「熱理論」について
正式名:「熱理論」:Theory of Heat 著者:ジェームズ・クラーク・マクスウェル 発表年:1871年 イギリス 日本語訳:完訳はなし? 元になった論文としては 「気体の動力学的理論の例示」:(1860) 「気体の動力学的理論について」:(1866) 「質点系におけるエネルギーの平均分布に関するBoltzmannの 理論について」:(1879)
原典「熱理論」について
マクスウェルは、19世紀を代表する物理学者です。 その業績は多岐ですが、代表は「気体分子運動論」・「熱力学」 ・「統計力学」・「電磁気学」等です。 電磁波の研究が一番知られていると思います。 「分子運動論」「熱力学」の功績も大きくこの方面では 「マクスウェル分布」や「マクスウェルの悪魔」等が有名です。 代表的な著書に 「熱理論」:Theory of Heat:1871 「電気磁気論」:Treatise on Electricity and Magnetism:1873 「物質と運動」:Matter and Motion:1876 があるが膨大な論文の一部が日本に紹介されています。
「熱理論」の内容
「熱理論」は、解明されつつあった熱について、教科書的に 書かれたものとされています。 概要や一部が翻訳紹介されています。 紹介されている概要によると 「温度計原理」「熱量の測定」「力学原理」「熱力学の基礎」 「熱に関する実験事実」「実験事実の解釈」 「応用」となっています。
感想
マクスウェルは、電磁波の研究の方が有名かもしれません。 これも取り上げたい話題です。 マクスウェルの理論の進み方は、古典力学に「エーテル」と いう概念を加えて空間を理解しようとしました。 「エーテル」自体は現実的ではないですが、それがアンペール の法則に繋がり、そして伝播速度が光の速さに近い事が判り 「電磁波論」へと繋がります。 その面では、同じ出発点で「電磁波」と「熱理論」は繋がって いると言えます。 「熱理論」は、マクスウェルとボルツマンにより展開されて この後に続く学者の反論と研究を経て、ギブスの統計力学へ と進みます。 マクスウェルは熱力学の第二法則(エントロピー増大の法則) に疑問を持ちそれが「マクスウェルの悪魔」へとなります。 これは、いわゆる「思考実験」の例としてしばしば紹介されて います。
マクスウェルは、19世紀を代表する物理学者です。
「マクスウェル分布」や「マクスウェルの悪魔」等が有名です。
マクスウェルの理論の進み方は、古典力学に「エーテル」という概念を加えて空間を理解しようとしました。