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GARY BURTON QUARTET
BLUE NOTE TOKYO
2006.6.2 21:45- (2nd set)

ゲイリー・バートン GARY BURTON : vib
パット・メセニー PAT METHENY : g
スティーヴ・スワロー STEVE SWALLOW : b
アントニオ・サンチェス ANTONIO SANCHEZ : ds

◆ 実質的には、GARY BURTON のアルバムの "Passenger" に参加の3人のリユニオン・バンド。そこに若い ANTONIO SANCHEZ が加わり、演奏の確実さとダイナミックさの大幅な向上に貢献。GARY BURTON のプレーには、全盛期の信じ難いようなマレット捌きに多少のユルさも見えたが、ヴィブラフォンのサウンドの美しさを最大限に生かす為の"間"に磨きがかかったように思えた。ピアノレスという編成でもあり、1970年代前半のマニアックな楽曲が中心になると思われたが、その通りになった。オールスター・メンバーによる "LIKE MINDS" や GRP レーベルの名作の "REUNION" といった最近のアルバムからは演奏されなかった(他のセットでは QUESTION AND ANSWER が演奏された)。一般的なファンにはあまりにもマイナーな選曲で、一歩間違えば自己満足?満員の聴衆はこれを喜ぶのか?だが、マニアックなファンが多い(多分)のもあるが、楽曲と演奏が余りにも素晴らしく、曲の知名度に全く意味はなかった。演奏だけでミュージシャンが勝負し、聴衆が見事にそれに応えるという、ライブの理想的な姿であったとさえ言える。
◆ 個人的に注目していたのが、ベーシストの STEVE SWALLOW 。モコモコしたエレキ・ベースを弾く地味なベーシストというイメージだが、GARY BURTON や PAT METHENY にいつも重用されている。ベースは、メーカーはよく知らないが、ホロー・ボディの、恐ろしく弦の間隔が狭い5弦ベース(最低弦はE、1弦はC?)。全てピックで演奏。非常に大きな2段積のアンプで、音を小さめにセッティングするという不思議なミスマッチ?ベースのハコの音が十分に生きており、ベース・ラインも音数は少ないが絶妙。少なくともこのバンドには非常にマッチしたベーシストで、納得させられた。
◆ PAT METHENY は例によって、IBANEZ の最新のフルアコと ROLAND のギター・シンセ(ギター・コントローラーにアームがないタイプ)。BLUE NOTE TOKYO のような小さな会場で METHENY を見たのは初めて。驚かされたは、アンプを通さない音が予想よりも強力で、オンラインの音が少しでも小さくなると、ピッキングの音が直接聴こえてくる。METHENY の奏法上の、最大のナゾである。この強力なピッキングによって、ノイズの少ない最新機材を通して、ギターの本来の音が聴衆の耳にダイレクトに届く。弦は、0.11 のセットというフラットワウンドの中でも最も細いものだが、音がなんとも立体的で説得力があるのが、本当に不思議。
◆ 演奏された全ての楽曲に共通していたのは、メジャーやマイナーの普通のコードの意外な組み合わせ、シンプルだが説得力のあるテーマのメロディ。これはまさに、STEVE SWALLOW の楽曲の特徴でもある。STEVE SWALLOW の曲にいわゆる大ヒット曲はないが、ジャズ・ミュージシャンには好まれる傾向がある。簡単ではないが、目をむくほど難しくはなく、挑戦しながらも楽しんで演奏できるからである。GARY BURTON と PAT METHENY と STEVE SWALLOW は、地味だが素晴らしい楽曲を、全く淀みなく演奏していた。I'm Your Pal は STEVE SWALLOW の名曲の一つで、GARY BURTON と STEVE SWALLOW とのデュオで演奏し、非常に素晴らしかった。アンコールで演奏されたのは PAT METHENY の初リーダー作からの Unquity Road で、難しいシンコペーションを GARY BURTON が覚え切れなかったらしく、譜面台を使っていた。
◆ このリユニオン・バンドでライブを行う時期的なタイミングには、絶妙なものがあったように思える。今回のツアーは、ライブ・レコーディングしているのだろうか?リリースしてほしいもんである。

★ SET LIST
◆ Open Your Eyes, You Can Fly (Chick Corea from "The New Quartet")
◆ B & G (Pat Metheny from "Passenger")
◆ Blue Comedy (Mike Gibbs from "In Concert")
◆ Fortune Smiles (Keith Jarrett from "Gary Burton & Keith Jarrett")
◆ I'm Your Pal (Steve Swallow from "Crystal Silence")
◆ Hullo Borinas (Steve Swallow from "Live In Tokyo - Bill Evans")
◆ Como En Vietnam (Steve Swallow from "Gary Burton & Keith Jarrett")
(EC)
◆ Unquity Road (Pat Metheny from "Bright Size Life")

(記 2006.6.3)
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2006.5.27
1st - SEA JOURNEY / OCHOS / FALLING GRACE / QUESTION AND ANSWER / CORAL / AFRICAN FLOWER / SYNDROME / WALTER L.
2nd - OPEN YOUR EYES,YOU CAN FLY / B&G / BLUE COMEDY / FORTUNE SMILES / I'M YOUR PAL / LAS VEGAS TANGO / COME EN VIETNAM / BALLET