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近距離無線通信
電磁波である電波や光などを使用してデータをやり取りする通信方法を無線通信と呼ぶ、そのうちで通信距離が数十メートル以内のものを一般に近距離無線通信と呼ぶ。
これに含まれるものは、一部を除いては電波の送信に免許などが不要であり、誰でも市販の機器を使用して自由に通信が出来る。
近距離無線通信は、使用する距離、使用する周波数、通信速度などで複数の方式が登場して規格が作られて来た。
例えば代表的な規格は
Wi-Fi>「数十メートル」、「2.4GHz・5.0GHz60GHz」、「最大で毎秒6.9ギガビット」
ブルートゥース>「10メートル」、「2.4GHz」、「最大毎秒4メガビット」
NFC>「数センチメートル」、「13.56MHz」、「最大毎秒424キロビット」
それぞれには長所・欠点があり、同様にそれぞれには開発された目的・用途がある。
近距離無線通信の一つである赤外線通信(IrDA)は赤外線を使用した通信方式だ。
IrDA規格は1993年にHP・IBM・マイクロソフト等のメーカー主導で策定された、1990年代にはワイヤレス接続による様々な機器の利用を目指した、そしてパソコン・携帯情報端末等にハードウェアとして組み込まれた。
IrDA規格は策定当初は通信距離が30cmから1m程度と短く、プロトコルが汎用的なものでない事や、指向性が高いという問題があり、普及はゆっくりだった。
その後にNTTドコモの携帯電話に標準的に採用されて普及した、次いで他の携帯電話キャリアにも採用されていった、これによりIrDAを使ったサービスが広まった。
IrDAは小型携帯機器の近距離通信びおいては一対一の通信機能を開発しやすかったので、携帯型ゲームにも搭載された。
2000年代以降は近距離無線通信は電波による通信に移行しつつあり、赤外線通信は主に電子ゲームと呼ばれる小型の機種で使用された。
「Wi-Fi」(ワイファイ)は、パソコンやテレビやスマートホンやタブレット端末やゲーム機など(ネットワーク接続に対応する機器全般)を、無線でLAN(ローカルエリア・ネットワーク)に接続する技術だ。
個人が自宅で使用する場合や職場で複数人が使用する場合等では、Wi-Fiの利用には、Wi-Fiルーターが必要となる、Wi-FiルーターはWi-Fi機器と電波の送受信を行いLANと繋ぐ機器であり、無線LAN親機となる。
Wi-Fiを利用すれば、上記機器の他にもプリンターで印刷したり、動画の視聴や音楽再生を無線通信環境で可能になる、さらに多様なWi-Fi対応家電との連携しての遠隔操作や確認が可能になる。
Wi-Fiはインターネットに繋げる役割として設計されているので、通信速度も非常に速くしかも大量のデータ通信が可能だ。
近距離無線通信としては能力は十分だが、反面として、当然ながら消費電力が大きくなるので、電源コンセントから電力供給できる据え置き型の機器に採用される、インターネットのルーターと同じ用途だと言える。
Bluetooth(ブルートゥース)とは、無線通信の規格のひとつであり、対応した機器同士はケーブルなどを接続しなくてもデータをやりとりできる。
国際標準規格であり、対応機器なら各国のどんなメーカー同士でも接続可能になる。
通信の有効範囲はおよそ10m以内であり、電波周波数としては2.4GHz帯を使用する。
パソコンでは、マウスやキーボードをはじめとする外部接続機器に使用されているが、特に小型でモバイル用途である機器類、例えば携帯電話、PHS、スマートホン、タブレット端末等では多く採用されて普及している。
それら機器に於いては、文字情報や音声情報などの、比較的低速度のデジタル情報の無線通信が行われており、その用途に向いたBluetoothが使用される。
それらでは原則は電池・バッテリーを電源として稼働するので、消費電力が少ない必要があり、それを受けて機能(通信容量・通信速度)は制限される。
NFC(Near Field Communication)は近距離無線通信技術の国際標準規格で、1ー10cm程度の触れない程度の距離に機器と機器を近づけ(かざす)てデータの送受信を行う。
現在は、スマートホン等の携帯情報端末や、交通系ICカードや流通系ICカードや電子マネー決済「FeliCa」技術に採用されている。
NFCで近距離無線通信を使用する利点を、磁気カードや接触型ICカードや光学式読み取りバーコード・QRコードと比較する。
・接続時間が短い。(光学式読み取りは焦点距離やピント調整に制約がある)
・NFCタグとリーダ・ライタ機器を近接させる(かざす)だけで良く、利用者にとって扱いやすい。
・磁気式や接触型ICと比較して、非接触のNFCタグやリーダ・ライタ機器では障害や故障率が低くなる。
・NFCタグはQRコードと異なりシリコン被膜等で覆っても認識するので、デザイン性に優れ、比較的暗い場所でも利用できる。
短所
・大量配布には、QRコードは印刷代のみだが、NFCタグはコストは高い。
・再書き込み可能なNFCタグ(NFCシール)も販売されているので、多数の第三者の利用を想定する場合は注意が必要になる。
近距離無線通信方式を大まかに比較すると、光学方式の「IrDA規格」があり、準接触的な近い位置で使用する「NFC」を含めた電波式がある。
それでは使用可能距離に重なりがある電波方式の「Bluetooth」と「Wi-Fi」はどのような違うがあるかをまとめる。
「Wi-Fi」は複数の機器と端末とを同時に接続させれることで優れている、それ故にインターネットに繋げられているハブ的な役割として設計されている。
「Wi-Fi」は通信速度は非常に速い、そして大量のデータ通信にも向いている、高い速度と容量に使用する故に消費電力が大きくなる、交流電源のコンセントから電力供給する用途を想定しているので、ルーターのような据え置き型の機器に採用されている。
「Bluetooth」は、1対1での通信を想定してつくられた技術で、通信速度・通信距離ともに「Wi-Fi」と比べて小さく短い、それ故に消費電力が少なくなり、キーボードやマウス等の長時間使用する機器に使用可能なメリットがある、これらの機器では一度に通信するデータ量は小さく、データの遅延は起こりにくい。
Bluetooth
Bluetoothは、無線通信の規格のひとつで、対応した機器同士は無線接続でデータをやりとりできて、有効範囲は約10m以内である、国際標準規格なので対応機器なら各国のどんなメーカー同士でも接続可能になる。
例えば対応した機器同士を繋ぐ為には送信側のボタンを押し設定を[Bluetooth]とすると、受信側の画面上に接続可能な機器が一覧されるので対象を選択する。
この作業を「ペアリング」と呼び、一度ペアリングしたデバイスは、電源を再度オンにしても自動的に接続する。このスムーズさからBluetoothはイヤホンやマウス等の日常的に使う機器に不可欠なものとなった。
周波数2.4GHz帯を使用してパソコンのマウスやキーボードや、携帯電話やスマートホンやタブレット端末の比較的低速度のデジタル情報の無線通信を行う用途に使用されている。
Bluetooth対応のワイヤレスキーボードなどパソコン周辺機器も数多い、コード類が多くなりがちなパソコン周りがワイヤレス化でスッキリとなる、スマホやタブレットでは専用のコンパクトタイプキーボードが登場して来た。
Bluetoothイヤホンは近距離無線通信の長所が判り易い例だ。
これまでのイヤホンは、ケーブルで音源となるデジタル機器やスマ―トホンやパソコンの端子に繋ぐ仕組みだったが、Bluetooth対応のイヤホンをスマホとつなぐならケーブルは不要になる。
音源機器からイヤホンへとワイヤレスで音楽データを送信することから、Bluetoothイヤホンは耳栓だけのような形の独立した形状でも成り立つ。
Bluetoothイヤホンはワイヤレスなので、コードに関するトラブルが無くなる、例えばポケットやカバンで絡まる手や足を引っかけてしまうリスク事だ。
さらには防水タイプや、はずれにくいタイプも作られた事で、動く用途での使用が増える、それからスポーツの用途での使用も可能になった。
ワイヤレスはデスクトップ機器でも、デスク上での小型機器でも非常に使い易いが、小型軽量のモバイル機器・携帯機器では特に相性が良い、なぜならば唯一残っていたケーブルを無くすことが可能になるからだ。
音楽分野では、スピーカーとBluetoothの相性も良い、有線のスピーカーでは置き場所に制限があるが、ワイヤレスなら部屋の好きな場所に配置できる、ワイヤレスは使用場所を広げる効果も大きい。
家電製品等の民生用途では早くからリモコン用途があり、そこでは赤外線通信が多く使用された、だがIrDA規格ではないメーカー独自の規格が多く、統一規格ではなかった。
携帯電話(従来タイプ)では、IrDA規格の赤外通信機能が搭載され、機器を側に並べての通信に使用された、それは最近まで継続していた。
Lot(もののインターネット)が登場して、静かに浸透してきた、次第にこれを利用した家庭内インターネットが注目されて来た、これにはBluetoothが搭載されて家庭内無線通信網が構築される。
モバイル用途では、スマートホンでは一般には赤外通信は搭載されていない、そこでは無線通信機能は必須であり無線インターネット回線かWiFiが搭載されている、そしてBluetoothもほぼ標準的に搭載されている。
家電インターネットでは親機としてパソコンを使用して、リモコンは子機的に使用する例も多い、これがスマホになると持ち運び性があり、親機としても使用可能であり同時に子機としても使用できる。
その流れからは、家電用途ではそのリモコンでの赤外通信採用から、インターネット採用を経て、Bluetoothへの移行が進んでいる。
パソコンでの外部機器接続は有線主体で行われて来たが、無線接続マウスが登場した以降には無線接続が拡大して、無線キーボードや無線タッチパッドや無線タッチペン等も普及して来た。
インターネットとの無線接続も増えて来たが、近距離通信にはBluetoothが使用されて来た、その理由としては国間・メーカー間・機器間・ソフト間を含めての規格の互換性の理由が大きい。
Bluetooth機能内蔵パソコンが一般化されて来たが、それ以外でもUSB端子にレシーバー通信端子を挿入して無線通信機能を追加する事も簡単に可能になっている、そこではBluetoothとUSB共に国際規格がある。
スマートホーンとタブレット端末では、Bluetoothは標準の内部機能であり、そもそもが軽量小型のモバイル性が特徴である事からも、レシーバー等の機器追加とか有線接続は標準的な機器については想定されていない。
特にスマホでは、他の機器との接続やコントロールする端末としての使用が考えられているので、標準規格のBluetoothもまた重要だ。
例えば、スマホに標準搭載されている「テザリング」があり、それはパソコンやタブレット端末などを、スマホをルーター代わりにしてモバイルネットワークへと接続させる機能だ、その機能はBluetoothを使用して行う。
現在は携帯機器・モバイル機器が普及しているが、そこでは電池かバッテリーでの稼働となる、ノートパソコンやスマートホンやタブレット端末では1回のバッテリー充電での可能な稼働時間が昔から注目されて来た、それについては処理能力の向上と消費電力増加があり、それに対する低消費電力素子や技術開発とバッテリー自体の改良とが並行して行われて来た。
その結果は、毎日充電する頻度のレベルで推移して来た、1日以上は必要だが毎日の充電は実用的のようだ、ただし本体以外の機器となると毎日の充電が必要では使用は厳しく対策が必要だ、例えば本体と同時の充電とか、スタンバイ時の自動充電だが、一番シンプルな方法は無線通信自体の消費電力の低下であり、具体的にはBluetoothとなる。
無線キーボード、無線タッチパッド、無線マウス等はまだバッテリー搭載容量が確保できるが、イヤホンやタッチペンとなると小型電池か小型バッテリーしか搭載出来ない、そこでは消費電力を抑えるしかない、さらには無線充電などの対策も行われている。
Bluetoothは、1対1での通信を想定した技術で、長時間使用する機器に導入できるメリットがあり、一度に通信するデータ量が小さい機器に使用可能だ。
「テザリング」は、スマートホンの機能の一つで、パソコンやタブレット端末をモバイルネットワークを通じてインターネット回線に接続させるものでルーターの代わりに使用出来る。
テザリングは、多くのスマホに搭載される機能であり、接続にはBluetoothを使用して行う。
「ビーコン」は、小売店を中心に使用されているBluetoothの発信機だ。
店舗等にビーコンをを設置して、それから入店した客や近くを通る通行人のスマホへ小売店や商品に関しての、例えばクーポンやセール情報を送信するなどの、さまざまな用途に使われる。
美術館や博物館や観光地・施設でも、訪問客や観光客に情報を送信する目的で使用される。
そのほかにも、セルフ撮影用に使用する「自撮り棒」や、腕時計型ウェアラブル端末「スマートウォッチ」等にもBluetooth技術が使用されている。