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ブログライクツール
ウエブサイト記述言語の知識がない人でもネットワーク上で発言したい・ウエ ブサイトを持ちたい希望はあり、それに対応して掲示板等のツールが作られ て来た。
個人で所有したい・管理したいという要求にたいする答えの一つとしてブログが登場した、そこには基本機能としてテキスト文を簡単な操作で書き込むと、ウエブサイトとして公開できる機能を持っていた。
ポータルサイト等が利用希望者にスペースと機能を提供するスタイルで提供されたが、それは加入登録をすれば直ぐにそれだけで利用開始出来るという環境として提供された、ウエブサイトを制作して公開するという技能と環境を持たない人または制作時間が無い人向けに対応したサービスとなり急激に普及した。
ブログの提供者は次々に機能を追加して、中級以上の利用者にはより高度の使い方で多様な表現が可能な様に機能展開して行った。
利用者からはより多機能化や独自ドメインでの使用を進める考えと、レンタルサーバー上にウエブサイトとしてブログを自前で開設する考えと要望が産まれて来た。
ブログは結果としてウエブサイトとして公開出来る機能があれば厳密な定義も性能と機能の制限もない、日記風の形態を取ったのは時系列管理を更新日付で行い、「題名見だし表示」と共に「日にち見だし表示」を併用するスタイルを使用した事が特徴だ。
月単位のカレンダーから書き込み記事単位にリンクされており、1日に複数の記事があるときは時間系列順で表示される、これは書き込み側も閲覧側も履歴管理が簡単なスタイルだ、多様なブログが登場して来たが時系列管理は少なくともオプションとして採用されて来た。
この時系列の考えかたはリアルタイム性にも対応する事からブログを実況中継の書き込みにも使用可能にした、ソーシャル・ネットワーク・システムと呼ばれる多数のシステムがその後に登場して行くが、ブログから始まった時系列管理は中心機能として採用されて行く。
システム側が時計を管理して、書き込み・更新時間を自動的に時系列管理する仕組みはブログ以降の標準機能として採用が多く、それは個人が管理可能なツールとして提供される事になり、この機能を持つツールをブログライクツールとも呼ばれた。
一般のユーザーはレンタルサーバーを借りてウエブサイトを開設する、それと同様の方法で、ブログと同じかまたは類似したウエブサイトを作りたいとか持ちたいという要望もある。
一般のHTML記述方法等のウエブサイトは細部まで細かく記述出来る面はあるが、逆にそのコーディングは初心者には壁となっていた、そこに登場したブログは多数の新規利用者を生んだ、それ故に類似のウエブサイトを一般のレンタルサーバー上に構築出来れば同じレベルのスキルで運営・管理出来ると考えられた。
その為のツールがいくつか登場したが代表的に普及したものに「Movable Type」(ムーバブル・タイプ)と「WordPress」(ワードプレス)がある、これらは動的なウエブサイトまたはツールを構築する言語で書かれていて、レンタルサーバーに設置する為にはそれに関するある程度の知識が必要であり、同時に初期のバージョンを除いてはデータベースを使用するのでそちらの知識も必要だった。
「Movable Type」(ムーバブル・タイプ)は、日本では先に導入され拡がった、HTMLの静的出力ができることが特徴とされ、後に動的な出力を行う「WordPress」(ワードプレス)が導入されて比較された。
HTMLの静的出力とは、サイト製作者が新規に書き込んだ時にHTMLが生成されて公開される方法であり、動的な出力とはサイト製作者が新規に書き込んだ時にデータベースに保管され、閲覧者がアクセスした時にデータベースから引き出し都度にHTMLを生成する方法だ、動的な出力方法はサイトのデータがコンパクトになる長所があるが、閲覧者がアクセスした時の負荷が高くなり集中すると過負荷になるリスクがある。
「Movable Type」の初期バージョンはデータベースを使用せずに、新規の書き込み時にサイト全体の再構成動作を行っていた、その方法ではデータが大きくなると時間と負荷が加速度的に増えた、その為にバージョン4からデータベースを使用して新規書き込みではHTMLの静的出力とデータベースの再構成だけを行う方法に変えた。
ブログライクツールをレンタルサーバーで使用するには機能要件を満たす必要がある、レンタルサーバーは容量とサポートする機能は向上してきたが、当初は使用出来ないサーバーもあった。
「Movable Type」はPHPとPerleで作られていて利用者が構築する場合はPerle稼働が必要要件だった、「WordPress」はPHPが必要要件だった、双方共にデータベース使用バージョンではリレーショナルデータベースのMySQLを使用する、バージョンによっては他のベータベースに対応したり他のデータベース用の機能追加プログラム(プラグイン)が必要だった。
データベースは初期の安価なレンタルサーバーで使用出来ない事が多かったが次第に標準機能になった、その結果として「Movable Type」「WordPress」の自動インストール機能を備えるレンタルサーバーが増えた。
「WordPress」は世界で圧倒的なシェアの無料ブログソフト(CMS)であり、日本へは「Movable Type」より遅れたが現在では普及している。
長所は拡張性と自由度が高い事と無料で使用出来る事だ、短所は長所の反面の自由度が高い為に自分で行う設定が多い事であり、多機能なホームページを作成するにはHTML・CSS・PHPとデータベースの知識が必要だ、それらを学習する時間と費用を考慮すると無料かは微妙だ。
ブログソフト(CMS)にはプラグインと呼ばれる機能を拡張する仕組みとそのプログラムが豊富に準備されている、これが拡張性がある特徴となっているがその動作保証は無いことが多い、それはバージョンや複数のプラグインの相互干渉の有無が不明の為だ、故に動作確認は利用者が行う必要がある、フリーのプラグインには例えばウィルス感染の危険があるとも注意が言われている。
レンタルサーバーが自動インストール対応になり一定の機能使用に限り知識は不要になった、だが度々行われるバージョンアップや殆どのプラグインにはサポートしていない。
ポータルサイトのブログサービスは、そこのドメインを使用する事になるが、有料で独自ドメインを使用出来る事が増えた、ブログソフト(CMS)をレンタルサーバーに設置した場合には、レンタルサーバーの使用規定に従い独自ドメインを使用する事になり通常のHTMLでのホームページと同様だ。
インターネット百科事典
紙媒体の書物の電子化が進んできた、辞書・事典・辞典も同様であり殆どの種類が電子化された、その幾つかは電子辞書として実用化されている。
併行してインターネット上でも辞典のオンライン版の構築と提供が行われてきた、現在の日本では「ウィキペディア(Wikipedia)」と言うインターネット百科事典が広く公開されて利用されているがそれは独自の多数の考え方に基づく設計思想で構築されてきて現在も運営されている、その独特の思想と仕組み故に多数のプラス面も問題点も指摘されている。
ウィキペディアは2001年にイギリスのラリー・サンガーとジミー・ウェールズによって英語版の作成から始まった、そこでは専門家によるオンライン百科事典プロジェクトであるヌーペディアを参考にしているとされている、ウィキペディアという名称は「ウィキ(Wiki)」というウエブブラウザ上でウエブページを編集することが可能なシステムから付けられた、ブラウザ上で編集する方法は現在も特徴となっている。
そして記事の複製・改変を自由に認める「GFDL」というライセンスを採用した事と合わせて、インターネットを通じて誰もが新規記事の執筆や記事の編集を行える事が可能な方法になった。
通常の百科事典は専門家が集まり監修と編集が行われる、インターネット百科事典の「ウィキペディア」ではそれに対してインターネットを利用して誰もが新規記事の執筆や記事の編集を行えるようににした、これは百科事典の性格を大きく変えて、長所も欠点も通常の百科事典と異なる内容になった。
参加者の資格制限を行なわず、年齢も職業も制限せず、特に国籍も定めていない、多様な執筆者がボランティアで編集に関わる事になり、英語版から全世界の多数の言語を対象にすると、それぞれの言語と国籍での作成者が加わり、結果的に国際的なグローバルの百科事典の開発プロジェクトに成長した。
オープン方式を採用して参加者によって投稿・作成された内容を複製・配布・改変することが可能になっているが、それがパソコンのブラウザをツールとした事でパソコンとインターネットが普及した全世界で、誰もがいつでも簡単に執筆と編集できることになった。
これらによって、グローバルな普及が併行して進み、項目と執筆内容も参加者・執筆者の多様性と同様に通常の百科事典が扱う以上の項目を対象にする事が自然に行われた。
インターネット百科事典の「ウィキペディア」はその成立過程で、「ウィキペディアでは今後一切商業広告を行わない」方針が発表された、その後でウィキメディア財団が設立されて設置地域の法律で非営利団体となった。
これより少し前から多言語化が行われて非英語版サイトが作られた、併行して「ウィキペディア」で使用するソフトウエアが開発されて行き、設置場所としては次第に専用のサーバーの使用に移った、プロジェクトが拡大されて行くと使用サーバは順次に増強されてゆき、その財源は多くは個人からの寄付によったが、一部は企業・団体から貸りた。
「ウィキペディア」プロジェクトは、参加人員と記事数と投稿数など全てで増加して行き、その増加のペースも高まって行った、その理由としてはインターネット自体の普及と、マスメディアへの紹介とポータルサイト等の利用者が多いウエブサイトでの紹介や、インターネットでのサーチエンジンへの掲載などがあった。
インターネット百科事典の「ウィキペディア」はオープンな書き込み方法を採用したが、当然ながら異なる言語版ごとに管理者を決めておりそこに一定の権限が与えられた、管理者の決定はプロジェクト内部で決められたとされている。
プロジェクトへは基本的に自由な参加型であり、あるていどの期間の活動を通じて活動内容に信用を得た者が選ばれたり、権限が与えられると言われている。
管理者には開発者権限やサーバへのアクセス権限がありソフトウェアの改変や非常時の対応を行う、その他の権限としてはページの削除や、ページの保護(管理者以外には編集できなくする)や、「荒らし」とみなされるユーザーの投稿のブロックなどがある。
ただし「ウィキペディア」の多くの言語版では、削除などは参加者及び関係者が話し合って決まるとされ、ソフトウェア関係の仕様変更や改変についても開発者と利用者を含めた公開・自由参加での話し合いが行われる事が多いとされている。
ウィキメディア財団は百科事典以外の「知的資源」もウエブで運営している。
具体的には
ウィクショナリー:辞書・シソーラス
ウィキブックス:教育用テキスト・学習用素材
ウィキクォート:引用句集
ウィキソース:著作権フリーな文書の収集・翻訳
ウィキニュース:ニュースの提供
ウィキバーシティ:教育・研究用素材
ウィキボヤージュ:旅行ガイド がある。
百科事典の「ウィキペディア」と同じ手法で不特定多数のボランティアと共にそれぞれのジャンルのデータが作成される、そして同様にオープンコンテントとして無料で一般に提供される、広告は設置されない。
全てが多言語されているが「ウィキペディア」と比べて言語数は少ない、ウィキボヤージュは日本語対応されていない。
インターネット百科事典「ウィキペディア」は項目毎に検索エンジンで上位表示され簡単に調べる事が可能だ、それ故に利用者が増加しており、インターネットのサイトやニュース等でも引用されたり参考資料とされる事もある、一般のサイトよりも情報量が多い場合が多い。
「ウィキペディア」には免責事項として「情報の信頼性・信憑性・公正性などは一切保証されない」事がある、それは記事作成・投稿が専門家の作成・査読が無く不特定多数の参加者が投稿する基本システムに起因する事だ、これは善意の投稿者からでも間違いや誤記や情報不足や主観的な見解に基づく情報の不備が生じるとして、最初から問題や課題として指摘され来た。
インターネット上では悪意による組織的情報工作が行われる事件があり、「ウィキペディア」もその対象となっているとされる、自由な投稿が行われるSNSや個人サイトでは一般的に存在する問題だが「ウィキペディア」でも管理者の目が届かない部分で存在する。
また双方の中間的には悪意の有無は微妙だが「ウィキペディア」の方針から外れた利用者の投稿・編集により問題が起こることもある。