■#1■ (#1-MUSIC) ■#2■ ■HOME■
TRIBAL TECH
BLUE NOTE TOKYO
2013.3.8 21:30 (2nd set)
Scott Henderson スコット・ヘンダーソン:ギター
Scott Kinsey スコット・キンゼイ:キーボード
Gary Willis ゲイリー・ウィリス:ベース
Kirk Kovington カーク・コヴィントン:ドラムス
◆ 2000年11月の来日以降、もう活動しないのかと思われた、超ハイテク・ジャズ・フュージョン・バンドの TRIBAL TECH 。ベースの Gary Willis などはスペインへ行ってしまったという話であった。そんな中、突如新譜がリリースされたのには驚かされたが、更に12年ぶりの来日公演まで行われるとは!慌ただしい事に、ブルーノート東京での公演はたった1日、メンバーが多忙な中で実現されたツアーなのであろう。
◆ 見事に集合した、元楽器少年っぽい、職業不明風のお兄さんたち。最近のブルーノート東京では、どんなアーティストでも結構な数の女性客が集まるが、今回は本当に少なかった。
◆ 開演前、HEY GUYS ! と言いながらステージに現れてギターの弦を交換し始めた Scott Henderson 。何でバック・ステージでやらないのか?
◆ 遂に開演、さすがにメンバーの外見は12年分は変化したが、12年前と、いや、このメンバーになって20年が経過したが、音楽とテクニックには何の変化もない。超絶なテクニックと高い音楽性、キメキメの複雑なアレンジの中にでも何の苦もなくフェイクを入れてくる能力。出来上がったアレンジの上にデコレーションを加えて音楽を変幻自在にアンサンブルを操っていく姿勢に、バンド演奏というのはこうあるべきであると見せつけられた感がある。メンバーがステージ上で話したり叫んだりして、楽しんでいるんだか気合を入れているんだか分からない状況は前回通りだが、強面の(まあ、全員強面だが) Gary Willis がやたらとニコニコしていたのが印象的。余程楽しかったのだろう。そんなに楽しいのだったら、10年も空けずに来年にでも来てくれれば良いと思うのだが。
◆ Scott Henderson 、ストラトキャスターでのチョーキングとアーム・プレイでロック・テイストを激しく吐露しようとしていたが、いくらやってもディストーションの音質がクリーンで上品さが抜け切らないのは相変わらず。Scott Kinsey は、小さめのキーボードが2台を使ったけだったが、MAC も駆使して多彩なサウンドのバリエーションを示し、これも相変わらずの鬼才ぶり。ワケの分からない(?)複雑なコードに乗せるアドリブは圧巻。新譜 "X" の "Corn Butter" で使用していた日本人の発音での「コーンバター」「ポテトフライ」というヘンなサンプリング音を使用していたが、実は日本語のサンプリングは2000年の来日時にも使っていた。Gary Willis の5弦フレットレス・ベース、右手の指4本奏法も変わらず健在。Kirk Kovington のアメリカンなドラミングと更にアメリカンなパーソナリティも同様であった。これだけのメンバーがよく揃ったものである。
- SET LIST -
● Nite Club
● Signal Path
最初の2曲は2000年にもやっていた。昔からのお決まりのレパートリーなのだろう。Signal Path はちょっとユルい感じにやっていて、オリジナルとは違う印象。
● Anthem
● Got Faith 'n Phat
● Palm Moon Plaza
新譜の "X" から3曲。当然だが、スタジオ・ワークからライブならでのドライブ感が加えられていた。Scott Henderson が弾きまくり。
● Boat Gig
Kirk Kovington の生ボーカルが披露された!歌、上手い。
● Foreign Affairs
オリジナルよりも一層ギンギンな感じ。
(ec-1) ● Face First
2000年にも最後にやった、TRIBAL TECH 最大のヒット曲?やらないで帰るわけには行かない。
(ec-2) ● The Big Wave
ブルーノート東京では見た事のない、2回目のアンコール。ファンならみんな知っている超絶ナンバーで会場は熱狂。Gary Willis もソロで超絶テクニックを見せた。こんな曲でブルーノート東京が盛り上がるっちゅうのは・・・。それにしても、観客以上にメンバー自身がノリノリで、ライブをやりたかったオーラが出まくり。また来ちゃうんだろうか。
P.S.
Scott Kinsey の2006年のリーダー作、" Kines the tics " を購入。TRIBAL TECH のアレンジの中にも Weather Report っぽい音を混ぜていたが、このリーダー作のサウンドは完全に Weather Report のフォローで、ここまで Weather Report 大好きだったとは。
■#1■ (#1-MUSIC) ■#2■ ■HOME■