平成24年2月5日、6日 熱田・常滑・伊勢旅行記



 平成24年を迎え、僕は考えていました。「今務めている支社は、比較的休暇が取得しやすい支社だが、この春に転勤すれば、今の支社のようにはいかない。長野県南信地方にいる間に、比較的近い東海地方での用事は済ませてしまうべきではないだろうか。」と。

 東海地方での用事・・・。今現在、愛知県内には僕の友人が3人います。一人目は高校の同級生ですが、2年ほど前に長野県内で会うことができました。二人目は大学の友人で、彼の結婚式で会って以来5〜6年会っていません。三人目は社会人になってからの友人で、3年ほど会っていません。優先順位から行くと、やはり会うべきなのは長らく会っていない大学の友人という事になります。おそらく、複数の人と会うというのは、時間的にも体力的にも厳しいと判断しました。また、他の二人は出身が長野県なのでまだ何とかなると思いますが、この大学時代の友人は愛知県出身なので、長野県内で会うのを期待するのには少々無理があるかな、と。

 そして、伊勢神宮参拝。これは外せません。日本最高の聖地への巡礼。神社仏閣巡りが好きな僕が、まだ伊勢は行ってないのです。これは絶対に外すわけにはいきません。せめて一生に一度でも、伊勢には必ず行く。それは今かも知れない。

 ・・・腹をくくりました。費やせる時間は1泊2日。厳しい旅行になるのは端から承知。友人と会うのにはそこまで気合は必要ありませんが、伊勢神宮参拝は下手をすると本当に一生に一度のことになりかねません。出来る限り「あれをやっておけばよかった」という後悔を減らすために、インターネットで綿密に事前調査しました。そして「可能な限り古式ゆかしい正式な参拝を実施してみる事が、一番後悔が少ない事に繋がる筈だ。」という結論に達しました。

 「友人と会う」、「伊勢神宮参拝」。これに加え、「熱田神宮の再参拝」を目的とした、聖地巡礼が始まりました。






2月5日(日)・・・夜勤明け
 会社の夜勤を終え、午前8時30分過ぎに帰宅。準備をして午前9時20分頃自宅を出発。高速バスのバス停に向かう途中で、この日再会する予定の大学の友人T君から電話が来る。予定通り愛知に行けることを告げる。
 高速バスのバス停は、直近の有料駐車場が満車。仕方なく少し離れた有料駐車場に駐車し、午前10時台に高速バスで出発。名古屋へ。
 名古屋に到着後、すぐに名古屋駅近くのビジネスホテルへ。荷物を置いて、近くでタクシーを拾い、熱田神宮へ。

 熱田神宮は昨年10月に初めて参拝しているが、この時は会社の人たちと一緒だったため、じっくり参拝することができなかった。今回は宝物館、別宮八剣宮も時間をかけてゆっくり参拝した。休憩所内にある記念メダルも作成する。


熱田神宮 正門の鳥居



熱田神宮 別宮 八剣宮



熱田神宮 別宮 八剣宮の奥



熱田神宮 信長塀
 織田信長が寄進したとされている。日本三大土塀の一つ。



熱田神宮 本宮 拝殿



熱田神宮 本宮 本殿



熱田神宮 清雪門(せいせつもん)
 開かずの門。昔、御神体である草薙剣が盗難にあった時、犯人がこの門を通ったという事で、以来「草薙剣が二度と熱田神宮から持ち出されないように」と、閉ざされているらしい。


 熱田神宮を後にし、熱田神宮のそばにある圓通寺へ参拝。



補陀山 圓通寺(通称 秋葉山)
 曹洞宗の寺院。


 名鉄神宮前駅でから常滑へ。簡単に行けると思ったが、各駅停車だったので意外と時間がかかった。



名鉄 常滑駅前



名鉄 常滑駅前 陶製のピラミッド型モニュメント


 午後6時、名鉄常滑駅で大学の友人T君と再会。奥さんとお子さん二人も来てくれた。奥さんとお子さんは車で帰り、僕とT君は近くの居酒屋で飲む。会うのはT君の結婚式以来5〜6年ぶりになる。“友人が元気でいてくれて、幸せな家庭を築いている”。この事実を目の当たりにしただけでも今回の旅の目的は達成できたようなものだ。真剣な話、たわいもない話、いろんな話に花を咲かせた。
 ちなみに、夜勤明けで旅に出て酒を飲んだので、あまり飲まないうちに酔いが回ってしまったが、見苦しい真似はせずになんとか平静を保てた。

 午後9時台、T君と再会を願って別れ、名古屋行の電車に乗る。
 午後11時頃、名古屋に到着。ビジネスホテルに直行し、就寝。











2月6日(月)・・・2月4日(土)に勤務した代わりの休日
 午前4時起床。準備をして、午前5時10分、ビジネスホテルを出発(この時点で僕は一つ間違いを犯している。詳細は後程。)。近くのコンビニで前日着た衣類などを家に発送する手続きをしたが、店員の手際が非常に悪く、非常に時間がかかった。さすがにイラっとしたが、「せっかく伊勢神宮にお参りする日なんだから、怒っちゃいけない。」と我慢。午前5時23分、コンビニを出る。午前5時30分、近鉄名古屋駅の切符売り場に到着。「時間的には余裕があるな。」と思っていたら、到着した途端に電車が出発していった。どうも妙な気がして、慌てて手持ちのメモを確認すると、今出て行ったのが乗るはずだった始発。・・・僕は三重行きの始発はてっきり「5時50分」と勘違いしていたのだ。「コンビニの店員さんがスムーズに処理してくれていれば、それでも間に合ったのに」と後悔するも、そもそも時間を間違えていた僕にも問題があったわけであり、仕方ないので次の「本当に5時50分に出発する電車」で三重へ向かう。ちなみに、始発に乗れば乗り換えが少なく目的地近くに行けるはずだったのに、このミスのおかげで、目的地から少し離れたところで降りる羽目になった。

 近鉄伊勢市駅到着。しかし、駅前にタクシーが一台もなく、仕方がないのでそばにあるJR伊勢市駅に行き、タクシーで二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)へ向かう。ちなみに、このタクシーは午前中貸切状態にした。
 二見興玉神社は夫婦岩で有名だが、本来、伊勢神宮参拝はまず最初に二見興玉神社で禊(ミソギ)を行うのが正式らしい。タクシーを待たせている関係上、本格的な禊をする時間まではないので、その代わりとしてこの神社で売られている「無垢塩草」を身に着け、禊を行ったのと同じ状態になった。



二見興玉神社 夫婦岩
 正月はこの夫婦岩越しに見る初日の出の映像がよく流される。



二見興玉神社 本殿



二見興玉神社 無垢塩草(むくしおくさ)    ※ 帰宅後、自宅で撮影。
 二見浦で身を清めてケガレを祓って伊勢神宮に参拝するのが古来からの正式な手順だが、これを身に着けることで禊をしたのと同じになるという。


 タクシーで伊勢神宮外宮(豊受大神宮)へ。祀られているのは衣食住の神様「豊受大御神(とようけのおおみかみ)」。※「伊勢神宮」とは通称であり、正式名称は「神宮」といいます。しかし、熱田神宮についてもこのページで触れているため、以降分かりやすくするため「伊勢神宮」の呼称で統一します。

 真っ先に神札授与所に向かい、平成25年に行われる第62回式年遷宮の御造営資金を寄進する(金額は内緒)。この寄進により「特別参宮章」と書かれた神宮司庁発行のカードと記念の扇子、伊勢神宮の写真集をもらう。



特別参宮章     ※ 帰宅後、自宅で撮影。
 僕の名前はもちろんだが、他にも必要と思われる所に画像処理を施している。



御奉納の証書    ※ 帰宅後、自宅で撮影。
 折り目がついていることから、撮影のためにクリアファイルに入れて平らにしている。


 外宮の御正宮へ。ここで神職の方に先ほどもらった特別参宮章を提示。そうすると、通常は入れない外玉垣の中に入っての参拝が許される。これを正式参拝(通称・御垣内参拝(みかきうちさんぱい))という。

※ 注意
 御垣内参拝については結構誤解もあるらしいのですが、「幾ら払えば御垣内参拝ができる」という性質のものではありません。「入場料」でもなければ「権利料」でもないのです。式年遷宮の御造営資金を寄進することで、神職の方から「寄進に対するお礼」という御好意の上、させていただくものです。「御垣内参拝をしたいがためにお金を払う」というのは、むしろ不敬ではないかと思います。
 また、いくら寄進しても聖域に入るにふさわしくない服装では、御垣内参拝は断られます。最低限のドレスコードとして、男性は社会通念上常識の範囲内とされるおとなしめのスーツにネクタイ着用。靴はスーツに合わせられるような革短靴。女性もそれに準じた格好が原則。華やかさは不要です。これ以上ないくらい堅実な服装で臨む方がいいでしょう。なにせ聖域に入るのですから。



伊勢神宮 外宮 御正宮
 外宮の主祭神である豊受大御神が祀られている。鳥居のすぐ奥に見えるのは外玉垣南御門(とのたまがきみなみごもん)。



伊勢神宮 外宮 御正宮
 通常の参拝では、外玉垣南御門の中央に下がっている純白の絹の御幌越しに参拝するしかない(内宮も同じ)。御垣内参拝ではこのさらに奥へ行けるのである。



伊勢神宮 外宮 御正宮(鳥居の手前右寄りから、鳥居の左奥方向を写したもの)
 鳥居から奥は撮影禁止であるため、これが限界。左寄り奥の方に白いロープが張ってある。この先に入れるのは御垣内参拝を許された者のみ。


 外宮御正宮での御垣内参拝の様子は敢えて省略し、伊勢神宮内宮御正宮の御垣内参拝のところでその詳細を記す。流れは内宮の御垣内参拝とほとんど同じである。
 御垣内参拝終了後、外宮内にある別宮を巡る。



伊勢神宮 外宮 別宮 多賀宮(たかのみや)
 豊受大御神の荒御魂(あらみたま。穏やかな姿である和魂(にぎみたま)に対して、神威を示す力強い姿のこと。)を祀っている。外宮では御正宮に次ぐ格式がある。



伊勢神宮 外宮 別宮 土宮(つちのみや)
 外宮の神域の地主神が祀られている。



伊勢神宮 外宮 別宮 風宮(かぜのみや)
 風雨や天候を司る神様が祀られている。


 午前10時00分頃、待たせておいたタクシーで近くの神具店に行く。今回の旅行の買い物面での目的の一つ「白銅鏡」の購入のためである。神社や神棚には神鏡を置くことが多いが、中でも白銅製の鏡は最も貴重な物という事で、今回の内宮の御垣内参拝の際に小さな白銅鏡を身に着け、御利益を授かってこようと思ったからである。しかし、この店には僕が入店した時点で白銅鏡の在庫がなく、近くにある工場からすぐ取り寄せるという事だったため、白銅鏡が届くまでの間、先にタクシーで猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)へ参拝する。



猿田彦神社
 物事のスタート時、万事を良い方向へ導いてくれるとされる「お導きの神様」。


 猿田彦神社の入口でタクシーを待たせていたら、参拝を終えた女性3人組がそのタクシーに乗ろうとした。運転手さんと相談し、僕が猿田彦神社を参拝している間、タクシーは女性3人組を近くまで送り届け、再び猿田彦神社へ戻って来るという事になり、みんなが幸せになる方法で落ち着いた。女性3人組は「すみません。本当にありがとうございます。」と何度も頭を下げてくれた。いえいえ、お礼を言われるほどの事じゃない。「分け合えば足りる」ってやつだ。
 猿田彦神社参拝後、再び先ほどの神具店へ。もう品物は届いているだろうと思ったのだが、まだ届いてなかった。結構タイムロスしたが、ここでも「今日は伊勢神宮参拝の日だから、イライラしちゃいけない。落ち着こう。」と我慢。ようやく品物を手にしたのは午前10時40分頃だった。


 タクシーで伊勢神宮内宮(皇大神宮)へ。本日の参拝のハイライト。日本の神道の最高神である天照大御神が祀られている、日本最高の聖地である。詳細は後で述べるが、訳あってタクシーの中で万年筆などのいろんなアイテムをスーツのポケットに詰め込む。内宮駐車場に到着し、貸切状態だったタクシーと別れ、参拝開始。御正宮を目指す。



伊勢神宮 内宮 宇治橋鳥居と宇治橋
 ここを越えると神域である。



伊勢神宮 内宮 御正宮前石段



伊勢神宮 内宮 御正宮
 残念ながら、撮影はここまで。鳥居の奥の建物は外玉垣南御門。ここでの一般参拝のシステムは基本的に外宮と同じ。


 この日は雨が降っており、更に平日だというのに、かなりの参拝客でにぎわっていた。御正宮前の石段はかなり混雑。

 御正宮到着後、例の「特別参宮章」を神職の方に提示。外玉垣南御門の脇にある御垣内参拝者用の待機所に入る。
 先ほどの外宮のところでも触れたが、御垣内参拝はちゃんとした服装でしなければならない。神様に対する礼儀としてである。本来は羽織・袴。ただし、ちゃんとしたスーツでネクタイ着用、スーツに合わせた革靴という洋装でも許される。僕はこの日、スリーピースのスーツ、ネクタイはキトン、ワイシャツはチェスターバリー、靴はエドワードグリーンのチェルシー・・・という、僕が出来る範囲での最高の服で臨んだが、それに加え、ガラードのカフリンクス、ターンブル&アッサーのカラースティッフナー、母の形見のペンダントがついているネックレス、父から譲られたカルティエの腕時計を装備した上に、万年筆7本(万年毛筆1本含む)、モラビトのキーケース、札入れ(家族の写真入り)、コインケース(祖父からもらったイギリスのコイン入り)、コンテスの名刺入れ、エルメスのメモパッド、アスプレイのピルケース、象牙の認印とそのケース、竹刀用の鮫革鍔、購入したばかりの白銅鏡をポケットに入れ、空手の黒帯を懐に忍ばせたのである(外宮の御垣内参拝では万年筆以下のアイテムは忍ばせなかった)。これらは全て、持ち運べる限りの僕の宝物であり、「これらのアイテムと一緒に最高の聖域に入り、御利益を受け、“特別なアイテム”“一生の宝”として大事にしていこう。」と目論んだのである。コートや手荷物は全て御垣内参拝の前には預けることになってしまうので、このようにして装備したりポケットに忍ばせるしかないのだ。ちなみに、空手の黒帯については事前に神職の方に伺いを立てたところ、「手に持って入るのではなく、懐に入れてください。」と指導された。

 御垣内参拝が始まった。まず初めに待機所において神職の方に塩で清めてもらう。もう、この時点で周囲にいる一般の参拝客からは注目されている。それが終わると、神職の方に先導され、外玉垣の中へ入っていく。外玉垣の外にいる大勢の一般参拝客は「あの人誰?なんであの人は中に入れるの?」という視線を送ってくる。事前にインターネットで調べた際には経験者が「VIPみたいな気分になる」みたいなことを書いていたが、まさしくその通りだった。
 所定の場所で神職の方が少し離れて脇に立ち、僕は一人で内宮御正宮本殿の方向に正対した(本殿そのものはまだまだ奥にあり、屋根が見えるだけ。)。この時点で僕は天照大御神とその御神体である三種の神器の一つ、日本の至宝「八咫鏡」に最も近い場所に立つ参拝者となったわけである。感動と緊張。そして、小雨に煙る御正宮の圧倒的な姿に神々しさを感じながら、二拝二拍手一拝の作法で参拝した。
 御垣内参拝を終え、外玉垣を出た。正直、VIP気分や優越感なんかどこかへ吹き飛んでいた。正式参拝ができたという嬉しさでいっぱいだった。


 御正宮前の石段を下り、内宮の中にある別宮を巡る。



伊勢神宮 内宮 別宮 荒祭宮(あらまつりのみや)
 天照大御神の荒御魂が祀られている。


 神札授与所へ行き、御神楽の奉納のため初穂料を納める。内宮神楽殿へ。



御神楽の初穂料を納めた際の証書    ※ 帰宅後、自宅で撮影。
 折り目がついていることから、撮影のためにクリアファイルに入れて平らにしている。



伊勢神宮 内宮 神楽殿


 ここでは、神様が喜ぶという御神楽を神職の方や巫女さんが演奏し舞うことで特別に神様にお願いができる。控室で20分ほど待った後、神楽殿内部へ移動。僕を含め10人程の奉納者がいる中、御神楽が始まった。神職の方が祝詞を奏上し(この際、神様に対して僕の名前が読まれる)、続けて神職の方の演奏と巫女さんによる舞が行われた。厳粛な雰囲気の中、御神楽は終了し、御神楽を奉納したしるしとして特別な神札と神饌(神様にお供えした食べ物)をいただき、神楽殿を後にした。
 ・・・素晴らしく幸せだった。この御神楽も、普通に奉納する分には極端な高額ではないのだ(特別大々神楽とかになるとすごい高額になるが)。ちょっと奮発しただけで、御垣内参拝はできるし御神楽は奉納できるし、伊勢神宮の参拝ってこんなにいいものだったのかと、幸せなことこの上なかった。事前に調べておいてよかった。予備知識があれば、参拝の楽しみは何倍にもなるのだ。



御神楽を奉納した者のみに授与される神札「神楽大麻」(右)     ※ 帰宅後、自宅で撮影。
 比較のため、熱田神宮でいただいた一般的な大きさのお札を置いてみた。長さと厚みが全く違う。


 更に内宮の中にある別宮を巡る。



伊勢神宮 内宮 別宮 風日祈宮(かざひのみのみや)
 外宮の風宮と同じ神様が祀られている。


 内宮を出る際、宇治橋の欄干の擬宝珠の中に宇治橋の鎮守神である饗土橋姫神社のお札「萬度麻(まんどぬさ)」が納められているということで、触っておいた。


 内宮を後にし、門前町である「おはらい町」へ。



おはらい町


 ここで、お土産を購入して家に送ってもらう手配をしたり、松坂牛の串焼きを食べたり、伊勢うどんを食べたりしたが、特に買い物をする気はなかったので内宮前の駐車場に戻り、タクシー(午前中貸切状態だったのとは別の車)で内宮別宮の月讀宮(つきよみのみや)へ。タクシーはそのまま待機させておいた。



伊勢神宮 内宮 別宮 月讀宮 表参道入口
 内宮の中ではなく、離れた場所にある「境外別宮」。祀られているのは天照大御神の弟神「月讀尊(つきよみのみこと)」、その荒御魂、父神である「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」、母神である「伊弉冉尊(いざなみのみこと)」の4柱の神様。一か所に4つの別宮が存在している。



伊勢神宮 内宮 別宮 月讀宮以下四別宮
 右奥から左手前に向かって、
  月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)※A
  月讀宮(つきよみのみや)※B
  伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)※C
  伊佐奈弥宮(いざなみのみや)※D
となっている。ただし、参拝の順番はB→A→C→Dとしなくてはいけないらしい。


 実は当初、この月讀宮で参拝は終了する予定だったのだが、時間的に余裕があったので、急遽予定を変更し、近隣の二つの別宮を巡ることにした。
 内宮別宮である倭姫宮(やまとひめのみや)へ。



伊勢神宮 内宮 別宮 倭姫宮 表参道入口
 ここも内宮の中ではなく、離れた場所にある「境外別宮」。祀られているのは第11代垂仁天皇の皇女で伊勢神宮の設立に尽力した「倭姫命(やまとひめのみこと)」。大正時代に設立された新しい別宮である。



伊勢神宮 内宮 別宮 倭姫宮


 最後に、外宮別宮である月夜見宮(つきよみのみや)へ。



伊勢神宮 外宮 別宮 月夜見宮 参道入口
 ここは外宮の別宮である。外宮から離れた場所にある「境外別宮」。というか、なんと住宅地の中に鎮座している。祀られているのは月讀宮と同じ神様だが、なぜか字が違う。



伊勢神宮 外宮 別宮 月夜見宮
 ちなみに、近くには小学校がある。参拝中、小学校から童謡「おもちゃのチャチャチャ」が大きな声で聞こえてきた。すごく微笑ましかった。子どもたちの未来に幸多からんことを。


 タクシーでJR伊勢市駅に到着。駅の待合場で、伊勢名物である赤福1パック(3個入り)を買って食す。名古屋へ戻り、地下街でひつまぶしを食べた。

 名鉄バスセンターの待合所で休んでいた時、今回再会したT君に「もうすぐ長野に帰る」旨のメールを送信したところ、T君から電話が来る。ひとしきり話し、お互いに改めて再会を願った。名鉄バスセンターを午後7時に出発し、高速バスで長野へ。自宅到着は午後10時40分頃。








 ・・・と、今回の旅はこんな感じでした。なお、今回は時間がなかったので、旅先からの絵葉書替わりメールは誰にも送っていません。あしからず。

 ちなみに、伊勢神宮の別宮にあっては、外宮の別宮は
    多賀宮(外宮の中)
    土宮(外宮の中)
    月夜見宮(境外)
    風宮(外宮の中)
の4つで、これはすべて参拝できました。
 内宮の別宮は、今回巡った
    荒祭宮(内宮の中)
    月讀宮(境外)
    月讀荒御魂宮(境外)
    伊佐奈岐宮(境外)
    伊佐奈弥宮(境外)
    風日祈宮(内宮の中)
    倭姫宮(境外)
の7つの他に、
    瀧原宮(たきはらのみや・境外)
    瀧原竝宮(たきはらのならびのみや・境外)
    伊雑宮(いざわのみや・境外)
の3つがあるのですが、この3つはかなり遠いところにあるため(そもそもこの3つの別宮は「遙宮(とおのみや)」と呼ばれていて、その名の通りに内宮から離れているのです。)、参拝はできませんでした。当初から「今回の旅で巡るには物理的に無理がある」と考えていたので、仕方ありません。
 本当に、もう伊勢神宮参拝での悔いはありません。実際には「参道の脇にあった有名な石を見逃した」とか、そういう細かいミスはいくつかあったのですが、御垣内参拝と御神楽奉納のあまりの素晴らしさに、小さなことは吹き飛んでしまったという感じです。また機会があれば、参拝してみたいと思います。

 しかし、本当に来てよかったと思いました。「大学時代の友人に会う」「伊勢神宮を可能な限り正式参拝する」という大きな目的を1泊2日で成し遂げました。我ながらかなりすごいと思いますよ。御朱印も可能な限り頂いたので、神社用の朱印帳は一気に埋まっていきました。

 忙しい中、時間を割いて会ってくれたT君。本当に感謝します。家族との時間を奪ってしまって申し訳なかったのですが、数年に一度の事なんで許してください。
 「友人と会う」。楽しいことです。
 「会える友人がいる」。有難いことです。
 君にとっていつまでも良き友人の一人でいられるよう、僕も精進します。