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JESSE VAN RULLER TRIO featuring JORIS ROELOFS & CLEMENS VAN DER FEEN
ジェシ・ヴァン・ルーラー・トリオ,フィーチャリング・ヨリス・ルーロス & クレメンス・ヴァン・デル・フィーン
COTTON CLUB
2010.6.25 21:30 (2nd set)

Jesse van Ruller ジェシ・ヴァン・ルーラー:g
Joris Roelofs ヨリス・ルーロス:cl,bs-cl
Clemens van der Feen クレメンス・ヴァン・デル・フィーン:b

◆ 2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会、グループリーグE組、トーナメント進出を決める重要なゲームである日本対デンマークが日本時間の25日の未明に行われ、日本が3-1で見事な勝利。Jesse van Ruller は勿論、日本代表と戦い同じくトーナメント進出を決めたオランダの出身である。日本の勝利を祝福するアナウンスメントを行い、大喝采を浴びていた。

◆ Jesse van Ruller の新作である "Chamber Tones" は、クラリネットとギターとベースという恐ろしく地味な編成。ギターの開放弦を多様し、テンション・ノートを避け、音数を減らし、同じく音数の少ないベースとクラリネットのサウンドを絡め、「フォーク・ジャズ」とも呼ぶ独特の音空間を構築し、ジャズ的でない空気間に満たされている。今回はこの意表を突いたアルバムのメンバーで来日、"Chamber Tones" がどのような発想で作られているか、探求しなければならない。

◆ ライブ演奏はジャズ・ミュージシャンの本領を現して熱いものになると予想されたが、その通りになった。しかし、クラリネットという音量の比較的小さな楽器に合わせてギターとベースも音量を絞り、アコースティック感を堪能できるものであった。特にベースの、弦と指板の擦れ具合や右手のタッチまで聴き取ることのができた。

◆ Jesse van Ruller は今回は、ギブソンの型番のよく分からない、かなり珍しいフルアコを使用していた。相変わらず、フィンガー・ボード上のポジションを全く苦にせず、ブロック・コードの内声の多彩なアイディアを披露していた。

◆ Joris Roelofs のクラリネットのサウンドは、ちょっと聴くと音モレしているのではと思えるほどハスキーだが、よく聴くと絶妙にコントロールされているのが分かる。フレーズも絶妙で、クラリネットという楽器のイメージを超えた非常に高度な音楽性を備えている。また、アルバムではアルト・サックスを演奏しているが、今回は何とバス・クラリネットを使用していた。難易度の高い楽器だが、これもまた素晴らしく、高音から低音まで完璧にコントロールしていた。ベースの Clemens van der Feen は、前回 Jan Menu のバンドにも参加しており、正確な音程と右手のタッチが素晴らしく、ウッド・ベースそのものの音も非常に良い。

◆ 3人のコンビネーションもかなりのレベルに達しており、インプロビゼーションも自由自在である。しかしやはり、Jesse van Ruller のオリジナルなどのユニークな選曲とアレンジは、通常のビバップ・ジャズと一線を画しており、このメンバーでアルバムを制作したかったというアイディアに対する欲求の根源には触れることができたのではと思われる。

★ set list
Amsterdam
5拍子の Jesse van Ruller のオリジナル。既に出来上がっているこのトリオのコンビネーションが素晴らしい。
Isfahan
"Live at Murphy's Law" での演奏にクラリネットを加えたイメージ。ベースとクラリネットのソロも冴えている。
Circles
"Chamber Tones" にも収録の Jesse van Ruller のオリジナル。バスクラリネットが使用され、ベースとのユニゾン、アドリブ・ソロと大活躍。
Everytime We Say Goodbye
Beijro Partido
Just in Time
Lovesong for Y
Norwehian Wood

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