平成27年5月18日 善光寺前立本尊御開帳参拝記


 長野市のシンボルである「定額山 善光寺」。仏教が各宗派に分かれる前から存在すると言われる日本屈指の寺院です。無宗派寺院ですが、管理は天台宗と浄土宗が行っており、天台宗と浄土宗の大本山でもあるという、複雑な立ち位置でもあります。
 この善光寺の本尊は、インドで作られ百済に渡り、西暦552年に仏教とともに日本に伝わった「一光三尊阿弥陀如来像」です。しかしこの本尊は絶対秘仏であり、誰も目にすることはできません。
 しかし、数えで7年に一度、「御開帳(ごかいちょう)」と呼ばれる期間があり、その期間だけは、本尊と同じ姿とされる、本尊の分身「前立本尊(まえだちほんぞん)」が本堂に安置され、目にすることができるようになります。
 そして、本堂の前の広場に「回向柱(えこうばしら)」と呼ばれる大きな木製の柱が立てられます。この回向柱は前立本尊と綱で繋がっており、回向柱に触れることで前立本尊に触れるのと同じ功徳があるとされているのです。

 この御開帳期間中、善光寺は大勢の参拝客で賑わうことになるのです。

 長野県民で、しかも神社仏閣への参拝が好きでありながら、一度も御開帳に行ったことが無かった僕は、「平日に休みが取れるこの日に行ってみよう。」と思い立ち、新幹線で長野へ行きました。




JR長野駅
 なんか、駅に見えませんね・・・。




 長野市街地は御開帳ムード一色です。

 ちなみに、JR長野駅から善光寺までは約2キロメートル程度です。緩やかな上り坂になります。




 ここまでは商店街という感じなのですが、ここから先は善光寺の「領域」という感じが強くなります。




立札




 平日、しかもまだ午前8時半ころですので、人もあまり多くありません。・・・しかし、1時間半後にはここが大混雑となります。奥に見えるのは仁王門です。




善光寺 仁王門
 言っておきますが、まだ混雑していないんですよ。

 仁王門をくぐると、仲見世通りになります。




仲見世通り
 奥に見えるのは山門です。




善光寺 山門
 期間限定かもしれませんが、山門は多分有料で登ることができます。




山門の額




山門から見る本堂
 回向柱が立っているのが分かります。




善光寺 本堂 及びその前に立つ回向柱
 回向柱の大きさは、45センチメートル角、高さ約10メートルです。




回向柱
 撮影時刻は午前8時半過ぎです。まだ参拝客はまばらです。2分程度待てば回向柱に触ることができました。




 回向柱と本堂の間に綱が渡されています。この綱は「善の綱」と呼ばれていて、本堂の内々陣に安置されている前立本尊と繋がっています。




回向柱に結び付けられた「善の綱」



 まずは回向柱に触れます。

 次に、内陣参拝(有料)で、比較的近い所で前立本尊に参拝をしました。なお、この前立本尊はあまり大きな仏像ではありません。前立本尊は当然ながら、本堂内は一切撮影禁止なので、画像はありません。御了承下さい。

 内陣参拝後は、お戒壇めぐりをしました。この「お戒壇めぐり」とは、内陣の地下の回廊を、暗闇の中、手探りで歩き、本尊の真下にあるという「極楽の錠前」に触れることを目的としたものです。この極楽の錠前に触れると本尊と縁を結べるのだとか。

 お戒壇めぐりの後は、善光寺如来の宝印を頭に捺してもらう「御印文頂戴」です。印を捺してもらうと言っても、跡や朱肉の類は残りません。宝印と呼ばれる、錦のクッションで包まれたもの(的を得た言い表し方が思い浮かばないので、これで理解してください)を頭の上から押し付けてもらう感じです。

 その後、史料館で特別展示品を拝観しました。また、史料館内で「般若心経の中から一文字選んで、願い事と一緒に書いてください」というイベント(?)をやっていたので、「羯」の一文字を書いておきました。

 最後に御朱印をいただこうかと思ったが、この時点で時間は午前10時過ぎ。境内は相当な混雑になっていました。御朱印の列もかなりの長蛇になっていて、御朱印の担当職員の話では、「受付にたどり着くまでに1時間以上。御朱印を書いてお渡しできるようになるには更に2時間半以上かかる。」ということなので、今回は御朱印は諦めました。2年前に善光寺に来た時に御朱印はいただいていますしね。




 僕が帰る時にはこの混雑。これで土日だったら更に混雑するんでしょうね。回向柱目当ての人の列は本当に長蛇の列で、最後尾に看板を持って整理にあたっていた警備の人は「回向柱に触れるまで90分以上待ちです。」なんて言ってました。



 仲見世通りや商店街で買い物をし、午後4時くらいに新幹線で帰りました。



 いやー、平日で、しかも早い時間に行って良かったですよ。午前9時半を過ぎたあたりから急に混雑してきましたからね。
 今回は御朱印をいただけなかったのが残念と言えば残念ですけど、まあ、仕方ないです。

 次の御開帳も来たいですね。