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THE CHICK COREA NEW TRIO
BLUE NOTE 東京
2001.6.13 21:30

CHICK COREA : p
AVISHAI COHEN : b
JEFF BALLARD : ds
- set list -
ON GREEN DOLPHIN STREET / ANNA'S TANGO / FINGERPRINTS / DIGNITY / LIFE LINE / (EC) 500 MILES HIGH
◆ "PAST, PRESENT & FUTURES" 発売直後の LIVE 。CHICK の率いるのセクステット、"ORIGIN" で共演するベースとドラムスをフューチャー。過去のトリオのいずれとも異なる、またまた新たなサウンドを聞かせた。CHICK のエナジーは永久に尽きる事が無いのだろうか?
◆ AVISHAI COHEN のアコースティック・ベースは、非アメリカ的という意味では、MIROSLAV VITOUS に近いかもしれない。しかし、やはりサウンドは異なる。"AKOUSTIC BAND" のベーシスト、JOHN PATITUCCI とはタイプが全く違う。ノリはシャープだが、音数で埋め尽くすタイプではなく、独自の音使いとシンコペーションのコンビネーションでフレーズを構築する。テクニカルに弾く時は弾く。アルコでのプレイも素晴らしい。リーダー作で見せる 作曲能力はユニークで素晴らしく、アコースティック・ベースへのアプローチぶりも新感覚なのである。
◆ JEFF BALLARD のドラムスもまたユニーク。ドラム・セットは非常に小さく、ハイハットの足元の左側に、パーカションをセッティング。左手は、トラディッショナル・グリップを用いない。クラッシュ・シンバルも、クラッシュと言うよりはトップに近い使用法。左右の手は動きが近く、ティンバレス奏者を思わせる。東洋的とも言えるサウンド。
◆ CHICK の楽曲は、相変わらず素晴らしい。第一印象はとっつきにくいニュー・アルバムだったが、ライブに備えて繰り返しCDを聞き、直接にライブ演奏を見た事によって、各曲の構造が明確に理解出来るようになり、楽しめるようになった。"DIGNITY" はワルツで、Aのペダルを効果的に使用して、マイナーのハーモニーを際立たせている。"LIFE LINE" は、テンポの早いサンバ的ナンバーで、ピアノとベースの複雑なユニゾンが印象的。ライブでは、ドラムスとベースのソロを堪能できた。
◆ トリオのコンビネーションは、圧倒的かつ完璧。サウンドは斬新だが、とにかくノリがジャストで、ルーズさや小粋さは希薄。オープニングはお馴染みの"ON GREEN DOLPHIN STREET" だが、過去の CHICK の演奏したバージョンとはかなり違う。その後はニュー・アルバムからの楽曲だったが、CDで聞いた演奏よりも、一層のユニークさが際立つ。しかし、バンドのノリもシャープで、飽きさせる事が無かった。
◆ アンコールでは COREA 夫人が登場し、"500 MILES HIGH" で往年の歌声を披露。
◆ 階段を上がって帰ろうとすると、AVISHAI COHEN が早くも外に出て、ガードレールに腰掛けてジャパニーズ・ギャルと何か喋っていた。
(記2001.6.13)
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