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FRIED PRIDE
とり成
2002.10.25 22:00-

SHIHO : vo , perc / AKIO YOKOTA : g / MEGU : perc
◆ ボーカルとギターの驚異的なコラボレーションを実現しているユニットの FRIED PRIDE が、阿佐ヶ谷ジャズ・ストリートの出演者として、駅周辺にある焼き鳥屋の"とり成"で行なわれるというインフォメーションを発見し、そのパフォーマンスの全貌を間近で堪能できるという千載一遇の幸運を獲得すべく、即刻チケットをゲット。チケット受け取りと下見を兼ねて"とり成"を訪問したのだが、至極普通の焼き鳥屋であったのが非常に不思議であった。この場所で、あの FRIED PRIDE がCDで聴く事のできるハイ・レベルの演奏を繰広げるのだろうか?心配する必要など、全くなかった。ボーカル、ギター、パーカッションという小編成、店内にコジンマリと配置された楽器類を見た段階で既に、違和感は全く消え去っていた。その信じ難いギター・テクニックを拝めるという衝動を押さえる事の出来ない筆者は、奏者に隣接した座席を確保。CDに収録されている至芸を全て確認する事が出来た。
◆ 3人による至高のパフォーマンスは、焼き鳥店という和風の空間を洋風の音楽とは相容れないかと思われた。だが彼らは"とり成"を、ブルーノート東京を凌駕するかのようなライブ・スペースに変化させた。極々少人数の観客とパフォーマーは真の意味で一体となり、観客が奏者を煽り奏者が観客を煽るという、理想的な関係が現出した。マサに音楽の原点、強烈な説得力を持った芸術が、そこには存在した。ジャズのスタンダード・ナンバーを核として、ジャズ以外の曲も効果的に配置された。まず、クラシック、ジャズ、フラメンコなどのギター・テクニックを全て駆使する事の出来る AKIO YOKOTA の演奏能力がある。そのテクニックを存分に生かす、YOKOTA 自身による楽曲のアレンジ。そのアレンジに対して難なく表現力を加味できる、SHIHO の歌唱力。更に、ライブで威力を発揮する、奏者3人の即興能力。ジャンル分けすればジャズに入るのかもしれないが、聞き手としてはジャンル分けする必然性はなく、単にエンジョイすれば良いという事を、彼らの演奏自体が雄弁に物語っていた。
◆ 彼らの知名度は今後更に上昇すると予想される。音楽が、それだけのクオリティを持っている。奏者が望んでも、今回のような客席の少ないライブ会場でパフォーマンスを行なうのは、状況が許さなくなるかもしれない。
- set list -
STREET WALKING WOMAN / CLOSE TO YOU / EVERYTHING HAPPENS TO ME / IT DON'T MEAN A THING / MY FUNNY VALENTINE / 'S WONDERFUL / CALLING YOU / JUNPIN' JACK FLASH / BURNIN' UP THE CARNIVAL / MY ROMANCE / 他