項目別バックナンバー[1]:インターネット情報:13
メールアドレス収集
実生活の住所に当たるメールアドレスは、有料・無料を含めてインターネット
を行き交っています。
名簿屋というものが存在するそうですが、そのインターネット版がメールアド
レス収集です。その目的は、ダイレクトメールに存在するスパムメールの送
信です。迷惑メールともいいますが、送られる側も迷惑ですがネットワーク
全体のキャパの多くが消費されてしまうために、たとえ実害が発生しなくて
も大きな問題となっています。
ネット上をソフトで走査して、ホームページに記載されているアドレスを収集
する手段がありますので、最近では直接送信に使用できる形でメールアドレ
スを載せるホームページは減少しつつあります。
特商法の規定で、メールアドレスの記述が義務つけられていますので、ソフト
的に拾われない様な記述を行うような傾向が有ります。
ネット上に沢山存在する掲示板・検索エンジン・リンク集も、利用される事が
あります。従って利用には注意が必要です。現在はこれらからメールアドレ
スを集める事もされていますし、これら自体が収集目的で設置されている事
もあります。
一番厄介なのは、第3者の不正使用やなりすましです。送付先が不正者でない
場合が増加しており難しい事態になっています。
実生活のダイレクトメールも邪魔ですが、より費用がかからないネットのスパ
ムメールはもっと厄介です。最近はスパムメール対策が色々と行われて、迷
惑メールフィルターなどが出来ていますが、必要なメールがその中に混在す
る可能性はあるので、自動消去まではリスクが高く実施できません。
スパム用に、メールアドレスを収集する者はウイルス対策等もいいかげんな場
合が多く、使用パソコンが感染すると収集アドレス宛にウイルスメールをば
らまきますのでパソコンウイルスの感染ルートになりやすく実害が発生しま
す。
スパムメールには、ターゲットメールと生きているアドレス確認メールが有り
ます。後者は、不確定なアドレスにスパムメール等を送りエラーの有無や配
信拒否の有無を調べる目的も含みます。この様なメールには不用意に反応を
しない注意が必要です。
メールのロボット収集対策としては、やや不便になるがホームページにリンク
しているメールアドレスを置かない方法が一般的です。具体的には、アカウ
ントとドメイン名を繋ぐ「@」を大文字や異なる記号にしておき、連絡時は
文字をかえてくださいと表示します。同様にテキストで、表示してリンクに
しておかない方法もあります。
送信フォームを用いる方法も多く使用されています。記入して送信すると、サ
ポートサーバーを介してあらかじめ設定しておいたアドレスの送信されます。
この方法では同時に、IPアドレスも受信出来るのでよりスパム送信の元が分
かり易いです。
とにかく、ホームページに連絡方法を設けるのは普通ですし、ネットビジネス
ならば特商法でメールアドレスの表示も義務つけられています。なかなか、
難しい問題です。
SPIT
「SPIT」は(Spam over Internet Telephony)で、インターネット電話を使っ
た迷惑電話です。
今はありとあらゆる所に迷惑行為が発生します。特に、それにかかる費用が少
ない程顕著になります。インターネットメールや携帯電話のワン切り等がこ
れに相当します。通常電話の様に使用料金が従量制では、あるていど制限さ
れます。
インターネット電話は、加入者同士では無料という利点がありますが、無料と
いう事はスパム行為の多発が予想されます。この事は、インターネット電話
の実現を前に警告されています。
インターネット電話に関わらず、インターネットを利用した類似の無料または
低料金の仕組み・サービスは全てスパム(迷惑)行為にさらされています。
これにたいする対策は、現実のサービスの広がりには必須です。
ネット以外も含めて、スパム行為は拡がっています。それぞれに類似の呼び名
がつけられる傾向があります。
スパム(SPAM)は、受信者の承諾なしにおくられる電子メールのことです。
郵便等のダイレクトメールのネット版です。コストが少ないだけに非常に多
く、迷惑行為です。
SPITは(Spam over Internet Telephony)で、インターネット電話を使った迷
惑電話です。
インターネットを利用して送る未承諾送信(主に広告)は同様の類推から似た
名称でよばれます。技術の数だけスパム行為もあるといえるでしょう。
SPIM:受信者の承諾を受けることなく送信される、インスタントメッセージによ
る広告。色々のサービスが登場しています。
SPIT:受信者の承諾を受けることなく、VoIPで送信される広告。
SPITだけが特別ではありませんが、電話というネットを知らない人も使用する
サービスだけにより問題化する可能性があります。
また全て新造語ですので、新しいサービス・技術とともに類似の物が登場し類
似の呼び方をされるでしょう。
ファイル交換
今ホットな話題は「ファイル交換ソフト:ウイニー」とそのウイルスによると
推定されている情報の漏洩です。問題点は多数ありますが、当面の一番の問
題は使用者の無知・無防備・違法とも言える個人情報や重要情報の扱い等に
あると言えます。
ソフトの問題やウイルスの存在や、データを使用するパソコンの公私の問題は
その次に来る物と思います。なぜなら、個人レベルで禁止行動を行っている
場合はその対策は極めて厳格な方法になってしまうからです。それも必要な
自体かも知れませんが、自由国家のイメージをかえてしまう可能性もありま
す。
「ファイル交換」という言葉が多く使われていますが、意味はやや分かりにく
いでしょう。別名は「ファイル共有」「P2P」「file exchange」「file sha
ring」などです。「交換」には盗まれるやネットに漏洩されるというイメー
ジは希薄ですが、「共有」の言葉ならば「他の人の所有物でもある」「ネッ
ト接続者全ての共有」の意味が読み取れると思います。
ここでファイル交換または、ファイル交換ソフトの定義を一般に呼ばれている
内容で書きますと「インターネット等を介して不特定多数のコンピュータの
間で色々なファイル・データを共有するソフト。」になります。表現は異な
っても意味は同じです。
交換ではなく、共有と考える方が分かりやすいです。従って漏洩と呼ばれてい
ますが、ファイル交換ソフトが動作しているパソコンがネットに接続された
状態はそのパソコンのデータは他のパソコンと共有になったと考える事が出
来ます。漏洩というよりは「自らネットに共有するデータとして提供した状
態」のイメージです。
ファイル交換ソフトについては、一般的にイメージが出来ていないようです。
ある政治家が個別ソフトについての使用禁止のコメントをして、問題点が分か
っていないと認識不足を指摘されています。
大手ネット関連会社のトップが「重要情報はネットに繋がっているコンピュー
タで扱ってはいけない」とコメントしています。これが基本認識です。
個別ソフト開発者が、対策は直ぐに出来ると言っています。今の時代に長く改
良なしのソフトですので正しいでしょうが、あくまでも現時点での対策で直
ぐに新しい脅威が発生する事は今までのネット関連の進み方からは明白です。
ファイル交換ソフトの使用は、ネットワークのスループットを悪くします。従
って個々のプロバイダーはネットへの接続速度を維持するための対策が要求
されています。
あるプロバイダーはファイル交換ソフトの使用者の接続速度を落としている
としています。
また、別のプロバイダーはソフト自体の使用禁止を行うとしています。個別
のソフトか類似のソフト全てか不明ですが全体への影響は大きいでしょう。
特別のソフトの使用禁止が出来る事に、疑問を持つ人もいると思います。違法
にネットからの侵入を防ぐソフトに「ファイアーウオール」があります。こ
れやウイルス対策ソフトは通信データの中身を調べる事で初めて可能です。
中身を調べずに安全か危険かは分かりません。プロバイダーは契約者とネッ
トの接続窓口です。全てのデータをチェックできます。当然、個人情報保護
の対象業者ですが、サービス提供が行い易い事も事実です。
ファイル交換ソフトについて、歴史と主なソフトと原理を述べておきます。
複雑な部分は無視してください。
歴史は「ナップスター」から始まります。音楽好きの開発者が無料でデータを
交換する目的で作りました。サーバー方式といわれ、経営するサーバーに接
続者が提供した音楽データの索引を作ります。利用者は索引を検索して、そ
こから保有者のパソコンにアクセスしてデータを入手します。提供者のデー
タは購入したものとしましたが、著作権侵害で裁判で負け破綻しました。
その後、サーバーを使用しないソフトが横行しています。「グヌーテラ」「ウ
インMX」「ウイニー」等です。ソフトを導入して接続すると、提供データが
検索対象となります。保有者が見つかると勝手にそのパソコンからデータを
持ちだします。サーバー方式ではないので、提供データを保持しておくスタ
ック的な領域を自分のパソコン内に持つことになります。
いずれにしても、問題点もリスクも大きい事が分かります。これを単に違法コ
ピー目的に安易にインストールする行為の危険さは実態を知れば自明です。