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CHICK COREA TRIO with JOHN PATITUCCI and ANTONIO SANCHEZ
BLUE NOTE TOKYO
2007.9.29 21:30 (2nd set)

Chick Corea チック・コリア : p ピアノ
John Pattitucci ジョン・パティトゥッチ : b ベース
Antonio Sanchez アントニオ・サンチェス : ds ドラムス

◆ 21日のソロ演奏に続いて、ブルーノート東京での連続公演を挙行した Chick Corea 。今回のトリオの演奏は新作CDのリリースに伴ってのものでもある。しかし、これから続けてCDがリリースされた後、最後に1枚追加してボックス・セットして発売するという有難くない方式となっている為、筆者はボックス・セット待ちの状況で、新作はまだ購入していない(マニアを軽視しとる)。それはともかく、取り敢えずライブは見ておこうというスタンスの筆者ではある。

◆ 「ブルーノート東京は世界一のライブ・ハウスです。スタッフの皆さんも素晴らしいです(拍手)。ここは東京です(?)。」 ペットボトルの水を補給する時に「カンパ〜イ!(日本語で)」と言ったり、マイクに紙を当てたり額に当てて雑音を出して遊んだり、譜面を逆さに置いて元に戻すなど、ギャグをやりたい放題の CHICK 。しかもこれらのネタは、21日の昭和音楽大学と同じネタの使い回しである。それを諌めるどころか、マイクスタンドにベースを当てたりして煽っていた John Pattitucci にはあきれた(?)。それらを、Antonio Sanchez が冷たく見放していた(?)。ギャグを含めたトークが、妙にやたらと長かった。アドリブ・パートが長く、1曲の時間も伸びた。長時間の演奏は有難いし、盛り上がっていたと言えるが、終演時刻が何と23時45分(開演したのは21時45分を過ぎていた)、日本では有り得ない終演時刻。筆者が帰ろうとすると、カウンターは既に長蛇の列だった。

◆ 演奏開始直前、突然 YAMAHA のキーボードがセッティングされた。ジャズ・ミュージシャン的な気分の変わり方か。紙を見ながら音色のセッティングしていたように見え、新たに提供されたキーボードなのかもしれない。フェンダー・ローズ的、単音のモーグ・シンセサイザー的な音を探しながらやっていた。ノイズやパーカッションの音などを駆使し、こちらもやりたい放題。

◆ John Pattitucci のベース・プレイはライブ・ハウスでは初めて見たが、中盤の3曲で使用していたウッド・ベースの音が予想以上に圧倒的に良く、驚かされた。弦の音がアコースティックで、ベースのボディの鳴りも伝わってきた。弦のキープとヒットが素晴らしく、音程とリズムの正確さはCDなどて聴かれる通り。いつもの6弦ベースの音も、思っていたよりも更に強烈で個性的なものであった。Antonio Sanchez のサウンドも相変わらず素晴らしい。シンバルとタム類の音のクリアさが現代的だが、4ビートでのノリが予想以上にジャズ的である事が確認できた。ライブ・ハウスのような小さな会場で生きたバンドのサウンドであった。

- set list -
* DR. JEKYLL (fast latin)
持ち込まれたキーボードのノイズ的サウンドにベースとドラムスを絡ませたイントロから(これが長かった〜)。Miles Davis のバンドの演奏で著名だが、Chick Corea 的なアレンジが施された。
* WALTZ FOR DEBBY (waltz)
21日の昭和音大での演奏のトリオ版。アドリブに入っても3拍子のまま。アドリブでは、2コーラス繰り返したあとに数小節付け加えた独自のアレンジ。John Pattitucci のウッド・ベースの音の良さが生きた。
* THE WISH
"TIME WARP" からの曲で、Bob Berg へのトリビュートとしていた。感慨深い。
* ZIG ZAG (fast latin)
メカニカルな、もの凄い演奏。
* BLUES FOR DALI
またもヘンな音のキーボードでイントロを、やたらと長くやっていた。続いてのドラムの4ビートの短いイントロが余りにも素晴らしく、椅子からずり落ちそうになった。キーボードからフェンダー・ローズ的な音での演奏だったが、Chick Corea のソロがこれまた長かった〜。Antonio Sanchez のイマジネーションが溢れるプレイには見応えがあった。
(ec)
* SPAIN
アンコールだからササっと終るかと思ったが、アランフェスのイントロをたっぷりと演り、各人のソロも長く、掛け合いもしっかりとやった。またまた例によって SPAIN だが、毎回展開が全く異なるのはサスガと言えばサスガ。アンコールでの SPAIN は、きっとこれからも演り続けるんだろう。今回のライブを見ての感想、やっぱり最新作を聴きてーなー。

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