蝶の交尾を考える
                        遠藤英實 作 0 初めに 1 前書き 2 交尾いろいろ 3 交尾飛翔形式なるもの 4 終わりに 0 初めに 蝶の交尾の問題は、蝶屋を惹き付けるテーマである。 とは云っても、諸問題をすぐ交尾活動に結びつけてしまうのは問題だ。 例えば、蝶の山登りは交尾に関係があるのか? 「ある」かも知れない。「ない」かも知れない。 いずれにしろ、「ある」ことを示す“十分な”データがないのなら 「ない」としか云えないのではないか。 「ある」といいたいのなら、それは「自分の推測」である。 「推測」でも面白い推測なら結構なのだが、 “統計学”だの“外国文献”だのを持ち出して来て、 あたかも、“自然科学における真理”であるかのように吹聴するのは、 大いに嘆かわしい。 これは、例えばSTAP細胞のO女史への取り扱いに比べて不公平と云わねばならない。 これまで私が取り上げてきた内容は、これまでの観察の結果の纏めと途中経過の説明である。 今迄のところ新発見はないけれど、永くやっていればそのうち何か見えてくるかも知れない。 メンデルのように! 或いは何もなく空しく終了していくだけかも知れない。 映画「西部戦線異状なし」のように! 私は映画しかみていないけれど、 それにしても、あの最後のシーンに出てくる蝶、 あれはヨーロッパの蝶か、米国の蝶か? 米国産とすると(多分そう)、お手軽な映画という気もしてきて、 感動して損した気分にもなってくるのである。 1 前書き 交尾シーンはなかなか目撃出来ない。 私ばかりではなく、ウェブサイトを見ても、各位難攻しているようである。 その原因を調べてみるに  @ 発生個体数  A 交尾時間帯 交尾時間  B 交尾場所  C 目立つか否か が関係しているようだ。(当たり前か) @ 発生個体数  ・ヒメウラナミジャノメの場合、   多摩川河川敷の1化の目撃回数は、最多の日で700回/日であった。   調査地域4ヶ所での2012〜2014年を合計すると、目撃回数は、推定5万回位か。   一方、交尾目撃回数は合計93回である。割合から云えばさほどでもない。  ・モンシロチョウ、モンキチョウ、ヤマトシジミの場合、   多摩川河川敷で、多い日は50〜100匹目撃する。   勿論普通種であるが、ヒメウラナミジャノメ程多くはない。   ところが、交尾目撃回数は、最多5〜7回/日であり、多分ヒメウラナミジャノメよりも多い。  ・キタテハの場合、   多摩川河川敷での1H程度の散策では、   10回〜20回/日で、前掲の種程ではないが、やはり極凡種と云える。   ところが私が目撃した交尾は、この十数年で1例だけなのである。 だから、個体数と交尾目撃回数はさほど連動しないようだ。 A 交尾時間帯 交尾時間 交尾は夜間行われるのではないかという推測があるが、 私が目撃した範囲では、それはヒメアカタテハのみであった。 他種は日中に目撃され、例えば1時間程度その場を離れ戻って来てみると、 殆ど姿を消していた。多分交尾も終わっていたのだろう。 (因みに、ヒメウラナミジャノメの交尾時間は、18分〜2H超であった。) それにしても交尾時間は同じ種でも変動が大きい。 注入される精子の数に関係するという説を読んだことがある。 (つまり、雄の精子の数が減っていると時間がかかる。) 研究の結果なのかダボラなのか判然としないのが、蝶学の特徴である。 B 交尾場所 この項目が重要だと思う。  ・モンシロチョウ、モンキチョウ、キチョウ、ヤマトシジミの場合、   遊歩道沿いで堂々と交尾しているから見つけ易い。  ・ヒカゲチョウ類(クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ等)の場合   笹薮に潜り込んで交尾しているようなのだ。   これではみつけられない。  ・コムラサキの場合、   昔目撃した記憶があるが、最近は目撃していない。   多分交尾は、樹上でなされるのではなかろうか?   話は逸れるが、アフリカの巨蝶アンティマクス、ザルモクシスは雌が得難いので有名である。   巨木(50〜100mか)の樹上が棲み処で、そこから降りてこないのだそうだ   雄だけが生息パッチ間を飛び交うのでしばしば採集される。   これらの蝶(雌)は、交尾どころか姿すら見せてくれないのである。  ・キタテハの場合、   凡蝶の割には、交尾シーンは目撃しにくい。   ヒメウラナミジャノメの産卵シーンを求めて草むらをかき分けていた時   やっと1例を見つけた。   キタテハは、草むらに入り込んで静かに交尾しているのである。   これでは見つけにくい。   ところが、交尾拒否シーンは頻繁に目撃されるのである。   雄が交尾を仕掛けると、   雌はその場で(路傍でも)直ちに固まってしまうのだ。   3ペア固まっての交尾拒否を目撃したことがある。   雌は翅を閉じていて目立たないけれど、   雄が黄色い表翅をパタパタさせるから、目立つこと著しい。   交尾の時は雌が適切な場所へ誘っているようだから、   やはり交尾(つまり種の保存)は雌主導なのかな?   アカボシゴマダラも然りである。  ・モンシロチョウの場合、   (既に報告済みだが)どうも雌主導のようには思われない。    雌は、雄に翻弄されているように思える。 C 目立つか否か モンシロチョウ、モンキチョウ、キチョウは、緑の草叢の中で 堂々と交尾をしている。当然目立つ。 隠蔽色なんぞ関係ないという趣である。 ところが、あきらかに 隠蔽色と思われる蝶もいる。 結局、蝶界に統一ルールなんぞ無いということか。 何千万年も生き延びてきたのだから、当然と云えば当然である。 そう云えば、メスグロヒョウモンの雌には、 擬態のモデルがいないと不思議がっていた先生がいた。 百年前はいたかも知れないではないか! 2 交尾いろいろ(以下順不同)     16・5・13                16・08・06 アカボシゴマダラの交尾シーンは未だ目撃していない。 ところが交尾拒否シーンは、かくの如く案外目撃する。 これはヒメウラナミジャノメと同じ行動で、 とにかくその場で固まってしまう。 とにかく雄を嫌っているようで、何とも云えず可笑しい。       14・09・09             16・5・24 2匹+1匹                      隠蔽色の写真テングチョウ       ニイニイゼミ キチョウの交尾は良く目撃する。 とにかく目立つのである。 この場所にはスズメやツバメやムクドリがよく飛び交っている。 こんなに目立つのに、襲っているシーンは見たことがない。何故だ! 参考までに擬態(=隠蔽色)の写真も示す。 見事な擬態の例もあれば、擬態なんぞしていない例もあるということである。 ほんの一部の写真を取り出して、 擬態だ!擬態だ!と大騒ぎするのはどんなものだろう?     12・6・22              13・10・28 モンキチョウの交尾、右側は、黄+黄である。 交尾は良くみかけ、黄+黄もそれ程珍しくはない。 面白いのは雄雌間の行動である。 雄雌間の強烈なバトルはしばしば見かけるが、 穏やかな飛翔も良く見かける。 とはいっても、どちらも交尾には結びつかないのである。 結局は、穏やかに分かれていく。 ところが交尾そのものは珍しくはないのだから、不思議なのである。   13・08・16 十数年前は、コミスジは東京都心部では珍しかったようだ。 自然教育園(港区)では、貴重種!と紹介されていた。 多分この頃が、都心部の蝶の最悪期ではなかったろうか。 ところが今は(他の蝶の推移をみても)、少しずつ復活しているように思う。 コムラサキ、ヒオドシチョウ、テングチョウ、トラフシジミetc もっとも、変な記録も現れて戸惑う。 例えば、自然教育園にウスバシロチョウという記録があったようだが、流石に可笑しい。 もっとも、食草にくっついてきたという反論もあった。 ゴイシシジミという記録のあったようだが、これは可笑しくはないか・・     14・05・09               15・8・15 左は、ジャコウアゲハの交尾のペアに、他の雄が邪魔をしている写真である。 絵になる蝶なのだが、交尾は意外に珍しい。 思うに(他のアゲハもそうだが)、 「羽化して直ちに交尾に入り、交尾は1回だけで雌はすぐ産卵に入る」 のではなかろうか? 何故なら豪快な交尾拒否の争いなんぞ殆ど目撃したことがないから。 キアゲハの交尾、交尾拒否をそれぞれ一度目撃した。豪快であった。 アゲハチョウが植木の下で交尾しているのを一度目撃した。 多分他の雄に妨害されて逃げ込んだのだろう。)     13・08・17              17・5・9 閉じ加減 ダイミョウセセリは大抵翅を開いているが、 交尾の時もかくの如く共に翅を開いているのである。 とは言っても、閉じている時、閉じ加減の時もある。(交尾例ではないが。)        11・8・28               12・6・07               19・03・11 キタテハの、左側は交尾、右側の二つは交尾拒否の写真である。 かくの如く、交尾は草むらでヒッソリと行われる。 ところが交尾拒否の場合は場所を問わない。 雌はその場で固まってしまう。 雄はせわしなく羽ばたいたり閉じたりする。だから場所によっては相当目立つのである。     11・9・9               12・7・1 オオチャバネセセリ 盛岡市 秋空を背景にイチモンジセセリの見事な交尾風景だったけれど、 私がつまらないトリミングをしてしまった。雄大な背景も入れるべきであった。 写真の巧拙には拘らない(拘る程の力量はない)私だけれど、 この一枚は残念と思っている。 やはり盛岡市はいろいろなセセリがいるから興奮する。   14・9・9 ツバメシジミも緑の中で良く目立つ。     14・10・25 ヤマトシジミの、交尾―>交尾解除への瞬間である。 この後の光景は覚えていないのだが、ヒメウラナミジャノメについては覚えている。   雄は直ちに飛び去ったのである。(数例)   雌はそこに留まっていたが、やがてヨロヨロと飛び立ち、数m先で止まった。   雄が直ちに飛び去ったのは、   「一緒にいると目立つから襲われやすい」と、“判断”したのだろうか?   それとも、雌が忌避剤でもかけて追っ払ったのだろうか? 交尾の観察は難しい。 その場所を短時間離れて戻って来るとまだ交尾中、 長時間離れると姿を消している。 こうなると他の観察が出来ないから、いずれにしろ観察を断念することになる。   15・5・22 テングチョウも個体数は少ないわけではなく、このように堂々と交尾をしているのだが、 眼に触れる機会は少ない。 ところでこれも、擬態というのだろうか? コノハチョウの擬態については諸説あるようだが、 テングチョウの場合はどうなのだろう? 前掲ニイニイゼミの場合は、 より紛らわしい位置へじりじりとにじり寄っていくのだから、 紛れもなく擬態だろう。 テングチョウの場合は、カマキリによる実験をしたくなる。 カマキリは捕食するか?気がつかないか? 交尾目撃数も少ないし、テングチョウが可哀そうでもあるし・・   15・5・22 コムラサキ、左が雄である。 狭いエリアで頻繁に見かけるのだが、 殆どが雄同士の闘いで、このようなシーンはあまりみかけない。 コムラサキでさえこうなのだから、況やザルモクシスに於いておや! 雌を目撃するのは、  ・産卵途上  ・樹液へ  ・花へ吸蜜(一度だけ)  ・地面へ吸水(一度だけ) 吸蜜の時は、ギャラリー衆、同情していた。 樹液がないからなぁ・・・     19・4・13 スジグロチョウの交尾である。 私は眼が悪いから、モンシロチョウとの識別が難しい。 嘗て、モンシロチョウは都会、スジグロチョウは追われて山間部へ、 なる主張があった。そのような棲み分け理論は、私は当時から信用していなかった。 今は(今も)混然一体となっているように思うが、どうだろう。 そう云えば昔(大昔)、 「スズメが都会では減っている」 という主張をNHKがしていた。 NHKの伝播力は凄まじく、私の蝶友は今でもその説を信じている。 しかしながら、どういう場所でどういうサンプリングをしたかが重要なのである。 実際当時も、北の丸公園や千鳥ヶ淵公園では、沢山のスズメが群れ飛んでいた。 **閑話**            世田谷某公園のベンチでウトウトしていたら肩の辺りがモゾモゾする。    子雀が止まっていたのである。    生れて初めての経験だった。    (足元にスズメやハトが群がりよって来るのは良く経験するが。)    食べ物を与えたら啄んだ。それを見た犬が走ってきて子雀を蹴散らした。    それでも私の傍にいる。ハトが寄って来て、また子雀を蹴散らした。    この子雀は何を考えていたのだろう?     12・5・7                15・11・28 縁逆光 ベニシジミには、正常型、白化型、黒化型、黄化型と多彩だが、 左の写真は、正常型と白化型の交尾である。 だから、型は季節に縛られるというわけでもなさそうだ。 右側の写真は、交尾とは関係がない。綺麗な縁を自慢したかっただけである。 とは言っても各位腕自慢が多いから、私のこの程度では自慢にはならないか・・ ところで以前、或るベニシジミの論文で 「その場に留まっている時間は、1日の活動時間の8割」なる観察報告があった。 各位観察してみれば分かるけれど、このようなデータなど取りようがないのである。 蝶は、高温、低温、曇り、雨、人混み、で直ちに姿を消すのだ。 姿を消さなくても飛び廻り、草むらに逃げ込む。 私は嘗て、ヒメウラナミジャノメの“ランダム・ウォーク”の実験(=遊び)を 暇つぶしにトライしたけれど、2,3時間で断念した。 金を貰って“研究”しているプロは真面目に研究しろと云いたい。 そして、廻りの研究も真面目に監視しろといいたい。    12・9・16 2ペアのヒメウラナミジャノメの交尾である。 ヒメウラナミジャノメについての諸性質、つまり、   発生個体数、交尾時間帯、交尾場所、目立つか否か どれをとっても、もっと多く交尾が目撃されて良いのにそれ程でもない。 千鳥ヶ淵公園の遊歩道沿いの植木で交尾していた。 ひっきりなしに人が通る。 それでも動ずる様子は更になく、悠々と交尾を貫徹していた。 タフな神経だと思った。 蝶の生態観察に、  神経が強靭か、脆弱か なるファクターは入るのか? 例えばジャッカルやコヨーテは近縁種に比べてタフだから 堂々と繁栄しているらしい。弱いのに。   13・7・12          12・9・16  イ        ロ            ハ            ニ ヒメジャノメはタフな蝶である。個体数の割には交尾を良く目撃するし、 他種(専ら同一科内ではあるが)の交尾にも干渉する。 写真上は、交尾中のヒメウラナミジャノメを監視(邪魔)するヒメジャノメである。 写真下4枚は、交尾に入る瞬間の動作である。   ・雌を葉上に見つけた雄が近づく。   ・葉上で多少ウロウロし、すぐ交尾に入る ヒメウラナミジャノメの場合は、空中で絡み合い葉状で直ちに交尾に入る。          14・09・06 15:13             17・7・8 17:24 ヒカゲチョウ乱舞域  ヒカゲチョウの交尾である。 目撃回数が少ないのは、時間帯が遅いからではなかろうか? 別の年になるが、右の2枚の写真では、ヒカゲチョウが10数匹乱舞していた。 (飛び交っているのだが、私の腕では撮れない。) その目的は不明だったが、交尾の為であったとしたら交尾の目撃は難しい。 (場所から云っても、時刻から云っても。)   17・06・02 コジャノメの交尾写真は僥倖と思っていたが、ウェブサイトをみると 極端に珍しい程ではないらしい。 ただ如何せん、個体数が少ないからなかなか交尾を目撃出来ない。 広い観察域の藪中を、ただ一匹所在無げに飛ぶが如く漂っている。 哀愁を感じさせる蝶である。     12・08・24 交尾拒否       14・8・30 ヒメジャノメと サトキマダラヒカゲもクロヒカゲに劣らず、藪中の住人のようだ。 但し、樹液に関してはもっとも活発に群がり寄って来る。 発生初期、林の中を多数のサトキマダラヒカゲが活発縦横に飛び交っているのを目撃する。 私は、この行動が交尾と関係があるのではないかと思っている。 交尾は未だ目撃していないけれど、交尾拒否は数回目撃した。 雌はピクリともしない。雄もピクリともしない。 ヒメジャノメは相変わらずストーカーである。 クロヒカゲの交尾は相変わらず目撃出来ない。 ただ、2019年に入って多少調査が進展したのでいつか報告する。 3 交尾飛翔形式なるもの 交尾飛翔形式なる用語が巷に氾濫している。 (アマチュア向けの絵合わせ図鑑にまで。) 交尾は私も散策中に良く見かけるので、勉強してみようと思った。 ところが交尾飛翔形式なるものの解説が見当たらないのである。 辛うじて「蝶の分類に使う、云々」なる解説を目にしたことがある。 「雄主導」、「雌主導」なる2カテゴリーのキーを、 分類キー列のどこに挿入する積りなのだ。 それとも、「殆ど雄主導」、「殆ど雌主導」、「どちらとも云えない」 なる意味不明のカテゴリーまで取り込む積りなのか??? そもそもそのような概念は、アマチュアの絵合わせに必要なものなのか? やっと、「鱗翅類の交尾形式」 https://ci.nii.ac.jp/naid/110007630983を見つけた。 著者等は蛾が専門のようだ。 抄録しか読んでいないけれど、蝶に関することを取り出すと、  ・交尾形式と交尾飛翔形式とは違う。  ・蝶は外部から干渉しなければ静止したままである。  ・無理に飛び立たせれば飛び立つであろうが、それは本来の交尾飛翔形式ではない。   (然らば、「本来の交尾飛翔形式」とは何か? という疑問が湧いてくる。)  ・これまで報告されている蝶の観察結果は信用出来ない。 つまり(少なくとも蝶にかんする限りは)、全く無意味な研究と云っているように思える。 それにしても、こんなつまらない概念を後生大事に アマの絵合わせ図鑑に迄、大量に持ち込むなんて!! 白水隆氏は若い頃、アオスジアゲハについて“この研究”を行った。 この論文は私も持っている。 その後、白水氏の、大要以下のような文章を読んだことがある。  「交尾飛翔形式を軽視する向きがあるが、これは大変な誤り云々・・」 (私は、原典は忘れたが、白水崇拝者なら知っているだろう。) どうも、この白水氏の癇癪が出発点のようだ。 そこで、弟子筋の先生方、慌てふためいて何が何だかわからないままに、 とにかく一生懸命あちこちに“研究成果”を書き散らして回ったということではないか? 下らないことに国の金を使わないで、ツマジロクサヨトウの対策の方にでも廻してくれ!    4 終わりに 十数年前から、蝶を求めての散策を再開した。 理由は色々あれど、一つは蝶界に対する漠然とした疑問である。 どうみても“自然科学部門の論文”とは程遠いものが、 “大学教授の権威”の基に、“意味不明の衣”をかぶって徘徊しているからである。 恰も“共産党宣言の名文句”を彷彿とさせる!  “蝶道”、  “占有行動”、  “雌を巡っての闘い”、  “交尾飛翔形式”、  “蝶の分析に関する統計的手法”  “遺伝子解析的手法” 云々。 最後のものは私にもさっぱり分からないけれど、 分子生物学のプロに云わせれば、 「ドシロートにそんなことが出来るものか!」だって・・ 難しい話はいずれまた ということで今回はヘビについての話題提供。   某公園を散策していてヘビに出会った。 未だ目撃していないシロマダラではないかと興奮した。 ウェブサイトで調べると、アオダイショウの子どもであった。 こういう子どももいるわけだ。ヘビの子どもの識別は難しい。 こういうヘビに道端で出くわすと大騒ぎになる。 そして、こういうヘビは必ず殺されるのだそうだ・・ 私も子どもの頃はヘビを殺してしまった。  今でも胸が痛む。     某公園を散策していて子ヘビに出会った。 紛うこと無きアオダイショウの子ヘビであった。 (目をみれば分かる。) 命名者はこういうヘビを最初にみて、“アオ”と命名したのではなかろうか? それともこの頃は、皆このような色だったのか? 外国のアオハブやグリーンマンバ(の写真)を見ているようだ。 取り出そうと手を伸ばしたら咬みついてきた。 逃げ場がないのなら反撃するに決まっている。 これを以て、“ヘビは気が荒い”という連中は思慮がないと思う。 結局、シロマダラやタカチホヘビには会えそうにもない。 サイトで活躍を目にする剛の者連中が羨ましい。 ティータイム(その1) 「不思議なシマヘビの物語 (野川で出会った“お島”)」
ティータイム(その2) 「ミノムシ 《皇居外苑北の丸公園の蓑虫》」
ティータイム(その3) 「ゴイシシジミ讃歌」
ティータイム(その4) 「空飛ぶルビー、紅小灰蝶(ベニシジミ)」
ティータイム(その5) 「ヒメウラナミジャノメの半生(写真集)」
ティータイム(その6) 「蝶の占有行動と関連話題」
ティータイム(その7) 「ヒメアカタテハの占有行動」
ティータイム(その8) 「オオウラギンヒョウモン考」
ティータイム(その9) 「ヒメウラナミジャノメの謎」
ティータイム(その10) 「コムラサキ賛歌」
ティータイム(その11) 「散歩しながら動物行動学を学ぶ」
ティータイム(その12) 「”お島”ふたたび」
ティータイム(その13) 「オオウラギンヒョウモン考(再び)」
ティータイム(その14) 「謎の蝶 ヒメアカタテハ」
ティータイム(その15) 「我が隣人 ヒメアカタテハ」
ティータイム(その16) 「オオウラギンヒョウモン考(三たび)」
ティータイム(その17) 「姿を顕さない凡種、クロヒカゲ」
ティータイム(その18) 「微かに姿を顕したクロヒカゲ」
ティータイム(その19) 「不可解な普通種 ヒメジャノメ」
ティータイム(その20) 「散歩しながら動物行動学を学ぶ ― 蝶の知的生活―」
ティータイム(その21) 「オオルリシジミを勉強する」
ティータイム(その22) 「集結時期のヒメアカタテハを総括する」
ティータイム(その23) 「毒蛇列伝」
ティータイム(その24) 「東京ヘビ紀行(付記 お島追想)」
ティータイム(その25) 「ヒメアカタテハやクロヒカゲの占有行動は交尾の為ではない(序でに、蝶界への疑問)」
ティータイム(その26) 「ヒメアカタテハの越冬と発生回数」
ティータイム(その27) 「鳩山邦夫さんの『環境党宣言』を読む」
ティータイム(その28) 「蝶の山登り」
ティータイム(その30) 「今年(2019年)のヒメアカタテハ」
ティータイム(その31) 「今年(2019年)のクロヒカゲ」
ティータイム(その32) 「蝶、稀種と凡種と台風と」
ティータイム(その33) 「ルリタテハとクロヒカゲ」
ティータイム(その34) 「ヒメアカタテハ、台風で分かったこと」
ティータイム(その35) 「「蝶道」を勉強する」
ティータイム(その36) 「「蝶道」を勉強する 続き」
ティータイム(その37) 「ミツバチを勉強する」
ティータイム(その38) 「「蝶道」を勉強する  続き其の2」
ティータイム(その39) 「里山の蝶」
ティータイム(その40) 「岩手の蝶 ≒ 里山の蝶か?」
ティータイム(その41) 「遺伝子解析、進化生物学etc」
ティータイム(その42) 「今年(2020年)の報告」
ティータイム(その43) 「徒然なるままに 人物論(寺田寅彦、ロザリンド・フランクリン、木村資生、太田朋子)」


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