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STEELY DAN
Billboard Live TOKYO
2007.8.20 21:30- (2nd set)

Donald Fagen ドナルド・フェイゲン - Keyboards and Vocals
Walter Becker ウォルター・ベッカー - Guitar and Vocals

Jon Herington ジョン・ヘリントン - Guitar
Jeff Young ジェフ・ヤング - Keyboards and Backing Vocals
Freddie Washington フレディ・ワシントン - Bass
Keith Carlock キース・カーロック- Drums
Roger Rosenberg ロジャー・ローゼンバーグ - Baritone Sax
Walt Weiskopf ウォルト・エイスコーフ - Alto / Tenor Sax
Michael Leonhart マイケル・レオンハート- Trumpet
Jim Pugh ジム・ピュー - Trombone
Carolyn Leonhart-Escoffery キャロリン・レオンハート・エスコフェリー - Backing Vocals
Cindy Mizelle シンディ・ミゼール - Backing Vocals

◆ Donald Fagen と Walter Becker は、昔はライブ・ツアーに対して積極的ではなかったという。しかし、彼らはミュージシャンであり、ライブ演奏そのものを嫌っていたとは思えない。1970年代では、STEELY DAN というのは数限りなくあったロック・バンドのうちの単なる一つであり、ツアーに付随する音楽演奏以外の雑事やトラブルの量は、伝説的なアーティストとして VIP 待遇を享受しながらツアーする現在とは比較にならないくらい沢山あったろう。それよりも何よりも1970年代は、STEELY DAN 名義の、他の誰も作る事が出来ない人類の遺産とするべき楽曲の数々を、スタジオで記録する必要あった時期であり、その作業は当然ながらライブ・ツアーなどより優先されるべきだったのだ。彼らは、あのビートルズのように、30歳あたりまでに、成すべき仕事のほとんどを成し遂げてしまった。偉業を達成して名声を確立したこんにち、Donald Fagen と Walter Becker は過去に自分達が生み出した名曲を、楽しみながら演奏することができている。STEELY DAN のバックが務まる若く優秀なミュージシャンも事欠かない。音響機材も素晴らしい。たとえ遠く日本のファンであっても、聴衆は STEELY DAN の楽曲を熟知しており、リアクションも最高。今こそ、彼らにとって、ツアーする最適な時期なのかもしれない。年齢的な懸念もあるが、今回見た限りでは、あと何回かツアーをする余力が垣間見られたくらいの元気さであった。
◆ このセットでは、Donald Fagen と Walter Becker のソロ・アルバムはおろか、最新作の Everything Must Go からも、グラミー賞受賞作の Two Against Nature からも、1曲も選ばれていない。1972年の Can't Buy A Thrill から 1980年の Gaucho までの間の曲だけ。Everything Must Go を売ろうという商売っ気は全くない。それでも、本人達はノリノリで演奏し、聴衆も十二分に楽しむという、ライブ・ハウスが幸せ一杯という状況になっていた。
◆ Jon Herington は、非常に鋭いトーンのチョーキングとジャジーなフレーズをブレンドさせてソロを組み立てる、Steve Khan と Larry Carlton の長所を併せ持つギタリスト。現在の STEELY DAN には適役。ホーン・セクションの中では、トロンボーンの Jim Pugh のソロが特に良かった。キーボードの Jeff Young はボーカルも非常にウマく、バンドを助けていた。ドラムスの Keith Carlock はジャスのテクニックも十分で、今回のバンドのサウンドの要となっていた。特にバスドラがやや軽いサウンドだったが、個人的には、このサイズのライブ・ハウスでは効果は十分だと思われた。
◆ STEELY DAN の AJA のジャケットの写真でも著名な、世界的モデルの山口小夜子さんが、この8月に逝去されたという。

- SET LIST -
◆ inst - 4 beat
◆ TIME OUT OF MIND
Donald Fagen がピアニカを持って登場。この曲が一曲目とは!
◆ BAD SNEAKERS
スタジオ・ライブの DVD "Two Against Nature" でも演奏していたし、自分達でも気に入っている曲なのだろう。
◆ HEY NINETEEN
聴きたかった曲だったので、有難かった。Keith Carlock のドラミングが、原曲のグルーブとやや違っていたので、個人的にはちょっと残念。しかし Keith Carlock はこの後は徐々に調子を上げ、凄い実力を見せつけていた。ホーンのアレンジが良かった。
◆ DADDY DON'T LIVE IN THAT NEW YORK CITY NO MORE
Walter Becker がボーカルをとった唯一の曲。Donald Fagen が歌うよりもいいんじゃないだろうか?
◆ GREEN EARRINGS
曲のエンディングがギター・バトルだったようだが、Walter Becker のギターが不調で音が出ず、Jon Herington だけになってしまっていた。
◆ DIRTY WORK
何とファースト・アルバムの曲。イントロが流れ、Donald Fagen 本人が歌うのか?と思ったが、Carolyn Leonhart-Escoffery と Cindy Mizelle の二人に任せていた。コード進行に少し変更を加えていた。
◆ DO IT AGAIN
デビュー・ヒットした名曲だが、これもコード進行を変えていた。STEELY DAN としては例外的にシンプルなコード進行の曲だが、それが曲のツボなだけに、個人的にはオリジナルに近い感じで演ってほしかった。
◆ CHAIN LIGHTNING
ソロ廻しがあった。
◆ BODHISATTVA
エンディングのギター・ソロは Walter Becker 、地味な音で淡々と弾いていたが、ナゼか非常に感慨深いものがあった。
◆ PEG
Jon Herington のギター・ソロが非常に素晴らしい。オリジナルでの Jay Graydon のソロのフレーズを踏まえて、オリジナリティを加えていた。伝説的な Jay Graydon ソロを、リリース30年にして、遂に Jon Herington が乗り越えたのだろか。
◆ inst - shuffle

(改 2007.8.25)

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(参考)
8/18 1st
JERI / TIME OUT OF MIND / GODWHACKER / HEY NINETEEN / PEG / BABYLON SISTERS / DIRTY WORK / JOSIE / AJA / KID CHARLEMAGNE
(EC) MY OLD SCHOOL / CAROLYN
8/18 2nd
TIME OUT OF MIND / BAD SNEAKERS / HEY NINETEEN / HAITIAN DIVORCE / GREEN EARRINGS / DIRTY WORK / JOSIE / CHAIN LIGHTNING / PRETZEL LOGIC
(EC) BLACK COW / PEG
8/19 1st
JERI / TIME OUT OF MIND / GODWHACKER / HEY NINETEEN / PEG / BABYLON SISTERS / DIRTY WORK / JOSIE / AJA / KID CHARLEMAGNE
(EC) MY OLD SCHOOL / BODHISATTVA / CAROLYN
8/19 2nd
Intro / TIME OUT OF MIND / BAD SNEAKERS / HEY NINETEEN / HAITIAN DIVORCE / GREEN EARRINGS / DIRTY WORK / JOSIE / CHAIN LIGHTNING / PRETZEL LOGIC
(EC) PEG / Outro
8/20 1st
Intro / TIME OUT OF MIND / GODWHACKER / HEY NINETEEN / PEG / BABYLON SISTERS / DIRTY WORK / JOSIE / AJA / KID CHARLEMAGNE
(EC) MY OLD SCHOOL / Outro
8/22 1st
TIME OUT OF MIND / GODWHACKER / HEY NINETEEN / PEG / BABYLON SISTERS / DIRTY WORK / JOSIE / AJA / KID CHARLEMAGNE / HOME AT LAST
8/22 2nd
Intro / TIME OUT OF MIND / BAD SNEAKERS / HEY NINETEEN / DADDY DON'T LIVE IN THAT NEW YORK CITY NO MORE / GREEN EARRINGS / DIRTY WORK / DO IT AGAIN / CHAIN LIGHTNING / JOSIE
(EC) PEG / PRETZEL LOGIC / Outro
8/23 1st
JERI / TIME OUT OF MIND / GODWHACKER / HEY NINETEEN / PEG / BABYLON SISTERS / DIRTY WORK / JOSIE / AJA / KID CHARLEMAGNE
(EC) HOME AT LAST / CAROLYN
8/24 1st
Time Out Of Mind / Godwhacker / Hey Nineteen / Peg / Babylon Sisters / Dirty Work / Josie / Aja / Kid Charlemagne
(EC) Home At Last
8/24 2nd
Time Out Of Mind / Bad Sneakers / Hey Nineteen / Daddy Don't Live In That New York City No More / Green Earrings / Dirty Work / Josie / Chain Lightning / Do It Again
(EC) Peg / Pretzel Logic
8/26 1st
Intro / Time Out of Mind / Godwacker / Hey Nineteen / Peg / Babylon Sisters / Dirty Work / Josie / Aja / Kid Charlemagne
(EC) My Old School / Outro
8/26 2nd
CUBANO CHANT / TIME OUT OF MIND / BAD SNEAKERS / HEY NINETEEN / DADDY DON'T LIVE IN THAT NEW YORK CITY NO MORE / GREEN EARRINGS / DIRTY WORK / JOSIE / DEACON BLUES / DO IT AGAIN
(EC) PEG / CAROLYN