平成23年10月26日〜27日 名古屋旅行記


 名古屋という都市は、これまでほとんど未知の世界と言ってよいほど、縁が無い場所でした。
 多分、子供のころに行ったこともありません。少なくとも記憶にはありません。高校生の時だったと思うのですが、修学旅行で、新幹線に乗り換えるために名古屋駅のホームに降り立ったことはあります(駅から出ることはなかったのですが)。
 その後、社会人になって、大学の友人の結婚式出席のため愛知県内に行き、その帰り、名古屋駅前を3時間ほどふらついてみたのが実質的な「初・名古屋」。この時、名所等は一切まわりませんでした。
 他にも、会社の出張で、わずかながら車で通過したことがあるなど、名古屋は僕にとって、「接点はあるが縁は無い」と言える位置づけでした。

 そんな平成23年10月、ついにその状況を打破する機会が来ました。会社で、数人のグループを組んで親睦のためのレクリエーションを実施することになったのです。別に僕はこの時「この機会を利用して名古屋に行きたい」と強く思っていたわけではないのですが、グループのリーダー(定年間近の人)が僕に「レクリエーションは、京都か名古屋で一泊の旅行を計画してくれ。」と依頼してきたのです。
 京都については、既にプライベートで4泊5日の旅行を計画していたので、僕は「京都はプライベートで行く予定ですしね。しかも、この時期の京都は紅葉目当ての観光客と修学旅行生で宿がとれませんよ。」と言って、強引に名古屋に決めてしまいました。・・・いえ、嘘をついたわけではありませんよ。確かにこの時期の京都は、宿がとりにくいし、とれても割高なのです。

 レクリエーションのグループは5人。僕が最年少。他の人が車を出してくれて、車での旅となりました。




10月26日(水)休暇

 朝8時半に会社を出発。高速道で名古屋へ。最初は名古屋港水族館。プライベートの旅だったらまずまわらない場所だが、レクリエーションなので仕方ない。ちなみに、僕たちが名古屋港水族館に行くことを知った女性社員から「ペンギンの写真を撮ってきてください」と依頼されていたので、普段ならばあまり撮らない生物にカメラを向けていた。


イルカのショー


ウツボと小さなエビ


ペンギンのツーショット

 まあ、それなりに「来てよかったなあ」と思えるものだった。水族館内のレストランで昼食。ひつまぶしを食べた。

 熱田神宮へ。三種の神器の一つ「天叢雲剣(草薙剣)」が安置されている場所。


熱田神宮 本宮 拝殿


熱田神宮 本宮 本殿(画像右寄りの、屋根の上に勝男木が10本並んだ建物)

 ここで、三種の神器について少し説明しよう。三種の神器とは「八咫鏡(やたのかがみ)」「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」の事であり、歴代天皇が継承してきた宝物である。八咫鏡は伊勢神宮に御神体として安置、天叢雲剣はこの熱田神宮に御神体として安置、八尺瓊勾玉は皇居にある。歴代天皇が継承してきたと言っても、八咫鏡と天叢雲剣は本体そのものは皇居にはなく、それどころか、本体そのものを天皇が実見する事すら通常許されていないらしい。従って、歴代天皇が実際に継承し管理しているのは、八咫鏡と天叢雲剣にあっては形代(かたしろ。本体の代わりとなる分身。)。そして本物の八尺瓊勾玉となる。

 僕はもっとしっかりと熱田神宮の境内を見たかったが、グループの他の人がさっさと帰りモードに入ってしまったので、仕方なく熱田神宮を後にする。
 名古屋駅近くのビジネスホテルにチェックイン。夕食まで自由時間となったので、僕は今使っている財布を作ってもらったブランド(本社はフランス。日本代理店が名古屋。)の日本代理店を見ようと思い、地下鉄を乗り継いで行ってみた。結構小さい店舗だった。ちょうど人が出払っていたらしく、ドアが施錠されていた。店舗の中に入ることはなく、名古屋駅に戻る。
 夕食はグループみんなで名古屋駅地下街で味噌カツを食した。夕食後は再び自由時間。一人で名古屋駅周辺を散歩。




10月27日(木)休暇

 朝食は名古屋駅地下街で、有名な「名古屋のモーニング」を体験。コーヒー一杯の値段でサンドイッチ、パン、ゆで卵食べ放題だった。・・・が、量で満足というのはどうも合わず、「せっかくだから、少し高くても特別なものや質の良いものが食べたいなー。」と感じた。
 ホテルをチェックアウトし、名古屋城へ。名古屋城天守閣は空襲で焼失し、戦後再建されている。


名古屋城 天守閣。この角度から見る天守閣は横幅がある。


金のシャチホコ


別角度からの天守閣。この角度からの天守閣はスマートさ、シャープさが感じられ、絵的に映える。

 ここでも集団行動のデメリット。グループの他の人は天守閣だけ見て帰りモードに突入してしまった。僕は大慌てで、城郭内の他の建物は一部しか見ることができなかった。

 徳川美術館へ。内部の撮影は出来なかったが、刀剣・茶道具の名品を鑑賞。ミュージアムショップでも買い物。隣接する徳川園も見学。


徳川美術館


徳川園

 名古屋から離れ、どこかの超大型ショッピングビル内で昼食(中華バイキング)。で、帰路についた。




 ・・・と、こんな感じでした。

 とにかく、他人と一緒だとまともに観光を楽しめないってことがよくわかりました。しっかり写真を撮る時間が確保できません。

 今回の旅行は実際には「仕事の一環」でしかないので、気楽な観光というわけにはいかなかったのですが、逆に「仕事」と割り切ってしまうことで、「仕事で名所をまわらせてもらったんだから、文句を言っちゃいけないか。」と、半ば無理矢理にではありますが、自身を納得させることもできました。
 次に名古屋に来る時は、徳川美術館をじっくり見ます。熱田神宮もちゃんと見ます。少し足を伸ばして、犬山城も見ます。・・・2泊くらいは考えないといけないかな。