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THE RIPPINGTONS featuring RUSS FREEMAN
ザ・リッピントンズ・フィーチャリング・ラス・フリーマン
COTTON CLUB
2009.10.14 19:00 (1st set)
Russ Freeman : g
Jeff Kashiwa : as,ss,EWI
Bill Heller : key
Rico Belled : b
Dave Karasony : ds
● 結成して24年になる The Rippingtons 、日本でライブ・ハウス・ツアーを挙行!代表曲はもちろん最新作からのナンバーを交え、ジャズ系インスト・バンドとしては異例の10曲(メドレーを1曲として)を演奏。メンバーのソロ・パートを加えた何曲かを除き、ほぼリリースされた音源の通りのアレンジ。バンドとしては完璧にライブ慣れしており、トークも控えめにして(日本でのライブだからかもしれないが)、淀みなく演奏し続けた。「スムース・ジャズ」という呼称が定着する以前から活動しているバンドだが、サウンドはまさにスムースで激烈な表現方法は無く、聴き易いメロディアスな曲が続き、会場はビデオ作品 "Live in L.A." で見られるオーディエンスのように完全に和んでしまっていた。彼らは、と言うか Russ Freeman の楽曲は、24年前でも最新作でも驚くほど作風に変化がなく、聴き続けているファンは、この微妙な変化すら心地よいと思っているのだろう。
● だが、日本ではどのくらい聴かれているのだろうか?このライブのセット・リストをヒット・パレードだと思うオーディエンスは果たしてどのくらいいたのだろう?筆者の感覚からすれば、このバンドの音楽はシリアスという言葉からは余りにも縁遠いところにあり、日本の音楽雑誌には大々的には載らないし、硬派のジャズ・フュージョン・フリークからは敬遠されているだろう。しかし、リリースされるCDの出来に関しては、作風がシリアスかどうかという点から全く別の部分で、偉業と言って良いものがある。タイトなリズムと明確なメロディーを持った The Rippingtons の曲に馴染み、実は恐ろしくテクニカルなこのバンドのライブ演奏を目の当たりにすれば、エンジョイ出来るのは確実なハズである。
● このバンドの全てを仕切るリーダーである Russ Freeman のギター・プレイ、テクニックの面だけ見れば、バーチュオーゾと呼べる域にはない。特に特徴のないサンバーストのストラトキャスターで、チューニング・ロックも無しでアームでビブラートをかけていた。少なくともギターのテクニックで強く観客にアピールするという姿勢は持っておらず、やはりバンド・サウンドとセット・リストで勝負しようとする姿勢が垣間見えた。しかし、ギター・プレイはリズムに乗り切っており、演奏上のミスとういものもほどんど見られないところは、プロ中のプロと言えるものであった。
● サックスの Jeff Kashiwa は、生でもCDでのようなシャープなフレーズとサウンドを聴かせていた。Kashiwa という名は日系っぽいが、残念ながら日本語は話せなかった。
● キーボードの Bill Heller の鍵盤は1台だけ。曲によっては、その1台の上で、右手の方は単音の音源、左手の方はピアノ系の音源と、2〜3台分の役割を持たせているようであった。
● スキン・ヘッドとヘンなアゴヒゲで強面の5弦ベースの Rico Belled は、ややロック的な重低音を聴かせ、以前在籍していた Kim Stone などとは違うタイプだが、現在のバンドのサウンドの核となっており、筆者としては気に入った。
ドラムスの Dave Karasony は、Steve Gadd や Vinnie Colaiuta などの影響が垣間見られるテクニシャンで、バンドのサウンドにアクセントを付けていた。ドラム・セットの左側にはボンゴやティンバレスがセットされており、COTTON CLUB の広いとは言えないステージ上で威力を発揮していた。筆者としてはかなり気に入った。
- set list -
◆ Brave New World
◆ Welcome to the St. James Club
◆ Modern Art
◆ Ballad Medley
◆ Aspen
◆ South Beach Manbo
◆ Santa Fe Trail (ds solo)
◆ Caribbean Breeze
◆ Black Diamond
◆ Jeff の曲
◆ Body Art
(ec)
◆ Tourist in Paradise / Star Spangled Banner / Purple Haze / Fire
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