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クラウド・サービス
パソコン等のアプリケーション・ソフトウェア販売方法としては、初期からはソフトウェアを移動可能な媒体に記録してパッケージ製品として利用者に販売してきた、記録媒体はその時々のパソコン搭載媒体が使われた、例えばカセットテープ・フロッピーディスク・CD-ROM・USBメモリー等がある。
初期には媒体間のコピーを防止・制限する方法が考えられて使用されていた、サポートとバージョンアップ等も同じ提供方法で行われた。
実際には利用者に使用ライセンスを販売する形態であり、利用者は自分の持つパソコンでそのソフトウェアを稼働させて利用する形態だった、それ故にインターネット時代になるとバージョンアップを差分プログラムで行い、ネットワーク経由でバージョンアップ等のプログラムの更新が行われた。
次ぎにインターネット時代では、ネットワーク上の多様なサービスが登場してそれらはネットワークを通じて提供された、その時代では容量の少ないソフトウェアに関しては初期のソフトウェアの提供からもネットワーク経由で提供されて、ASP(Application Service Provider)として普及した。
ネットワーク通信容量の増加(速度・費用等を含む)の伴い、容量の大きいソフトウェアにも対応が進んだ。
ASPの中で例えばブログやウエブメールや電子掲示板や検索サーブス等の多くのネットサービスは、そのプログラムは提供者側のサーバーやコンピュータ側で稼働している。
そこに利用者のパソコン上で稼働していたソフトウェアを、提供者側のコンピュータで稼働させ、利用者はそのソフトウェア機能をインターネットなどのネットワーク経由で使用してサービス料を支払う方法が増加してきた、それは例えば、SaaS「Software as a Service」だ。
クラウドは「クラウドコンピューティング」の略称であるが既に一般化している用語だ、従来のローカルのパソコン上にアプリケーションプログラムやデータを置いて利用する方式では無く、ローカルのパソコンからインターネット経由でアプリケーションを使う方法を指す。
クラウドには複数のサービス方式があるが、その仕組みは大きく分けて「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つに分類される。
用語や定義はサービスが登場した初期には明確では無く、サービスが拡がる過程で用語や名称が変わったりしながら拡がった。
2006年頃にクラウドコンピューティングという言葉が普及して、クラウドコンピューティング上で提供されるソフトウェアが「SaaS」と呼ばれるようになていた、その後2008年頃に日本ではクラウドコンピューティング上で提供される「SaaS」の定義がそれぞれのサービス提供者側から発表されていた。
そこではリーマンショックでの不況下でもあり、コスト削減手段の一つだとしてアピールされて急激に普及した、そしてネットワーク経由でソフトウェアの提供を行っていたASP事業者では同様のアプリケーション提供を「ASP」と呼んでいたがそれを「SaaS」へと変えた。
SaaSは「Software as a Service」の略で、クラウドで提供されるソフトウエアとサービスを指す、ユーザー側がソフトウエアをローカルパソコンにインストールせずに、提供側(プロバイダ)側がネット上でソフトウエアを稼働させて、ユーザーはネットワーク経由でソフトウエアの機能を利用する。
SaaSには、アプリケーションソフトウエアにおける必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できる提供形態を指す意味もある、その場合はパッケージ製品として販売されていたソフトがインターネット経由で利用できる事になる意味も含む。
これらを含めて、一般にインターネット経由で必要な機能をのみ利用する仕組みを指す、1つのプログラム(システム)で多数の利用者に対応する事からシングルシステム・マルチテナント方式となっている。
利用者はインターネット上で登録すれば直ぐに利用開始出来るので便利だと言える、逆に同一システムを全員が使用するので自由度が低く、独自開発のプログラムを使いたい場合は他のサービスを利用する必要がある。
例えばGmailなどのメールサービスや、ブログサービスeなどSaaSの例だ。
SaaSのメリットには、
ユーザー側には
・使った期間(稼働時間ではなく契約時間が一般的)と量だけの料金のみになりで、ユーザー側のコンピュータ導入とシステム構築と運営管理に関わる費用が少なく出来る。
・短期間で使用開始可能であり、しかもアクセス数や処理量の急増急減に対応可能だ。
・ソフトウェアのバージョンアップは提供者が行う。
提供(プロバイダ)側は
・新規ユーザーを獲得し易い。
・ソフトウエア単体販売に加えて、サービス・保守事業になる。
・クラウドサービスでシステムを提供する事で、スケールメリットが出しやすい。
・ハードとシフト含めた1システムの運用になり、各ユーザーでバラバラのサポートが必要で無くなり、サポート負担が軽減できる。
デメリットには、
・利用者側は、プロバイダ側や通信回線やネットワークの障害時には使用できない。
・ネットワークで外部で繋がっている為にキュリティ上のリスクがある、特に海外設置の場合は国内法が適用されないリスクもある。
・利用者側は、固有の仕様や運用方法への変更は出来ないか困難だ。
・初期投資が終了する様な長期利用の場合には逆に割高になる。
提供(プロバイダ)側が、ユーザーにアプリケーションソフトを開発する為の開発環境を提供して、ソフト完成後にはデータベースやアプリケーションソフトを実行して稼働させる環境を提供するサービスがあり、Paas「Platform as a Service」と呼ぶ。
「PaaS」では、開発に必要な言語や管理システムと、OSなどのプラットフォームの開発環境を利用できるので、ユーザーは複雑で厄介な開発環境を準備する必要がないのでシステム開発とソフト制作に集中出来るメリットがある、それは開発環境が提供(プロバイダ)側提供にだけに限定されるデメリットともなる。
ユーザーはソフトウエア完成後はそれだけで、提供されたデータベースやプログラム実行環境を利用して稼働させる事が出来るメリットがある、デメリットはデータベースの設定やプログラムの実行環境の制限が、ソフト開発の自由度を下げる事とされる。
PaaSの代表的なサービス例としては、Amazon Web Services(AWS)やGoogle cloud Platformなどがある。
提供(プロバイダ)側が、ユーザーに情報システムを稼働させる時に必要なサーバーなどのハードウェア環境を提供するサービスがあり、IaaS「Infrastructure as a Service」と呼ぶ。
「IaaS」を利用すると、システムを構築する場合にサーバー等のハードウェアをユーザーが自社で購入して運用・メンテナンスを行う必要がなくなり、インターネット経由で必要な時に必要なだけのサーバーやストレージ等の各ネットワークリソースを利用することが可能になる。
「IaaS」のメリットとデメリットは、ハードウェアをユーザー自身が構築するか、提供(プロバイダ)から提供されるかの比較になる、セキュリティ対策はいずれの場合も大きな課題となる。
・サーバー購入の必要がなく、必要な時にすぐにサーバー作成可能。
・ユーザーが保有する既存のハードを使用する場合と比較すると、サーバー作成の自由度・選択の自由度が高い(ユーザーに知識と技術が必要)。
・サーバーやハードの容量拡大(または縮小も)が容易。
・従量課金にも対応する事が多く、初期投資が少ない。
・ハードのインフラの運用は提供(プロバイダ)側が行う。
IaaSの例には、Google Compute EngineやAmazon Elastic Compute Cloudなどがあり、既存のローカルのアプリケ-ションをネット上・クラウド上に移行するツールとして設定されている。
無線LAN
無線LANとは、無線通信を利用してデータの送受信を行うLANシステムの事を指す。
「無線ネットワーク」の意味や概念は普及するに連れて複雑になっているので、「無線LAN」という言葉を使用するにはその意味と用途を明らかにしておく必要がある。
今回はBluetoothなど「無線PAN」(パーソナルエリアネットワーク)と呼ぶ近距離の無線ネットワークや、携帯電話回線などの「無線WAN」(ワイドエリアネットワーク)と呼ばれる広域の無線ネットワークについては話題からは除く。
「LAN」(ローカルエリアネットワーク)の意味としては、「ローカル」には地理的構造が、機能的には特定の建物や敷地の内側であるという意味がある、故にLANはそのエリアで使用されるネットワークであると言う意味になる。
このLANに「無線」を付けた(有線ではなく無線で通信する)のが無線LANであり、ワイヤレスLAN(Wireless LAN)とも呼ぶ。
無線通信の歴史としては、無線LANの普及以前にはIrDA規格に準拠した赤外線通信が無線(ワイヤレス)通信の主な手段であった、例えばノートパソコンや携帯電話にも搭載されていた。
その後にIEEE 802.11規格が標準化されて、1998年頃からは無線LAN機器として製品化もされた、だがその規格は低速度であり価格も高い上に、メーカー間の相互接続にも問題があった、それ故に普及は限定的だったアップルコンピュータは1999年にAirMacを発表して、そこでの無線LANの機器価格がアクセスポイントは安価であり、同時にカードも99ドルの低価格だったので市場で注目される事になった、そして一気に複数の周辺機器メーカーが参入して、IEEE 802.11b規格の機器が一般にも広く普及しはじめた、2009年にIEEE(米国電気電子学会)がIEEE 802.11nを正式に決めた。
この当時の無線LANのメリットには、無線であること・高速度・低価格・標準化された事、等があった。
「無線LAN」の「LAN」(ローカルエリアネットワーク)の言葉に含まれる「ローカル」は、位置的な構造や地理的構造や機能的構造を示す言葉であり、意味は建物やその敷地の内側・内部であることを指している、従ってLANは「ローカル」が示すエリアで使用されるネットワークを意味する。
LANに接続する手段としてはかつては接続ににLANケーブルを使う有線LANのみ存在していた、そこにノートパソコン等の携帯用機器・モバイル機器が増えた事で、「ケーブル」なしでネットに接続する需要が増えた。
そこでネットワーク機器間の接続に無線を使う無線LANが拡がった、無線LANとはおおよそのネットワークの地理的範囲と、電波を使う無線接続方式が無線LANの定義となる。
無線LANとWi-Fiは同じ意味に思われる事もあるが、実際は無線LANの構築には多様な無線技術が使われる。
無線LANは、会社や家庭の狭いエリア内でパソコン等の機器同士を接続するLANに繋ぐもので、LANケーブルに「Wi-Fi(無線LAN)ルーター」機器を繋ぐ事でWi-Fiが使える。
市販の無線LANルーターには「IEEE 802.11」等の表記があり、それは世界的標準の無線規格の「IEEE 802.11」を搭載した機器を意味する、後には「Wi-Fi (ワイファイ)と呼ぶ共通規格が作られた事で、Wi-Fiが無線LANの世界的標準となっている。
Wi-Fiがない時はLANケーブルを使いインターネットに接続する、無線LANを使いインターネットに繋ぐときは、接続するLAN内にあるルーターやインターネットモデムを経由する必要がある。
無線LANを利用する場合、通常は無線LANアクセスポイント・ルーター(親機)が必要になり、親機に接続するための無線LANアダプターは「子機」と呼ぶ、ノートパソコンやスマートホンでは無線LANアダプター(子機)が内蔵される事が増えて来た。
親機の無線LANアクセスポイントは、インターネットに複数のパソコンやスマホを接続するための「ルーター」の機能が内蔵される場合が増えた。
無線規格の世界的標準は「IEEE 802.11」だが、登場してからも通信をより高速に行うため、あるいは通信をより確実に行うために規格は度々にバージョンアップされて来ている。
無線LAN機器の規格表には、「IEEE802.11」の後にアルファベットを付けて機器がサポートしている規格を示していて、使用周波数帯と最大通信速度が異なる
最大通信速度の順には、「IEEE802.11b」>「IEEE802.11g」=「IEEE802.11a」>「IEEE802.11n」>「IEEE802.11ac」「IEEE802.11ad」>「IEEE802.11ax」があり、用途毎に周波数帯を選ぶ事になる、無線LANを使うには通信機器同士が同じ規格をサポートしている必要がある。
無線LAN規格では、例えば「IEEE 802.11b/g/n」の表記があれば「IEEE802.11b」と「IEEE802.11g」と「IEEE802.11n」の3種類の規格をサポートする意味になる。
家庭用の無線LANルーターで利用できる通信規格は「11b」・「11g」・「11a」・「11n」・「11ac」が普及しており、 新しい規格「11ad」・「11ax」搭載機器は開発で普及を目指している。
光回線の高速通信の利用には、「11n」以降の規格に対応した無線LANルーターや無線LAN子機(パソコンやタブレット端末)を使用する事が望ましい。
無線LANの「IEEE 802.11」規格の周波数帯と理論上の最大速度は以下だ。
・IEEE802.11b 2.4GHz 11Mbps
・IEEE802.11g 2.4GHz 54Mbps
・IEEE802.11a 5GHz 54Mbps
・IEEE802.11n 2.4GHz/5GHz 600Mbps
・IEEE802.11ac 5GHz 6.9Gbps
周波数:2.4GHz帯を使用するIEEE802.11b/gは既に多数の機器で採用されて機器の価格も安価になっていて普及率も高いと言うメリットがあるが、デメリットは通信速度が遅い事の他には、電波干渉・混線が多いとされる。
5GHz帯を使う機器は、電波干渉・混線が少なく安定した通信が行えてその規格は速度も速い、反面では普及率はまだ低くて機器価格は高い。
電波干渉・混線がある事から無線LANで親機と子機を接続する時には、子機からは接続したい親機の名前を指定する必要がある、この時の親機に付けられた名前を「SSID」と呼び、接続する時にはネットワークセキュリティキー(パスワード)が必要となる。