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無線回線・光回線

インターネット有線回線方法では、ADSLと光回線とが現在使用されているが、ADSLは光回線の普及や事業者設備の老朽化等の理由でサービス終了に動いている。
ADSLと光回線の通信速度の違い
 ADSLは電話回線でインターネットに接続する通信サービスで、通信速度は下りで最大50Mbps程度で、利用場所とNTT基地局までの距離で速度が低下する特性がある。
 光回線は光ファイバーを利用する通信回線で、電線よりも速度が速く安定して、通信速度は下り最大1Gbpsとされていて、複数の機器をインターネット接続したり、動画配信サービスも容易に視聴可能だ。
ADSLと光回線の料金の違い
 ADSLの料金は平均で3,000円程度と言われ、光回線の料金は戸建てかマンションで異なるが2倍以下だがADSLに比べるとやや料金が高い実状だ。
 固定電話やスマートホンとのセット割や、光回線への切り替えでの工事費無料キャンペーンやキャッシュバックの入会特典もある時もある。

現在のインターネット回線は、有線固定回線と無線回線があるが、今後の展開からは固定回線の光回線と、無線回線の分け方になって行くだろう。
その光回線と無線回線のメリット・デメリットを比較して行く。

インターネット回線(外部)として無線回線が普及してきた
無線回線のメリットとしては、ノートパソコンやタブレット端末やスマートホンと組み合わせたモバイル用途が大きい。スマホの普及はインターネットへのアクセス方法を大きく変えた。
光回線(ADSL)で使用してきたデスクトップ的な屋内使用中心の用途でも複数のメリットがある。
・工事不要
 :有線回線インターネットで必須だった開通工事が必要で無い。開通工事は環境や基地局との関係や、一軒家か集合住宅かで異なるが、簡単ではないケースも多い。
 :プロバイダーからレンタルされる機器や端末接続だけで接続できる、スマホ等では外部機器不要で本体のみで接続できる。
 :引越しを行う時でも、無線回線なら登録情報の変更手続きのみで継続使用可能。
 :工事費不要。
・機器が少ないか不要で、かつケーブル類が無い
 有線回線では必須の機器やケーブル類が複数あるが、無線回線では少ないか無いので、邪魔にならない。設置場所を自由に決められる。
・設定作業が不要か少ない

無線回線を、有線回線である光回線と比較したデメリットには以下がある。
・通信速度と安定性では光回線が安定して優れる。
 無線回線は、通信速度と安定性に関しては光回線よりは劣るので、モバイル用途以外の利用者や、動画等をインターネット上で利用する利用者や、世帯人数が多く同時に複数人が別々にインターネット使用する場合などは光回線が優位だと言える。
 回線速度に妥協しない人や、自宅勤務やオンライン学習等を行う人等にも回線速度の確かな光回線が優位だ。
 工事を行う必要があっても、光回線にはメリットがある。
・無線回線では、自動更新プランや解約金が契約条件になるケースが多い。
 無線回線は、契約条件が自動更新であったり、解約日以外では解約金を請求される事が多い。
 光回線の場合には、自動更新プランや解約金を設けていない場合も存在する。
・無線回線では速度制限や容量制限が存在する場合がある
 容量制限を超えて使用する場合に、速度制限がかかる場合がある。
 例えば高容量用途や、複数人家族での使用では、容量制限にかかりやすい

無線回線は技術革新が進む途上であり、状況は絶えず変化している。

インターネット外部配線が、有線配線である光回線の場合のメリットは、以下がある。
・大容量が必要な用途にも対応できる。
・通信障害が少ない。
・通信容量が安定している。
 >光ファイバーのケーブルを利用するので、通信状態が安定してしかも速度も速い。
・通信速度が速く安定している。
・毎月のデータ通信量に上限がない。
 >契約上の通信量の上限がなく、多く使用しても一定の速度で使える。

光回線が向いている使用方法は以下がある。
・固定電話(ひかり電話)を利用する人。
 >スマホ以外の固定電話を合わせて使う人
・工事が必要な場合には、利用開始までに1月程度待てる人。
・自分以外に、家族や同居人が一緒にネットを使う人。
・ネットゲームや高画質の動画の視聴など大容量通信用途の人。
・オンラインゲームや動画視聴を長時間行う人。
・ビジネスやオンライン学習などで大データを扱う作業を自宅作業する人。

光回線のデメリットについては、既に述べてきた無線回線インターネットとの比較や光回線のメリットから予想できる内容だ。
光回線は固定回線の有線回線であり、無線回線の様なモバイル性はなく、屋内使用となる、屋外でも出先でもインターネットを利用したい方は向かない。
しかも屋内使用のケーブル接続であり、外部光回線とを接続する光コンセントを使うので、光コンセントを設置した部屋でその近くの場所での使用に限られる、離れた場所では、1:長いケーブル配線で繋ぐ、2:無線WiFiを利用する事になるが、1:ではケーブルが邪魔になる、2:では無線WiFiの通信容量や速度が全体の能力のネックになりやすいという問題がある。
光回線は無線回線とは異なり、外部から屋内に光ファイバーケーブルを引く工事や使用する部屋内の光コンセントまで光ファイバーケーブルを引く工事が必要になる。
工事には工事費が必要であり、光回線ケーブルの工事に利用者または代理人が立ち会う必要があり、そもそも工事日を決める事前のやり取りも必要であり、利用者自身にもその為の時間を必要になると共に、光回線が稼働するまでには日数がかかる事が一般的だ。

インターネットを使うには前述の様に、外部回線事業者とプロバイダーに対してそれぞれと契約して、それぞれに月額料金を支払う必要がある。
光回線でも事情は変わらないが、それに関しては外部回線のサービスとプロバイダーとを一本化したサービスが登場している。
それには、元々の外部回線事業者がプロバイダーサービスを行う場合と、プロバイダーが外部回線事業者から光回線を借りて行う場合がある、または双方を借りての事業もありえると思われる。
いずれの場合も、利用者は双方を一本化したサービスと契約すれば、外部光回線とプロバイダーの2つがある事を意識しないでインターネットが利用できる。
無線回線は外部回線事業者が大手携帯電話事業者であり、同時にプロバイダーでもある事が一般的だ、従って無線回線とプロバイダーサービスを一括契約する形になる、機器がスマートホンの場合は音声通話機能とデータ通信機能の一括契約の形が多いがデータ通信機能に無線回線とプロバイダーサービス機能が含まれる事になる。
無線回線では、外部回線事業者とプロバイダーとの双方の契約を意識するケースは少ない。


クラウドの選定

クラウドについては度々話題にしてきた。
パソコン等の端末を使用するユーザーがローカル環境に大きなハードウエア(インフラ)やソフトウェアを持たなくとも、インターネット上で必要に応じてサービスを利用できる仕組みを「クラウド」と呼ぶ。
この仕組みでの提供サービスを「クラウドサービス」と呼び、ユーザーがクラウド上にデータを保存して使用することを「クラウド化」と呼ぶ。
過去にはハードウェアを購入して(ビジネスではリースもある)、さらにソフトウエアも購入してパソコンにインストールすることで初めてサービスを利用できた。
この方法では初期費用がかかると共に、ソフトウエアをインストールした機器のみでサービスを利用できるというデメリットがあり、複数のパソコン使用や自宅とビジネスでの共用での制限がある。
また最近ではスマートホンやタブレット端末の携帯端末が普及した事で、これらからもアクセスしたいという需要が大きくなっている、クラウドサービスはサービス用のアカウントを持つ事でパソコンと携帯端末の双方からもアクセスできるので利便性が高い。

自社でクラウドのシステム構築を行う以外に、システム構築から管理までを外部に依頼するという、マネージドサービスの利用もある。
マネージドサービスを利用して外部依頼する場合には外注コストがかかるが、システム構築と運用後の管理までを依頼することは社内の人的コストを抑えられる事になる。
社内にエンジニアがいる場合は自社でクラウドのシステム構築を実施できるが、クラウドのシステム構築には専門の知識や技術が必要でありエンジニアの負担が大きい可能性が高い。
クラウドは、利用するサービスによっては使えない機能があったり、カスタマイズに制限があって自由度の高い運用が難しい注意点もある。
あるいはクラウドサービス事業者がインフラ全体を提供して管理しているので、利用者がサーバーや回線などのハードウェアを直接管理できない。
クラウドでは時間や場所によらず利用できるというメリットがあるが、反面ではインターネット環境を利用する事から情報漏洩等のリスクがゼロではなく存在する事が注意点としてある。
最適なクラウド環境を構築するは、ベンダーやサービスを選定する判断力が必要だ、クラウドは実装モデルやサービス形態によりメリットもデメリットも存在する、さらには単一のベンダーに依存することでシステムの柔軟性が弱くなるリスクもある。

クラウドのメリットは前回に述べたが、クラウドの選定に関してはその実装モデルやサービス形態が複数あり、そこには個々に違いがあり、それらにはメリットもデメリットも存在する事にも、配慮が必要になる。
クラウドの構築と運用に関して、単一のベンダーに依存する場合には本来期待しているクラウドシステムの柔軟性が弱くなるリスクも存在する。
クラウドはサーバーが分散される事で災害リスクが少ないとされる、だがさらにそのリスクを低める為に複数のクラウドを使用して、分散化を進める考え方がある。
クラウドサーバーにも障害発生リスクはある、その対策としては複数のクラウドを並列して使用する考え方がある。
クラウド技術とサービスの分野は技術革新が進行中であるが、最新技術・サービスへの対応はサービス提供者・ベンダーでバラツキは生じる、その結果で複数システム使用に途中に移る可能性もある、それに関しては初めから複数システムを使用して技術窓口を広くする意味もある。

上記の状況から、単一のクラウドシステムをそのまま導入しない考えが生まれた、複数のクラウドサービスを組み合わせる(あるいは単一システムでもカスタマイズ機能がある場合もある)事で自社が必要としている機能・サービス・リスク対策を実現する方法だ。
クラウドのシステムを構築する方法の一つはハイブリッドクラウドと呼ばれてそれは単一システムとして稼働する、一方では複数のクラウドサービスを組み合わせて最適な環境を構築してかつ複数システムで運用する方法もありマルチクラウドと呼ばれる。

クラウドには、「クラウドから何を提供しているか」かのサービス内容での分類がある。
・「IaaS」、「PaaS」、「SaaS」がある。
一方では、クラウドの実装モデルによって、3種類に分類される。
・「パブリッククラウド」
 パブリッククラウドは、企業や個人など不特定多数のユーザに対し、インターネットでサーバやストレージ、データベース、ソフトウェアなどのクラウド環境を提供するサービスを指す。
・「プライベートクラウド」
 プライベートクラウドとは企業が自社専用で構築し運用するクラウド環境を指す。
・「ハイブリッドクラウド」
 ハイブリッドクラウドは、色々なプラットフォーム間のオンプレミスのインフラ、プライベートクラウド、パブリッククラウドで構成されている色々なサービスが混在した環境を指す。

「ハイブリッドクラウド」と類似した用語に「マルチクラウド」があるが、マルチクラウドは異なるベンダーから提供される同タイプのクラウド (パブリッククラウドかプライベートクラウド) の使用可能なシステムが2つ以上の複数が存在する状況を指す。
ハイブリッドクラウドも複数のクラウド環境を併用する形態だと言える、だがそこでは複数のタイプのクラウド環境を混合させて、それらを統合する事によって、単一のシステムとして構築された状態を指す。

マルチクラウドのアプローチでは運用時には、2つ以上のパブリッククラウド環境または2つ以上のプライベートクラウド環境を含むことが出来る(複数のシステムを運用する事になる)。
ハイブリッドクラウドのアプローチでは、1つ以上のパブリッククラウド環境と1つ以上のプライベートクラウド環境が関係していて、それらを含んだ1つの大きな単独のシステム環境が構築された状態を指す。

ハイブリッド・クラウドは、クラウドを1つのシステムに統合して企業内のプライベート・クラウドとして使用する場合だが、それ以外にパブリック・クラウドも併用する場合でも使用する。
それに対して、マルチクラウドは主に複数のクラウド・ベンダーから提供されるパブリック・クラウドを利用する場合に呼ばれる事が多い。
マルチクラウドでは、実装モデルやサービスモデルで分類する時での複数の仕組みを組み合わせて使用する。
1例としては、異なるベンダーが提供するパブリッククラウドを使って、本番の環境とバックアップ・リカバリー環境を安価に構築して行くという方法がある。
他の例としてはひとつの業務システムでもフェーズによって分割する方法がある、例えばデータの収集はパブリッククラウド・A社で、分析はB社で行う等で、さらには情報の提供に関しては自社独自のハイブリッドクラウドを使用する、等の組み合わせの方法がある。
複数のクラウドの良いところを組み合わせて、利用者独自の運用形態や方法を構築して行くのがマルチクラウドの考え方となる。

 

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