「理論物理学教程」について
正式名:「理論物理学教程」 著者: レフ・ランダウ:エフゲニー・リフシッツ:(ピタエフスキー) 発表年:1932−37年 モスクワ 1巻:力学 2巻:場の古典論 3巻:量子力学 4巻:量子電気力学 5巻:統計物理学 6巻:流体力学 7巻:弾性理論 8巻:媒質中の電気力学 9巻:量子統計物理学 10巻:物理学的運動学
「理論物理学教程」について
「理論物理学教程」は古典・啓蒙というよりも教科書として書か れたものです。 教科書はその目的から、絶えず改訂される事が特徴と言えるかも 知れません。 「理論物理学教程」のラインナップと書かれた時期を見ても、 学問的に完成された分野と発展途中の分野が混ざっています。 このときに、少なくても後者は時代の進歩に従った内容に改訂され る必要があります。 従って、このシリーズも改訂が大きく続けた巻とそうでは無い巻が あります。 第1巻の「力学」は完成された古典力学であり、改訂が基本的に ないか少ないです。
「力学:理論物理学教程1」の内容
日本版「ランダウ=リフシッツ 理論物理学教程 力学(改訂新版)」 広重徹・水戸巌訳 東京図書株式会社 1967年9月 1章:運動方程式 2章:保存法則 3章:運動方程式の積分 4章:粒子の衝突 5章:微小振動 6章:剛体の運動 7章:正準方程式
感想
レフ・ランダウは、ロシアの理論物理学者で「エネルギー 密度行列」「ランダウ反磁性理論」「ヘリウム4の超流動現象 の理論」「量子フェルミ液体論」「ヘリウム3の物性」等の 研究で有名です。 ソビエト時代に原爆・水爆の研究に参加させられ、国の賞も 受賞したが、自身は嫌って脱退したとされています。 ランダウは、リフシッツやピタエフスキーと一連の教科書 「理論物理学教程」を書き、全世界で読まれました。 日本でも全てが訳されて、改訂も行われました。 現在、絶版もありますが、新たに文庫版で出版されつつあり ます。 さて、教科書として書かれたといわれていますが、誰向き でしょうか?。 読めば判りますが、内容は特徴的でまさしく理論的です。 かなりの数学の知識がないと、とても読み進めません。 具体的には、かなり高度の微積分を中心にした解析学です。 何の説明もなく、いきなり登場して講義が展開します。 日本で言えば、理系の大学の教養課程の知識で読めるかどう かは疑問です。 登場する多数の式を全てを理解出来るか?を考えると、より 深い実戦的な経験と理解がないと困難に思えます。 そして、多く見られる他の教科書とは用語とか項目もかなり 異なります。 物理学の教科書ではなく、あくまでも理論物理学の教科書 という位置付けと感じます。
「理論物理学教程」は教科書として書かれたものです。
かなりの数学・解析学の知識がないと、読み進めません。
理論物理学の教科書という位置付けと感じます。