項目別バックナンバー[1]:インターネット情報:22
クロスブラウザ
インターネットでの一番多い使用方法は、ブラウザでのウエブサイトの閲覧でしょう。
ブラウザも種類面やヴァージョンアップを重ねています。その規格も更新され
ています。ただ、現実は差別化という名の非互換のために正常にすべてのサ
イトがみれない現状もあります。
理由は最終結果的には、ウエブサイトの制作者の知識不足や確認が少数のブラ
ウザのみに限られる事にあります。
ただ本質的には、ブラウザ自身が規格が不統一であったり、規格の解釈が異な
ったり、単純にソフトのバグであったり、意識的な規格外機能の追加を行っ
たりする事等にあります。
ブラウザでのウエブサイトの閲覧では、たとえ特殊でバグ?が有っても、寡占
状態のIEの利用が飛び抜けて多い状況では、ウエブサイトの制作と確認を、
1種類で行っていても大きなトラブルはないでしょう。
しかし状況は変わっています。IE自体がバージョンで異なる状態になりました。
同時に多数のブラウザがリリースされています。
この状況では、複数のブラウザを使用して、表示を確認するのが最善です。た
だ現実は限界があります。
次善策は、情報として分かっている事は全て対応する事です。
例えば、ソフト限定の機能は使用しない。
IE6以下の表示バグ(解釈の差とも言われます)は対策する(ウエブサイトの
制作の本に多数掲載されています。(ひどいとはじめて見た時は思いました。)
他には、クロスブラウザ対応の制作ソフト・テンプレート等を使用する事があります。
マイクロソフトが、IE6からIE7への移行を積極的に進め始めました。
実は、この2バージョンのブラウザは表示機能がかなり異なります。
片方で、正常に表示してももう一方では表示が崩れる場合があります。
もともとは、IE6系のバグまたは解釈として扱われていましたが、IE7では大き
く変更になりました。
全体的には、最近利用が増えているファイアーフォックスというブラウザに似
た表示になりました。細部のバグ等の指摘はありますが、とにかく以前の様
に「IE6」で確認しました。または「IE7」で確認しましただけでは、不十分
になりました。
複数のブラウザが併行利用の時代では、サイト制作者は複数のブラウザでの確
認が必須になりました。クロスブラウザが必須といってもよいでしょう。
クロスブラウザは必要ですが、あくまでも利用者のシェアを調べて決める必要
があります。一応は表示機能、特にhtmlとスタイルシートの規格上に絞ってきました。
現実は、マルチメディアの時代に入っていますので、画像・動画・音声等の機
能が必要になっています。これで分けると、1:最新機能対応、2:プラグ
インで対応、3:非対応となります。
3は相当に古い機種で、ブラウザが無料入手化状況ではシェア的にも実質的に無視です。
2は、まだまだ現役のちょっと前のバージョンでもあります。これには出来る
だけ対応するべきです。特にメインのコンテンツが必要とするならば重要です。
画像形式に多数対応、フラッシュに対応、メデイアプレイヤー等の類似ソフト
に対応などがあります。
意外と思うかもしれませんが、IE6非対応や、IEのその前のバージョンが非対応
またはバグありが複数あります。
利用者から見たクロスブラウザは、意外と知られていません。
ほとんどのブラウザには、カスタマイズ機能があります。
基本的には、初期設定=推奨で使用する事が前提です。
全てのウエブサイトは、初期設定で正しく表示されるように作られています。
例えば、文字サイズを変えると文字のみが変更されて、画像等が変更しませ
んので、表示が歪みます。
また、スタイルシートを読み込まず、ブラウザで別のスタイルシートを読む
設定もまれに報告があります。(IEではインターネットオプションで)
ワイド画面や古いバージョンのブラウザかパソコンの再利用等でたまに使用
例があるとも聞きます。
スタイルシートは次第に利用が増えていますので、これを使用したサイトは正
しく表示しません。ブラウザのカスタマイズは、独自のブラウザを作る事に
近いので、その場合までサイト制作では対応できません。
アクセス制限
アクセス制限には、会員制ウエブサイトと、閲覧禁止制限サイトのふたつの意
味があります。
閲覧禁止制限サイトとは、基本は自由情報発信のインターネットですが、いわ
ゆる違法サイト・有害サイト・特定年齢のアクセス制限サイトを閲覧禁止にする事です。
広い意味では、現在のチベット関連情報の制限が該当国で行われているらしい
ですがこれも含みます。
ただ一般的には、アダルトサイト・暴力関連・自殺関連等のアクセス制限を対
象にしています。通常「フィルターリング」と呼ばれるものです。ネット利
用者には「迷惑メール・フィルター」が知られています。
現在注目は、携帯電話の未成年者のフィルターです。まずは具体性があるこれ
から考えたと思います。これの問題点の1つに、親が「フィルター機能」の
内容を知らない・・があるのですから。
携帯電話やPHSのフィルリングのしくみは単純で「子供に見せたくないサイト
を確実にブロックする」という方式です。効果もあるレベルでは確実性があります。
フィルタリング・サービスには「原則として加入する」という点は知っておき
たい内容です(デフォルト)。未成年が携帯電話あるいはPHSを新規に契約
する時は、親権者が「フィルタリング・サービスに加入しません」と明確に
意思表示しないならば自動的にフィルタリングがかかってしまいます。意思
表示は必ず求められるので「強制的加入」「加入義務」という事は正しくあ
りません。いったん設定加入してもいつでもやめることができます。
問題は、親権者が内容を知っている事が重要だという事です。ほとんど問題は
ここでしょう。フィルタ精度等は、実施後修正できます。
また、既に加入している未成年者はほっておくと全部フィルタがかかります。
親権者はわからなければ積極的に窓口等で、確認しなければなりません。
携帯電話やPHSのフィルタリング・サービスは強制加入ではないが、親権者が意
志を明示しなければ、加入状態になります。
この状態では、利用者は該当サイトにアクセスできずもしそこにブログ等を持
っておれば、失う事になります。
親権者がどの程度の知識があるか、フィルタリングは正確かの問題があります。
通常、白と黒ではなく灰色が存在します。社会問題になっている有害サイトを
子供がアクセス禁止にする事は賛成でも、具体的にどのサイトかがリストア
ップされると個別反対が吹き乱れます。
元々の発端は総務省からの事業者への指示ですが、具体的実施が事業者という
いかにも個別には、まとまりにくい履歴があります。
また方式が、パソコンの様な個別URLデータベース・フィルタではなく、費用・
設備から、カテゴリ別フィルタになることも問題のひとつになっています。
フィルタ・データベースには、排除リスト=ブラックリストと、接続リスト=
ホワイトリストがあります。
今回の携帯電話の未成年向けフィルタは、カテゴリ別のため極端な乱れは無い
と予測しますが、双方のリストに重なりがないかは一元管理でないと微妙で
す。当然ながら、双方に含まれないグレーゾーンも存在可能性はあります。
そして、携帯電話サービス会社により、使用する方式がブラックリスト方式か
ホワイトリスト方式か別れるようです。
パソコンの電子メールの迷惑メールフィルタでは、個別アドレスでもあり双方
の方式を併用するのが普通です。絶対に問題がなくしかも利用するアドレス
をホワイトリストに登録しておいて、その後に迷惑メールを次々とブラック
リストに加えてゆきます。
あくまでもコスト優先の今回の携帯電話向けサービスの効果は、進展を見守る
しかないでしょう。
アクセス制限の必要要素としては、1:ユーザー個別の選択可能性、2:ホワ
イトリスト/ブラックリストの内容、3:優良なコンテンツの基準を判断す
る第三者機関の必要性、を多くの人が挙げます。
ユーザー個別の選択可能性について、パソコンレベルでは多くのシステムが採
用しており、非採用の携帯電話では「カスタマイズを検討する方向」といち
おうは同意するとしています。具体的には「マイホワイトリスト」と呼ぶ機
能で親権者が安全と判断したサイトを指定することで閲覧可能にできる機能
を検討しています。
ホワイトリストとブラックリストの内容については総務省からの検討項目とし
てブラックリストにした場合の「携帯電話キャリアの責任範囲」や「ユーザ
ーへの周知内容や期間」などが言われており、ホワイトリストよりも重点を
が大きいように思えます。
パソコンレベルでは、OSやファイヤーウオールが警告を出す方向は、既に知ら
れています。これが面倒という人もまた多いです。しかし個人パソコン感染
とアクセス制限が混同されている事も事実で、他人への迷惑も含めて考える
必要があることも必要で、かなり厄介です。
フィルタ
パソコンの電子メールの話に移りますが、慣れたフィルタサービスに項を変えます。
現在、電子メールのほとんどがスパムメールといわれています。一方では、特
商法の表示や、ネットでのサービス加入には電子メールアドレスが必要です。
後者は管理の問題になりますので、今は置いておきます。
とにかく、ネット内での電子メールアドレス収集ソフトの蔓延・個人情報収集
業者の蔓延・メールアドレス間違い時に類似アドレスの配達される性質を利
用した暗号的組み合わせでの無差別配信が蔓延しています。
メールアドレスが使用されているかどうかを確認して収集するために、「配信
中止のためにそのまま返信して下さい」という手口も多数あります。
特に海外からのスパムメールの数は、無視できない量です。
パソコンの電子メールのスパムフィルタサービスは、多くのプロバイダと一部
のサーバで利用可能になっています。
主体は、ホワイトリストとブラックリストの併用・ブラックリストメールの迷
惑フォルダ分けと一定日数後の削除です。
データベースの容量が問題ですが、有料・無料で異なるようです。
他にも機能がありますが、一般的ではないか容量制限があるなど、全体への
普及には至らない様です。
受信メールの保管場所がバラバラです。サーバー領域の一部を使う場合・迷惑
メールも受信容量に含む場合・迷惑メールは別領域管理の場合などがあります。
最近、多く利用されているのがレンタルサーバーの電子メールサポートです。
サーバーによって異なりますが、容量限り無限大作成可などもあります。
純粋なアドレス割り当てなら問題はないのですが、リダイレクトや半共用使用
の時は、契約切れの時に一斉にスパム化して問題になります。
通常使用の時も、ドメイン・スパムフィルタに入れられる利用者がいると全体
の機能が麻痺します。スパムメール受信者から見れば独自ドメインは、ドメ
イン単位でブラックリスト・フィルタに入れます。
同じ事は、共用サーバの共用ドメインが、一部のマッチング機能のあるフィル
タの場合に働きますので未着が多いときは注意が必要です。
大型プロバイダのドメインは、間違ってフィルタに入れられ難いといえるでし
ょう。意識的に分別すれば別です。
受信拒否メールについて、どの程度情報を集めているかは公表されていません。
主にスパムメール・有害サイトに対するフィルタを扱ってきました。
ただ一番古く利用されているのが、コンピュータ・ウイルスのフィルタです。
データベースによるパターンマッチング検査が基本になっています。
スパムメール・有害サイトに対するフィルタが設定や学習によるデータベース
で行いますが、ウイルスソフトは各ソフトメーカーが収集して作成したデー
タベースを使用します。
この違いは、利用者全てに取って有害か、特定の利用者にとって有害かの違いです。
ただし、それはブラックリストが対象であって、有害でないと利用者が判断す
るホワイトリストを併用する事で対応できます。
基本的には無料サービスと、有料サービスのウイルス対策の差です。
そして非常に重要な事があります。情報規制問題です。次回で。
情報規制問題は、自由主義国家ではいつもついてまわる問題です。自由を主張
しても、同時に著作権等の権利の問題・イデオロギーをはじめとする主義の
問題・宗教的問題・そして個人の人権の問題など多数存在します。
そしてそれらが、相互に矛盾する事もありますし、フィルタという情報規制を
どのような考えで誰がどこまで規制するかの問題がついてまわります。
これらは、歴史的に結論は出ないのでしょう。
しかし、ネットの匿名性を利用しての人権等の侵害は防ぐ必要があります。
ネットの法的規制が遅れている理由のひとつが、これらの総合的な整理が出来
ていないうちに新たに、次の問題が起きている事があるでしょう。
一度遅れた対策は、なかなか取り返す事は出来ません。あえて、急激に対策が
始まる時はその直前に、かなりの実害が発生するという悲しい事情がある時
でしょう。規制せざるを得ない現状を前にしてはじめて、問題点は残しても
規制に踏み込む妥協点が出来る(あるいは、何もしないよりは不完全でも始
めるべき)という状況です。