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電子掲示板

コンピュータネットワーク上に掲示板機能を開設して、パソコン等から書き込み・閲覧する仕組みを設けたものを電子掲示板=BBS(Bulletin Board System)と、一般生活の掲示板を電子的に実現したイメージから呼ぶ。
1990年代前半に登場した電子掲示板は当時のパソコン通信の主要なサービスの一つだった、そこでは掲示板システムのBBSという言葉はパソコン通信のホスト局の意味でも使用された、当時のパソコン通信では通信費用は従量制であり、ホスト局に接続する時間に応じて電話料金やパソコン通信の利用料がかかった、その負担から掲示板の書き込みをまとめてアップロードする通信ソフトウェアが使用された。
インターネットの普及によりインターネット上にも導入された掲示板の設置場所は、インターネットのウエブサイト上になりその用途も多様になった、インターネット上で情報のやりとりは掲示板の他にもネットニュースやメーリングリスト等でも行われた。
インターネットでは個人でもウエブサイトを公開する事が一気に拡がったが、そのアイテムの一つとして電子掲示板を使用出来る仕組みとサービスが登場した。

掲示板機能をウエブサーバー上に設置する為に掲示板スクリプトが提供された、ソフトウエア開発者がスクリプト言語等で電子掲示板プログラムを開発しそれをソースコード又はコードデータとして提供したものを掲示板スクリプトと呼ぶ。
掲示板スクリプトも他の色々なスクリプトと同様に多数が無料で配布されている、掲示板機能をウエブサーバー上に設置したい利用者は、開設しようとするウエブサーバーでスクリプト言語に対応したCGIが利用可能であれば、サーバーや通信等の個別の環境に合うように修正する事で、電子掲示板の開設が可能となる。
掲示板スクリプト等が提供され始めた初期は、個人が契約してレンタルして利用可能なウエブサーバーではCGIの利用が不可能である事や使用制限があることも多かった。
多くの一般向けのウエブサーバーでCGIの利用が可能となり、掲示板スクリプトの使用も可能になったが、たとえCGIが利用可能だとしてもスクリプトの設定には知識や手間や経験が必要だった、だが技術的知識さえあれば自由に掲示板の設定・仕様を変えて設置出来る利点は大きかった。
現在では掲示板スクリプト等のウエブサーバーへの設置の代行サービスや、自動インストール機能も存在している。

無料で提供される掲示板スクリプト等には、まれには完全フリーソフトもあるが多くはインターネット関連の他のサービス類と同様に、広告収入を中心にしたビジネスとして提供されている。
例えば無料ブログのサービスでは、サービスの提供者が管理する多数の広告が表示される、サイドバーへの広告表示は常時有るし、新規投稿したページやトップページには本体コンテンツの下部にも広告が表示される、ビジネス用途で使用したい人には広告を表示しない有料サービスが提供されている。
ウエブサイトでは他のサイトに張られたリンクが重要だとされる、例えばリンクを通じてサイトを訪れる人が増えるとか、リンクを多く張られた(披リンク)サイトは検索エンジンで高い評価を得て上位表示されやすいとされる、従って広告リンク以外の通常リンクでも価値があるとされ、無料サーブスで張られる事が多い。
サーバー上に電子掲示板を設置してレンタルするサービスがある、そのビジネスとしての運用はブログと全く同じだ、電子掲示板単体にURLが設定されているので単体でも使用可能だが、ウエブサイトからリンクを張ってサイトの1アイテムとして使用する事も可能だ。
電子掲示板でもブログと同様に無料サービスもあるし、広告なしの有料電子掲示板も提供されている、他のインターネットサービスと同じ扱いだ。

電子掲示板は文章の表示・保持の基本機能から登場したが、ウエブサイトのコンテンツの一部として定着する方向に進んだ、使用機器は最初はパソコンを想定したがその後に携帯電話(現在の従来型携帯電話)が登場してそこからの電子メール機能やネットへのアクセスが可能になると、携帯電話からのアクセスと書き込み機能に対応する必要が生まれた。
携帯電話電子メールや携帯電話掲示板ではパソコン用と比較して、使用可能な文字が全角・半角や文字コード(正確には複雑な内容だが)に違いがある、投稿文には文字色を変更する機能や強調表示する機能らそれに加えて、投稿者の感情を伝える表情マーク等の外字機能などが使用可能になった。
パソコンのブログに於いては投稿が携帯電話からでも可能な事が望まれたが、パソコン用ではブログも電子掲示板でも文字コードの違いに基づく文字化けへの対応が必要だった。
記載・投稿内容の多彩化や装飾は表現力の向上方法として広く望まれた事でその対応が標準となり、ブログも電子掲示板では文字コードの自動判別と自動変換が可能な機能を持った、それでも外字文字は対応は出来ない。

電子掲示板やブログを、パソコンのウエブサイトを構成するコンテンツとして扱う事が多いが、それぞれはURLを与えられている事から単体でもウエブサイトとなり得る。
電子掲示板はその投稿履歴をインデックスとして併用して「一覧表示」「詳細表示」「検索」等に対応する事もある、そしてウエブサイトのトップページ・目次ページ・内部リンク構造・サイドバー機能を使用したナビゲーション機能の一部を電子掲示板にも持たせた。
ウエブサイトはパソコンのローカル環境で制作して「FTP」等でインターネット上にアップデートするが、電子掲示板やブログはインターネット上の操作で書き込みを行う使用方法だった、電子掲示板は管理者以外も書き込む事が可能であるがブログは原則は管理者のみが書き込む。
ブログはその特徴にウエブサイトのナビゲーション機能も持たせた事があり、トップページの設定が可能であり、目次はカレンダー機能で代用し、リンク機能も持つ。
ブログは電子掲示板の機能も2つ保有する「コメント投稿機能」「トラックバック投稿機能」だ、電子掲示板を保有しないウエブサイトは多いが、ブログでも2つ電子掲示板の機能を使用するか、使用しないかは管理者が選択する。

インターネットが普及すると、多数の電子掲示板を集めて全体で一つの大規模な電子掲示板を形成したウエブサイトが登場した、日本語サイトとしては5ちゃんねるやYahoo!掲示板等がある、それ以前の電子掲示板には特定のメンバーのみが利用するものが多かったが、これらは不特定多数が利用するかあるいは閲覧するものだった。
SNS(ソーシャルネットワークシステム)が色々な形態・機能で登場した、ブログも使用方法ではSNSとして扱われる事もある、SNSは基本は会員制・登録制を取るが、匿名制・実名制については定かでないしどの程度管理されているかは判りづらい、それ故に初期の電子掲示板と比較する事は難しい。
多くのSNSは電子掲示板の機能を持ちながら、発展した情報技術と通信技術と新しい環境と用途を追加して行った、例えば即時性であり、引用性であり、双方向性であり、高速性であり、モバイル性であった。
SNSが発達した後では、あえて投稿数が少ない・更新が少ないウエブサイトとその中のコンテンツに限定して電子掲示板と呼ぶ事もある、あまりに投稿量と頻度が多いと通知情報が見逃される可能性が増えて、初期の電子掲示板よりも通知性が劣ると考える事もあるからだった。


気象情報

情報化時代では気象情報は大きく変化して来た、天気予報から広義の自然情報・自然災害情報を広く扱い、種類も範囲も精度も拡大している。
気象情報をどのように利用するかも変わり、ビジネスとしての強く関わって来ている、放送・新聞メディア上とインターネット上での情報提供方法は、その係わりと利用者とその要求から重要なアイテムとなっている。
日本では気象庁が気象情報を集めて予報を出して来たが、過去の天気予報は観測記録をもとに過去のノウハウや経験則の蓄積に頼る部分が大きかった、それは今でも「観測史上」の表現が多い事に繋がっている、その後には気象観測点の設置・増加や気象観測人工衛星の運営を例とする観測の自動化・無人化が急速に進み、それらを基にした数値予報が登場して精度が飛躍的に向上してきた。
日本では気象予報業務の国家資格として気象予報士が制定され、民間でも気象予報士を使用して、気象情報業務を行う会社が増えて来ている。

収集した気象情報は天気予報・気象予報として利用して公開されて来た、対象となる地域は本来は限定されないが、実用的には日本周辺とその中に含まれる個別地域だ、ただし需要があればそれ以外(海外情報や超局地情報)も情報入手て公開の可能性はある。
天気予報・気象予報は情報収集とその解析も、そこからの予測も科学技術であり、他の科学分野と同様に進歩して来ている、その中に気象衛星や固定観測網(有人・無人)運用や、リアルタイムの情報収集という通信技術も含まれる。
天気予報・気象予報が進歩して普及して来たのは、需要・ニーズが有ったからであり例えば新聞・ラジオ・テレビ等のマスメディア向けであり、そこにインターネットなどのメディアも加わり一般向けの天気予報等として提供されて来た。
一般向けの天気予報等以外でも、例えば船舶用や航空機用予報等の分野特化予報が複数ある、軍事用途は非公開部も多いが各国共に需要は大きく、日本の自衛隊も独自の組織として気象情報を扱う部署を設けている。

公的には気象庁が予報を発表している、例えば日本国内をいくつの予報区にあらかじめ区切りそれぞれに対して気象予報する方法がある、他方では日本を取り囲む緯度線と経度線が交叉した地図を提示しその上を区切り、気象を予報する方法が行われる。
予報区ごとの気象予報では、予報範囲別に1日内の時系列予報があり、次に今日と明日またはそれに明後日を加えた短期予報がある、むしろ実生活ではこの区切りを利用する人が多い、その次に週間予報があり翌日から7日先までの予報を行うこれについては時代と共に変わって来ている。
その次に季節予報があるがそこでは1月先や3月先を予報する、1月先は週間予報の延長として3月先は四季のある季節変動を含めて予報する、予報区ごとの気象情報は基本扱いで、加えて警報や注意報も扱う。
メデイアの種類が増えるとテレビやラジオは新聞よりも情報が新しく出来る、インターネットが登場するとウエブサイトでの情報提供は原理的には随時更新が可能だ実際は情報提供頻度で決まっている、情報提供頻度は需要があれば提供側の可能な範囲となる、過去は短期予報は1日1回で、時系列予報も回数は少なく、週間予報は週1回っだったが、それぞれが頻度を増やして来た。
現在は気象庁は、時系列予報は3時間毎に、週間予報は毎日発表にと更新が増えて来ている。

気象庁が対応している予報区には、「日本全国」・「地方」・「府県」(東京都と北海道の複数の振興局を含む)がある、これらよりも狭い地域の予報は需要が生じて来た事で対応の方向ではあるし、メディア等の民間では気象庁が出す予報以外の情報を入手して利用する方向だ。
予報には天気の予報以外にもすっかり馴染みになっている内容がある、最高・最低気温や、降水確率の予報であり、1日内の時系列予報や短期予報では、時間を区切っての気温・風向風速・降水量・波の高さなども含めている。
これらの情報は全国に張り渡した観測網と測定地点から得られる観測結果の収集して利用するシステムの構築で可能になっている、自動気象データ収集システムはアメダスと呼ばれ、日本国内約1300か所の気象観測所の無人観測施設で構成される「地域気象観測システム」だ。
気象用の人工衛星の利用が進みそこからまずは全国的な雲や大気や雨の情報が送れて来て利用されている、気象衛星の数と観測精度が向上した結果として地上の位置情報精度と分解能が向上して来た、その結果として局地的な情報も出せる様になってきた。

気象庁が出す気象予報や情報を、マスメディアは番組や媒体で気象情報として一般に提供してきた、例えばNHKでは気象業務法による気象予報業務許可を受けていないので独自には気象予報は行っていなく気象庁の予報をそのままにテレビやラジオで放送してきた、情報として不足する部分は日本気象協会や民間気象会社の情報を加えているとされる。
資格として誕生した気象予報士は最初は日本気象協会に所属して活動する事が多かったが、その後には民間気象会社の数が次第に増えたことによりそこへの所属が増えた、マスメディアでは民間気象会社と業務提携してそこから気象予報士の派遣を受ける方向が増えた。
特に放送局では地域性の強い情報を必要としており、気象庁が発表する予報よりも詳しい内容を提供して地域情報性を強くして解説を行う事に変わって来ている、そこでは気象予報士がキャスターとなるスタイルも増えている。
ただし民間気象会社は首都圏を始めとする都会に集中しており、そこを利用しにくい地方局では気象予報士の出演は難しければアナウンサーや一般のキャスターが気象庁の発表した内容の原稿をそのまま読む事になる。
最近は多数の気象災害が起こっている事もあり、それらに対応する気象情報・気象予報の地方・地域への反映が必要とされている、その為に民間気象会社はより多くの地方局にも気象予報士を配置する方向とされる。

気象業務法では、気象庁以外でも、気象庁長官の許可を受ければ、予報業務許可事業者となり独自の予報を出せる。許可事業者が予報業務を行う場合には「予報業務が国民生活や企業活動等と深く関連しており、技術的な裏付けの無い予報が社会に発表され、混乱をもたらすことを防ぐ必要があるため、予報業務を許可制としている」とされて、「許可を受けるには、予報業務を適確に行うための予報資料等の収集及び解析に関する施設や要員を置く等、気象業務法第18条で定められている許可の基準を満たしていることが必要」となっていて、事業所ごとに気象予報士を置く必要がある。
予報業務許可事業者は 気象庁のホームページに「民間の気象情報サービス」としてリンクがあり、「案内・申請」に「予報・認可」の覧が有りそこには「予報業務許可事業者」の一覧が掲載されている
気象予報を行っている民間企業以外に、日立市・広島市といった地方自治体や多数のテレビ局や研究機関等があり、個人事業者(気象予報士)が含まれているともされている。
許可事業者が利用する一次資料の観測データや数値予報の根拠データ等は、気象業務支援センターから提供されておりどこの事業者でも利用可能となっている。

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