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JAZZ ORCHESTRA OF THE CONCERTGEBOUW
ジャズ・オーケストラ・オブ・ザ・コンセルトヘボウ
BLUE NOTE TOKYO
2008.10.15 (1st set)
Henk Meutgeert ヘンク・ムトヘールト:conductor,arranger
Jesse van Ruller ジェシ・ヴァン・ルーラー:g
Peter Beets ピーター・ビーツ:p
Frans van Geest フランス・ヴァン・ヘースト:b
Roy Dackus ロイ・ダッカス:ds
Rini Swinkels リニ・スウィンケルス:tp
Ruud Breuls ルート・ブルルス:tp
Jan van Duikeren ヤン・ヴァン・ダウケレン:tp
Wim Both ウィム・ボット:tp
Loet van der Lee ルト・ヴァンデルレー:tp
Hansjorg Fink ハンスヨルグ・フィンク:tb
Jeroen Rol イェルン・ロル:tb
Bert Boeren ベルト・ブーレン:tb
Martien de Kam マテイン・デ・カム:btb
Marco Kegel マルコ・ケーゲル:as
Jorg Kaaij ヨルク・カーイー:as
Simon Rigter シモン・リヒター:ts
Will Jasper ウィル・ヤスペル:ts
Juan Martinez ホワン・マルティネス:bs
◆ オランダの超強力ビッグ・バンド、JAZZ ORCHESTRA OF THE CONCERTGEBOUW の日本公演が実現した。
筆者の目的は当然ギタリストの Jesse van Ruller であるが、CDで聴かれるような鉄壁のアンサンブルがライブで実現されるのかどうか見物でもあった。
◆ 例によって聴いた時のバランスも考えず、Jesse van Ruller の至近距離に席をとってしまった。しかし、エレキ・ギターというのはアンプで増幅されていてアコースティックなものではないのは確かだが、実際のギター・アンプの音とPAを通してしまった音とは、実は全然違う。近くに座れば、そのギタリストのサウンドを通じて、ギターの音に対してどういう考えを持っているかが明確になる。Jesse van Ruller は、フル・アコースティックのギターを使う他のジャズ・ギタリストと比較してもトーンをあまり絞らず、非常にクリアな音が好みである。強力なピッキングでヒットしている弦のリアルな音を自分が感じているのと同じインパクトを聴衆に伝えたいとの強い意志が感じられた。幸運にも Jesse と握手出来た同行者によると、Jesse の手は筆者の手と比較してもかなり華奢であったとの事。パワフルなギター演奏が出来るかは手が頑丈さとは必ずしも結びつかないという事実が、またも証明された。Jesse のニュー・ギターはフィンガー・ボードが狭い。
◆ Jesse van Ruller のギター・アンプは小さめのもので、ギターが大幅にフューチャーされているバンドにもかかわらず、ビッグ・バンドの大音量に無理に対抗しようとはしていないようである。JAZZ ORCHESTRA OF THE CONCERTGEBOUW のリズム・セクションは、音量よりはシャープなヒットで強弱をコントロールするタイプで、ギタリストの存在感がかき消される懸念もない(ドラムスの Roy Dackus のコントロールは素晴らしい)。
◆ ビッグ・バンドのギターの譜面というはページ数が多い場合があるが、Jesse の譜面台は1個!今回は自作曲が多いので譜面を見る必要もなさそうだし、譜面をめくる回数も少なかった。
◆ Jesse のビッグ・バンドでのギターでのバッキングのプレイは、「適当」(にやっているように見える)。しかし、Pat Martino や Pat Metheny のバッキングも「適当」な事も多いが、彼らのバッキングは邪魔であるよりは快適で、ピアノとの共存も違和感を感じさせない。センスの良さ以外の何者でもない。
◆ JAZZ ORCHESTRA OF THE CONCERTGEBOUW はアンサンブルも素晴らしく、CDで聴かれる精度を保っていた。ソリストも同様に素晴らしく、特に終盤で登場した Jan Van Duikeren にはやられた。コンダクターの Henk Meutgeert は、トークの多くを日本語でメモも見ずにこなしていた。日本とオランダの間の歴史の長さと深さを感じさせた(?)。彼がメンバー紹介した時の名前の発音が良過ぎて(?)、"Jesse van Ruller" という発音さえも筆者には全く聞き取れなかった。
★ set list
◆ RIFFS & RHYTHMS
CD "Riffs’n Rhythms" で聴かれるよりも多くのソリストが登場。
◆ AMSTERDAM
Jesse van Ruller 作の5拍子の曲。変拍子である事を感じさせない、快適なスイング。
◆ SILK RUSH
難易度の高いコード進行を持ち早いテンポの曲でソリストの技量が問われる Jesse van Ruller の曲だが、アルト・サックスの奏者は難なくこなしていた。Jesse van Ruller は畳み掛けるような8分音符を埋め尽くし、CD "Silk Rush" 以上の圧倒的な出来。
◆ VIENNA NIGHT EXPRESS
"Silk Rush" にも収録のメロウなメロディを持つ名曲。
◆ HERE COMES THE SUN
Henk Meutgeert が、わざわざ「次の曲は Beatles の曲ではありません」と注釈(?)していた。3拍子のこれもメロウな曲で、Beatles の "HERE COMES THE SUN" とは全く違うのは筆者にも分かる(?)。トロンボーンのソロも良かった。
◆ SOMEWHERE BETWEEN THE STARS
Jan Van Duikeren がフリューゲルを持って前面に。
◆ THE SECRET CHAMP
Jan Van Duikeren がそのまま前面に残って(狭いので戻るのも面倒?)、最初にソロをとった。Jesse van Ruller のソロは後発。最後の曲にふさわしいノリノリの Jesse の曲だが、
よくこんなややこしい指使いが必要な曲をわざわざ作るものだ。
(EC)
◆ TOKYO CITY JAZZ PARTY
B♭のブルースで、目出度くこのセットは終了。
(10/15 2nd)
TUSKS & TRUNKS / HOLY LAND / SILK RUSH / VIENNA NIGHT EXPRESS / HERE COMES THE SUN / ROUND MIDNIGHT / CIRCLES / THE SECRET CHAMP
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