不可解な普通種 ヒメジャノメ
                遠藤英實 作  目次  0 はじめに  1 生息環境  2 成蝶の好物  3 個体数  4 花との関係  5 配偶行動(交尾)  6 配偶行動(交尾拒否)  7 追飛  8 不可解その一  9 不可解その二  10 おわりに 0 はじめに このような本がある。    「チョウ 富士川から日本列島へ」 高橋真弓著 築地書館 日本の二大不人気種、キマダラヒカゲ(二種へ)とヒメジャノメ(二種へ)について 著者は赫々たる成果を収められた。 それも、組織に頼らず利用せず、野外での蝶の一睨み、二睨みから 研究をスタートさせたのであるから、大いに恰好が良いのである。 とは云っても、私はそれに肖ってヒメジャノメの観察を始めた訳では勿論ない。 先ず、ヒメウラナミジャノメが楽しい蝶だったからである。 そして、ヒメウラナミジャノメの廻りをトコトコ徘徊しているヒメジャノメも ついでに見物しようと思ったからである。 後で見るように身の周りの蝶も十分謎を提供してくれる。 1 生息環境 文献、及び私の調査を大雑把に纏めると以下のようになる。  ・ヒメウラナミジャノメ    幼虫の食草:  イネ科 カヤツリグサ科    成虫の栄養源: 主に花    産卵場所:   草むら(=散卵と云うらしい)  ・クロヒカゲ    幼虫の食草:  タケ科    成虫の栄養源: 樹液等(花以外)    産卵場所:   タケの葉  ・ヒメジャノメ    幼虫の食草:  タケ科 イネ科 カヤツリグサ科     成虫の栄養源: 樹液等(花以外)    産卵場所:   上記の葉     ヒメウラナミジャノメは最早、竹や笹には依存していないと思うけれど、 まだ樹林から完全にフリーというわけではない。 「ヒメウラナミジャノメの謎」参照。  クロヒカゲは、完全に竹林の住人である。 ヒメジャノメは、その中間だろうか。 高橋氏はヒメジャノメを、“かなりのしぶとさをもった昆虫”と表現している。 これは、彼らにとって正にピッタリの表現だと思う。以下、その説明。 先ず、上記「ヒメウラナミジャノメの謎」に登場する大緑地には必ず生息している。 また竹藪、笹薮のあるちょっとした緑地、神社などにも生息している。 そして移動性(ビオトープ間飛翔程度)が強いから、都心の遊歩道のあちこちに出没する。 例えば、 世田谷区の緑道     渋谷駅近くの高貴な邸宅(外側) 目黒川の遊歩道 かと云って、増えすぎて鬱陶しいという訳では決してない。 慎ましく生きているのである。 (ヤマトシジミ、モンシロチョウ、キチョウ、ツマグロヒョウモン、 秋口のイチモンジセセリ、ウラナミシジミの方がどちらかと云えば鬱陶しい。) かくして、意外性などまるでない。 (と、思っていたが・・) 2 成虫の好物 良く知られているように、花は好まない。 樹液、腐果、獣糞、分泌物を好む。   柿             竹の分泌物 ところが、嫌いな筈の花を味わっているシーンに出会った。   雌が酔芙蓉を味わっている。 雄が交尾を迫っている。 雌は全く雄を無視して味わい続けているのが、何とも云えず可笑しい。 「姿を顕さない凡種、クロヒカゲ」で クロヒカゲの孤独ぶりを述べたけれど、食事時は別のようで 樹液に数匹が群がっているのを目撃したことがある。 雌は確かに吸蜜していると思う。 傍で、ヒメウラナミジャノメも吸蜜している。きっと旨いのだ。 3 個体数 発生回数は多分3回、5月後半〜、7月〜、9月後半〜、と思うが、 (ヒメウラナミジャノメ程、)分離された三つの山があるわけではない。 前掲の書で、中筋房夫氏のテーマ 「なぜイネの主要害虫にならないのか」に触れておられる。 「若齢幼虫のイネの葉への喰いつきの悪さ」も原因の一つらしいが、 害虫というのなら結局、個体数が問題になるのではなかろうか? いくらイネが旨くても被害が少ないのなら害虫にはならないし、 害虫にしてはならないだろう。 生きとし生けるもの、生きる権利はあるのだから! 先ずヒメウラナミジャノメの成虫の個体数を示す。 私の観察期間内での、各緑地の最大目撃個体数とその時期である。   ・北の丸公園       137匹 2014年3化   ・野川河川敷(一部)   894匹 2012年1化   ・多摩川河川敷(狛江市) 736匹 2015年1化    ・生田緑地         71匹 2012年1化 ヒメジャノメは、と云うに、 この時期、野川河川敷(一部)では70〜80匹程度であった。 つまり、ヒメウラナミジャノメの1割程度だったと思う。 4〜5kmの距離に70〜80匹であるから、相当慎ましく生きていることが分かる。 あちこちに大量に出没する鬱陶しい蝶というわけではないのだ。 なお、「森の中でひっそり生きている」というわけではない。 ヒメウラナミジャノメ程には開放的ではないということである。 ヒメウラナミジャノメと違って、成虫が花に依拠しているわけではないし、 卵も草むらに産みっぱなし(=散卵)というわけではないのだから。 4 花との関係 高橋氏は、水田への進出が小さい(―>森から離れられない)理由として、 成虫の、樹液や腐果への依拠(=花への依拠がないこと)を挙げておられる。 次の仮説はどうだろうか?  ・花への依拠がないのなら、必然的に個体数も限られてくる。  ・逆に花へ移行すると、個体数も大きくなり得る。 ヒメキマダラヒカゲ 子供のころ、焼石岳(岩手県、奥羽山脈)に登った。相当に懐の深い山で、 延々と登ったが、絶え間なくヒメキマダラヒカゲが現れるのである。 500匹以上は数えたと思うが、どこまで数えたかは覚えていない。 (理由があって数えた訳ではない。単に蝶を数えるのが趣味だったから。) 図鑑を見ると、この蝶は花が大好きのようだ。 ベニヒカゲ 子供のころ、焼石岳や早池峰山(岩手県、北上高地)に登った。 頂上近くにベニヒカゲが無数に展開していた。 (2次元的に展開しているから数えようがない。) この蝶も花が大好きのようだ。 ヒメウラナミジャノメ 蝶の大発生というのは凄まじく、わたしは多摩川(立川市)でヒメウラナミジャノメの 大発生を狭いエリアで目撃したことがある。 500、1000なぞ問題外、10000或いはそれ以上と思われた。 竹藪から解放されたジャノメチョウ科は大発生し易いようだ。 5 配偶行動(交尾) 交尾は頻繁に目撃される。  (私の観察の範囲での配偶行動のフランク度は、   個体数を考慮しなければトップはヒメウラナミジャノメ   個体数を考慮すればトップは、ヒメジャノメかヒメアカタテハである。   これの対極にいるのがクロヒカゲであろうか。) 以下のような交尾の例は、頻繁に目撃する。 交尾例1          交尾例2 下の写真は、私の自慢の写真である。  @ 雄が飛び回っている  A 葉上の雌を見つけて近づく。  B 雌、少し逃げる  C すぐ交尾をする。 見かけるのは大抵、Cだけの写真である。 @〜Cまで揃っているのはあまりないのではないか。 ヒメウラナミジャノメとの違いを説明する。 ヒメウラナミジャノメは空中で絡みあった後(@)、 葉上に2匹が舞い降り(A)、 直ちに交尾する(C)。 つまりBの行動をとらない。 ヒメジャノメはBで、多少雌が逃げるのである。これが、ティンバーゲン先生の ハイイロジャノメの雌雄の挨拶行動に相当するのであろうか? @             A B             C 6 配偶行動(交尾拒否) 交尾拒否も頻繁に目撃される。 拒否する雌はフリーズ状態になるが、勿論しっかり相手を見据えている筈だ。 以下は、雄が多少動き回っているが雌は全く無視している光景である。可笑しい。 この蝶があまり尋常ではないのは、他種に対しても交尾を仕掛けることである。 (勿論、全く無視されるが。) とは云っても、相手が同じジャノメチョウ科ばかりというのが面白い。 アゲハチョウの探雌行動における疎探索は視覚ということになっているが、 ヒメジャノメの場合はどうなのだろう? 視覚だけからジャノメチョウ科だけを探し当てているのだろうか? 左 ヒカゲチョウ  左 ヒメウラナミジャノメ 奥 サトキマダラヒカゲ かくの如く、ヒメジャノメの性行動は極めて活発なのだが、 個体数はそれ程でもないのである。 7 追飛 「原色日本蝶類生態図鑑(W)保育社」のヒメジャノメの項で、 高橋氏は以下の報告をしている。 大要、   「追飛行動中の2匹の♂を発見・・・、付近のシモツケの葉上に翅を閉じて    静止している1匹の♀が見られ・・追飛行動はその後14分間にわたって中断なく    続けられ・・」     私も、追飛行動は何度か見かけた。例えば以下。 @目撃スタート 16:07 A          B C           D          E繁みに消えていった16:11                                                                     雌は見かけなかったが、一度だけ妙な光景を目撃した。以下。  ・2匹が追飛行動をしている(多分雄同士)。雌は見つけられなかった。   藪の近くを、かなりの速さで飛ぶので撮れない。  ・突然、もう1匹が乱入して2匹を蹴散らした。多分雌だと思う。  ・すると最初にいた中の1匹が、飛び込んできた1匹に絡みだした。  ・飛び込んできた1匹は、繁みに逃げ込んだ。  ・以下、写真に続く。    全景          @ 1匹が逃げ込む14:44 A 2匹目が来る     B 揉みあい    C 1匹が去る14:45 人間の行動に投影してみたくなるが、止めておく。 「蝶は旨い花を記憶出来る」という論文を読んだことがあるが、 これは関連ホルモンの消長で説明出来そうな気がする。(単なる感想だが。) 高橋氏の例や本例の方が、いかにも“判断込みの知能”を感じさせる。 8  不可解その一 ヒメウラナミジャノメは、1化――>2化――>3化の順に個体数は小さくなっていく。 これは、寒い国からやってきた蝶の特徴らしい。(寒さに強く暑さに弱いから。) とは云っても、必ずしもそのルールに従っているというわけでもない。 それはそうだろう。 何十万年、何百万年もその地、その地に順応して生き抜いてきたのだから。 (そもそも、蝶の来歴やルーツなんぞ、果たして蝶のお勉強に役立っているのだろうか?) 生田緑地の各期の最大個体数を示す。       多摩川の2014年のみの各期の最大個体数を示す。       北の丸公園の2013年、2014年の各期の最大個体数を示す。       (北の丸公園は、千鳥ヶ淵、牛ヶ淵の土手も生息地になっている。 この場所は調査出来ないので、全体の概観、つまり全体として単調減少になっているか 否かは観察出来ない。) 各調査地とも、2014年3化が異常発生しているが(赤色)、特に北の丸公園が顕著である。 「2014(一部)」について説明する。   「100〜120m * 20〜30m」の、立ち入り可能で十分見通しの良い林がある、   ヒメウラナミジャノメはこのエリアをいたく気に入っている。   2014年3化では、このエリアのみに126匹発生した。   この数値を上記野川河川敷に単純に当てはめると、   3000〜4000匹という途方もない数値になる。 とは云っても、ヒメウラナミジャノメのこの数値だけに私は驚いたわけではない。 むしろ、ヒメジャノメの数値の方に驚いたのである。 上記エリアのヒメジャノメ等の個体数を示す。 (このエリア内で発生したのは確かである。周囲は舗装道路で行き来は殆どないから。)       ヒメジャノメは、前述の野川河川敷(4〜5km)全体と同じ位の発生数である。 通常の年は各期とも、このエリア内でのヒメジャノメ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカ ゲの発生数は、共に数匹である。 2014年の3化のみ、ヒメウラナミジャノメとヒメジャノメは異常発生し、 そして次の年から通常に戻っていった。 これは何だったのだろう?   ・既に十分袂を分かった筈の(つまり生活様式が異なっている)    ヒメウラナミジャノメとヒメジャノメが、どうして示し合わせたように    異常発生したのだろう?   ・ヒカゲチョウやサトキマダラヒカゲは、どうして通常通りだったのだろう?    ヒメジャノメは、寧ろヒカゲチョウの方に近いのではないか?   ・気温や照度は計らなかったけれど、多分関連はないだろう。    他の凡種(モンシロチョウ、キチョウ、コミスジ、ツマグロヒョウモンetc)は    通常であった。   ・ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、上記各種、シジミチョウ各種を合わせれば    この狭いエリアに300匹以上の蝶がひしめいていたのである。    大層異常であった。    (とは云っても、大方の人は何とも感じないだろう。     木の葉と同じと思っているだろうから。)   ・生息密度がこれ位になると、ヒメジャノメもイネの害虫になるのだろうか?    私の子どもの頃のイナゴのように。(あれは酷かった。) “お神酒徳利”なる言葉があり落語にも出てくる。いつも連れ立っている似たような二人 のことである。だから、ヒメウラナミジャノメとヒメジャノメは“お神酒徳利”とは云え ない。 都心周辺では、ヒメウラナミジャノメのいる場所には必ずヒメジャノメも周囲に散見する が、逆は真ではないからだ。それでも、私は“お神酒徳利”を思い出す。 2014年のこの時の光景が強烈だったから! これが、不可解の例その一 である。 9  不可解その二 次のような論文がある。       「森林総合研究所多摩森林科学園のチョウ相 松本 和馬                  森林総合研究所研究報告 2006」 その中で著者は、ヒメジャノメについて述べている。  「現在も市内に普通に産するとされるヒメジャノメは、過去に科学園に   生息していた可能性は極めて高いが、これまで注意して探したにもかかわらず発見で   きないので、現在では生息していないと考えられる。ヒメジャノメが生息していない   ことは不可解で、理由は明らかではない。松田(1998) は 1993~1997 年の高尾周   辺での調査に基づき本種が「普通」であるとしているが、最近になって急に衰退した   可能性もあり、またあまり関心を持たれることのない種なので、減少していても気づ   かれていない可能性もある。・・  」 大いに興味を惹かれて私も2回(ヒメジャノメの都心周辺での最盛期5月、7月)に 観察に行った。ヒメウラナミジャノメは活発に飛び交っていた。 こうした場所を探していれば、普通はヒメウラナミジャノメに交じって、 10匹に1匹位の割合でヒメジャノメにも遭遇するのだが、全く目撃出来なかった。 やはりいないのだろう。 「最近になって急に衰退した可能性もあり・・」と著者は述べているが、 そのような可能性などあまり考えづらい種なのである。 「高地だからいない」というのも理由になりそうにもない。 何故なら、同じ位平地を好むヒメウラナミジャノメはいるのだから。 それに、より高地の高尾周辺でも本種は「普通」としているではないか。 こちらはお神酒徳利とは正反対の例であるが、前者と合わせて “背中合わせのお神酒徳利”とでも云いたくなってくる。 これが、不可解の例その二 である。 10 終わりに ヒメジャノメは、  “節操もなくチョコチョコどこにでも現れる蝶”  “常識的で退屈極まりない蝶” というわけではなさそうだ。彼らは、何千万年も生き抜いてきて、 今の生き方に到達したのである。 我々人間にとって、その行動は当たり前であったり、意表をつくものであったりする。 人間が蝶の世界の“法則或いは行動原理を解明する”のはつくづく大変なことと思う。 “不可能”と思った方が楽しく付き合える。 松本氏の論文を読んで、思ったことを脈絡もなく書く。 @ 種類数 科学園 :            60種以上 生田緑地、野川河川敷(一部) : 60種(私の確認) 自然教育園(港区) :      50種位 (科学園は現況がやや不明だから60種以上とする。  23区の蝶は、全て生田緑地、野川河川敷(一部)にも生息する。) 多少の出入りはあるが、科学園と生田緑地、野川河川敷とがほぼ同じというのは驚きである。 そして更に驚くのは、自然教育園と科学園とではそれ程差がないことである。 (両者の場所と面積を比較して欲しい。) シベリア型だの中華型だの里山の蝶だの、どうでもいいのではなかろうか。 知ったところで、分布の謎の解明には役に立ちそうにないと思う。 A ジャノメチョウなど  以下の箇所がある。  「ジャノメチョウ、ギンイチモンジセセリ、ミヤマチ ャバネセセリも   市内では衰退傾向にある草原性種で、科学園は生息不可能とはいえないが   好適な環境は乏しく、 現在知られる生息地からも遠い。」 ギンイチモンジセセリやミヤマチ ャバネセセリは、野川公園(三鷹市)の 極々狭いエリアに辛うじて命を繋いでいる。(<――私でさえ2〜3日で踏み潰せそうな エリア。)そして科学園の方がどうみても、“好適な環境”なのである。 彼らがこの地にいないのは、“不適な環境”のせいではないと思う。 深刻な理由なのか、単純な理由なのかは分からないが。 私はジャノメチョウに関心をもっている。 東京の都市部周辺では、ヒメウラナミジャノメ以上に衰退している。 私は、昭和記念公園(立川市)、小山田緑地(町田市)しか知らない。 2011年と2012年、野川河川敷に突然現れそして姿を消した。 移動距離が大きく、そして方向も一定していないのではないか。 あの野川河川敷の彼らは、どこからやって来てどこへ去っていったのだろう? 盛岡市では、私の自宅近くの林に棲んでいる。 林といっても、林の内部の“貧弱な草原”である。ここから一部が外部の河川敷などへ 放浪の旅に出るようだ。今でも草むらは存続しジャノメチョウも存続している。 草むらが存続しているのは、存続させる人間側の理由があり、その為に適宜草刈りしてい るからである。(もし理由がなくなって)芝刈り機を使えば、1日で草原は消滅し 従ってジャノメチョウも消え去る筈である。 ジャノメチョウは相当気難しい蝶であると思う。 つまり、草むらを伝っての拡散或いはビオトープ間移動を抑えきれない蝶。 然らば、昭和記念公園(立川市)、小山田緑地に何故いるのか? いずれにしろ、彼らが科学園にいないのも“不適な環境”のせいではないだろう。 B ヒョウモン類 生田緑地、野川河川敷でのヒョウモンは  ミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、ツマグロヒョウモン である。 科学園でのヒョウモンは  クモガタヒョウモン、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、ツマグロヒョウモン である。 ウラギンスジヒョウモンはどちらからも姿を消している。 ウラギンヒョウモンも消えた。盛岡市ではまだまだ元気なのに。 オオウラギンスジヒョウモンが科学園にいないのは何故だろう? 都心では(例えば、自然教育園でも)ミドリヒョウモンとお神酒徳利なのである。 C 多様性指標 論文で「多様性指標」が計算されているが、これには驚いた。 このような広大な緑地で、生息する蝶を数えあげていったのだろうか?  論文の説明箇所を読んだけれど、要するに何をしたのか、どうやって計算したのか、 皆目分からないのである。 むしろ、以下の箇所に賛成する。  「一定のルートにこだわらず対象地をくまなく歩いて任意採集を行う方が効果的である。   これまでの任意採集による調査に加え、森林総合研究所に保存されている標本の調査   も行った結果、科学 園のチョウ相はほぼ解明できたと考えられる。」 だが、これでは“計算”出来まい。そして私は、こんな計算など無意味であると思う。  「ヒメウラナミジャノメの謎」 付記 個体数の算出法 参照されたし。 ティータイム(その1) 「不思議なシマヘビの物語 (野川で出会った“お島”)」
ティータイム(その2) 「ミノムシ 《皇居外苑北の丸公園の蓑虫》」
ティータイム(その3) 「ゴイシシジミ讃歌」
ティータイム(その4) 「空飛ぶルビー、紅小灰蝶(ベニシジミ)」
ティータイム(その5) 「ヒメウラナミジャノメの半生(写真集)」
ティータイム(その6) 「蝶の占有行動と関連話題」
ティータイム(その7) 「ヒメアカタテハの占有行動」
ティータイム(その8) 「オオウラギンヒョウモン考」
ティータイム(その9) 「ヒメウラナミジャノメの謎」
ティータイム(その10) 「コムラサキ賛歌」
ティータイム(その11) 「散歩しながら動物行動学を学ぶ」
ティータイム(その12) 「”お島”ふたたび」
ティータイム(その13) 「オオウラギンヒョウモン考(再び)」
ティータイム(その14) 「謎の蝶 ヒメアカタテハ」
ティータイム(その15) 「我が隣人 ヒメアカタテハ」
ティータイム(その16) 「オオウラギンヒョウモン考(三たび)」
ティータイム(その17) 「姿を顕さない凡種、クロヒカゲ」
ティータイム(その18) 「微かに姿を顕したクロヒカゲ」
ティータイム(その20) 「散歩しながら動物行動学を学ぶ ― 蝶の知的生活―」
ティータイム(その21) 「オオルリシジミを勉強する」
ティータイム(その22) 「集結時期のヒメアカタテハを総括する」
ティータイム(その23) 「毒蛇列伝」
ティータイム(その24) 「東京ヘビ紀行(付記 お島追想)」
ティータイム(その25) 「ヒメアカタテハやクロヒカゲの占有行動は交尾の為ではない(序でに、蝶界への疑問)」
ティータイム(その26) 「ヒメアカタテハの越冬と発生回数」
ティータイム(その27) 「鳩山邦夫さんの『環境党宣言』を読む」
ティータイム(その28) 「蝶の山登り」
ティータイム(その29) 「蝶の交尾を考える」
ティータイム(その30) 「今年(2019年)のヒメアカタテハ」
ティータイム(その31) 「今年(2019年)のクロヒカゲ」
ティータイム(その32) 「蝶、稀種と凡種と台風と」
ティータイム(その33) 「ルリタテハとクロヒカゲ」
ティータイム(その34) 「ヒメアカタテハ、台風で分かったこと」
ティータイム(その35) 「「蝶道」を勉強する」
ティータイム(その36) 「「蝶道」を勉強する 続き」
ティータイム(その37) 「ミツバチを勉強する」
ティータイム(その38) 「「蝶道」を勉強する  続き其の2」
ティータイム(その39) 「里山の蝶」
ティータイム(その40) 「岩手の蝶 ≒ 里山の蝶か?」
ティータイム(その41) 「遺伝子解析、進化生物学etc」
ティータイム(その42) 「今年(2020年)の報告」
ティータイム(その43) 「徒然なるままに 人物論(寺田寅彦、ロザリンド・フランクリン、木村資生、太田朋子)」


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