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オンラインストレージ

オンラインストレージ(online storage)は、他にもクラウドストレージ(cloud storage)とかファイル・ホスティング(file hosting)とかと呼ばれる。
インターネット上のサービスの一つで、事業者・プロバイダが利用者にネット上のサーバー機器上のディスクスペースを貸し出す、利用者はそこにファイルをアップロードして利用する、それを介してインターネット上でファイルを共有できるサービスだ。
クラウドコンピューティングの用語が一般的に普及した頃から、クラウドストレージとも呼ばれるようになった。
オンラインストレージの一般的な使い方としては、各利用者ごとに個別のパスワードが設定して利用する方法なので、他の利用者のファイルには原則としてアクセスは出来ない事になる、オンラインストレージ上のファイルには必要に応じて他人に公開できる機能を備えるものもある。

オンラインストレージの用途は多彩だ。
・リムーバブルメディアの代替用途
 かってのFDD、現在のUSBメモリーには、異なるパソコンで同一ファイルを使用する場合に、メディアにコピーして移動する用途がある。
 ファイルをオンラインストレージにアップロードして、異なるパソコンでダウンロードして利用する同じ用途だ。
・バックアップ用途
 ファイル破損やパソコン機器の障害対策でバックアップを行う。
 バックアップ先にオンラインストレージを使用する用途だ。
 有料サーバーはメンテナンスされるので、バックアップ先として向いている。
 オンラインのバックアップ向けのネットサービスも多くある。
・ファイル転送用途
 電子メールでの容量制限を超えるファイルの送信・受信用途に使用する。
 無償サービスもあるが、ビジネス用途ではセキュリティや機密保持の理由で禁止する事も多い。
・共有ディスク
 複数人・グループで同じファイルを共有する用途で使用する。
 ブラウザでオンラインストレージのサイトにアクセスして作業を行う。
 ブラウザに変わるアプリケーションを使う事もある。
・ファイル同期
 オンラインストレージとローカルの特定フォルダと同期を行う。
 「クラウドサービス」と呼ぶ事のひとつ。

オンラインストレージの利用での検討事項としては、そのストレージ容量が重要要因の一つだ、ストレージ容量は技術進歩で急激に拡大して同時に容量単価も下がっている。
コストは重要だが容量とのバランスで考え、必要になった時に容量アップが可能かどうかはポイントになる、容量と空き具合が容易にわかり簡単に容量アップが可能なストレージが望ましい、それは事前に確認が必要だ。
セキュリティの問題は企業やビジネス用途では必須になる、個人でオンラインストレージを利用する場合は企業レベルの権限管理やアクセスログの管理・取得等の機能については不要な事は多い。
だが不正アクセスを受ける様な脆弱なストレージは現在では時代遅れであり避けたい、利用者が多いサービスやビジネスユースにも対応しているサービスではその方面からの評判や技術も判断基準にしたい。
オンラインストレージを個人で使用する場合、結局は無料サービスか有料サービスかの選択になる、個人で無くともビジネスユース以外では同様の事は多い。
最近では無料サービスが提供されているが、同時にアップグレードで有料プランも提供しているサービスがある、本格的に使用して容量が増えた場合に有料サービスに移行するのは有力だ。

オンラインストレージを導入する事で得られるメリットは多数ある。
・ファイルの一括管理が可能になる。
 オンラインストレージでは大量のファイルを一括管理できる、その結果として文書管理に必要な時間が軽減される、分散ファイル保存・管理でのファイルを探す時間が少なくなるからだ。
・ファイルの自動バックアップ
 オンラインストレージでは一般的にファイルの自動バックアップする機能がある。
 個人使用のハードウェアでは故障のリスクがあり、パソコン自体の紛失・盗難のリスクもモバイルやノートタイプを中心にある、いずれもローカルパソコンに保存しているデータは失われる、オンラインストレージはその対策になる。
・ファイルの共有化と共同編集が可能になる
 オンラインストレージ上にアップロードされたファイルは、複数人で共有したり共同編集が可能になり、同一人の場合でも職場と自宅のパソコンとの複数端末での使用も可能になる、それはリモートワークで有効であり、コロナウィルス対策や働き方改革で有用になる。
・低コストでも使用可能なものもある
 オンラインストレージには無料で利用できるものがあり、有料のサービスでも低価格で使用可能なサービスもある。

オンラインストレージのメリットは複数あるが、一方ではビジネス用途として大企業が使用する場合には自前でサーバを設置するかあるいはサーバ1台全体をレンタルする方法を選択する事が主流だ。
その理由としては社内のネットワーク自体が巨大になる事がある、初期費用や管理費用やメンテナンス人員も含めても、その運営・管理・セキュリティ等の面からも自社管理サーバを使用する事にメリットがあるからだ。
近年では大企業以外でも、ネットワークで複数人と繋がる事や、企業以外での活動をプロジェクト的に行う事や、本業以外での副業を行う事や、起業する事などが増えている。
働き方改革がビジネスで検討されると共に、会社以外の活動を含めた自由な働きへも注目がされている、その結果として仕事に限定されずに趣味や学校関係等を含めての多様な取り組みが行われて来ている。
これらの「自前のサーバを持たない企業活動」がプロジェクトを行う時にも「情報の共有方法」が必要となる、小規模な会社や個人同士が活動するプロジェクトではインフラは無い事が多いが、オンラインストレージを使用して特別の準備なしでクラウド上のサービスを利用して、簡単に情報共有が可能になる。

オンラインストレージの例 ・Dropbox  オンラインストレージの創始者的な存在。
 無料で使用可能なサービスだが、ネットから簡単に無料プランから有料プランにアップグレードが可能で容量アップができる。
 法人での利用者も多く、セキュリティでも高いレベルとも言われている。
・Google Drive
 グーグルが提供する多数のネットサービスの一つに「Google Drive」があり、「Gmail」と似た環境で使用可能だ。
 無料サービスから、有料アップグレードが可能で、何種類ものグレードがあり、利用者は使う容量に合ったグレードを選ぶことになる。
・OneDrive
 マイクロソフトが提供しているオンラインストレージであり、OSでWindowsを使用する場合はエクスプローラーからファイル操作が可能になる。
 マイクロソフトのサブスクリプションサービス「Office365」を使用する場合では、無料で高容量が使える。
・iCloud Drive
 「iCloud」はiPhoneやiPadを含むアップルの製品を利用すると利用できるオンラインストレージだ。
 「Apple ID」を使ってアクセス出来る、無料で5GBの容量を使い、有料で容量の追加が可能だ。
・Amazon Cloud Drive
 アマゾン会員であれば利用できるオンラインストレージで、アマゾンで買い物する人は、多くの場合は利用可能な状態になる。
 無料で5GBの容量を使えて、有料プランで容量を増やせる。


インターネット回線

インターネット接続を行うには、
・インターネット回線(屋外回線)
・屋内配線(屋内回線)
・インターネット接続サービス
 を利用して接続し、それに加えて、個人で使用する端末機器と接続機器が必要となる。

個人のインターネット利用者は、原則として上記の全てを準備する必要がある(購入、サービス契約)。
ただしインターネットの普及により、上記の幾つかは生活環境に準備されているケースが増えている、あるいは複数をまとめた一括サービスが提供されてもいる。
インターネットの初期では、接続するだけでも多くの知識が必要だったが、現在では各種のサービスが提供されており、端末機器でのケーブル接続のみで繋がる事も多い。
スマートホンやタブレット端末では、インターネット回線とインターネットサービスと端末(スマホ)を一括販売・契約する事も可能となっている。

通信回線(外部回線)とはプロバイダーから各端末利用場所(例えば家庭)とをつなげる通信回線であり、インターネットの民間への普及初期では従来のアナログ電話回線が利用された、その後の1990年代にはアナログ電話回線よりもデジタル回線のISDN(Integrated Services Digital Network)が通信速度が速いとされて普及した。
だがさらにその後にアナログ回線を通してデジタル情報を送信する通信速度が速い方法が判りアナログ回線に戻った、それがADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)で電話回線の高周波数帯域を利用している。
その次には電気信号よりも光信号のほうがインターネットの通信速度が速くなる事わかり光通信技術が開発された事もあり、ネット接続の専用回線として「光ファイバー」(FTTH)を利用した光回線が広がっている。
そしてそれに加えて、基地局と各端末利用場所(あるいは端末機器)を無線通信で結ぶ方法が広がり、端末がスマートホンやタブレット端末ではモバイル性が高く利用が広がっている。
現在は複数方法の並行利用状態だ。

光回線の種類には下記がある
・電話会社が提供する光回線
・CATV(ケーブルテレビ)が提供する光回線
・電力系会社が提供する光回線
・インターネットプロバイダーが、他の光回線を借りて提供するサービス

通信回線(外部回線)には、携帯電話キャリアが提供する無線接続があり、最初はキャリア独自のサービスとして使用されて来た、パソコン用のインターネット回線に接続する仕様のスマートホンが登場して普及すると、インターネット接続の主要方法の1つとなった。
個人使用の屋内回線では、外部回線と繋がった各家庭のモデムやルーターから、屋内回線でパソコン等の端末に接続する。
屋内回線は、LANケーブルでつなぐ「有線LAN」とデジタル情報を電波で繋ぐ「Wi-Fi(無線LAN)」の2つに分かれる、原理的には同時にそれぞれで複数機器に接続は可能であり、有線と無線の混在使用も可能だ、だが合計の通信容量には上限があるので、実用上は個々の環境で異なる。
現在使用されている端末機器(例えば、パソコン・タブレット端末等)では有線と無線接続の一方か双方をデフォルトで備えており、他の方法も増設可能な事が多い。
スマートホンでは携帯電話キャリアの基地局と個人の端末とを、直接に無線接続しているので内部回線の部分がなく、外部回線での直接接続の形になる、勿論「Wi-Fi(無線LAN)」で使用する事もある。

プロバイダーは、インターネットへの接続サービスを提供する事業者であり、通信回線(外部回線)をインターネットと繋げる役割を行う、インターネットに関連する付随サービスも行う。
インターネットの初期には、技術革新途中でもあったので技術力に差が有り安定性や品質に事業者間に差があった、今ではアナログ電話回線では歴史が長く、光回線でもサービス開始から20年は経過しているので、品質的には差はなくなって来ている。
ただし無線接続回線では技術革新中であり、サービス内容や品質的には差があるとも言われている。
ユーザーは自宅に回線事業者が提供する通信回線が有る(引いた)時でも、ユーザーがパソコン等でインターネットを利用する為には、プロバイダーと契約して回線をインターネットと接続してもらう必要がある。
インターネットを使うには回線事業者とプロバイダーと、それぞれ契約してそれぞれに月額料金を支払う事になるのが一般的だ。
通信回線サービスとプロバイダーとが一本化されたサービスも登場している。
例えばプロバイダー事業者が通信回線(外部回線)を借りて回線も提供しているケースで、そこと契約すれば、回線とプロバイダーの2つがある事は意識せずインターネットを利用できる。
無線接続回線では、通信回線サービスとプロバイダーとの一本化の方が一般的だ。

通信回線(外部回線)と屋内回線を接続するには、モデムやONU等の外部回線接続機器を使用するが、モデムやONUはインターネット回線(外部回線)を自宅内に接続できるための中継器の役割も持っている。
ADSL回線の場合はモデムを使用し、光回線の場合はONUを使用する。
屋内配線が有線配線でありLANケーブルを使う場合は一般のパソコン等の端末では、モデムやONUだけでインターネットに接続できる(パソコン等にLANケーブル端子があり、接続するとプラグアンドプレイでOSがソフトを呼び出して自動接続する)。
1戸建ての場合ではモデムやONUが必要な場合は、インターネット回線を提供するプロバイダーからレンタルする事が一般的だ。
アパートやマンション等の集合住宅でそれ自体にインターネット回線が引かれている場合には、個別の利用者はモデムやONUの準備はいらない、通常はマンションの個々の部屋の壁に設けられているLAN端子から、パソコン等の端末に有線接続するだけで、契約したプロバイダのインターネット回線を使用できる。
Wi-Fiルーターは、モデムやONUとパソコン等端末間を無線でLAN接続する機器(親機)だ、端末側(子機)には無線Wi-Fiを受信する機器と機能・ソフトが必要だ。
Wi-Fiには規格が複数あり、細かな規格の違いがあるので親機と子機の双方が規格に対応している必要がある。
Wi-Fiでは新しい規格が登場している、新しい規格ほど通信速度が速い特長や優れた面があるが、利用できるのは親機と子機共に新規格に対応する場合だけになる。

屋内配線と接続する機器としてはパソコンやスマ-トホンやタブレット端末などの実際に操作すり端末機器が必要となる、子機と呼ばれる事もある。
インターネット回線の接続方法は、これまでの記述順序で、インターネット回線(外部回線)とモデム/ONUを接続させて、次にモデムとWi-FiルーターをLANケーブルで繋ぐ。
ただし、モデムとWi-Fiルーターが一体のものが普通になっており、そこでは接続作業は省ける、繋ぐ作業ではWi-Fiルーター側の端子としては「WAN」や「INTERNET」を使う。
最後にWi-Fiルーターに パソコンやスマホ等を接続する。
過去にはソフトのインストールや設定が必要だったが、現在では自動で接続する方法が一般的だ、それは子機側のパソコンやスマホ等が対応している必要がある、有線ケーブル接続ではプラグアンドプレイの自動接続が一般的だ。
無線Wi-Fiでは標準装備でないパソコンでは設定作業が必要な場合も多い、スマホ等では登場した当時はパソコンを使用した接続設定が必要だった事もあるが現在ではスマホ等端末単独で接続作業が出来る。
現在では多くのWi-Fiルーターが自動接続に対応していて、子機側が対応すれば自動接続できる。
手動で設定が必要な場合には、作業前にSSID(Wi-Fiの名前:正確な表現では無いが、見た目はそのように扱われる)と暗号化キー(パスワード的)を確認する、SSIDと暗号化キーはWi-Fiルーターやマニュアルに書かれているか、パソコン等での設定方法が書かれている(有線接続と無線接続との併用機種の一部)。
パソコンやスマホ等のWi-Fi設定画面からWi-Fiの一覧にSSIDがあれば選択して暗号化キーを入力すると接続できる、SSIDも入力必要な場合もある。

 

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