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無線インターネット

ローカルのパソコン等からインターネットに接続するための回線網には2つの形態がある、どちらも通信事業者の基地局を経由してインターネットに接続する方法だが、通信経路やサービス体系は異なる。
・1つは自宅やオフィスなどに引いた回線から接続する「固定網」で、その固定網」では外部に繋がる「WAN」と内側で繋がる「LAN」との2つのネットワーク概念がある、この内部接続のLANの部分を有線であるケーブルを使用せずに、無線の電波を使うのが無線LANとなる。
 無線LANでインターネットを利用するには、接続するLAN内のルーターやインターネットモデムを経由する事になる。
・2つめは屋外で通信する時に使用するLTEや3G・4G等の「モバイル網」で、これはケーブルを使用せずにネットワークに繋ぐ手段であり、スマートホン等で急速に普及している。
 「3G・4G」のモバイル通信は、「携帯電話等の端末からインターネットに接続するための回線」であり、携帯電話会社の基地局に接続して利用する。

無線LANは、無線通信を利用したデータ送受信方式のLANシステムであり、その無線LANの通信方式の代表的な国際標準規格にIEEE 802.11がある。
アメリカに本拠がある業界団体が国際標準規格のIEEE 802.11規格を使用した機器・デバイス間の相互接続の認証を行い、そこで定められた登録商標の名称がWi-Fi(ワイファイ)だ。
「Wi-Fi」と「IEEE 802.11規格の無線LAN」との違いは、上記団体から認証を受けているかどうかになる、認証を受けた製品には「Wi-Fi CERTIFIEDロゴ」が表示される。
認証を受けていない場合は、たとえ機能が同じ場合でも、あるいは機器・デバイス間の相互接続が可能な場合でも「Wi-Fi CERTIFIEDロゴ」を製品には表示出来ない。
例えば、ニンテンドーDSは認証を受けていない。

無線LANでインターネットを利用するには、接続するLAN内のルーターやインターネットモデムを経由する。
ルータとは、パソコンやスマートホンなど複数の端末をインターネットに接続するための装置であり、インターネット通信回線と「LAN」との異なるネットワークを相互接続するための交換機の役割を行う。
ルータにはLANケーブルで接続する有線タイプも多く使用されているが、スマートホンやタブレット端末やモバイルタイプのノートパソコンを中心にケーブル端子を持たない機器が増えている、それらをインターネット回線につなぐためには無線タイプのルータが必要だ。
モデムは、ADSLなどのアナログ電話回線を使ってインターネットに接続する時に必要な装置であり、パソコン等の端末からのデジタル信号をアナログ信号に変換して通信できるようにする。
モデムとルータの違いは、モデムはデータ信号を変換する装置で、ルータは複数の端末をつなぐ装置となる。
利用者のインターネット回線が光回線の場合には、モデムは不要になるが、代わりに光回線終端装置が必要だ。

「携帯電話回線利用の無線インターネット」(「無線インターネット(携帯)」)は有線の一般電話回線やケーブルテレビ等の固定回線(有線・ケーブル)を使う有線インターネットサービスとは異なり、無線(電波)を使ってインターネットのデータ通信を行う方法とそのサービスの呼び名だ。
前回までに述べていたルータを利用した無線LANではその機器の周辺でのみ(電波が届く狭い範囲)でパソコンやスマートホンなど複数の端末をインターネットに接続して使用していたので、その無線LANルータまでは有線であった。
「無線インターネット(携帯)」は回線ケーブルが不要で、サービス会社が発信している無線LAN(Wi-Fi)の電波が届く範囲ならば家やビル内でも外出先でもどこの場所でもインターネットに接続が可能となる。
実機器で言えば、スマートホンで携帯電話回線と契約して、音声通話通信以外にデータ通信を行い、インターネットに接続する方法だ。
大手携帯電話回線サービス3社では全国的に殆どの地域に基地局を設置して電波が届く場所がほぼ網羅している、従って「無線インターネット(携帯)」もほぼどこでも利用出来る。
スピード(通信速度)面で課題とされていた時期もあったが、高速通信が次第に可能になっており、料金面でも徐々に改善されて来ている。

「無線インターネット(携帯)」では機器は、インターネットと無線接続出来る基地局を通して接続するが、無線LANを介して接続する事もある、それぞれの基地局をアクセスポイントとも呼ぶ。
「無線インターネット(携帯)」・無線LANのアクセスポイントが複数設置されていて、利用者が接続中のアクセスポイントから離れても、別のアクセスポイント近くに移動して引き続いて通信できる機能を「ローミング」と言う。
ローミング機能はアクセスポイントがその機能に対応している必要がある。
Wi-Fi規格が認証されているならば異なるメーカーの機器間でも相互接続性が保証されるので、パソコンや携帯電話やスマートホン等などの多数な機器が無線LANを利用してアクセスポイントを経由してのインターネット接続が可能になる。
アクセスポイントによるインターネット接続が可能な領域は、部屋の中のみの狭い範囲から、複数のアクセスポイントを重ねての広い範囲にまである。

無線通信速度が速くなり通信料金も安くなってきた、無線インターネットのサービスはメリットが大きくなって来ているが、デメリットもある。
無線電波を利用するので、電波の状態でインターネットへの接続が影響を受けやすく不安定になることもある、公共の電波を使用するのでセキュリティ対策が必須となり、アクセスポイントと通信を行う機器間とのセキュリティ対策が重要だ。
パスワード(ネットワークキー)を用いて通信して、ネットワークキーを知るコンピューターのみに使用を限定させる方法があり、具体的な暗号化通信におけるセキュリティ技術にはWEPやWPAやWPA2、IEEE 802.11iがある。 これらはネットワークキーで通信機器を限定する目的に加えて、通信内容を暗号化して第三者からの通信内容傍受を防ぐ目的がある。
最近では暗号化の解読技術が進んだ為に、より強固なセキュリティ対策が必要になり、情報処理推進機構では強度の高い認証方式や暗号化方式と、強度の高い共有鍵(大文字・小文字・数字・記号を全て含み20文字以上)を使用する事を提唱している。
日本では、パスワードで保護されたネットワークに不正に侵入したり試みた時は不正アクセス行為禁止の法律に抵触する可能性がある。
パスワード設定されていない無線LANを利用するタダ乗り行為は刑事上の問題は生じないとされるが、本来の利用者の使用を妨げる時には民事上の追及の可能性があると言われる。


ショートメッセージサービス

ショートメッセージサービス(short message service、SMS)は、携帯電話やスマートホン同士で短いテキスト・文章を使いメッセージを送受信行うネットサービスだ。
SMSの規格は複数あり、1回のメッセージで送信可能な文字数は定められており、同時に対応する文字コードも決まっている、例えばアルファベットでは最大文字数が160文字の規格があり、別の規格でラテン文字・漢字・キリル文字・アラビア文字など様々な対応もあるが、送受信端末の対応が必要だ、そこでは最大70文字となっている。
SMSは電話番号宛に送信して、メッセージはSMSセンター(SMSC)を経由して送られる、携帯電話・スマホの電源が入っていれば自動的に受信する。
送信先が圏外であれば受信可能になった時に再送信される、だが受信側の電源オフや圏外が例えば2-3日以上になると、メッセージは残る保証はない。
仕様上で滞留メッセージをSMSC側で消去が認められているためであり、SMSは仕様上で配達保証はない。

ショートメッセージサービス(SMS)は、1984年にフィンランドで携帯電話サービスのひとつとして考え出された、その次ぎに欧州電気通信標準化協会がSMSを国際標準規格に採用した、そして世界中に共通のテキスト・メッセージサービスとして拡がって行った。
ただしその中には日本は含まれていなく日本を除く世界の各地で拡がり、SMSはほぼ全世界(日本を除く)で、携帯電話を使って短いテキストを送受信する時の主流の通信手段になった。
第二世代携帯電話規格としてのGSMとCDMAは業界標準の端末認定仕様があり、その基準に対応するにはSMSの実装が必要であった故にほぼ全部の端末が装備した。
世界(日本を除く)的には実質的にGSMとCDMAのみが標準仕様となっていたのでゲートウェイの制作が早期に行われた、その結果で通信規格や通信会社が異なる場合でも、国が異なっても、電話番号を使用してのメッセージ交換が可能となっていた。

注:現在のスマートホンは第四世代で、従来型携帯電話は第3世代が主流。
注:ゲートウェイ
 通信プロトコルが異なるネットワーク同士がデータを受け渡す場合に、コンピュータネットワーク上で使用する中継の役割機能を備えた機器やソフトウェアを指す。

ショートメッセージは最初はテキストメッセージと呼ばれたが、その後にSMSと言う用語が技術規格から出来て、次第に一般消費者向けの用語となり使われて来た。
それ故にSMSはテキストメッセージ以外に、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)やプッシュ型電子メールやボイスメール通知等も含める場合もある、ここではテキストメッセージに限るかまたは主体に扱う。
携帯電話でのメッセージ・システムとしては、MMSや電子メールが情報通信回線や通信回路を占有して使用するのに対して、SMSは信号チャネルだけで伝送されている。
そのために、SMSは待受状態や通話中でも着信可能だ、そしてメッセージのバイト当たりの単価が安くなり、発達した高速の携帯電話回線では即時性が高くなる。
インスタントメッセージの実装に使用されたり、各種オンラインサービス・アカウントの二段階認証などにも使用されて来た。

携帯電話の機能が高くな行く中で、携帯電話のメッセージサービスにも機能が高いものが登場した。
・EMSは、文字の大きさを変えたり、画像や音声やアニメーションを入れたり出来るサービスだ、ただし送信側端末と受信側端末の双方がEMSに対応している事が必要だ。
・MMS(マルチメディアメッセージングサービス)は、カラー画像や動画を入れられるようにしたサービスだ、データ情報量が大きくなり本体データの送受信が難しいのでサーバを設置してそれを介してのサービスを行う必要がある。
SMSはEMSやMMSに比較するとシンプルな機能だが、主要機器に標準実装されていて、メッセージあたりの単価が非常に安価であり、しかも即時性が高いと言う利点がある、そのために携帯端末同士の短文の通信では長く主流のままだ、実際の利用ではより簡素化の為に短文にする上での略語化された言葉も使われている。

日本でのショートメッセージ・サービスの開始は1996年のPHS事業からだった。
1997年に携帯電話でもショートメッセージ・サービスが始まり、その後の直ぐに三社の携帯電話通信事業者でもショートメール・サービスが開始された、れはポケベルの使用を急速に減少させる事になり入れ替わった、電話番号でメッセージを送受信するこのサービスを当初文字メッセージ・サービスと呼ぶこともあった。
ただし日本では、複数の携帯電話事業者・グループが規格を作り乱立が始まり、その後の第2世代移動通信システムの時代には、NTTドコモ・グループ/デジタルフォン・グループ/ツーカーフォン・グループの「PDC」、IDO/セルラーフォン・グループのCDMA、およびPHSと複数の規格が並立した。
それらの規格の中には世界仕様の1つであるCDMAを採用したIDO/セルラーフォン・グループのSMSもあり、欧米等の国外とのやりとりは可能だった。
だが国内では規格が乱立しており、他事業者の利用者とのメッセージ交換ができなかった、その為にSMSの最大の利点である「電話番号のみでのテキスト交換」は機能しなかった。
これに変わる物としては、日本でのメッセージ・サービスとしては、携帯電話事業者所有のドメインをメールアドレスとしたキャリアメールが主に使われた。

第2世代移動通信に於いて、日本国内では海外とは異なる独自規格の携帯電話が乱立した、実質には主流は3社の携帯電話事業者が中心になっていてグループを作り、そこではユーザーの囲み合いが行われた。
携帯電話事業者・グループでは、他の事業者のユーザーとの間ではショートメッセージの規格が異なり通信ができなかった、また海外との間でも規格が異なり通信出来ないサービスが多かった。
携帯電話事業者は独自のネットサービスを構築した(i-modeやEZweb等)が相互の互換性も不足で、インターネットとのフル互換性は無く部分セットの位置付けに留まった、一部にフルセットのブラウザも登場したが制限は多かった。
携帯電話事業者は、日本では事業者所有のドメインをメールアドレスとしたキャリアメールを搭載した、事業者がインターネットメールとの間でゲートウェイサービスを提供したので、その場合にはインターネットから携帯電話への送信は可能になったが、携帯電話からの送信はできない事が一般的だった。
日本でのメッセージ・サービスとして、キャリアメールが主に代用を含めて使われたが、使用可能範囲は制限が多く、以後の第三世代通信とスマホの登場まではショートメッセージは拡がって居なかった。

 

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