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THE HARVEY MASON TRIO
COTTON CLUB
2008.3.3 19:00 (1st set)

PAT MARTINO:g
TONY MONACO:org
HARVEY MASON:ds

● HARVEY MASON がリーダーのオルガン・トリオに PAT MARTINO が参加。誰が考えた企画なのかは知らないが、結果は素晴らしいものとなった。PAT MARTINO の風貌は徐々に仙人の如くに変化して来たが、肝心のギター・プレーは驚くほどに絶好調。ゲットした座席が PAT MARTINO 様の目の前というのもあったが、ギター・フレーズとサウンドを十分に堪能する事が出来た。GIBSON のカスタム・モデル。メサ・ブギーのスピーカーを3台(2台は縦に細長いもの)も設置していた。PAT MARTINO のプレーは限りない回数を聴き、ライブも何度も見たが、繰り出されるアドリブには改めて驚かされた。細かいモチーフを徐々に展開させて未開の領域に次々に侵入するかのような様子は、「多彩なフレーズ」という言葉の単純な意味を遥かに凌駕しており、インプロバイザーとしての力量を思い知らされた。真の実力者のプレーは年齢に関係なく凄く、若手がいくら頑張ってもそう簡単には乗り越えられないという点は、CHICK COREA や MICHAEL BRECKER などと同様に思える。JESSE VAN RULLER も現代ジャズ界を代表する凄いギタリストとなったが、勿論スタイルも違うので簡単には比較出来ないが、今回のような PAT MARTINO と同レベル以上になったとは言い切れない。
● HARVEY MASON の4ビートのプレーは LEE RITENOUR の "STOLEN MOMENTS" 以来、最近のピアノ・トリオでのリーダー作などで聴かれるようになった。2005年にも生で見たが、益々良くなっているように思える。生粋のジャズ・ドラマーとは持ち味が違うが、自分の持ちネタをウマく4ビートに生かしている。今回のオルガン・トリオというは、HARVEY MASON の現在のスタイルにも合っている。TONY MONACO というのは、ハモンド・オルガンの奏法に完璧に熟達した名人であった。ノリ一発で押し切ろうという極めてアメリカ人的なパフォーマンスだが、テクニックも抜群で、ジャズ・オルガンでお馴染みのフレーズを連発させていた。座席からペダルでのベース・プレーが良く見え、以前からどうやっているのかと思っていたので思わず凝視してしまった(「左手でのベース・ラインの時間」と「ペダルの時間」を使い分けているようであった)。左足がああも器用に使えるのかと感心した。

- set list -
◆ 4 on 6
WES MONTGOMERY の名曲。一曲目から PAT MARTINO が絶好調。前回見たのは 2004 年だが、この時よりも好調との印象。アルバム "REMEMBER" でのアドリブと似たフレーズでのスタートだが大きく変化する展開、しかしオクターブ奏法で終る。TONY MONACO も好調、汗だくで対抗(?)。おとといのオーチャードホールでのドラム・ソロは16小節交換だったが、今回は例のベース・パターンをバックにフリーのソロ、この使い分けが極めてジャズ的。
◆ B♭ Blues
PAT MARTINO とオルガンとの関係とは、デビュー時の WILLIS JACKSON のバンドで既に始まっている。その後の PAT MARTINO は、自分のグループでは難解な構造の現代的な楽曲を作曲・演奏するようになるが、メインストリームのジャズ・ギタリストであり続ける事を証明するかのように、他のミュージシャンとのセッションを精力的に消化している。TONY MONACO のようなオルガン・プレーヤーと共演する事によって、音楽的なルーツがどこにあるのかを明らかにしている。止め処もなく続く16分音符の連続。
◆ Sunny
PAT MARTINO の代表的演奏曲がここでも。
◆ Blue in Green
PAT MARTINO による長い無伴奏のソロから始まる。独自のコード展開と、ギターという楽器の特性を生かしての開放弦を駆使した奏法により、特異な世界を作り上げている。テーマに入り、ギター・ソロから後テーマに戻って終了。それにしても、最近は、バラードと言えばこの曲だけ?
◆ These Are Soulful Days
オルガン入りのファンキーなナンバー、DON PATTERSON とレコーディングの後、JOEY DE FRANCESCO とで再演。このセッションを象徴する演奏。
◆ Mac Tough
独特な進行を持つ PAT MARTINO のオリジナル、おとといのオーチャードホールに続いて演奏。速いテンポで、各メンバーのソロで空間が埋め尽くされ、今日は十二分に演奏を堪能したという印象。
(EC)
◆ The Battle Hymn of the Republic
ヨ***カメラのCMソングで有名な曲を、オルガンのテーマでファンキーに演奏。
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