項目別バックナンバー[1]:インターネット情報:64
スマホ・SMS送受信
日本では第2世代の携帯電話では独自規格の携帯電話が乱立した。
第3世代移動通信システムになると、日本の携帯電話各社も世界標準のW-CDMAかcdma2000を採用した、これらの規格の端末ではショートメッセージサービス(SMS)の実装が必要であり、業界標準の端末認定に合格する為にSMSを実装した、だが最初は日本国内では事業者間でのSMSの送受信は出来なかった。
2011年にNTTドコモとKDDIとソフトバンクモバイルに、沖縄セルラー電話とイー・アクセスを含めた5社がSMSサービスでの、相互接続を開始した、これにより欧米よりも10年遅れて、SMSサービスの相互利用が始まった。
その後に2014年以降に、NTTドコモとKDDIとソフトバンクモバイルに沖縄セルラー電話とイー・アクセスとウィルコムを含めた携帯電話事業とPHS事業者はSMSサービスでの絵文字の共通化を行なった。
SMS(ショートメッセージサービス)は携帯電話端末を利用してメッセージを送るサービス規格であり、対応する機種と通信サービスでは電話番号を宛先にして短い文章を送信・受信できる、スマートホンでは標準アプリの「メッセージ」から利用できる。
現在のスマホでは電子メールでメールアドレスに送るよりも簡単であり、しかも電話番号の方がより確実に連絡が取れる状態になっており利用者が多い、その確実性から電話番号で本人確認を取ることが広く使用されている。
例えばLINE等のSNSやアップルのウエブサービスや、金融機関などでのウエブサービスでは本人認証や第二認証として利用されている、特に最近起きている不正アクセスや銀行からの不正引き落とし問題ではSMSの二段階認証は有効な対策とされている。
SMSは接続中の携帯端末では自動受信してすぐに「ポップアップ画面」として着信通知が表示出来る、受信者には視認性が高く見逃し難い事から、ビジネス用途でも企業から顧客への、キャンペーン通知やアンケート等のコミュニケーション手段としての活用が注目されている。
電子メール機能があるスマートホン等でもSMS機能をつけることでのメリットは複数ある、それは前回の機能追加がメリットがあるとの見方よりは、むしろ必要機能になりつつある考え方だ。
・スマホでは、アプリや会員制サービスの中には本人確認を行う手段としてSMSを利用するものが増えている。
新規アカウント作成やログイン時に、利用者のSMSに認証コードが送られて来て、それを画面に入力して本人確認を行うという内容だ。
SMS以外で本人確認を行えるサービスもあるが、SMSでのみでしか本人確認を行えない場合もあるので、SMS機能の必要性が増えてきた。
・SMSは電話番号のみ知っている相手にもメッセージを送ることが可能だ、あるいは電子メールでは連絡が取れないときの他の選択肢になる。
・SMS機能が標準アプリの場合はインストールなどの設定が不要でありしかも特別な設定や登録なしで使える、従来型ケータイを使う相手へのメッセージ送信や、スマホの操作が苦手な人への連絡手段として活用できる可能性がある。
スマートホンでのSMS(ショートメッセージサービス)は主な携帯電話通信事業者は送信可能になっているが、使用可能な機種を含めて、サービス対応状況は個々に確認が必要だ。
その上でスマホでのSMSを整理する。
・SMSはインターネット回線を使用するサービスではなくて、電話回線を使ったメッセージサービスであるから、音声通話と同様に送信する側のみに料金が発生する。
・SMSの送信料金は1回3円(全角70文字以内)で、受信は無料となる。
送信文字数によって料金が決まり、例えばNTTドコモの場合では、全角70文字は3円であり、それを超えれば全角67文字ごとに3円ずつ加算されてゆく、最大で全角670文字30円となる。
・繰り返すが、端末機器やアプリによって利用可能で送信可能な文字数は異なる、そのためにSMSを利用する場合は基本料金に当たる全角70文字以内が推奨されている。
・SMSは音声通話と同じ性格を持つので、電子メールや携帯電話ドメインメールのような件名をつけての送信は、出来ない。
・長いメッセージを送る利用方法はLINEやFacebookなどのメッセージサービスが利用されている、またより多くの文字や画像や動画も送れるアプリも登場しているので、SMSは文字通り短い文字数のみでの使用用途になる。
スマートホンは多機能故にそれを生かしたアプリを開発して、メッセージ送信を1つの機能として取り込んでいる。
SMSの送信時には文字のみである事や文字数の制限があるが、その規格から外れた場合には、例えば画像添付や件名がある場合や文字数が制限を超えた場合にはそれにも対応している規格のMMS(マルチメディアメッセージングサービス)に自動的に切り替わる、ただしMMSはキャリア専用のメールアドレスを使うのでMMSを採用してい場合には送信・受信エラーとなる。
一般にはSMS規格外のメールの送信にはウエブメールやメッセージアプリの利用が推奨されている、また機種によれば音声料金がかかるSMSの代わりに、パケット定額の方式を優先して利用する事もある。
SMSは電話番号が宛先なので、本文中に送信者名を明記する事になる、電話番号のみで送信・受信が可能なために、SMSの本文に送信者名を偽る行為のなりすましの詐欺・迷惑メールが発生しやすい、その注意や対策は一般的な電子メールと同様だ。
法人と法人向けへの利用を考えると、企業等が顧客とのコミュニケーションに利用する用途が考えられる、携帯電話やスマートホンでは携帯電話キャリアが提供する電子メールがあるが制限は多いし将来的には使用されない可能性がある。
SMSは世界標準の機能であり国を問わず送信可能だ、勿論音声通話回線を使う特性からは通話料金が必要であり、国際SMS送信では最低料金も国内よりは高くなる。
現行のスマホでは多くは、SMSは標準アプリでのサポートがあり、利用者(受信者)の目に留まりやすいと言える。
法人向けのSMSを使っての広告宣伝では、事前の同意=オプトイン方式が必須だ、原則として広告宣伝メールを送信するには特定電子メール法に基づいて事前に同意を得る必要がある。
ただしこれには例外となる場合もあるとされる、例えば配達日等の通知連絡などの取引関係のある事がある、ただしこれらも契約や登録時に事前の同意を取る事が望まれる。
SMSは電話番号を使用するがそれは個人情報だ、故に「個人情報保護法」に該当するし「特定業務に関する関連法規(貸金業法・特商法・景表法等)」にも関わる事になる。
Flash(フラッシュ)
Flash(フラッシュ)はアドビ(Adobe)社が開発・提供している動画やゲームなどを扱う規格で、元の開発会社はマクロメディア(Macromedia)だった、Flash Playerはアドビ社がウエブ閲覧ソフトのブラウザ向けに開発して配布してきた拡張機能(プラグイン)でFlashのコンテンツを実行する。
そして3年前から公表されているが、2020年末で配布・サポートが終了する。
Flashは長くウエブサイトの動的なコンテンツを動作させる代表的技術であったが、いくつかの問題があり、モバイル機器を中心にサポートしない機器が増えていて、次第に使用しなくなりつつあった、アドビはブラウザを提供する各社と共同歩調で2020年末にサポート終了とする。
Flash自体はモバイル機器から始まり、現在では使用を避けている技術となってはいる、ただしまだ機器やネット上では残ってはいる状況だ。タイミング的にサポート終了と時期が重なるが、サポートが終了するに至った背景等をまとめる。
Flashは、その形式のアプリケーションなどはインターネットを通じてウエブ用ブラウザにダウンロードして実行される、Flash形式に対応していないブラウザではアドビ社が提供するFlash Playerを組み込む必要がある、そのFlash Playerは同社が無償配布していた、それが2020/12/31に終了する。
Flash再生ソフトの中で、アドビ社のFlash PlayerはWindows・macOS・LinuxなどのOS上で動作して、主要なブラウザのプラグインとして動作させていた、既にいくつかでは非対応となっていたが、今回はアドビのサポート終了と同時にブラウザでもサポートが中止される。
Flashは再生環境への依存度が低く、ウインドウサイズを変えても画質が劣化しないデータを扱うことも出来る等、多数のメリットがあり動きがあるコンテンツやマルチメディアに対応したウェブサイトの製作が可能だった。
初期はブラウザやプレーヤーからテキスト検索できなかったが、後にgoogleなどの検索エンジンはFlash内のテキストを抜き出して検索対象にした。
ただしFlashを利用したセキュリティ問題が増えたことで、使用を避けることが広がり。他の方式の普及と共にサービス終了になろうとしている。
アドビ社のホームページでは「2020年12月31日でFlash Playerをサポートを終了するため、2021年1月12日以降、Flash PlayerでのFlashコンテンツの実行をブロックします。すべてのユーザーの皆様にはFlash Playerを直ちにアンインストールし、ご自身のシステムを保護することを強く推奨いたします。」と表示されている。
Flashは動画やアニメーション等が可能であり、登場以前の「HTML4」では表現できなかったマルチメディア表現が利用できたことに有用性があった、それ故にポータルサイトや企業や公的機関や個人のウエブサイトではトップページ・ホームページに多く使用された。
あるいはFlashで表示したテキストは、ブラウザの機能ではコピーや印刷や保存が出来ずコピー防止の意味での使用目的も行われた、ネット上の広告手段としてもバナー広告を代表として多く使用された。
これらのサイトや広告が残っておれば、Flashがブロックされた時にもしHTMLの代替ページがなければアクセストラブルの可能性がある。
現在のウエブサイト制作の標準技術は「HTML5」であり、それではFlashと同様に動画や音声の埋め込みが可能になっている、またJavaScriptを使用すれば、複雑なアニメーション等の機能が利用できる、これへの移行がFlash終了後の代替え手段となっている。
2021年1月現在各ブラウザはFlashに対してはその実行を基本的には「無効」に設定している、例えばパソコン版のGoogle Chromeブラウザでは「Flashの利用を許可した状態でも、Flashの動くサイトにアクセスすると『サイトでのFlashの実行をブロックする』という警告が表示される。そこでユーザーの許可が必要となる仕様」になっている。
この状態もブラウザのバージョン更新が行われると、近日に許可されなくなると予想される、他のPCブラウザでも状況は似ている。
Flashの動作にはFlash Playerが必要で初期にはユーザーは自身でソフトウエアをダウンロードして機能を追加する必要があった、Flashは主要なOSであったWindowsやMac OSやLinuxなど対応した、同時にそこで動作する主要なブラウザのInternet ExplorerやApple SafariやMozilla Firefoxや、Google Chromeなどに対応した。
その結果として、それらのブラウザの特定バージョン以降では標準でFlash Playerが組み込まれた状態で配布された、そしてFlash Playerの更新などにもブラウザ内部で自動的に行われた。
利用者がFlash Playerの導入の意識も作業もしない状況になったが、その後にセキュリティ問題を含む複数の理由でブラウザやOSが標準では対応しない方向で進むことになっていた、そして動作ブロックと許可制、サポート終了、アンインストール推奨へと変わり、完全に姿を消す収束に向かってきた。
動的な表現やマルチメディアへの対応機能がある事でウエブサイトでも使用が広がったFlash だったが、外部からの侵入が容易であるというセキュリティホールがFlashに見つかり、それが攻撃のターゲットになっている事が分かった事でその脆弱性が問題化された。
Flashの脆弱性の問題が発覚するたびにアドビ社はセキュリティアップデートを行って対応してきた、しかし深刻なセキュリティホールが見つかっては更新されるが、繰り返して別の脆弱性が見つかっては対策が更新された、その繰り返しが頻繁に行われた。
繰り返しの更新が行われる事は、機器やソフトに組み込むFlash利用者を悩ませてきた、それに加えてFlash Playerのバージョンアップを装ったマルウェア(不正ソフトウェア)が登場した事から利用者を不安にさせる不安定な状態が続いた、そこからFlashをコンテンツに組み込まない選択が出てきた、そしてその技術も進化してきた。
そしてブラウザやHTMLの技術が進化してFlash使用しない選択も可能になった、新しく登場して一気に普及したスマートホンでは標準ではFlashに対応しない事への変化もあった、パソコンでもセキュリティ面の脆弱性の問題に加えて機能上も古い技術になった事で、Flashは徐々に使用されなくなり、アドビ社は大手IT企業の協力でFlash廃止を進めて来た。
Flash(フラッシュ)が使用されなくなった理由の一つは脆弱性だが、他の理由としてはその後に登場した代替技術と比較した時に、Flashで作られたコンテンツの反応速度や表示速度が遅いことがある。
その理由はFlashは高度なアニメーションでの動画やマルチメディアに対応していたがデータ容量が多くて重くなった、その結果としてFlashで作られたコンテンツや、そのコンテンツを設置しているウエブサイトのページが、反応速度や表示時間が長くなった。
アップルはスマートホンやタブレットにFlashを対応しなかったが、それにはデータ容量が大きくて遅い事の理由も大きかった。
インターネット情報検索サイトで、グーグルは表示順位決定時のSEOの基本的な考え方として「表示速度の速さ」がユーザーに対して重要としている、特にスマホ等のモバイル機器用では重視した、その結果としてサイト側はモバイル用の専門サイトを設けたがこではFlashを使わなかった。
グーグル検索の方針は、動画再生やグラフィックの表現に於いて代替の技術が進歩してきたことによりウエブサイトの表示速度が劣るFlashは基準を満たさなくなり支持される事になった、アップルの非対応方針とも一致して廃止方向となった。