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Lage Lund Quartet
ラーゲ・ルンド・カルテット
新宿ピットイン Pit Inn
2012.5.18 19:30

Lage Lund ラーゲ・ルンド:g
Aaron Parks アーロン・パークス:p
Ben Street ベン・ストリート:b
Craig Weinrib クレイグ・ウエインリブ:ds

◆ セロニアス・モンク・コンペティションのウィナー、抜群のテクニックを誇る若手ジャズ・ギタリスト、Lage Lund (以前の日本語表記は「ラージュ・ルンド」だった)。昨年の公演は見逃したが、今回はピットインの席を確保。筆者は " Romantic Latino For Ladies " という軟弱なタイトルの作品で名前を認知。選曲はスタンダード・ナンバー中心で、一聴すると極めてソフトな女性向けのサウンドだが、アレンジのセンスとアドリブの内容に一筋縄では行かない高度さが備えられていて、今後を期待させた(現在ナゼか公式ウエブサイトにこの作品の記載が無い・・・)。次に聴いた " Standards " でも抜群の切れ味のジャズ・ギターを披露している。" Early Songs " 以降の作品ではオリジナル曲を出し続けているが、これらが何とも難解とさえ言える取っ付き難いもので、入り込むのにやや時間がかかった。日本での知名度がなかなか上がらないのはこの為か?今回の公演でも1曲目から難解度全開(?)だったが、自作曲の完成度はサスガに素晴らしく、世界観が完璧に表現されていた。それにつきあうバンドのメンバーの力量も相当である。その反動からか(?)、個人的には、スタンダード曲へのアプローチに若干の詰めの甘さが見られた気がした。
◆ ギターの技術的には、難しい音程でもアップテンポでも崩れないスクエアなピッキングも素晴らしいが、ブロック・コード奏法に他では聴かれない独自のセンスを持っており、Kurt Rosenwinkel にさえ匹敵する観もあり、今回のライブでも数分間続いたカデンツァでは聴衆を圧倒していた。ジャズ・ギター・ファンならライブで見るべきであると言える。Aaron Parks は、Brad Mehldau 的なアプローチ(今やそれが標準なのだろうか?)も見せるピアニスト。Lage Lund の音楽を支え、浮遊感が何とも言えない。Ben Street は強力な右手とアコースティック感が素晴らしいベーシストで、やはり Lage Lund の曲の独特のシンコペーション見事に対応していた。ソロは残念ながら1曲だけだった。Craig Weinrib のドラムス、多彩なスティック・ワークで共演者に繊細に反応していた。バンドに対する音楽的な貢献度は高かったが、スタンダード・ナンバーでのストレートな4ビートな曲でのプレーが聴きたかった。
★ set list
Circus Island
Party of One
All Across the City
Circus Blues
Bolivia
Folly
12 Beats
Darn That Dream
Gone with the Wind
http://www.lage-lund.com/
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