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JESSE VAN RULLER
BLUE NOTE TOKYO
2005.4.8 21:30 (2nd set)

Jesse van Ruller ジェシ・ヴァン・ルーラー : g
Frans van der Hoeven フランツ・ヴァン・デル・ホーヴェン : b
Martijn Vink マタイン・ヴィンク : ds

◆ JESSE VAN RULLER が愛用する例のフル・アコ (LEVIN) を目の当たりにしたが、トップもデコボコで、凄い状態。ギター本体のボリュームにはタッチせず、ボリューム・ペダルを使用。ステージ上にフェンダーのツイン・リバーブがあったが、何と使用しているのはスピーカーだけで、別のヘッドを使っていた。時折、効果的に使用されるエフェクターも、ペダルで操作していた。使用しているギター本来の音を生かした、最新のライブ盤で聴く事の出来るあのナチュラルなサウンドは、東京でも再現された。このサウンドは、ギター・アンプのボリュームを上げても損なわれないものでもあった。とにかく、ギターの音は想像通り良かった。
◆ フレットのどのポジションでも、6本の弦をどれも同様に扱えるテクニックは驚異。普通ギタリスとはもっと、それぞれの弦やポジションを生かしたフレーズを弾くし、その束縛から脱却するのも難しい楽器である。JESSE VAN RULLER は、特に低い弦の使用をスムースに行う為、弦高を筆者が想像したよりも低めに設定していた。ピッキングの位置を、他のギタリストよりも頻繁に移動させてサウンドに変化を与えているのも独特。テンポの速い曲でもピッキングは乱れない。オリジナル曲やスタンダード・ナンバーのオリジナル・メロディのフェイク、インプロビゼーションの場面でも、発想が大胆かつ縦横無尽。単音とコード・ブロック奏法との間の移行もスムースで、驚くほど豊富なバリエーションを示していた。ビ・バップのフレーズの常套句を多用はしないが、難しいテンションもそれほど用いない。高いテクニックを生かしてのポリリズム的なフレージングで、無限にフレーズを生み出していた。ギターで演奏するのが難しい密集和音に対するアプローチも独特。オリジナルな密集和音をイメージしそれを実演してしまうという、そもそもその発想自体が凄い。
◆ "DETOUR AHEAD" と "GOODBYE" のバラッドへのアプローチは、やはり素晴らしい。変拍子の "CIRCLES" は CD ではオルガン入りの編成だが、トリオでの演奏で迫力が増した感さえあった。"CIRCLES" はアンコール前の最後の曲であったが、JESSE VAN RULLER 自身でかなり気に入った演奏だったのだろう。ライブ盤で共演している Frans van der Hoeven と Martijn Vink の演奏も文句なし。Frans van der Hoeven は、ウッド・ベースのハイ・ポジションでの奏法が特に素晴らしい。Martijn Vink は、CD で聴かれる通りのシャープなドラミングが、トリオでの演奏にフィットしていた。JESSE VAN RULLER の奏法を筆者も参考にしようとプレーを凝視していたが、根本的な発想のレベルとテクニックの差が歴然としているのと、アプローチがかなり独特の為、現時点では難しい。といか、今後もムリかも。ただ、演奏する曲をイメージして、ミスなく丁寧に演奏し切るというのは重要。ワン・ステージ1時間以上の間、トリオというギタリストにとって極端に負担の大きい難しい編成で集中力を切らさないというのも、実現の難しいなかなか凄い事である。

★ set list (不完全)
◆ GET OUT OF TOWN
◆ THE END OF A LOVE AFFAIR
◆ HI-HIGHER-HER
◆ ISFAHAN
◆ DETOUR AHEAD
◆ VICTORY
◆ SPRING
◆ NOBODY ELSE BUT ME
◆ CIRCLES
(EC1)
◆ SANDU
(EC2)
◆ GOODBYE

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(参考)
2005.4.7 1st
GET OUT OF TOWN
HI-HIGHER-HER
VERY EARLY
VICTORY
SPRING
NOBODY ELSE BUT ME
HERE COMES THE SUN
ISFAHAN
GOODBYE
CIRCLES
THE END OF A LOVE AFFAIR
2nd
GET OUT OF TOWN
HI-HIGHER-HER
ISFAHAN
VICTORY
SPRING
NOBODY ELSE BUT ME
HERE COMES THE SUN
DETOUR AHEAD
CIRCLES
THE END OF A LOVE AFFAIR