項目別バックナンバー[1]:インターネット情報:25

短縮URL

ドメインからサーバーのコントロールでの、リダイレクトやアフエリアス機能 についての話になりました。
独自ドメインと言っても、現実はこちらの方を指している事が多いです。
リダイレクトは、あるURLにアクセスすると、そこから別のURLに転送させる機 能といえます。見かけのドメイン及びURLと、サーバー上の物理的なフォルダ 及びファイル構造が1対1で対応しておれば原理的に可能です。
アフエリアスは、現象的にはリダイレクトと似ていますが、元の意味がなりす ましです ですので1対1の対応が物理的ではなく仮想的であってもあたか も存在する様に動作します。
これらの機能は、シンプルには1対1のデータベースが有れば、それだけでも 実現可能です。

ドメインのサーバーにフォルダを切り、深い階層にコンテンツのあるサイトを 作る事も多くあります。パソコン上と同様にフォルダをツリー状に構成する 事はサイト構造が分かりやすい利点があります。
パソコン上と同様に、階層が深すぎると末端に辿りつくために面倒な場合もあります。
そして、アクセスファイルの場所=URLが長くなる事になります。
これはブログや、PHP等を使用した半共用サイトのURLでもIDや種々の判別コー ドがつくとURLは長くなります。
ネット広告として広がっている、アフィリエイトも判別コードを利用しますの で通常は長いURLになります。
これらは単に長いだけでなく、エディタや電子メールソフトの性能によっては 折り返し部で切れてしまう事があります。

URL自体が、サーバーの物理アドレスを記入すれば長くなるので短縮して表示 しています。それに個別のidやコード等を追加する事で再度長いURLになります。
最近利用の多いブログの単体記事もURLはかなり長くなります。
サーバー自体で、リダイレクトを行えば長いURLと短縮URLを1対1で対応させ る事が出来ます。
規則的な対応方法を決めておけば、変換されます。 データベースを使用して1対1の対応を行えば同様に変換が出来ます。
これによって、短縮URL作製のソフトが出来ています。
短縮側の文字数によって、対応のURLの組は上限があります。
短縮URLは、変換を行う時間だけアクセスが遅くなります。人間が気づく事は 少ないですが、間に入るサーバー間の通信や動作によっては応答が遅いと感 じます。短縮URLの重ね合わせを行うと、アクセス時間は不利になります。

コードやメールアドレスがついた長いURLは、それ自体でアクセスURLを含む色 々な情報を持ちます。
これに反して、短縮URLはデータベース等の助けを借りた1対1対応ですので、 それ自体のみではアクセスURL情報は持ちません。
従って、短縮URLは元のURLに戻してからアクセスします。
その原理から、短縮URLから元の長いURLを得る事は可能です。
ネット世界には、種々の短縮URL化サービスがあります。
同様に、短縮URLを元の長いURLに戻すサービスもあります。
もし短縮URLを、元のURLを隠す目的で使用している場合は、それは元に戻す手 間を気にしないならば意味のないと言えます。
データベース等には、サーバーの「.htaccess」「meta要素のrefreshを用いた ページリダイレクト」等も含みます。


クラウド・コンピューティング

はじめに用語と概念があるというのが、ネットの世界です。
『クラウド・コンピューティングとは、インターネットの先にあるサーバーに 処理をしてもらうシステム形態を指す言葉である。ユーザーが何らかの作業 を行うときに自分のパソコンや会社のサーバーではなく、インターネット上 のサーバーを利用して処理してもらう。』
似た事を読んだ事があると思います。クラウド・コンピューティングについて 書かれた本や、ネット上の情報源の最初はこの説明から始まります。
この世界では次々と新しいモデルが提唱されてきます。
まずはじめに、インターネットありきで始まる、クラウド・コンピューティン グはネット専業者から出て来ましたが、従来のローカルコンピュータ事業者 も参入しはじめてきて、概念が形をとりはじめています。

クラウドは「雲」の英語でインターネットのイメージであると説明されていま す。その理由として詳細はブラックボックスに個々からは見えると説明されています。
日本語では若干、ニュアンスが異なる所もありますが複数のものが集まった集 合体という意味ともとれます。
インターネットでは、その通信はインターネット内の機能が行い、末端のクラ イアント(接続パソコン等)が何かの制御を行う事はしません。
従って、クライアントは汎用のブラウザ等からインターネットに入ります。個 別の通信ソフトは使用しません。
クライアント個々から見れば、インターネットという大きなネットワークの中 で必要なソフト・ハードは少なく、それでいてインターネット上の多くのサ ービスに接続出来ます。
個々のクライアントのパソコンに存在する色々なソフト等の機能を、インター ネット上のサービスとして行う考えが、クラウド・コンピューティングです。

クラウド・コンピューティングでは、ローカルのパソコンで保有していたソフ トで行っていた操作を、汎用のネット閲覧用のブラウザ等からインターネッ ト上で行う考えです。
如何にそれを実現するのかは、決まっていません。ネット内での動作は、個々 の接続者(クライアント)にはブラックボックスだからです。このインター ネットの性質により、クライアントからの見え方・操作性が同じであれば、 どのような方法でサービスが行われているのかは、問いません。
巨大なサーバーで行っているのか、多数の分散システムで運営されているのか の差は問いません。
従って、複数の参入企業等があっても、実現手段は統一されている訳ではありません。

クラウド・コンピューティングが注目される理由は、当然のことながらその使 用料金の問題が絡むからです。
インターネットには、多くの無料サービスが接続されています。
しかし、ローカルパソコンからインターネットへの接続をはじめネット上のサ ービスの多くは有料か、広告費用で行われています。
ネット関連企業は、サービスの拡大とそれに伴う使用料金収入の増加を目指します。
従来のローカルパソコンの機器メーカー・ソフトメーカーは、コストダウンと 需要の頭打ちからその技術をインターネット上のサービスへの拡大を考えています。
クラウド・コンピューティングが確立した内容でないのも関わらず、広く言葉 が使用されるには有料サービスとしての競争があるからです。

クラウド・コンピューティングのビジネス競争は、既存のメーカー以外の参入 が予想されます。
現在は、各企業や利用者が個々にシステムを作り運用しています。これは規模 の差はあっても、企業も個人も同じです。
クラウド・コンピューティングでは、システム等の構築と運用ではなく、利用 に変わります。これは実現すると大きな変化です。
これは、方法の選択の問題なのか、あるいは必然的な移行の問題なのかはシス テム担当者にとっては大きな問題です。しかし、話題先行で現実の問題とし て考えるにはまだ情報不足と言える段階と思います。
過去の例からは、なかなか動かず、場合によっては消えるかも知れません。
逆に、ある時点から怒濤のように急激に切り替わるかもしれません。
タイミングを含めて目がはなせない状況と思います。

クラウド・コンピューティングに対して各企業は様子見状態ですが、いくつか の企業では実用の模索をはじめています。
ただ、それは巨大システムを構築するビジネスであり、システム開発を自身ま たは中心となり行う場合に限られます。
そしてその具体的対応は、現行あるいは新しく構築するシステムの一部に組み 込む方法の検討となります。
システム提供側は、大きなビジネス展開になり、かけ声通りの革命になるかも知れません。
それに対して利用側は、選択のひとつであり部分的な変更になる可能性が大き いです。企業内システムの機能の一部が利用者側からみても分からない内容 で切り替わってゆくというイメージです。


ネット・ストレージ

ウエブサイト以外のデータ類をサーバー上に置くことは通常は禁止が多いです。
しかし、データの種類によってはサーバー上に置く事が有利な場合もあります。
このような考えから広がりつつあるのが、ネット・ストレージです。
イントラネットや、グループウェア等では既にお馴染みの思想です。
これを拡大したものが、ネット・ストレージといえるでしょう。
これの利点・欠点(注意点)は、利用が少ない現状でも存在しますし、より使 用が拡大したり、機能を増やした場合はより多くの利点・欠点(注意点)が 出てくるでしょう。
インターネットを介して複数の所からアクセス出来る可能性と、そのセキュリ ティ性が中心になります。

ウエブサイト以外のデータ類をサーバー上に置き利用するメリットはいくつかあります。
単純なデータのバックアップ
複数パソコンからのアクセス
更新データのみのアップデート
インターネット上でのグループウエア類似システムの構築
その他??・・・発展途上です。

メリットは大きいですが、同時に技術的課題も多いです。
機能上の安定性と利用性
セキュリティーの確保
が大きな課題でしょう。

ネット・ストレージは、個人で使用する場合と複数の人間で使用する場合で必 要機能が異なります。
複数人間での使用が中心ですが、データの参照のみのアクセスと、書き換えの 許可を含む場合でも必要機能が変わります。
まずは、データのアップデート方法です。
個人使用している人が定期的にアップデートする場合>個人使用者のリアルタ イム自動アップデート>複数人使用で書き換え許可が個人の場合>複数人使 用で書き換え許可が複数の場合の順に難しくなります。
個人使用している人が定期的にアップデートする場合は、ローカルデータとネ ット・ストレージデータのファイルの有無と、タイムスタンプの比較で更新 する方法が標準です。この場合の注意点はローカルパソコンの時計が機能し ていて、タイムスタンプが正しい事が前提です。 また、データの移動の場合にタイムスタンプが同じであれば、ネット・スト レージ内のデータ移動で対応出来る事が速度上必要です。

ネット・ストレージを複数の人間で使用する場合でしかも各人の書き換えを許 可する時は、制御は難しくなります。
まず、データに属性を設定して書き換え可否を設定する必要があります。
完成済みデータと、未完成で個人が作製中データは、書き換え制限が必要です。 これらはローカルとネットのデータの同一化は個人のみで行います。
複数人が書き換えを行う場合は、履歴の保存とローカルとの同一化のタイミン グの設定が必要です。 同時に複数人の書き換え作業が行う場合の処理はもっと複雑です。タイミン グが悪いとどのローカルデータとも一致しない事も生じます。 そして、データが間違って書き換えられた時の対策も必要です。

ネット情報には間違いも多い事は知られています。
噂程度から始まる無責任な書き込みが、より形を変えて広がる現象です。
ネット辞書・ウィキペディアにも類似の事が時々あります。
従って、ネット・ストレージでの書き込み可能状態のファイルは、書き込み者 の特定が可能な事が必要です。もっと広げて、トレーサビリティと言うべきでしょう。
誤りがあったときの為に、ある程度??の復元機能も何かの形で欲しい機能です。
そして、管理権限者による書き込み可能ファイルの閉じる機能=書き込み禁止 =読み込み専用化機能が必要となります。

ネット・ストレージはこれから技術が進む分野でしょう。
ただし、多くのレンタルサーバは倉庫代わりの利用を禁止していますので、あ る程度の規模で専用サーバが必要です。
期待と共に要求機能は多いですが、現実は個々に分離した機能に別れて使用が進むでしょう。
手動で、アップロードするシステムが考えられます。
次に、自動で少ない頻度でアップ・ダウンを行うシステムが考えられます。
これらは、複数ユーザーでも利用可能ですが、データの改変への対応は利用者となります。
逆に、自動バックアップも考えられます。これは、作業中も短い時間周期で行 う事になりますから複数ユーザーでの対応は非常にむつかしく、始めは単一 ユーザーになるでしょう。もっと厳密にはパソコンレベル(IPアドレス)レ ベルの可能性が最初でしょう。

自動バックアップについては、シングルコンピュータのみならば機能は限定されます。
初期のバックアップと、以後は定期的なローカルとネット上のデータの比較になります。
一番簡単なのはローカルで抹消されていないが変更されているデータになんら かのマークがつけば、操作が容易です。ただし、パソコンの時計が正確なら ば、ファイルのタイムスタンプで代用出来ます。ただし狂っていない保証が必要です。
最近は、システムとして当然機能するものが狂っていたり、わざとタイムスタ ンプを変えたりする事がかなり行われています。
ソフトやシステムの設計は、ありうる想定が増えています。

このページの先頭へ