KURT ROSENWINKEL |
PAT METHENY |
JESSE VAN RULLER |
TOSHIYUKI HONDA |
BOB MINTZER BIG BAND w/ NEW YORK VOICES |
2014.11.20 BLUE NOTE 東京 -- BOB MINTZER BIG BAND with special guest NEW YORK VOICES |
LAGE LUND |
2014.6.27 COTTON CLUB -- ARI HOENIG TRIO
2013.12.17 BLUE NOTE 東京 -- MARIA SCHNEIDER ORCHESTRA 2012.5.18 新宿 PIT INN -- Lage Lund Quartet |
PAT MARTINO |
FRIED PRIDE |
FRIED PRIDE 2013.8.18 錦糸公園
FRIED PRIDE 2012.8.19 錦糸公園 FRIED PRIDE 2008.7.7 BLUE NOTE 東京 FRIED PRIDE 2003.8.9 タワー・レコード渋谷 FRIED PRIDE 2002.10.25 とり成 〜2007 (2007.4.5) |
TRIBAL TECH |
TRIBAL TECH 2013.3.8 -- BLUE NOTE 東京
TRIBAL TECH 2000.11.26 -- 渋谷 Egg-man |
Chuck Loeb |
2010.12.8 BLUE NOTE 東京 -- FOURPLAY |
Ulf Wakenius |
2010.10.7 六本木STB スイートベイジル -- Lars Jansson with special guest Ulf Wakenius |
CHICK COREA |
THE RIPPINGTONS featuring RUSS FREEMAN |
2009.10.14 COTTON CLUB -- THE RIPPINGTONS featuring RUSS FREEMAN |
ESPERANZA SPALDING |
2008.9.5 ビルボードライブ東京 -- ESPERANZA SPALDING |
PAUL BOLLENBACK |
2008.9.1 BLUE NOTE 東京 -- STEVE GADD & FRIENDS |
GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND |
2008.2.3 BLUE NOTE 東京 -- PATTI AUSTIN meets GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND |
STEELY DAN |
2007.8.20 ビルボードライブ東京 -- STEELY DAN |
RUSSELL MALONE |
2007.6.13 COTTON CLUB -- RUSSELL MALONE QUARTET |
DAVE GRUSIN |
HARVEY MASON TRIO w/ DAVE GRUSIN 2005.5.26 BLUE NOTE 東京 |
入手CD,DVD など
ROMANTIC TATINO FOR LADIES
(Leafage jazz)
MUSICIANS / LAGE LUND:g , AARON GOLDBERG:p , MATT BREWER:b ,RODNEY GREEN:ds
Recording:2006.5.30-31
2005年のセロニアス・モンク・コンペティションで優勝したノルウエー出身(!)の若手ギタリスト。メイン・ストリームのジャズ・ギタリストとしては、確かに非常に素晴らしい。テクニックは文句ナシ、テンション・ノートの使い方もウマい。アレンジ(多分本人)もユニーク。ボサノバやボサノバ的にアレンジしたスタンダード・ナンバーが中心だが、デビュー作にしてこんなに軟弱でいいんだろうか?共演のミュージシャン達はよく知らないが、良いサポートをしている。
(記2007.9.24)
TAL WILKENFELD
TRANSFOMATION
(TAL WILKENFELD)
MUSICIANS / SEAMUS BLAKE:ts , GEOFFREY KEEZER:key , WAYNE KRANTZ:g , TAL WILKENFELD:b , KEITH CARLOCK:ds , and others
Recording:2006.5.30-31
まだ21歳、ベース歴4年という。タワー・レコードでジャケットを見て、「ドリュー・バリモアの妹がベースを弾いているのか?」と思いついつい手にしたが、メンバーが凄い。ドラマーの KEITH CARLOCK は、来日した STEELY DAN のバックでテクニックを見せつけていた名手。WAYNE KRANTZ も、STEELY DAN のツアーに参加経験のあるハイレベルのギタリスト。SEAMUS BLAKE と GEOFFREY KEEZER が入って、完璧なメンツ。注目なのは曲は自作(1曲だけ GEOFFREY KEEZER と共作)で、アレンジも全て自ら手掛けている、という点。意表を突くシンコペーションを多用した複雑な曲ばかり。共演者が超一流なのは、おじさんミュージシャンが天才少女と共演したいという以上に、これらの楽曲をソツなくこなせるのは彼らくらいでないとムリ、という事かもしれない。少なくとも、アルバムが想像以上の出来になっているのは確か。ベースのプレイも良いが驚くほど凄いというワケではなく、曲に関してもメロディーがやや弱い面もあり、次回のリーダー作で真価が問われるのは間違いない。
(記2007.8.28)
RANDY BRECKER w/ MICHAEL BRECKER
SOME SKUNK FUNK
(VICTOR)
(DVD)
MUSICIANS / RANDY BREACER:tp , MICHAEL BRECKER:ts , JIM BEARD:p,syn , WILL LEE:b , PETER ERSKIN:ds , MARCIO DOCTOR:perc , THE WDR BIG BAND KOLN
Recording:2003.11.11
リリース済みの CD の映像版。別テイクなどはないが、やはり動く MICHAEL BRECKER の姿は感慨深い。SOME SKUNK FUNK のソロの出だしでフラジオをしくじって、苦笑している。
(記2007.8.28)
STEPS AHEAD
STEPS AHEAD
(VIDEO ARTS)
(DVD)
MUSICIANS / MICHAEL BRECKER:ts,steinerphone-ewi , MIKE MAINIERI:vibe,syn , DARRYL JONES:bs , MIKE STERN:g , STEVE SMITH:ds
Recording:1986.6.30
既に著名な映像作品であるが、あらためて見ても各メンバーの全盛期のプレイは凄い。MICHAEL BRECKER は完全に別次元に行ってしまっている。STEVE SMITH のドラミングは、現在よりもロック的、ジャーニーでのプレイのクセが残っている?
(記2007.3.29)
BUDDY RICH MEMORIAL SCHOLARSHIP CONCERTS
THE COMPLETE LOS ANGELS & NEW YORK CONCERTS
(Alfred)
(DVD)
MUSICIANS / Buddy Rich Big Band , Louie Bellson , Gregg Bissonette , Dennis Chambers , Dave Weckl , Vinnie Colaiuta , Steve Gadd , Neal Peart , Marvin "Smitty" Smith , Steve Smith , Omar Hakim , Wil Calhoun , Buddy Rich
1989 / 1991
知人に何度も見せられた、1989年の BUDDY RICH MEMORIAL CONCERT のビデオ。Dennis Chambers や Dave Weckl のスティック・ワークに、ドラマーならずとも目が点になったものである。Dave Weckl と Steve Gadd と Vinnie Colaiuta のセッションでは、Dave Weckl が煽られて Vinnie Colaiuta にだんだんと似てくる(?)のが面白かった。今回は、その映像に1991年のバージョンも追加され DVD 化。1991年では、やはり Marvin "Smitty" Smith の音数が凄い。しかし、何と言っても凄いのが Buddy Rich 本人。ボーゼンと見ていると、「この映像は早回しなんだろうか」と思ってしまう。
(記2007.1.28)
ADAM ROGERS
APPARITIONS
(Criss Cros Jazz)
Recording:2004.4.26
MUSICIANS / ADAM ROGERS:g , CHRIS POTTER:ts , EDWARD SIMON:p , SCOTT COLLEY:b , CLARENCE PENN:ds
名手 CHRIS POTTER を迎えた力作。残りのメンバーは ART OF THE INVISIBLE と同じで、レギュラー・バンドなのだろうか。全曲がダークなイメージの難解なテーマを持つオリジナル。体調の悪い日には気が滅入りそうで聴けない??だが、統一されたイメージでアルバムを構成するのに成功している。セールス的には期待できなさそうな作品だが、内容は極めてハイレベル。特にアップ・テンポの曲のテーマはギターで演奏するのが大変そうだが、ADAM ROGERS は難なくこなしている。
(記2006.12.29)
WAYNE KRANTZ
SIGNALS
(VME)
MUSICIANS / WAYNE KRANTZ:g , DIN ALIAS:perc , ANTHONY JACKSON:b , CLIFF ALMOND:ds , and others
Recording:1990.5-6
STEELY DAN のツアーにも起用された、知られざる名手。ストラトキャスター系のエレクトリック・ギターでのソロ演奏が中心だが、何と最初は全部ソロだけでアルバムを構成するつもりだったというから恐れ入る。確かに、コードワークを巧みに用いたソロ演奏はユニーク。ANTHONY JACKSON と CLIFF ALMOND を加えた豪華なメンツでのライブ演奏も追加されている。
(記2006.11.10)
GARY BURTON QUARTET
IN CONCERT
(BMG)
MUSICIANS / GARY BURTON:vo , LARRY CORYELL:g , STEVE SWALLOW:b , BOB MOSES:ds
Recording:1968.2.23
6月2日に見た GARY BURTON の公演で聴かれたEフラットのブルースが "BLUE COMEDY" という曲かどうかが気になって、ついついゲットしてしまった。60年代終盤の雰囲気が漂いまくってはいるが、時代に左右されない普遍的な演奏でもある。先日の PAT METHENY が入ったライブ演奏も凄かったが、LARRY CORYELL の入ったオリジナルのバンドには原初的なエネルギーが満ち溢れている。"BLUE COMEDY" の他の曲も興味深い。ピアノレスでギター入りという余裕のある音空間で、メンバーが自由なインプロビゼーションを展開。STEVE SWALLOW はウッド・ベースを演奏。ここでの LARRY CORYELL は、当時のギタリストに衝撃を与えた圧倒的なテクニックを武器に、斬新でクリエイティブなプレーを見せる。
(記2006.6.6)
ROBATA GAMBARINI
EASY TO LOVE
(55 RECORDS)
MUSICIANS / ROBATA GAMBARINI:vo , TAMIR HENDELMAN:p , JOHN CLAYTON:b , CHUCK BERGHOFER:b , WILLIE JONES V:ds , JOE LA BARBERA:ds , JAMES MOODY:ts , GERALD CLAYTON:p
Recording:2004.6.18-19
ジャンルを問わず歌モノをあまり聴かない筆者さえついついCDを買ってしまったほど素晴らしい(?)ジャズ・ボーカリスト、ROBATA GAMBARINI 。高低どの音程でも安定した歌いぶりで、安心して聴ける。ボーカルを前面に押し出して、曲数も14曲と大サービスだが、もう少し演奏の比重を増やしてもよいと思うのは筆者だけか。
(記2006.4.13)
MARTIJN VAN ITERSON
THE WHOLE BUNCH
(55 RECORDS)
MUSICIANS / MARTIJN VAN ITERSON:g , KAREL BOEHLEE:p , FRANS VAN GEEST:b , MARTIJN VINK:ds
Recording:2004.4.26-7 , 2005.8.29
JESSE VAN RULLER に続いてオランダから現れた非常に優れたギタリスト、マタイン・ヴァン・イターソン。Gibson ES-125 を駆使したプレー、ハコの鳴りを生かしたトラディショナルなジャズ・ギターのサウンド。フレーズも、ややエキセントリックな JESSE VAN RULLER よりもオーソドックス。楽曲も非常に素晴らしく、オリジナルにありがちなとっつき難さとは無縁の聴き易いもので、CDも通して聴ける。それにしても、共演者も含めて、オランダのミュージシャンというのはレベルが高い。
(記2006.4.8)
EARTH WIND&FIRE
THAT'S THE WAY OF THE WORLD:ALIVE IN '75
(SONY RECORDSS)
MUSICIANS / MAURICE WHITE:vo,perc , VERDINE WHITE:b , PHILIP BAILEY:vo,perc , AL McKEY:g , RAMSEY LEWIS:key , and others
あの傑作 "GRATITUDE" と同時期のライブ、メンバーは同じだと思われる(FRED WHITE のクレジットがないが?)。"SUN GODDESS" で RAMSEY LEWIS のゲスト参加があるのが喜ばしい。MAURICE WHITE と PHILIP BAILEY のボーカルが、実に若々しい。バンドのサウンドが "GRATITUDE" とほぼ同じで、ライブ・バンドとして演奏が安定していた事を証明している。ヒット曲を畳み掛けるように聴かせており、アルバムのノリとしては "GRATITUDE" を上回る。"GRATITUDE" になかった "THAT'S THE WAY OF THE WORLD" も収録されている。
(記2006.4.8)
RANDY BRECKER w/ MICHAEL BRECKER
SOME SKUNK FUNK
(BHM)
MUSICIANS / RANDY BREACER:tp , MICHAEL BRECKER:ts , JIM BEARD:p,syn , WILL LEE:b , PETER ERSKIN:ds , MARCIO DOCTOR:perc , THE WDR BIG BAND KOLN
Recording:2003.11.11
BRECKER BROTHERS の複雑なハーモニー構造を持つレパートリーをビッグ・バンドの編成でアレンジすると、素晴らしい結果になるのではないか?夢とも言えるこの願望が、遂に実現された。しかも、演奏するのは BRCKER BROTHERS の本人達。"SOME SKUNK FUNK" , "STRAP-HANGIN'" , "SONG FOR BARRY" といったヒット曲の出来は勿論素晴らしい。注目は "SPONGE" で、オリジナルではソロ部分のコード進行はテーマとは別のシンプルなものだったが、ここではテーマの複雑な進行をそのまま用いている。RANDY と MICHAEL は、そんなものはどちらでも同じことだと言わんばかりにバリバリと演っている。リズム・セクションの人選は最高、特に PETER ERSKIN のドラミングとサウンドが素晴らしい。
(記2005.12.23)
ADAM ROGERS QUARTET
ART OF THE INVISIBLE
(Criss Cros Jazz)
MUSICIANS / ADAM ROGERS:g , EDWARD SIMON:p , SCOTT COLLEY:b , CLARENCE PENN:ds
MICHAEL BRECKER などのアルバムで名前を見かけたギタリスト、ADAM ROGERS 。地味なサウンドながら的確なプレイと内容のあるソロで少し気になっていたが、この初リーダー作の内容がこれほどとは思わなかった。カバーの写真を見るとセミ・アコを弾いており、ギターのサウンドは PAT METHENY に似ており、より一層地味。アコースティックも演奏。テクニックは超一流で、早く複雑なフレーズを全く淀みなく弾き切る。注目すべきはオリジナルの楽曲、際どいシンコペーションを多様した無機的でユニークなメロディー・ラインが意表を突く。難解な楽曲に見事に追従するバンドのメンバーの力量も見事。大スターになる気配は感じられないが、今後のリーダー作や参加するセッションには要注意。
(記2005.8.30)
DAVE WECKL BAND
MUTIPLICITY
(stretch records)
MUSICIANS / DAVE WECKL:ds , STEVE WEINGART:key , TOM KENNEDY:b , GARY MEEK:sax
ADDITIONAL MUSICIANS / RIC FIERABRACCI:b , PAUL PESCO:g , RICHIE GAJATE GARCIA:perc
フュージョン系ジャズ・バンドとしては老舗となりつつある DAVE WECKL のリーダー・バンドの新作。作曲面では、やはり STEVE WEINGART が無類の個性を発揮。DAVE WECKL と GARY MEEK とのチームで、これまでより更に入念に仕上げられた楽曲の完成度が高い。アルバムを通して一貫したコンセプトを感じさせる。各メンバーのアドリブも、勿論凄い。
(記2005.7.29)
LEE RITENOUR WITH SPECIAL GUESTS
LIVE IN MONTREAL
(UNIVERSAL)
(DVD)
MUSICIANS / LEE RITENOUR:g , DAVID BENOIT:key , DON GRUSIN:key , ERNIE WATTS:ts , DAVE VALENTIN:fl , ABRAHAM LABORIEL:b , GARY NOVAK:ds
1991.7
ドラムスに GARY NOVAK が参加していたので即ゲット。シャープかつ安定したドラミングが良く、バンドのサウンドの構築に多大な貢献をしている。"24th Street Blues" と "Uptown" のジャズのナンバーが、アルバム "Stolen Moments" から曲。LEE RITENOUR は、いつもの変わらないマイ・ペース。"Rio Funk" では、例によって ABRAHAM LABORIEL のベースの至芸が拝める。
(記2005.1.29)
LENNIE TRISTANO
THE COPENHAGEN CONCERT
(STORYVILLE FILMS)
(DVD)
MUSICIANS / LENNIE TRISTANO:p
1965.10.31
BILL EVANS などにも多大な影響を及ぼした偉大なピアニスト、LENNIE TRISTANO のソロ・コンサートを収録した映像。"Darn That Dream" や "Lullabay of the Leaves" などのスタンダード・ナンバーを、ハーモニーの実験でも行うかのように、ドライに弾いていく。情緒感を排除しているかのようなドライな演奏が演奏者の孤独さを浮き彫りにさせ、逆にそれが情緒感を煽っているかのような、何ともシュールな世界観。LENNIE TRISTANO は典型的なビ・バップのフレーズを避けようとしていたと思われている。だが、8分音符のフレーズのノリなどは、今日的な我々の耳からしてみると、彼は明らかにビ・バップ世代に属しているミュージシャンである。
(記2005.1.29)
STEPS AHEAD
IN EUROPE
(idem)
(DVD)
MUSICIANS / MICHAEL BRECKER:ts , MIKE MAINIERI:vib , ELIANE ELIAS:p , EDDIE GOMEZ:b , PETER EARSKIN:ds
1983.4.1
1983年リリースされたアルバムと同じメンバーで、ストックホルムで収録された映像。メンバーがメンバーだけに、演奏は超強力。美術館の前で行われたライブ映像(観客ナシ??)だが、スタジオ盤と比較しても演奏のクオリティが全く落ちないのが凄い。MICHAEL BRECKER と MIKE MAINIERI のアドリブは冴え、EDDIE GOMEZ と PETER EARSKIN のコンビネーションも最高。ELIANE ELIAS の非常に丁寧なタッチも良い。楽曲もアルバムからのものだが、名曲 "SARA'S TOUCH" も加えられている。
この時期の STEPS AHEAD は、ウッド・ベースの EDDIE GOMEZ を加えた編成で、サウンドもアコースティック・ジャズである。だが、楽曲はいわゆるスタンダード・ナンバーとは一線を画した、複雑な構成を持っている。この手の作品は20年も経過すると古く感じられてしまう事も多いが、ここでの演奏では、当時感じられた斬新さが失われていないのには驚かされる。80年代のジャズも、再評価すべき時期に来ているのかもしれない。
(記2005.1.27)
THE BENOIT - FREEMAN PROJECT 2
(PEAK RECORDS)
MUSICIANS / DAVID BENOIT:p,key , RUSS FREEMAN:g,g.synth , VINNIE COLAIUTA:ds , LUIS CONTE:perc , PETER ERSKIN:ds , and others
DAVID BENOIT と RIPPINGTONGS の RUSS FREEMAN による、スムース・ジャズのコラボレーション。アメリカ西海岸的なメロディアスなテーマと、それに呼応するアドリブで構成された楽曲は、喫茶店や六本木のバーでのバックグラウンド・ミュージックに最適?だが、楽曲は全て緻密に構成され、入念にレコーディングされ、高いレベルをキープしている。VINNIE COLAIUTA まで参加しているが、地味な仕事に徹している。
(記2005.1.23)
AVISHAI COHEN
LYLA
(RAZDAZ RECORDZ)
MUSICIANS / AVISHAI COHEN : b,p,key,vo , DIEGO URCOLA : tp , YAGIL BARAS : b , CHICK COREA : p , and others
CHICK COREA の NEW TRIO の強力ベーシスト、AVISHAI COHEN のリーダー作。CHICK COREA とのデュオで"ETENAL CHILD"を再演しているので入手したが、それ以外の楽曲が極めてユニークで素晴らしい事に気付いた。COHEN はアコースティック・ベースだけでなく、エレクトリック・ベースやキーボードやボーカルまで手がけ、何とピアノ・ソロも一曲手がけている。ピアノのプレイも素晴らしく、ベースでのプレイのように、とてもリズミックで独自のカラーを持っている。自分の音楽を表現する為にこのアルバムを制作する方法として、それぞれの曲で自分の担当楽器を特定していない。自分で自分の楽曲を歌ってしまうというのも、ジャズ・ミュージシャンとしてはユニークな感性である。確かにジャズ・アルバムではあるのだが、アドリブの印象があまり残らないのも不思議。個人的には非常に好みで、一度聴いてもらいたい作品だが、この感性を共有出来るリスナーは少ない気もする。
(記2003.12.7)
DAVE WECKL BAND
LIVE -and very plugged in-
(stretch records)
MUSICIANS / DAVE WECKL:ds , STEVE WEINGART:key , TOM KENNEDY:b , GARY MEEK:sax , and others
DAVE WECKL の最新のバンドによるライブ。WECKL のドラムのプレイぶりは以前と比較して大きく変化している。以前は、Chick Corea Elektric Band で代表された、超絶テクニックを主体としたダイナミックなプレイであった。だが、現在もテクニカルではあるが、楽器のサウンドの陰影の強調とポリリズムの限りないバリエーションの披瀝へと志向が移っており、一層独自色の強い前人未踏のドラミングの境地へ向かっているようである。STEVE WEINGART のキーボード・プレイは、リズムはシャープ、タッチが正確でミス・が少なく、アドリブ・ラインにオリジナリティがあり、マルチ・キーボードでのプレイも素晴らしく、非常に知性を感じさせる。ライブならではのダイナミックな演奏と一言で片付ければすれまでだが、演奏のクオリティが高く、バンドが完全に一体化していると同時に各メンバーの演奏上のオリジナリティも十分に発揮されている。
(記2003.12.7)
上原ひろみ
ANOTHER MIND
(TELARC)
MUSICIANS / HIROMI UEHARA : p,key , MITCH COHN : b , DAVE DiCENSO : ds , ANTHONY JACKSON : b , and others
既にメディアにも取り上げられて知名度が急上昇している HIROMI UEHARA 。やはり、誰がどのように聴いても凄いものは凄いのか。初めて聴いた時点では情報量が極めて少なく、大変な新人が現れてもんだと、ただひたすら驚いていた。筆者のバンドのベーシストの勧めが無かったら、日本人の女性ピアニストなどと下手な先入観から、未だに聴いていなかったであろう。兎に角、CDの最後まで全曲を何度聴いても聞き飽きないというのは大変な事だ。レギュラーのトリオでのリーダー・シップも見事なものである。願わくば、急激なメディアの露出に起因する諸々の悪影響を受けて、純粋で高度な音楽性に陰りを見せないで欲しいところである。何としても、今後も素晴らしい作品やパフォーマンスを披露して欲しい。
(記2003.12.7)
MICHAEL BRECKER QUINDECTET
(VERVE)
MUSICIANS / MICHAEL BRECKER : ts , JOHN PATITUCCI : b , ANTONIO SANCHEZ : ds , ADAM ROGERS : g , ALEX "SASHA" SIPIAGIN : tp , ROBIN EUBANKS : tb , and others
ホーンに、バイオリンやチェロを加えた15人編成のバンドによる大作。ほとんどの楽曲を MICHAEL BRECKER 自身が手掛ける。アレンジャーは、キーボード奏者の GIL GOLDSTEIN であるが、演奏はしていない。楽曲はいつもの BRECKER サウンドではあるが、特異なバンド編成での綴れ折りの様なカラフルな演奏であり、極めて斬新なイメージを聴き手に与える。MICHAEL BRECKER が偉大なミュージシャンである事は周知の事実であるが、このスケールの大きな作品で、偉大さのスケールを更にアップさせた感がある。
(記2003.9.14)
WEATHER REPORT
LIVE & UNRELEASED
(COLUNBIA/LEGACY)
WEATHER REPORT の未発表ライブ
MUSICIANS / WAYNE SHORTER : ss,ts , JOSEF ZAWINUL : key , JACO PASTORIUS : b , PETER ERSKINE : ds , ALPHONSO JOHNSON : b , OMAR HAKIM : ds , and others
筆者が WEATHER REPORT をCDで購入するのは、何と今回が初めてである。所有するのはアナログ・レコードで、ここ暫くは WEATHER REPORT 聴いていなかった。当時は斬新だった WEATHER REPORT がもたらした、バンド全体がインプロビゼーションしながら曲を進行させる方法論も、既に過去のものになったと思っていたが、完全な思い違いである事を思い知らされた。最も初期の MIROSLAV VITOUS (b) 在籍の時期はないが、ALPHONSO JOHNSON 加入以降の各時期の、最高のライブ演奏が収録されている。彼らは、やはり時代を超越して偉大であったのだ。曲順は、演奏時期の順番ではなくランダムになっているが、特に違和感はない。サウンドのコンセプトが一貫しているのが分かる。核になっているのが JOSEF ZAWINUL のキーボードのサウンド、そして欠かせないのが WAYNE SHORTER の圧倒的な存在感である。JACO PASTORIUS (b)、ALEX ACUNA (ds)、MANOLO BADRENA (perc) が在籍した演奏には、やはり全盛時の勢いが感じられる。"TEEN TOWN" での WAYNE SHORTER の凄みには目を見張らされる。"PORTRAIT OF TRACY" は JACO のソロだが、ライブならではの即興性と、どこから出てくるのか本当に不思議な尽きる事の無い創造性、ついつい収録してしまった選曲担当者の選択には納得させられる。OMAR HAKIM が在籍した最後期の演奏も、予想以上に凄い。一新されたリズム・セクションのパワーが、楽曲の難易度を超えてオーディエンスにダイレクトに伝わっている。このメンバーでのライブは1983年だから、20年前。年月の経過を全く感じさせない。このアルバムの出来なら、各時代の演奏をそれぞれ2枚組で出しても許される。"BIRDLAND"を削らなくとも済む。
(記2003.1.22)
DENNIS CHAMBERS
OUTBREAK
(ESC/EFA)
MUSICIANS / DENNIS CHAMBERS : ds , MICHAEL BRECKER : ts , RANDY BREACKER : tp , JOHN SCOFIELD : g , GARY WILLIS : b , and others
シンプルなファンク・ビートをキープし続ける、DENNIS CHAMBERS 。超人的なテクニックを披瀝するのは控えられており、音数は予想されるよりも少ないが、ハッとするようなクリーンなシンバルとスネアのサウンドに、徹底的に主張が込められている。だが、単なるシンプルなグルーブを聴かせるだけのアルバムではない。ソロを繰り出すのが、MICHAEL BRECKER や JOHN SCOFIELD といった、各楽器の名人なのである。
(記2003.1.15)
THE RIPPINGTONGS featuring RUSS FREEMAN / LIVE ACROSS AMERICA (PEAK RECORDS) |
MUSICIANS / RUSS FREEMAN : g , KIM STONE : b , and others
● アメリカ西海岸的なフュージョン・サウンドを延々といつまでも保ち続ける THE RIPPINGTONGS の、2作目のライブ。音の良さも相変わらず抜群に良く、ライブとは思えない。硬派なジャズのスリルとは、また異なった音楽世界。
(記2002.3.24)
LED ZEPPELION / THE SONG REMAINS THE SAME (1976, WARNER HOME VIDEO)
(DVD)
安かったので、つい買ってしまったツェッペリンの映像。当時のロック・バンドのサウンドとしては、やはり群を抜いて洗練されている。演奏自体に関しても、ナゼこんな事が可能か?!と驚く部分もある。ジミー・ペイジの12ギターのテクニック、ジョン・ボーナムのスティック・ワークなど。しかし何と言っても、ロバート・プラントは凄い。メンバーのファッションも、ハードロックの定番とすら言えるある意味での普遍性を持っており、あまり古臭く感じない。
(記2001.7.5)
FRANK ZAPPA / ZAPPA IN NEW YORK (1977, RYLODISK)
MUSICIANS
/ FRANK ZAPPA : g,vo
, RAY WHITE : g,vo
, EDDIE JOBSON : key,violin,vo
, PATRICK O'HEARM : b,vo
, TERRY BOZZIO : ds
, RUTH UNDERWOOD : per,syn,others
, DON PARDO : narration
, DAVID SAMUELS : tinmpani,vibes
, RANDY BRECKER : tp
, MIKE BRECKER : ts,fl
, LOU MARINI : as,fl
, RONNIE CUBER : bs,cl
, TOM MALONE : tr,tp,piccolo
やっと入手できた。難解で複雑な構成の曲に、FRANK ZAPPA のテクニカルなロック・ギターと、健全な婦女子にはとても紹介できない歌詞(モチロン笑える)が、フューチャーされている。ご丁寧に、完全な日本語の訳詞も添付されている。
(記2001.5.26)
DEAN BROWN / HERE (2001, VICTOR)
MUSICIANS / DEAN BROWN : g , MARCUS MILLER : b , DAVID SANBORN : as , JAMES GENUS : b , and others
BRECKER BROTHERS にも参加した、フュージョン系セッション・ギタリスト、DEAN BROWN の、遅すぎた初リーダー作。レコーディングされたバンドの音は、非常に良い。セッションをベースにしたと思われる、シンプルな曲が多い。
(記2001.2.26)
A LOVE AFFAIR = THE MUSIC OF IVAN LINS (2000, TELARC)
MUSICIANS / STING : vo , VANESSA WILLIAMS : vo , CHAKA KHAN : vo , DEAN BROWN : g , WILL LEE : b , VINNIE COLAIUTA : ds , IVAN LINS : vo,key , and others
IVAN LINS へのトリビュート。本人も登場。MICHEAL BRECKER のソロなども聞ける。
(記2001.1.2)
DAVE WECKL BAND / TRANSITION(2000, STRETCH RECORDS)
MUSICIANS / BRANDON FIELDS : sax, alto fl , STEVE WEINGART : key , TOM KENNEDY : b , DAVE WECKL : ds
1990年の"MASTER PLAN"では、ハイパー・ラテン的な超絶プレイで、ドラムスで可能な音楽表現の領域を、大きく広げた。1998年の"RHYTHM OF THE SOUL"では一転、ルーズなR&B的なバンド・サウンドによる、音楽性の転換を見せた。2000年、DAVE WECKL は更に新しい音楽的発展を見せる事となった。
1990年の初リーダー作以来の作曲のパートナーである、キーボード奏者の JAY OLIVER とのコンビを解消。新たに迎えたキーボード奏者の STEVE WEINGART とのコラボレーションが、このCDのコンセプトに。STEVE WEINGART の楽曲はユニーク。フェンダー・ローズのサウンドを核に、派手ではないが鋭い感覚のインプロビゼーションを展開。
前作では、往年の名セッション・ギタリストの BAZZ FEITEN が、レトロ的とも言えるブルージーな味を出していたが、今回はギターなしの SAX カルテット。このメンバーで、ライブ活動を行なうのだろうか?是非、見てみたいところ。
(記2000.11.23)
BILL EVANS / TRIO T&U (1965, VAP)
(DVD)
MUSICIANS / BILL EVANS : p , CHUCK ISRAELS : b , LARRY BUNKER : ds
1965年の、TV番組(JAZZ 625)用の収録の映像。淡々と演奏するトリオのハイレベルさに、目は完全に釘付けになる。このメンバーでは2年を経過しており、コンビネーションは完璧。トリオにこだわった BILL EVANS の1965年は、キャリアの中でも一つの頂点を造ったと思う。BILL と CHUCK は、定評を得ているが、LARRY BUNKER の至芸、特にブラシ・ワークは見逃せない。
(記2000.9.2)
渡辺香津美 / TO CHI KA (BETTER DAYS)
MUSICIANS / 渡辺香津美 : g , MICHAEL BRECKER : ts , and others
MIKE MAINIERI のプロデュースによる、1980年の懐かしの旧譜だが、香津美の作曲とプレイは、今聞いても驚異。
(記2000.8.27)
STEELY DAN / シークレット・ライブ・イン・NY (2000, Colombia)
(DVD)
MUSICIANS / DONALD FAGEN : vo ・ key , WALTER BECKER : g , and others
今のバンド、なかなか良い。BAD SNEEKERS や FM など、古い曲も演奏。日本公演を見そこなった筆者は、感銘を受けた。
(記2000.6)
MICHEL CAMILO & TOMATITO / SPAIN (2000, LOLA RECORDS)
MUSICIANS / MICHEL CAMILO : p , TOMATITO : g
驚異のラテン・ジャズ・ピアニストと、フラメンコ・ギターのトマティート(この人を全然知りませんでした)、素晴らしいブレンド。"SPAIN"や"BESAME MUCHO"を弾きマクっている。
(記2000.4)
STEELY DAN / TWO AGAINST NATURE (2000, GIANT)
MUSICIANS / DONALD FAGEN : vo ・ key , WALTER BECKER : g ・ b , and others
スタジオ録音の新譜としては、約20年ぶりという事になる。時代・音楽環境は大きく変化したし、"前作"との単純な比較も出来ないが、音楽的アイディアに満ちていることに間違いはない。
(記2000.3)
おすすめCD等
DAVE GRUSIN AND THE N.Y./L.A. DREAM BAND (1988 GRP)
( CD / VIDEO ) ( DAVE GRUSIN AND DREAM ORCHESTRA LIVE AT BUDOKAN = JVC ) |
MUSICIANS / DAVE GRUSIN:p,key , LEE RITENOUR:g , ERIC GALE:g , STEVE GADD:ds , ANTHONY JACKSON:b , DON GRUSIN:key , TIGER OKOSHI:tp , GEORGE YOUNG:sax , RUBENS BASSINI:perc , and others
● 1982年7月7日に行われた、DAVE GRUSIN のスペシャル・オーケストラのコンサートを収録。
(記2002.3.27)
KENNY BURRELL / AT THE FIVE SPOT CAFE (1959.8.25 BLUE NOTE) ● ジャズ・ギタリスト KENNY BURRELL のライブ |
MUSICIANS / TINA BROOKS : ts , KENNY BURRELL : g , BOBBY TIMMONS : p , ROLAND HANNA : p , BEN TUCKER : b , ART BLALEY : ds
● KENNY BURRELL は、特に1950年代の演奏で、アドリブ・フレーズが非常に素晴らしい。どのフレーズも、それぞれの場面で非常に有効な、ムダの無いフレーズに聞こえる。この時代のジャズ・ギタリストとしては、非常に洗練されたテクニックを持っている。控え目なギターのサウンドと相俟って、ジャズ・ギターの最も良い面を見せてくれている。
● テナー・サックスの TINA BROOKS は、ブルー・ノート・レーベルのファンにとってはお馴染みの、渋好みのプレーヤー。淡々と、しかも、うねるようなドライブ感のあるフレーズを綴って行く。テーマ部での、KENNY BURRELL とのユニゾンも好ましいサウンド。ドラムスには、ART BLALEY 。ジャズ・メッセンジャーズのメンバー、ピアノの BOBBY TIMMONS も加わり、いつも通りにファンキーに攻めるが、KENNY BURRELL がリーダーであると、ファンキー度が薄くなるように聞こえるのが不思議。
● ピアノの ROLAND HANNA が参加するトラック、"HALLELUJAH"は、当時としては冒険的な曲の解釈であるかもしれない。
(記2002.3.27)
ALLAN HOLDSWORTH / ROAD GAMES (1983 WARNER BROS.)
● ロック/フュージョン系ギタリスト HOLDSWORTH の最高作 |
MUSICIANS / ALLAN HOLDSWORTH : g , JEFF BERLIN : b , CHAD WACKERMAN : ds , JACK BRUCE : vo , PAUL WILLIAMS : vo , and others
● 1982年に発表された ALLAN HOLDSWORTH の"i.o.u"は、ギタリストに非常なショックと影響を与えた。既に ALLAN HOLDSWORTH はロック・シーンで、流麗なフレーズを弾くテクニシャンとして認知はされていた。ロック・バンドの UK や GONG でのプレイは素晴らしい。だが、ALLAN HOLDSWORTH のプレイは、"i.o.u"で完成した。ギター、ベース、ドラムス、ボーカルというシンプルな編成だが、その音楽はかつて聞いた事のない驚きに満ちたものであった。
● ALLAN HOLDSWORTH の音楽を語ろうとすると、ナゼか箇条書きになってしまう。それは、彼のプレイの特徴が、見て聞けばすぐ分かり、分析が可能なものだからである。理解は出来るがしかし、プレイと音楽の質の面で、常人には到達不可能な境地に達しているのが彼のプレイである。そのキャリアの作品的頂点をなすのが"i.o.u"と、作品のコンセプトとしてはその延長線上にある"ROAD GAMES"であると言える。共演者の JEFF BERLIN と CHAD WACKERMAN も最高で、このメンバーでのライブが見てみたい。
(1) 長い指駆使した、流麗なライン
"ライト・ハンド"奏法というのは、ピックを持つ方の指を駆使して、指板を抑える指だけでは不可能は音程のラインを弾く奏法である。HOLDSWORTH は指が長く、左手だけで複雑で独自のラインを作る。HOLDSWORTH はバイオリンも演奏し、ここからアイディアを得ている様である。
(2) 流麗なピックング
左手の驚異だけに眼が行くが、ピッキングも非常がスムース。ブルース的な荒いピッキングは、全く出て来ない。ハンマリング・オンからフレーズがスタートする場合もあり、ピッキングのパターンそのものも独自の発想で行なわれていると思われる。
(3) 独自のアーム・プレイ
ストラトキャスターなどに装填されているビブラート・アームは、ロック界ではどちらかと言えば、ダイナミックに音程をダウンさせる為に使用されていた。HOLDSWORTH は主に、指でのビブラートの替わりにアームを使用している。これも余りにも絶妙で、他の追随を
許さないものがある。
(4) 複雑なボイシング
長い指を駆使し、常人では不可能な密集和音を作る。
(5) 独自のサウンド・メイキング
ディストーション・サウンドも、過度の歪みを避けて流麗。ナチュラル・トーンによるコード・サウンドも、ハーモナイザー等を使用し、広がりを強調している。特に、スイッチングによるサウンド・カラーの素早い切り替えが、余りにも見事。
(6) テクニックを駆使したコンポージング
ピアノ・レスで、HOLDSWORTH のギター・テクニックを全て駆使し、独自色の極めて強い、印象深い楽曲を作る。
● HOLDSWORTH の当時の影響力は絶大で、キャリアのあるプロのギタリストのコピーが目立った。
● "i.o.u"は、そのサウンドの完成度の高さにも関わらず、コマーシャル性が無く、一般的な知名度も低かった為、マイナー・レーベルからリリースされざるを得なかった。"ROAD GAMES"は、WARNER BROS.というメジャー・レーベルからのリリースで、EXECUTIVE PRODUCER に TED TEMPLEMEN を迎えているので、サウンドのクオリティも高い。
(記2002.1.5)
KEITH JARRETT / STANDARDS, VOL.1 (1985 ECM)
● ピアノ・トリオによる圧倒的なプレイ |
MUSICIANS / KEITH JARRETT : p , GARY PEACOCK : b , JACK DeJOHNETTE : ds
● MILES DAVIS には "天才になった気分はどうだ?"ときかれ、クラシック・ピアニストには "彼はピアノが弾ける" と賞賛される程、ピアニストとしての才能があるとされる KEITH JARRETT 。彼のジャズ・ピアノも確かに素晴らしい。KEITH の音楽的なバック・グラウンドや影響を受けたピアニストに関しては知識があまり無いが、そのジャズ・ピアノは、驚くほど独自色が強いように思う。特定のピアニストをコピーしてスタイルを作り上げたというよりは、ジャズに対する感性そのものをインプロビゼーション化したかの如く。
● このスタンダーズ名義のトリオとして、ECM での最初のスタジオ・レコーディング以降、何枚もアルバムをリリースしているが、この"VOL.1"が一番好みに合う(全ての作品を聴いているワケではありませんが)。スタンダード・ナンバーを素材として取り上げているが、アプローチそのものが"ぶっ飛んで"おり、信じられないほど高度なレベルにあるように思う。和声の取り方は通常のものだが、左手はバップ的なコンビングのスタイルは取らない。湯水の如く涌き出て来る右手によるフレーズが、左手を完全にリードしている。5度7thでのオルタード・テンションを強調したアルペジオ分解のフレーズを強調する事はない。モダンでメカニカルなモード的フレーズも、現れて来るワケではない。だが、このように現代ジャズ・ピアノの基本とも言うべきボキャブラリーから一歩離れている事が、逆に新鮮さを生んでいる。アドリブ時に右手と左手のコンビネーションを活かしているケースでは、クラシックの影響が出ているかもしれない(クラシックの奏法に精通していないので詳しくは分からない)。
● 一般的なスイング感とは異なるが、やはりユニークな方法で十分にスイングしているようである。変則的な JACK DeJOHNETTE のドラミングの上でも、リズムをキープしている。
● "Meaning Of The Blues" のエンディングが興味深い。KEITH のインプロビゼーションの独自性が強く出ていると思う。"God Bless The Child" でのシンプルな音の使い方は、60年代のフォーク・ロックと言おうか、KEITH のバック・グラウンドの広さが伺える。
(記2001.9.26)
NEW YORK VOICES / THEARTS OF FIRE (1991, GRP)
現在は4声のボーカル・グループの NEW YORK VOICES だが、当時は男2人に女3人の5声で、脳天を突き抜ける密集和音が強烈だった。EARTH,WIND&FIRE の "THAT'S THE WAY OF THE WORLD"、JOHN COLTRANE の "GIANT STEPS"等が、
素晴らしい。
(記2001.9.2)
DAVE GRUSIN / THE GERSHWIN CONNECTION (1991, GRP)
MUSICIANS / DAVE GRUSIN : key , JOHN PATITUCCI : b , DAVE WECKL : ds , and others
DAVE GRUSIN、入魂の一作。IRA & GEORGE GERSHWIN へのトリビュート。優れたピアニストでもある DAVE GRUSIN が、生ピアノのサウンドを核に、様々なミュージシャンを配置し、アレンジの技巧を駆使し、内面的ともいえる音楽観を表出している。
(記2000.11.25)
DAVE HOLLAND TRIO / TRIPLICATE (1988, ECM)
MUSICIANS / DAVE HOLLAND : bs , STEVE COLEMAN : as , JACK DEJOHNETTE : ds
ピアノレスのトリオ。主役はベースだが、各楽器のサウンドをリアルに聞かせる。
(記2000.11.25)
STEVE KHAN / PUBLIC ACCESS (1990, GRP)
MUSICIANS / STEVE KHAN : g , ANTHONY JACKSON : b , DAVE WECKL : ds , MANOLO BADRENA : perc,vo
異色のユニット、"EYEWITNESS"の再演と言うべき作品。実験色の濃い、独自の音楽空間。
(記2000.11.25)
MARVIN "SMITTY" SMITH / KEEPER OF THE DRUMS (1987, CONCORD JAZZ)
MUSICIANS / MARVIN "SMITTY" SMITH : ds , STEVE COLEMA : as,ss , ROBIN EUBANKS : tb , MULGREW MILLER : p , RALPH MOORE : ts , LONNIE PLAXICO : b , WALLACE RONEY : tp
超絶テクのドラマー、MARVIN "SMITTY" SMITH は、作曲もこなす。しかも、4管のアレンジ。
(記2000.11.25)
DAVE SAMUELS / NATURAL SELECTION (1991, GRP)
MUSICIANS / DAVE SAMUELS : vib,marimba , RUSSELL FERRANTE : key , JIMMY HASLIP : b , WILLIAM KENNEDY : ds , and others
SPYRO GYRA の(現在は"元")、DAVE SAMUELS が、YELLOW JACKETS のメンバーをバックに作った、リーダー作。タイトル通り"NATURAL"で、SPYRO GYRA に通じるものも感じる。
作曲ぶりは、見事。
(記2000.11.23)
BILL CONNORS / STEP IT (1984, EVIDENCE)
MUSICIANS / BILL CONNORS : g , TOM KENNEDY : b , DAVE WECKL : ds
CHICK COREA の RETURN TO FOREVER の"初代ギタリスト"だが、ここでのプレイは驚くほど、ALLAN HOLDSWORTH に似ている。キャリアのあるギタリストが、ここまで他のギタリストのプレイをコピーするものだろうか?DAVE WECKL の初期のプレイが、聞ける。
(記2000.11.23)
EDDIE DANIELS / NEPENTHE (1990, GRP)
MUSICIANS / EDDIE DANIELS : cl , CHUCK LOEB : g ,
JOHN PATITUCCI : b , DAVE WECKL : ds , ( ADAM NUSSBAUM : ds , )
SAMMY FIGUEROA : perc
クラリネットの EDDIE DANIELS が、コンテンポラリー・ジャズに果敢に挑戦する。しかも、キーボード・レス。ギターの CHUCK LOEB は、参加するセッションの質を上昇させる。
MICHEL CAMILO / ONE MORE ONCE (1994, EPIC/SONY)
MUSICIANS / MICHEL CAMILO : p , ANTHONY JACKSON : b ,
CLIFF ALMOND : ds , JOH FADDIS : tp , PAQUITO D'RIVERA : as , and others
MICHEL CAMILO が、過去の自分のコンポジションに、ビッグ・バンドアレンジを施し、強烈なラテン・ピアノのフレーズを、ホーンに容赦なく移し替えた。"SUITE SANDRINE, PART V" "WHY NOT !" が秀逸。
DIANNA KRALL / ALL FOR YOU (1996, IMPULS)
MUSICIANS / DIANNA KRALL : p.vo , RUSSELL MALONE : g , PAUL KELLER : b , and others
"A Dedication to the Nat King Cole Trio" 。DIANNA KRALL を中心としたユニットのコンビネーションは、完璧。ギターの RUSSELL MALONE は、硬派ジャズ・ギターの俊英。
FRIED PRIDE / FRIED PRIDE (2001 , VICTOR)
SHIHO:vo,perc,p , AKIO YOKOTA:g , and others
FMで初めて聴いた時は驚いた。ギターのテクニックは驚異的、ボーカルも日本人とは思えなかった。パーカッション奏者が #2 の知り合いだったのにも、ちょっと驚いた。
(記2007.4.15)
FRIED PRIDE / LIVE IN NEW YORK & TOKYO (VICTOR , DVD)
SHIHO:vo,perc,p , AKIO YOKOTA:g , TAKASHI NAKAZATO:perc
Recording:2005.8.8(New York) , 2006.11.2(Tokyo)
ギターとボーカルというシンプルな編成ながら、インパクトの強烈なライブ・パフォーマンスを繰り広げる FRIED PRIDE 。そのパフォーマンスが収録された有難い DVD がリリースされた。AKIO YOKOTA の神業的ギター・プレーが拝める。
(記2007.4.15)