が多いのがウエブサイトへのリンク集だった。
リンク集は、初期にはカテゴリ別リンク集として提供されていて、ウエブサイト運営者は集客手段として競ってリンク集に登録した、ネット利用者はリンク集から目的の情報を探した、その1手段として「検索」方法がソフト的に提供された。
その次には類似機能を持つ自動情報収集・登録のリンク集が開発された、そしてネット全体の検索サービスも提供されて行った。
インターネット登場以前は分からないことがあれば、知識を持つ人に尋ねたり、図書館などで本で調べたりしたが、現在では検索サイトで探すだけで、大抵のことは調査が可能になった。
インターネット事業者らは、上記の利用者が多いネットサービスを中心にして、インターネット利用者が最初に訪問して、さらに色々なサービスとウエブサイトを訪問する時に起点として訪問するサイトを構築して提供した、それがポータルサイトとなった。

インターネット事業者らは、ポータルサイトを構築してそれを中心にして、多数のインターネットサービスを提供していった。
だがそれ以前の最初期から提供していたのが、ネット上のサーバスペースであった、具体的には電子メールボックスとそこで使用する電子メールアドレスだった、さらにはウエブサイト構築スペースであった。
ウエブサイトはローカルのパソコンからHTML言語で書いたデータをアップロードする事で、ウエブサイトを開設して公開できる、ウエブサイトのアドレス(URL)は一般的にはインターネット事業者からサーバスペースと同時に提供された。
その流れが変わったのが「ブログ」だった、HTML言語を使用しなく(注:使用する事も可能)、データのアップロードが不要で、ネット上のブラウザでブログ管理画面にアクセスして直接に書き込む事で、ブログサイトを構築して公開できる。
その後には、インターネット事業者以外の第三者がネットサービスに参入して、サービスの質量ともに広がって行った。

インターネット事業者らはポータルサイトを構築してそれを中心に、ネットサービスを拡大して行ったが、インターネット利用者が増加すると、ネットサービスへの参入者が増え始めた。
そこにはネット事業者とパソコンハード機器やソフトウエア関連事業者等以外の、第三者も多かった。
その中には、インターネット上での事業を中心に展開する場合がいたが、非ネット事業をインターネット上でも展開しようとする事業者もいた。
ネット上のサーバスペースをレンタルで提供する事業があり、さらにはそこでの住所に当たるドメイン名を取得・管理するサービスの代行があった、そしてウエブサイト構築に使用するツール類の提供サービスがあり、それらトータルのウェブサイト制作代行サービスもあった。
ウエブサイトを探す目的のデータベースとリンク集がネット初期には乱立した、そこに開設したウエブサイトを広報・広告する為に競って登録した、それ以外のウエブサイト広告手段としてはインターネット掲示板やメールマガジンがあり、これらも初期の1時期には乱立した。 これらを統合した形のコミュニティも運営された。
これらに影響を与えたのが、大型検索サイトであった、さらには世界規模で自動ロボットで定期的にデータ収集して検索ワード別にランク付けして検索結果を表示する方式のグーグル検索が登場した、その能力は高く、技術蓄積により最終的には他のリンク集と上記広告手段を凌駕して行った。

ネットサービスの1つのブログサービスは第三者事業者(gooブログ/アメーバブログなど)を含めて多数の事業者が競いあった、そこには携帯電話からのアクセスも可能だった理由もあった。
それと似た展開がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のmixiであった、これらとブログはウエブサイト構築技術がない人でも、日記等の自分の体験や考えを書き込めてそれを基に知人以外との繋がりが出来る現象が生じた、それはインターネットサービス登場以前にはなかった事だった。
これらのコミュニケーション系のサービスは「ソーシャルメディア」として注目されて、多様な仕組みが考案されて登場して行った、その中の幾つかの SNSは巨大IT事業としても成長して行った。
もうひとつのネットサービスが、クラウドサービスであり、それは従来は個々のコンピュータの中で利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由でのサービスとして利用できる仕組みだった。
ネットサービスはその後には、スマートホンやタブレット端末と言うモバイル性の高い機器が登場する事で大きく変動しながら、さらに拡大して行く事になる。

 

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