太陽と太陽系の運動について

「ハーシェル」について

ウィリアム・ハーシェルは、天文学者で特に、恒星天文学で
有名ですが、現実はかなり異色のようです。

ドイツ生まれでイギリス育ちですが、そもそもは、音楽家で
あり、望遠鏡の制作者でした。

それが、天王星の発見をきっかけに天文学に入りました。

実際に望遠鏡で発見したものは多数になりました。
・天王星
・土星の衛星2つ
・天王星の衛星2つ
・二重星が実際に連星であること
・太陽系以外でのケプラー運動の発見
・天の川の研究
・赤外線放射

多岐に渡るが、太陽系の外惑星から太陽系外へと広がり、
記録も、著書も残っている事が奇跡的です。

現実に、多くの人々の内で現在でも名が知られている人は少数
恒星天文学へと繋がったと思えます。

ただ、特に後期に、奇妙な説を出したとも言われ、表面的な
印象は、アマチュア天文家がたまたま学者になった感があり
ます。


「太陽と太陽系の運動について」の内容

日本版論文「太陽と太陽系の運動について」
      ウィリアム・ハーシェル 著
      渡辺 正雄 訳
       1974年

「太陽と太陽系の運動について」の内容
恒星の固有運動について
太陽系の単一の真の運動への還元について
主要な7恒星の共通の動きについて
恒星は「多くの」太陽であるという仮説
二重星の動きの補正について
恒星までの距離と運動の大きさの関係
太陽系の動きについて

感想

「恒星天文学」と言っても、主要な恒星はそれ以前から観測
されています。

望遠鏡の制作者が、天王星を発見して、天文学者になったと
いえるかもしれません。

自らの観測と、しでに出されている観測データから、新たな
仮説を立てて、論文に書いたと思われます。

まとまった大著の存在は、未確認です。

地動説から、太陽中心の天動説にうつりました。

それが、太陽系と同じ様なものが多数存在して、太陽系はその
一つであり、全体として動いているという考えです。

恒星や天の川等の見方を変えて、恒星天文学と言われるゆえん
です。

まだ、観測データが多い恒星は少ないでしたが、二重星を考慮に
入れる事で規則性を見いだしました。

そして、実際に太陽系の位置とが動いている方向も見出しました。

ハーシェルは妹や息子も、天文学者であり、いくつかの発見や
ハーシェルが見つけた衛星の命名も行っています。

そもそもハーシェルが有名になったのは、見つけた天王星に
イギリス国王の名前をつけようとしたからであり、それ自体は
当然ながら他の国の反対で実現せず、ウラヌスになりました。

後期の奇妙な説を含めて、どこかアマチュア的な所を感じます。


太陽と太陽系の運動については、論文の1つです。

ハーシェルは、天王星やいくつかの衛星の発見でも有名です。

恒星天文学は、太陽系自体が動いているという考えです。