コロンブス航海誌

「コロンブス」「クリストーバル・コロン」「バルトロメー・デ・ラス・カサス神父」について

コロンブス航海誌の著者は、コロンブスだろうというのは
普通の見方ですが、現物は存在が確認されていません。

また、通称・コロンブスは25才以降は「クリストーバル・
コロン」を名乗っており、こちらが正しい名前とされています。

そもそも航海日誌が文献として発表される事は無かったと
思われるし実際に現存しません。
ただ、流通の有無は別の見方もあります。
それ故に、偽書説もあります。

ただ、コロンと現在のスペイン国王との書簡から、提出・
返還されたらしい記録はあります。
それゆえに、存在はしたが、実物は残っていない事になります。

そして、現在残っているのがカサス神父が航海誌の写本の要点を
写したものものとされています。

コロンブス航海は4回とされていますが、本書は第1回のもの
です。

通称・「コロンブス」こと「クリストーバル・コロン」は、
1451年生まれで、天文学・地理学・航海技術を学び、西
航路へ向かったとされています。
1506年死去。

「カサス神父」(1474−1564年)は1502から、
植民地の布教に従事し、インディアスの擁護につくしその著書
の一部に第1次のコロンブス航海日誌を引用しておりそのための
要約との見方があります。

「コロンブス航海誌」の内容

日本版「コロンブス航海誌」
      林屋 栄吉 訳
       1977年

原著:
「クリストーバル・コロンの第1回航海日誌の要約」
      「バルトロメー・デ・ラス・カサス神父」

我らの主イエス・キリストの御名において
1492年
8月
9月
10月
11月
12月
1493年
1月
2月
3月

感想

自然科学といいながら、現在ではどうかと思う著書も多く
取り上げています。

ひとつは時代性であり、分野が現在の分類と、歴史的な扱いが
異なる事です。
元々は分野は境界がなく神話が哲学になり次第に科学的な要素
が加わり、分野が独立して、自然科学という分類も生まれてき
ました。
ただ、数学は自然科学というよりも語学や哲学に近い閉じた世界
で、自然による検証は必要でないです。
シートンの動物記やファーブルの昆虫記は、自然科学書なのか
文学書かドキュメンタリーかは、討議対象です。

本書も同様で有り、実務書・報告書というべきものです。
しかも原著は実在しなく、写本からの要約のみが存在とされて
います。

単独ではなかなかはっきりしない内容とも言えますが、当時の
航海が天空法であり、風や距離等が当然ながらほとんどを占めます。

そこから、コロンの見込み距離と当時予想されていた距離と、
実際の距離の比較研究がされています。

また、偏東風や偏西風の発見とする見方もあります。

実際に4回往復しているので、航路を見つけたという見方は
根拠があるともいえるでしょう。

本名より、コロンブスとして知られています。

4回の航海の、1回目の航海日誌の他人による要約です。

その評価は偽書説から、複数の発見記録まで別れています。