平成27年11月20日 鎌倉旅行記


 日本の主要観光地、特に神社仏閣が多い所という点では五本の指に入ると思われる場所、鎌倉。
 しかしながら、これまで僕は足を踏み入れたことすらありませんでした。
 なんででしょうね。多分、「長野県から比較的近いから、行こうと思えばいつでも行ける。」という意識があったんだと思います。

 平成27年秋、僕は会社の中でグループ旅行を計画する幹事になりました。うちの会社では春と秋にグループに分かれて旅行を計画するのですが、僕はかなりの確率でこの幹事になります。というか、幹事を買って出ているのです。自分の行きたいところを決めて「ここに行く計画立てたけど、行きたい人はこの指とまれ」的な状態になるので、むしろ自由にやれるからです。

 一泊二日、一日目は東京、二日目は鎌倉。この計画で、少ないながらも人数が集まりました。ただし、鎌倉に実際に行くのは僕一人。ほかの人は自由行動にさせました。
 人生初の鎌倉散策、スタートです。


 1日目(11月19日)は東京で、池袋、新宿、上野をぶらついて終わりました。

 2日目(11月20日)、朝早く起きた僕は上野のホテルを出発し、上野駅から品川駅まで山手線で移動、品川駅から鎌倉駅まで横須賀線で移動し、午前7時半ころ鎌倉駅に到着しました。


鎌倉駅前

 鎌倉駅はちょうど通学ラッシュの時間帯で、女子学生がすごい列を作って歩いていましたが、その女子学生は列を作り比較的上品に歩いていました。多分お嬢様学校だと思います。


 さて、まず最初の目的地は鶴岡八幡宮ですが、鎌倉駅から最短距離で行けばそれほど遠くありません。しかし、神社参拝が趣味の僕は、遠くにある一の鳥居から順に参道を歩いていくことに決めました。若宮大路を鶴岡八幡宮とは逆方向にわざわざ歩いていきます。

● 鶴岡八幡宮
     (旧国幣中社、別表神社、三大八幡宮の一つ(諸説あり))


鶴岡八幡宮 一の鳥居
 鎌倉警察署などの近くになります。ちなみに、この時点で小雨が降っています。



鶴岡八幡宮 二の鳥居
 本来、参道の真ん中は「段葛(だんかづら)」という桜やつつじのトンネルなのですが、工事中でした。



鶴岡八幡宮 三の鳥居
 ここから本格的に境内となります。まだ朝早いので参拝客もまばらです。



三の鳥居を過ぎてすぐの石橋



上の建物が鶴岡八幡宮本宮(上宮)、下の建物が鶴岡八幡宮鶴岡八幡宮舞殿(下拝殿)
 鶴岡八幡宮の写真として、非常に有名な構図ですね。



鶴岡八幡宮 大石段と本宮
 鎌倉幕府三代将軍である源実朝が甥の公暁に暗殺された場所として、歴史的にも有名な所です。
 左端の切り株は平成22年3月に倒伏した大銀杏です。今は子銀杏が育っています。



旗上弁財天社(鶴岡八幡宮境内の源氏池内の島にある)





 鶴岡八幡宮参拝・庭園見学を終え、一度鎌倉駅に戻ります。
 次の目的地は鎌倉の大仏がある高徳院。しかし、歩いて回るのは無理があると判断し、生まれて初めてレンタサイクルを借りることにしました。
 借りたのはいわゆるママチャリ。これを駆って高徳院を目指します。
 高徳院はすでに観光客が押し寄せており、かなりの賑わいでした。





● 大異山 高徳院 清浄泉寺
     (浄土宗)


高徳院 仁王門
 奇跡的に、人が入らない写真が撮れました。



高徳院 本尊 銅造阿弥陀如来坐像(通称 鎌倉大仏、国宝)



 基本的に参拝客が絶えることがありませんでした。比較的人が減った時の写真です。



 大仏の後ろ姿です。窓が二つ開いています。

 なんと鎌倉大仏は胎内拝観もできます(有料)。


大仏胎内(腹部)



大仏胎内(背部)
 開いていた二つの窓です。





 高徳院参拝を終え、次は鎌倉五山(鎌倉所在の格式が高いといわれる五つの禅寺)巡りに出発です。
 高徳院から一番近いのは、第三位の壽福寺になります。





● 亀谷山 壽福金剛禅寺
     (臨済宗建長寺派・鎌倉五山第三位)


壽福寺 山門



壽福寺 仏殿
 壽福寺は基本的にあまり境内を公開していません。





 次に、鶴岡八幡宮の前を通って金沢街道と呼ばれる道を進み、鎌倉五山第五位の浄妙寺を目指します。
 しかし、ここで異変が。金沢街道を自転車で走っていると、左ひざに痛みが生じたのです。運動不足によるものですかね。
 だましだまし自転車を走らせて、ようやく浄妙寺へ。





● 稲荷山 浄妙廣利禅寺
     (臨済宗建長寺派・鎌倉五山第五位)


浄妙寺 山門
 なお、この地域の名前は「鎌倉市浄明寺」といいます。妙が明に代わっているんです。



浄妙寺 本堂
 屋根が膨らんだようなカーブを描いています。



浄妙寺 喜泉庵(茶室)
 中で抹茶とお菓子をいただけます(有料)。僕も一休みして抹茶を楽しみました。
 枯山水庭園と水琴窟は必見&必聴です。



鎌足稲荷神社
 浄妙寺本堂の東側裏手にあります。飛鳥時代、藤原鎌足が霊剣を埋めた場所なのだそうです。
 ちなみに、このエピソードが「鎌倉」の名の由来になったとか。





 浄妙寺参拝を終え、竹林で有名な報国寺へ。
 ちなみに、この時点で正午を回っていましたが、昼食を抜いて散策を優先しました。
 結局、鎌倉名物の生しらすは食べることができませんでした。
 小雨はこの時点がピーク。あとは止んでいきます。





● 功臣山 報国寺
     (臨済宗建長寺派・別名「竹の寺」)


報国寺 山門



報国寺 本堂



報国寺 竹庭
 約千本もの孟宗竹が生い茂っています。とにかく見事。





 報国寺を後にし、いよいよ鎌倉五山第一位である建長寺を目指します。
 僕の膝の痛みもかなりひどくなってきました(苦笑)。





● 巨福山 建長興國禅寺
     (臨済宗建長寺派大本山・鎌倉五山第一位)


建長寺 天下門



建長寺 総門(巨福門)



建長寺 三門



建長寺 仏殿



建長寺 法堂



(右)大庫裏  (左)方丈と唐門
 とにかく規模が大きいお寺です。





 いよいよ膝が危うくなってきました。しかも時間も厳しくなってきたので、主要な建物のみを見る方針に切り替え、次の鎌倉五山第四位である浄智寺を目指します。





● 金寶山 浄智寺
     (臨済宗円覚寺派・鎌倉五山第四位)


浄智寺 惣門(高麗門)と甘露の井(左の蓋がしてあるところ)
 なお、正式名称に入る「金寶山(金宝山)」は、「金峰山」と混同されることもあるそうです。



浄智寺 山門(鐘楼門)
 珍しい中国式の鐘楼門です。



浄智寺 仏殿





 時間と体調に焦りながら、次の円覚寺へ向かいます。





● 瑞鹿山 円覚興聖禅寺
     (臨済宗円覚寺派大本山・鎌倉五山第二位)


円覚寺 総門
 円覚寺は横須賀線の線路のそばにあります。北鎌倉駅から歩いてすぐ。



円覚寺 山門



円覚寺 仏殿





 もうここでやめて鎌倉駅に帰ろうかと思いました。陽もかなり傾いてきましたし、膝も限界。
 しかし、次に鎌倉に来るのはいつになるかわかりません。次に来れる保証もありません。
 最後、気力を振り絞り、アジサイの名所として、且つ丸い「悟りの窓」で有名な、明月院を目指します。





● 福源山 明月院
     (臨済宗建長寺派・別名「あじさい寺」)


明月院 正面入口(奥に見えるのは総門)



明月院 参道(奥に見えるのは山門)
 6月頃は参道の両脇にアジサイが咲き誇るそうです。



明月院 本堂(奥の丸い窓が「悟りの窓」)
 本堂の前にある枯山水庭園も見事ですよ。





 明月院をあとにし、膝の痛みに耐えて必死で自転車をこぎ、鎌倉駅にたどり着きました。
 途中、土産物屋さんが並ぶ「小町通り」にも寄りましたが、買ったのはお香だけ(愛用のお香の本店があったため)。
 横須賀線で池袋まで直行し、帰途につきました。





 以上が今回の鎌倉旅行記になります。
 もうね、いっぱいいっぱいだったんですよ。膝が痛くて。
 鎌倉は平地じゃないんです。かなり坂が多いです。甘く見て「レンタサイクルで充分だろう」なんて思っていると、非常に厳しいことになります。
 歩いて回るなんてもってのほか。でも、車で回ると渋滞につかまります。結局はレンタサイクルが一番効率的なのかもしれません。

 鎌倉、いいところでしたよ。一日じゃ見足りないですね。
 またいつか、来たいです。