化学の原理

「化学の原理」について

正式名:「化学の原理」の付録
      「元素の性質と原子量との間の関係」
      「化学元素の周期律性」
付録発表:ロシア化学会誌論文
著者:デミトリイ・イワノヴィッチ・メンデレーエフ
発表年:1869・1871年、ロシア
日本訳原本:全訳はなし

日本への紹介について

原本の全日本語訳はありません。
しかし化学的に貴重な研究であり、多くの紹介文献や部分訳や
主眼となる「メンデレーエフ周期表」は度々見かけます。
代表的な紹介文献をあげておきます。
1:メンデレーエフ伝―元素周期表はいかにして生まれたか 
  (1976年) (ブルーバックス)
2:メンデレーエフの周期律発見:梶 雅範 (著) 
第1章  先行研究と問題提起
第2章  メンデレーエフによる周期律発見の社会的文脈―
     「60年代期」ロシアとメンデレーエフ
第3章  周期律発見前史―1860年代までの研究史
第4章  メンデレーエフの周期律発見過程―「60年代期」に
     おけるメンデレーエフの科学研究
第5章  メンデレーエフの周期律研究と周期律の最初期の受容
第6章  同時代の元素分類研究とメンデレーエフ―周期律発見
     の化学史上の意義
第7章  結 論
付録1  メンデレーエフの周期律第1論文
付録2  メンデレーエフの研究・経歴一覧表(1834−71)
付録3  メンデレーエフ年譜(1834−71)

周期律発見の歴史

1:デベライナー   ドイツ
    3種類の元素の化学的類似を指摘>偶然性を否定できず。
2:シャンクールトウ フランス 1962年
    円筒グラフの作製>「テルルのらせん」>反響少。
3:ニューランズ   イギリス 1864年
    「オクターブの法則」>反響少。
4:メンデレーエフ  ロシア  1869年
    「元素の性質と原子量との間の関係」。
5:マイヤー     ドイツ  1870年
    「原子量の関数としての化学元素の本性」。
6:メンデレーエフ  ロシア  1871年
    「化学元素の周期律性」。

メンデレーエフが周期律の発見者とされた理由。
1;発表がマイヤーより1年早い。
2;メンデレーエフの論文が多くの実験事実を含み
   結果的に未知元素の性質の予想が精度が高かった
   (のちの結果)。

感想

歴史的発見・研究の多くには複数の研究者が関わります。
周期律についても、上記のように複数の研究者が関わって
います。
ただ、単なる指摘や思いつきにとどまらず、具体的な根拠
やその結果から未知の部分を精度を高く予想する事は、
研究の精度の高さを示します。
メンデレーエフの周期律表を見ると、まだ多くの元素が
未発見だったので多くの空白があります。
現在は、ほぼ完全に全てが埋まっています。
周期律は未知元素の発見にとどまらず、色々な分野の研究
で利用されています。

歴史に残る古典的自然科学書をよみましょう。

間違いがあっても天才の思考を少しでも理解しましょう

哲学的・宗教的な部分は現在の遺伝子工学にも匹敵