博物学の教育価値

「トマス・ヘンリー・ハックスリー」について

「トマス・ヘンリー・ハックスリー」は、近代生物学に
関わった学者で、同時に科学精神の提唱者とも言われます。

「ハックスリー」という名は、多くは無いと思いますが、著名な
人物が複数おり、「トマス・ヘンリー・ハックスリー」が一番
著名では無さそうです。

「トマス・ヘンリー・ハックスリー」は、多数の著作物があると
されますが、講演の文章化や、自然科学以外のものも多いと
されています。
それらは、いくつかの選集にまとめられている様です。

その中で、自伝と自然科学に関する文章を、日本独自編集した
のが、「科学談義」です。

「トマス・ヘンリー・ハックスリー」は最初は学者ではなく、
ダーウィン等と同じ航海士から出発し、生態学・人類学などから
学問に入いりました。

その後も、形態学・解剖学・地質学などを行い、まだ成立途中の
近代生物学に関与しました。
また教育や進化論にも関与しています。

「博物学の教育価値」の内容

日本版「博物学の教育価値」
      トマス・ヘンリー・ハックスリー
      小泉 丹 訳
       1873年
  日本独自編集「科学談義」の一編
      トマス・ヘンリー・ハックスリー
      小泉 丹 訳
       1940年

原著:
「博物学の教育価値」
      「トマス・ヘンリー・ハックスリー」

日本独自編集「科学談義」の内容
・目次
自伝
博物学の教育価値
一塊の白亜
自然に関する知識向上の勧め
デカルトの「方法序説」に就て
ロブスター。動物学の学習に就て
・解説

感想

多彩な分野(自然科学以外も)に関与した事で、「トマス・
ヘンリー・ハックスリー」の業績は、総合的なものになりそう
です。

広く知られているのが、ダーウィンの進化論への関与の様です。

それが近代生物学成立への業績との関連は、直ぐには繋がりにく
い印象ですので、幾つかの講演の文章が日本でまとめられた事は
意味があります。

講演の内容の文字化ですので、対象等で内容が変わるので、業績
全てではないです。

「博物学の教育価値」は、まだ生物学や博物学が認められていな
かった時代を前提に読む必要があります。
そうでなければ、わざわざ価値を唱える必要は有りません。
他の科学と比較して、近代生物学も同様であると述べています。
具体的に例を挙げて、方法論や他の科学との繋がりについて
述べています。
逆に言えば、まだそのような段階に活動した事を意味します。

トマス・ヘンリー・ハックスリーという多彩な学者。

その業績の自然科学に関するものを日本で編んだ選集。

その1編から活躍した時代と、近代生物学への関与を読みます。