アルマゲスト

「アルマゲスト」について

正式名:「アルマゲスト」
      著者がつけた原題ではなく現在の通称
著者:クラウジオス・プトレマイオス
発表年:161年 アレキサンドリア??
    ギリシャ語>シリア語訳>アラビア語訳:1175年>
    ギリシャ語>ラテン語訳:1160年?
日本語訳:藪内清訳「アルマゲスト」

原典から現在の「アルマゲスト」について

プトレマイオスは2世紀の天文・数学・物理等の学者ですがその
詳細は知られていません。
著書の「アルマゲスト」の記述から推定されています。
それほど「アルマゲスト」は有名なのですが、題名は度々翻訳時
に変わった題名になりました。
原典は、書かれた当時の知識をまとめたものといわれ、膨大な量
です。
日本語訳の完訳が存在する事も知りませんでしたし、見た事もあ
りません。
部分引用された内容から、当時の地動説をまとめた内容と考えて
いました。
実際は、理論本ではなく観測からの実証を書きこんだ本と言うこ
とで完訳本を読むと印象が変わると言われていますが、そこまで
手が出ません。

しばしば引用される地球中心説等の内容

1:天球という概念が存在する。そしてそれは回転する。
2:地球は球体である。
3:地球は天空の中心にある。
4:地球は小さく、天空にたいしてほとんど点である。
5:地球は位置の変化をしない。
6:天空には、2種類の運動がある。

感想

原典を読もうという趣旨からすると、翻訳があるにもかかわらず
色々な教科書で書かれているレビューの内容で止まるのは、疑問
もありますが膨大な量の前には、無力です。
ガリレオの「天文対話」の前に来る、プトレマイオス、コペルニ
クス、ケプラー等の著書を取り上げたいというのは「宇宙論」好
きの人間の取る道ですが、現実は困難です。

地動説の代表としてプトレマイオスの「アルマゲスト」が取り上
げられますが、2世紀の宇宙観として見れば画期的です。
地球中心・不動でも当時の観測結果では充分に説明できたのです。
実際に、理論と観測による太陽の位置の差はわずかでその後、
1700年以上修正されなかったのです。
地球は球体という考えは、中世の種々の考えからみればむしろ驚き
です。
2種類の運動とは、公転運動と周回運動ですが、中世のチコ・ブラ
ーエの著書にもまだあらわれる事を考えると驚きです。
結果的に、2世紀の本が翻訳等で姿を変えて、コペルニコスの時代
まで代表的な考えと本として引き継がれていったのでしょう。

歴史に残る古典的自然科学書をよみましょう。

間違いがあっても天才の思考を少しでも理解しましょう

哲学的・宗教的な部分は現在の遺伝子工学にも匹敵