夢判断

「ジークムント・フロイト」について

ジークムント・フロイトは1856年に旧オーストリア
生まれ、ウィーン大学で医学を学んだ。

脳解剖の専門医としてウィーン総合病院に勤務し、フランスの
サルペトリエール病院でも学んだ。

1902年にウィーン大学教授になり、1939年にロンドンで死去
した。

精神分析学の創始者であり、心理学的手法でそれ以前には
扱われなかった題材を、研究しました。

特に「精神分析」と「夢判断」は、無意識を重視して人間の
深い位置にある精神状態を研究した著書として有名です。

創始者であり、古典的位置でありながら、現在でもまだ現役
として読み継がれている著書です。

「夢判断」の内容

日本版「夢判断」
      ジークムント・フロイト 著
      高橋 義孝 訳
       新潮文庫 1969年

原題 「夢判断」
       ドイツ 1900発行

1:夢の問題の学問的文献
A:覚醒状態に対する夢の関係
B:夢の材料――夢の中での記憶
C:夢の刺激と夢の源泉
 1:外的(客観的)感覚興奮
 2:内的(主観的)感覚興奮
 3:内的(器質的)身体刺激
 4:心的刺激源
D:眼が覚めると夢を忘れてしまうのはなぜか
E:夢の心理学的な諸特異性
F:夢の中における倫理的感情
G:夢理論と夢の機能
H:夢と精神病との諸関係
2:夢判断の方法――ある夢実例の分析
3:夢は願望充足である
4:夢の歪曲
5:夢の材料と夢の源泉
A:夢の中に出てくる最近のものと些細なもの
B:夢の源泉としての幼児的なもの
C:身体的夢源泉
D:類型的な夢
6:夢の作業
A:圧縮の作業
 1:「植物学研究書の夢」
 2:「美しい夢」
 3:「黄金虫の夢」
B:移動の作業
C:夢の表現手段のいろいろ
D:表現可能性への顧慮
E:夢における象徴的表現――続・類型夢
F:実例――夢における計算と会話
G:荒唐無稽な夢――夢における知的業績
H:夢の中の情動
I:第二次加工
7:夢事象の心理学
A:夢を忘れるということ
B:退行
C:願望充足について
D:夢による覚醒――夢の機能――不安恐怖夢
E:第一次および第二次過程――抑圧
F:無意識と意識――現実

感想

フロイトは、それ以前は神経病理学ではあつかわなかった題材
を、心理学的な手法で取り扱い、精神分析学を広げた。

本書の夢については、ローマ・ギリシャ時代のアリストテレス
まで遡るようです。

アリストテレス以前は、夢は神や宗教と繋げて考えていました。

アリストテレスは、それを心理学的な見方でけんきゅうして
人間の精神から出てくると考えていました

フロイトは、精神分析の基本である「無意識」と夢の関連を
研究して、日常の抑圧や欲求が、錯誤や夢として現れると
しました。

人間の深層心理と夢の関連を述べたものが、「夢判断」です。

深層心理での欲求には、性愛とその象徴的ばあらわれを考え
そこから、知的な業績や、各種の衝動や願望の夢の中での
実現・充足を論じています。

これらは、現代社会での日常の抑圧や欲求とほぼ同じであり
それ故に、今もまだ本書が読まれる理由です。

「夢判断」は、精神分析の基本概念の無意識と

夢の関係を研究しています。

人間の深層心理の研究として、現在も読まれています。