項目別バックナンバー[1]:インターネット情報:59
スマホとメール
インターネットで使用されている電子メールには以下がある。
・パソコンの電子メールソフトで使用するメール(PCメールと略す)
・ウエブメール>ブラウザ上で使用するタイプのメールだ
・ケータイメール>携帯電話会社が提供しているその会社等のドメイン名を持つ専用メールだ
PCメールとウエブメールは「RFC規格2822・2823」という「世界共通メールアドレス規格」に基づいて規定されて運用されているが、ケータイメールに関しては 携帯電話会社(docomoやau等)が最初に携帯用メールアドレスを決めた時に、RFC規格を使用せず、違反アドレスも携帯メールでは設定可能とした。
従ってPCメールを管理しているプロバイダ(インターネット接続業者)では規格外のメールアドレスは使用出来ない、携帯電話会社ではパソコンからの迷惑メール防止方法として推奨する事もある、この様な場合には携帯電話間だけのメール通信になる。
パソコンで使用する電子メールの1つで、電子メールソフトで使用するメールをウエブメールと区別して「一般メール」と呼ぶが「PCメール」と略して呼ぶ事もある。
一般メール(PCメール)とウエブメールは、電子メールの送受信や作成・編集・検索・その他ツール的な機能面では殆どが同じであり、接続先の設定やメーラー(メール送受信ソフト)の機能面の僅かな差があるのみだ。
一般メールは最初にパソコンに電子メールソフトをインストールして、メールの送受信のための設定を行う必要がある。
具体的にはサービスを提供しているプロバイダと契約してアドレスやアカウントやIDの割り当てを受けてパスワードを取得・登録する必要がある、その利用するSMTPサーバやPOP3サーバなどの各種設定を行ってから始めて一般メールが使用出来る。
一般メールは高機能のメールソフトの機能を使用出来るメリットがあり、複数のアカウントを同時に管理出来るメリットもある。
多くのサーバやアカウントは、インターネットのブラウザ上でウエブメールとしても使用出来る、ただし併用する場合は既読時の処理や自動削除等の設定に注意が必要だ。
メールソフトではメールの受信はどのアカウントも可能だが、違法な多量のメール発信が行われてそれがパソコンのウイルス感染が原因とする事態が起きた事以降は、メール送信は契約プロバイダ以外では行えないかあるいは制限されている。
ウエブメールはサーバに保存されている電子メールデータを、ウエブサイト閲覧ソフトであるブラウザを使用して直接にサーバのメールボックスにアクセスして使用する。
一般メール(PCメール)がパソコンにメールデータをダウンロードして使用する事を除いては、ウエブメールの使用方法は一般メールと機能的には同じであり、IDとパスワードを使いブラウザを通して使用出来る。
ウエブメールは通信環境がありブラウザでメールサーバにアクセス可能ならば、作業場所や作業機器やソフトウエア等の環境を選ばない特徴がある、いわばサーバー上にメール送受信ソフトを設置している状態となっている。
一般メールは「メールサーバからローカルPCに電子メールデータをダウンロードする」仕様だから、そこで使用する殆どのサーバでは直接アクセスでの使用も可能になっている、それ故に一般メールはウエブメールとしてで使用可能であり、ウエブメール用にも一般メールとして使用可能なケースもある。
ウエブメールはパソコンの故障や買い換えでも変わらず使用出来る、複数の機器での同時併行使用も可能であり、例えば「Gmail」「Windows Hotmail」等の無料サービスでも多くのデータ容量と機能を持っている。
日本ではケータイ(従来型の携帯電話)で独自の電子メールやウエブサイトサービス(iモードとそれと類似したサービス)が普及した、それはケータイ(従来型の携帯電話)の登場後の機能拡大時に登場して無線携帯電話会社3社が独自に競った、そしてスマートホンの登場で一気に主力で無くなった。
ケータイメールとは、上記過程で携帯電話会社が提供して来たその会社等のドメイン名を持つ専用メールであり顧客の囲い込みを戦略の一つであり、パソコン用の一般メールの様な標準規格には基づかない、従って一般メールとは互換性はない。
ケータイメールは携帯電話会社がそれぞれにドメインを作ったので多数あるが、ドメインから判断はおおよそ可能だ。
・NTT:「docomo.ne.jp」「mopera.net」「dwmail.jp」
・au:「ezweb.ne.jp」「au.com」「xxx.biz.au.com」「ido.ne.jp」「ezweb.ne.jp」,「sky.xxx.ne.jp」
・ソフトバンク「softbank.ne.jp」「i.softbank.jp」「x.vodafone.ne.jp」「jp-x.ne.jp」
・Yモバイル:「ymobile.ne.jp」「pdx.ne.jp」「willcom.com」「emnet.ne.jp」「emobile.ne.jp」
一時期はブログやPCメーラーでケータイメールに対応した場合もあったようだが、ケータイメールはパソコン等に対しては不通になったり、届いても文字化けで読めず不達になる。
ローカル環境のパソコンで電子メールを利用する場合は、一般メール(PCメール)をパソコン上のメールソフト(メーラー)で使用する、個々のメールアドレスやメールサーバの設定は必要であるが、複数のアドレスを一括で受信作業を行える利点がある。
インターネットが普及して環境と使用方法の変化が起きると問題も生じた。
・大量の迷惑メール送信がウイルス感染で起きるリスクが生じた、対策としてメーラーからの発信がサーバ以外のアドレスからは制限された。
・家庭や職場毎でのメールアドレスの使い分け・共用化へ変わった。
・複数台のパソコンやスマホやタブレットで同一メールアドレスを使う。
・ハード機器の買換えや故障対策時に PCメールとメーラーはインストールと設定に時間が掛かる。
ウエブメールでは必要なものはウエブサイト上のメールサーバへのアクセス手段とその「IDとパスワード」のみだ、一般メールを複数機器で利用する場合には個々の機器にメールデータ等が残る、個々データ(メールデータやアドレス帳等)は他の機器では読めない、メールデータを削除しない設定や同期する仕組みが必要となる。
従って一般メールは機器とネット環境を借りたり提供されても利用は困難だ。
ウエブメールは個々にサーバにアクセスして使用する必要があるが、作業場所や環境や機器を選ばない利便性がある、一般メール(PCメール)の殆どはウエブメールとしての使用も可能で有り、機器の故障や買い換え時にもウエブメールをバックアップ用に使用出来る。
スマートホンとタブレット端末が登場して急激に普及した事でケータイ(従来型の携帯電話)からの乗り換えが起きた、だがケータイで使用されたメールは日本の携帯会社独自規格のもので一般メールとの互換はなく、それはスマホでも同じだった。
スマホとタブレットでは一般メールとウエブメールをパソコンと同様に使用する事が出来る、メール使用の為の準備はパソコンの場合と類似していて一般メール使用時はスマホのメールアプリでメールサーバの設定が必要になる。
ウエブメールはスマホとタブレットの場合でも、パソコンと同様にブラウザからサーバにアクセスして、アカウントとパスワードでログインして使用する事が出来る、その場合は複数パソコンでの使用と同じ事になり、既読・削除等の管理も同様となる、受信と同様に発信も行える。
スマホとタブレットでは代表的なウエブメールを含む代表的なメールサービスでは、ブラウザ経由ではなくスマホアプリを使用してメールサーバかウエブサイトの直接にアクセスして使用可能となっている。
スマホとタブレットでは汎用メールアプリか、存在すれば専用メールアプリを使用する方法が一般的となっていて、設定もアクセスもシンプルに行える様になっている。
モブログ
「モブログ」という言葉は和製の造語であり、「モバイル=mobile」を「ブログ=blog」に加えている。
モブログとは、携帯電話などの携帯通信端末からインターネットに接続して閲覧・投稿ができるブログ(ウェブログ)のことを指すが、同時にブログを更新する行為を意味する時にも使用する。
ブログはパソコン上でのウエブサイト閲覧ソフトであるブラウザから、書き込みや更新が可能であり、ウエブサイトの書き込みや更新専用のテキストエディタやFTP(ファイル転送ソフトウエア)を使用しない簡単さで普及した。
日本では独自に発達した携帯電話用ネット環境のiモードの影響もあり、携帯電話(従来型)からブログを閲覧する行為と、携帯電話からブログに書き込み・更新する行為が望まれて、一般のブログ側でも機能がサポートされた。
モバイル機器がスマートホンやタブレット端末に移行して来ても、スマホを使ってブログの更新を行う事は行われている。
携帯電話にインターネット接続機能や電子メール機能が追加されると、携帯電話でウエブサイトとブログを閲覧する需要が産まれ、それに対応した機能やiモード等の携帯電話専用のウエブサイトとブログが開発された。
パソコン用のブログの一部では携帯電話からアクセスして閲覧出来る機能追加がなされた、同時に携帯電話を使用してブログに書き込む機能が開発された、それが「モブログ」だった。
モバイル機器を使用するアクセス方法はブログ閲覧者を増加させる利点があり、同時にモバイル機器からの書き込み機能は日常生活の中での話題やそこからの投稿内容を思い付いて書きたい時にその場所で投稿出来る事が可能になり有用だとされた。
携帯電話の進化によりカメラ付き携帯電話が登場して、デジタルカメラと同じ様にその写真がパソコンからブログに投稿される様になったが、携帯電話から撮影した写真を直接に投稿する事はより便利だった。
携帯電話からのブログ閲覧や投稿は、パソコン経由と較べて制限は多くあったが、有用面も多くあった事でモブログは普及した。
携帯電話(従来型)にインターネット接続機能や電子メール機能があったがそれは独自仕様のiモード等だった、パソコンでの環境と異なる為に「モブログ」と言う専用の仕組みが必要だった。
新しいモバイル機器としてスマートホンとタブレット端末が登場して広く普及したが、それは原理的にはパソコン用のウエブサイトへのアクセスが可能だった、しかし複数の問題点は有った。
・通信容量や通信速度の違いからパソコン用のウエブサイトを実用的に使用するには負荷が大き過ぎる事が多かった、・常時接続が主流のパソコン用は従量制の無線通信を使用すると通信費用が高価になる問題があった、・モバイル用機器の画面サイズの小ささ等のハードに起因する問題があった、・あるいは指タッチ方式という入出力方式に起因する問題もあった、・さらにはパソコン用のウエブサイトが例えばマルチメディア対応目的で付加されたジャバやフラッシュ等の機能が標準でサポートされていない問題もあった。
スマホ等の普及は、ウエブサイト側からスマホ対応サイトを設ける事が進んだ、その具体的内容は多岐だが、グーグルを中心にしたスマホ等のモバイル機器専用検索サイトの登場で一気に加速した。
ブログも同様であり、スマホ等からの閲覧と共に書き込みも可能にした、その手段にはスマホ用アプリの提供があった。
携帯電話(従来型)からモブログ対応のパソコンブログに投稿するには、事前にパソコンを使用して設定を行う必要がある。
モバイル機器使用時に初期設定でパソコンが必要な事はインターネット関連ではかなりある、初期のスマートホンやタブレット端末でも同様であったし、パソコン用の無線Wifiをスマホ等で使用する時も有線Wifiで初期設定する事はあった。
携帯電話(従来型)でモブログを行う場合は事前に携帯メールアドレスを登録しておく必要もある、ただし携帯電話会社独自規格の簡易メール機能では投稿出来ないので、電子メール送信機能を使用する。
モブログ投稿の手順は下記となる
・携帯メール件名に「ブログ記事のタイトル」を入力する。
・携帯メール本文に「ブログ記事の本文」を記入する。
・ブログに画像を加える場合には、その画像を添付する。
・登録した携帯メールアドレスから、投稿先として定められたメールアドレス宛てに携帯メールを送信する。
携帯メールアドレス事前登録が、通常のログイン情報の登録に当たる。
スマートホンとタブレット端末が普及した、それに応じてインターネットと情報界が直ぐにウエブサイトやネットサービスをスマホ向けに利用可能な改良を行った。
スマホは携帯電話の通話機能とインターネットへのアクセス機能を合わせ持つ電子機器で有り、小型軽量故に携帯性とモバイル性に優れている。
またパソコンと比較して初心者でも短期で操作可能な様に設計されており、細部の機器とソフトウエアの知識が無くとも操作出来るのだが、それ故に例えばローカルパソコンでのウエブサイト制作とその後のネットへのアップロード等の細部の作業にはスマホは向いていない。
ブログは初心者でも書き込めるウエブサイトとして設計されて利用されているので、携帯電話(従来型)から操作可能なモブログはスマホ対応にもなりえた、特にスマホの特徴である「場所に関わらず記事が書ける」機能と「写真を撮る」機能はそのままブログをモバイル状態で書く機能になる。
スマホは文字入力でも写真の加工でもパソコンと比較して不自由であり、例えば複数のソフトの同時使用やきりかえ使用が苦手であり、スマホでは専用のアプリとしてモブログ機能が提供される事が多い。
近年ではパソコンからのネット利用者数と比較して、スマートホンからのネット利用者数が拮抗して来ら、そして個人使用では上回って来た、その結果はブログ閲覧もブログ更新においてもスマホを利用するケースが多くなった。
スマートホンとタブレット端末はハードウエアとソフトウエアとアプリが共に機能を増やして来た結果で、ノートパソコンと類似した使い方も可能になって来たし、機器メーカーもそれを提案しはじめた、モブログもそれに応じて変わって来た。
ただしスマホではSNSサービスという強力なライバルがあり、その幾つかは写真投稿機能をも持つあるいは写真に特化している、SNSはそれぞれが多数の登録利用者を抱えて競っている、従ってブログとモブログはそのサービスの中の一つの位置付けとなっていつ、SNSの操作性や機能を意識したサービスとアプリが望まれている。
そこではブログとモブログはSNSサービス群と競合するよりも、併行して利用してブログとSNSの相性を向上させる考え方が強い、例えばモバイル性と即時性が優れるSNSサービスでは簡略に即応的に利用して書き込み、その後にブログに加工してあるいはまとめた記事を書くスタイルがある。